ヨーロッパで1990年代終盤に登場して以来、人気モデルとなったミドルクラススポーツ「FZS600」がフルモデルチェンジする形で登場したマシンが「FZ6」シリーズだ。
ネイキッドスタイル「FZ6-N」とハーフカウルを装着した「FZ6-S フェザー」の2グレードを展開。2003年8月にヤマハモーターヨーロッパNVで2004年モデルが発表された。
車体はヤマハオリジナルのCFアルミダイキャストの新設計フレームを採用。パワーユニットは600㏄スポーツ「YZF-R6」譲りのDOHC4バルブ水冷4ストローク並列4気筒エンジンを搭載。燃料供給方式はフューエルインジェクション仕様だ。デビューモデルの最高出力は12,000回転で98馬力を発揮。マシンコンセプトとしてはオールラウンダーモデルのため、「YZF-R6」のエンジンがベースとはいえ、カムプロフィールの変更や吸排気管系統の最適化で低中速域の扱いやすさを重視したセッティングが施されている。マフラーはシートカウル下部から2本出しスタイルでレイアウトされているが、実際の構造は4in2in1である。トランスミッションは6速リターン式を採用。
ライバルモデルとしては、カワサキの「ZR-7S」が比較対象になるだろう「ゼファー750」ベースのDOHC2バルブ空冷並列4気筒エンジンを搭載。やや立ち気味のシールドを採用したハーフカウルを装着し、最高出力は9,000回転67馬力だった。
「FZ6-S フェザー」の足回りは、フロントにインナーチューブ43mm径の正立フォークを装備し17インチホイールとダブルディスクブレーキ仕様。リアはスイングアームに軽量モノクロスサスを組合せフロントと同径の17インチホイールにシングルディスクブレーキを採用した。
デビュー以降は、2007年モデルでモデルチェンジを実施。モデル名称は「FZ6-S フェザーS2」となった。ちなみに「S2」とは、「Spec 2」の略である。仕様変更の主な目的は環境性能脳向上だった。フューエルインジェクションマッピングの最適化や三元触媒を採用することでEURO3へ適合。フロントブレーキキャリパーはモノブロックタイプが採用され、リアスイングアームは新設計となった。そしてタイプ別でABSモデルも設定された。
以降はカラーチェンジを実施しながら2009年モデルまで展開された。
なお、本モデルは国内向けの正規ラインアップは無かったが、プレストコーポレーションが南アフリカ仕様を逆輸入する形で販売していた。

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解説記事更新日：2022年03月17日

ハーフカウルを装着したミドルスポーツ「FZS600」の登場から6年ぶりとなる後継モデルとして登場したのが、「FZ6-S フェザー」である。デビューモデルとなった2004年モデルは2003年10月に発売された。
カラーリングは「シルバー3」、「ダークパープリッシュブルーメタリックL」、「ダークグレイッシュブルーメタリックE」の3バリエーションを設定。
ちなみにネイキッドスタイルで兄弟モデルとなる「FZ6-N」は、5ヵ月遅れとなる2004年3月に発売された。
従来モデルがヨーロッパ市場においてスポーツツーリングから通勤ユースまで幅広いユーザーから人気を集めたオールラウンダーマシンだったこともあり、本モデルもそのコンセプトを踏襲しつつより洗練されたスタイリングを採用した。
車体は、溶接レスで左右が2分割のボルトオン構造というCFアルミダイキャストフレームだ。シンプルかつ軽量高剛性の新設計フレームとなっている。
パワートレインには、03年モデルのフルカウルスポーツ「YZF-R6」譲りのフューエルインジェクション仕様の水冷4ストローク並列4気筒エンジンを採用。最高出力は12,000回転で98馬力を発揮した。
本モデルに採用されたハーフカウルの内側は自動車のダッシュボードの様な風合いに仕上げられており質感が高められていた。
なお、デビューモデルとなった「FZ6-Sフェザー」は2006年モデルまで展開され、2007年からはEURO3に対応する「FZ6-S フェザーS2」に進化した。

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解説記事更新日：2022年03月17日

ヨーロッパを中心に人気モデルとなっていた600㏄スポーツ「FZ6-S フェザー」は、2007年モデルで「FZ6-S フェザー S2」へ進化した。モデル名末尾に追加された「S2」は、スペック2の略である。
今回の仕様変更は従来モデルのメカニズムを踏襲しつつ、環境性能や走行性能の向上を図っている。フューエルインジェクションシステムの制御マップが最適化され、排気系統には新たに三元触媒を採用することでEURO3に適合。最高出力は12,000回転98馬力で変更は無いが、実用域での扱いやすさと高回転での伸びが向上しており気持ちよく吹け上がるフィーリングを実現している。
また、足回りはリアのスイングアームが剛性バランスの最適化を実施し形状も従来モデルスクエア型から若干丸みを帯びた形状に変更することでメインフレームとの一体感を表現している。そして、フロントブレーキにはモノブロックキャリパーを装備することで良好なコントロール性能を得ている。さらにABSモデルがタイプ別設定され安心感が増してる。
外観デザイン面では、フロントのハーフカウルがシャープでコンパクトなスタリングに変化しより軽快でスポーティな印象に仕上がった。
なお、今回新たにデビューした「S2」は、バリエーションモデルという位置づけでもあり無印の「FZ6-Sフェザー」も引き続き販売された。ただ、最高出力を34馬力(25kw)にデチューンし、ヨーロッパの若年向け免許制度対応モデルとして展開された。
日本国内では正規ラインアップされなかったが、「FZ6-S フェザーS2」に関してはプレストが逆輸入モデルを販売しており入手可能だった。

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解説記事更新日：2022年03月17日