2014年に登場したヤマハの3輪コミューター「トリシティ125」の兄貴分モデルとして2017年1月にデビューしたのが、この「トリシティ155」である。ヤマハが新たなコミューターマーケットを開拓すべく開発を手掛けてきたリーニングマルチホイール(LMW)バイクの第2弾モデルという位置づけになる。ちなみに第3弾は845ccエンジンを搭載した大型3輪バイクの「NIKEN」だ。
デビュー時の「トリシティ155」は、ぱっと見、同年式の弟分「トリシティ125」と大きな差は無いように見られる。しかしながら、フレームからエンジンに至るまで専用設計となっている(後に125ccモデルはフルモデルチェンジを行い本モデルと同系統のエンジンとフレームに変更した)。
パワートレインは、低フリクションを追求して開発されたヤマハの次世代エンジン「BLUE CORE」を採用。水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒の155ccで最高出力は8,000回転で15馬力を発揮。高速時に吸気バルブが切り替わるVVA機構を搭載しており、155ccモデルだからこそ可能な高速道路走行も気持ちよく楽しめる。燃費性能は、リッターあたり41.7km(WMTCモード)で、燃料タンクは7.2L仕様。
ちなみに「NMAX155」もVVA機構搭載の同系「BLUE CORE」エンジンを搭載している。
125ccモデルとは異なりABSは標準装備だ。また、ブレーキはフロントリア共にディスクのトリプルディスクだが、さらに専用ドラム機構のパーキングブレーキも搭載している。操作はトグルレバーのワンタッチ式で停止時の利便性に配慮した仕様になっている。
デビュー時は、ホワイト・マットブラック・マットブルーの3色展開で、2019年にはマイナーチェンジを実施しカラーチェンジとシート高を15mm低い765mmとし足つき性が向上した。その後は、2020年にもカラーチェンジを実施しているが仕様変更は行われていない。

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解説記事更新日：2021年09月21日

2017年にヤマハから新登場したトリシティ155。
トリシティ125の大排気量モデルとして登場し、エンジンには水冷4ストロークSOHC単気筒を搭載。最高出力は15PS/8,000rpm、最大トルクは1.4kg-m/6,000rpmを発揮。
排気量アップによって高速道路も乗れるようになり、前二輪になっている事で通常の二輪車の大敵である横風に強い事も特徴の一つだ。
カラーバリエーションにはマットビビッドパープリッシュブルーメタリック1、ホワイトメタリック6、マットブラック2の3色を設定。
新車販売価格は42万円だった。
基本的なシャーシは兄弟車の125ccモデルと共通しているが、155ccモデルのエンジンはヤマハの目玉商品であるブルーコアエンジンとなっており、さらにブルーコアエンジンの中でも同ヤマハのNMAXと同様に当時の最新式を採用。オフセットシリンダーやオールアルミのDiASil（ダイアジル）シリンダー、コンパクトなラジエーターや可変バルブVVAなどトリシティシリーズの上位モデルらしく豪華にアップグレードされていた。
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解説記事更新日：2021年11月29日

マイナーモデチェンジを受けて発売された2019年モデルのトリシティ155。
シートの形状変更により足つき性をアップ、シート高は先代比で-15mmの765mmとなった。
カラーバリエーションにはマットグレーメタリック3、ホワイトメタリック6、マットビビッドパープリッシュブルーメタリック1の3色を設定。
新車販売価格は44万円だった。
トリシティシリーズに対するユーザーの要望として一番多いのは「屋根が欲しい」だという。ADIBAの確かにコケ辛そうで商用バイクとして成り立つ気もするが、ヤマハはトリシティに屋根をつける気はなさそうだ。その理由として車体の値段が跳ね上がることとだ。事実、ADIVAの200cc屋根付き3輪バイクAD1 200の2019年モデルは70万円（税抜）、ご存知50ccの屋根付きジャイロキャノピーの2017年モデルは51.9万円（税抜）と大幅に高いのである。
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解説記事更新日：2021年11月29日

カラーチェンジを受けて発売された2020年モデルのトリシティ155。
カラーバリエーションにはブルーイッシュグレーソリッド4、ホワイトメタリック6、マットグレーメタリック3の3色を設定。
新車販売価格は44万円だった。
転びづらいという点が前面に出ており、バイク好きよりもバイクに乗ったことのない層をターゲットにしていることは明白な本車だが、実はオフ車として面白いのではないかという意見も多く、ブロックパターンのタイヤを履かせて悪路を疾走したり、チェーンを巻いてスノーモービル風に遊ぶ事も可能であるということで密かに前二輪のオフローダーとして花を咲かせつつあるようだ。
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解説記事更新日：2022年01月09日

トリシティ155は、フロント2輪+リア1輪のバイクです。あえてバイクと書きましたが、道路交通法上は「特定二輪車」に該当し、道路運送車両法では「側車付オートバイ」に岩頭します。必要な免許は、普通自動二輪免許（AT限定でない）です。
3輪なのにトライクに分類されない理由は、前輪がバンクすることです。傾く（リーン）逆向き（リバース）のトライクであることから、「リーニングリバーストライク」と呼ばれることもあります。トリシティの「トリ」は「3つ」の意味でもあります。

最大の特徴はフロントの2輪で、コーナーを旋回するときに左右フォークは平行を維持しながら伸縮します。同じサイズのタイヤに比べて設置面積は2倍となるため、グリップ力と安心感は増しています。ただし停止状態でも2つのフロントホイールは自由に傾くため、停止状態では足を着かないと安定しません。
「トリシティ」シリーズは、2014年に【トリシティ】（125cc）が発売され、2017年に【トリシティ155】が、2020年に【トリシティ300】が発売されています。
トリシティ155が得たアドバンテージは、155ccとなることで高速道路や自動車専用道路が走れるようになったことです。タンデムも可能で、トップケースなどを追加すれば1泊タンデムツーリングなども可能です。
ABSは標準装備、ヘッドライトはLEDです。

2019年に初のマイナーチェンジ、シート高を15ミリ低下、シートのフィット感を向上。
2020年モデルはカラーチェンジのみ。
カラーのラインナップは、《ブルーイッシュグレーソリッド4》《ホワイトメタリック6》《マットグレーメタリック3》です。なかでも、ブルーのホイールと左右フェンダーのグラフィックが特徴的なブルーイッシュグレーソリッド4は印象的です（写真）。
トリシティ125から続くトリシティ155の系譜は、ニッチな市場および新たなバイクユーザーを開拓したと言っていいでしょう。一見近未来的に見えるデザインも、見慣れてくると機能的です。何より、フロント2輪という安定感はトリシティならではのものです。
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解説記事更新日：2023年10月19日

フロント2輪という特徴的な構造で2017年に国内発売された「トリシティ155」は、2023年式でデビュー初となる型式変更を伴うマイナーチェンジが行われた。これまでのSG37J型からSG81J型に世代交代となり以下のアップデートを受けている。

・エンジン仕様変更
・排ガス規制適合
・足回り仕様変更
・スマートキー採用
・カラーチェンジ

搭載するエンジンは環境性能に優れた「BLUE CORE」ユニットとなるが、シリンダーヘッドは新設計で吸気バルブ径の拡大なども施されたニュータイプ。各部の仕様変更で令和2年排ガス規制に適合した。
最高出力は8,000回転15馬力、最大トルクは6,500回転14Nmというスペック。ピークパワーは従来モデルから変わっていないが、トルク特性に関しては先代モデルの6,000回転14Nmからやや高回転型へと変化した。新機能として、ヤマハオリジナルのアイドリングストップシステム「Stop & Start System」を採用。
足回りは、リアサスペンションの設計変更で乗り心地性能が向上。車体もホイールベースが従来比で60mmロング化されたことで、より安定した走行性能を実現した。フレーム周りのアップデートでフットボードサイズも延長されているので足元空間が広くなり解放感のあるサイズに仕上がっている。ホイールサイズは、フロントが14インチに2輪構造でリヤは13インチ。安全装備としてABSが標準装備となる。
ちなみに弟分モデルの「トリシティ125」も同じタイミングでマイナーチェンジが行われたが、従来のABSグレードが廃止されて前後連動型ブレーキ仕様の1グレード展開に変更されていた。
本モデルの機能装備面では、スマホアプリ「Y-Connect」を介してメーター内にスマホ通知やバッテリー残量といった情報を表示することができる。さらにスマートキーシステムが新たに採用されたことでメカニカルキー操作不要でエンジンの始動が可能となった。
各部のブラッシュアップでマシンの完成度が高められた2023年式の「トリシティ155」は、3カラーバリエーションで展開。価格は従来モデルから8万2,500円の値上がりとなる56万6,500円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2023年05月08日