FZS600FAZERは、1998年に北米および欧州向けの輸出専用車として発売されました。
FZの元祖は97年日本国内向け発売のハーフカウル仕様【FZ400】と思われていますが、実はこの600であり、両者の基本的スタイリングは共通しています。ちなみに85年発売の【FZ250フェザー】は、「PHAZER」です。
エンジンレイアウトは、水冷4ストDOHC4気筒、最大出力は95馬力/11,500rpmです。なおこのエンジンは、92年から2004年にかけて製造販売された【XJ600S Diversion】のものとは全く別ものです。
比較すると、
XJ600S Diversion：1992～2002年、空冷、ボア×ストローク58.5mm×55.7mm、61PS/8,500rpm
FZS600 Fazer：1998～2003年、水冷、ボア×ストローク62.0mm×49.6mm、95馬力/11,500回転
です。

フレームはダブルクレードル型で、フロントフォークはΦ41mm、リアはモノサスを採用。
販売時期が重なる【XJ600S Diversion】が堅実でむしろ地味なバイクだったのに対し、FZS600 Fazerは速さを求めた先鋭化が見られます。両車をディティールを見ると、カウル、タンク、エンジンなどは皆違っていますが、全体のイメージとしては同じヤマハのスタイリッシュなモデルです。Diversionのほうがカウルはやや大きくてミラーはハンドルマウント、対してFazerでは小ぶりなカウルで丸く大きなカムカバーが存在感を強調しています。Fazerではマフラーが4-1のため軽快感もあります。
その後、3年連続でマイナーチェンジを受けています。
1999年、カラーリング変更
2000年、ガソリンタンクを18Lから22Lに増量、フロントサス変更、カラーリングをツートーンに変更など
2001年にもマイナーモデルチェンジ、メーターパネルデザイン変更など

2002年にフルモデルチェンジ、カウルをはじめデザインを一新し、ヘッドライトを当時流行の「つり目」型の2灯タイプに変更。ガソリンタンク形状をシャープにして22リットル容量を確保。エンジンスペックには変更ありませんが、米国バイクサイトのテストでは最高速232km/hを記録しています。
しかし、欧州で当時施行された排ガス規制ユーロ2に対応できず、生産は終了しました。それでも欧州ではかなりの人気機種だったことは疑う余地はありません。
日本ではあまり人気のないミドルクラスですが、免許制度が違ううえ、バイクとして最もバランスが取れたこのクラスが欧州で売れるのはむしろ当然と言えます。
ライバルは、ホンダ【CB600 Hornet】、スズキ【バンディット650】などです。
FZS600 Fazerの売却やお乗り換えをお考えでしたら買取査定はその中古価値に精通しているイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年07月21日

1998年にヤマハから登場したFZS600 フェーザーの初期モデル。型式は5DM1型。
フェーザーといえばFZ400を思い浮かべる場合が多いが、厳密にはこの輸出向けモデルであるFZS600が元祖フェーザー。エンジンには水冷4ストロークDOHC四気筒を採用。最高出力は78PS/10,000rpmを発揮した。
フレームにはダブルクレードル型を採用。足廻りではフロントにφ41mmテレスコピックフォーク、リアにはモノショック付きのスイングアームを搭載。
カラーバリエーションにはイエロー、ブラック、レッドの3色を設定。
1999年にはカラーチェンジを受けて型式が5DM4に変更。カラーバリエーションはシルバーが新色として加わり既存色と合わせて4色に。
2000年にはモデルライフ初のマイナーモデルチェンジを受け、型式は5DM7型に変更。燃料タンクが18L→22Lに大容量化、加えてフロントサスペンションにプリロードアジャスターを搭載。これを受けて乾燥重量は189kg→193kgに増加した。
カラーバリエーションにはイエロー、レッド、シルバー、ブラックの4色を設定。
2001年にもマイナーモデルチェンジを受けて型式は5DMC型に変更。インストルメントパネルは新たにカーボン調のデザインを施され、フォークスライダーはカラーリングに変更を受けた。
カラーバリエーションにはシルバー、ブラック、レッド、ブルーの4色が設定された。
売却、買い替えをお考えなら買取査定は【Yamaha FZS600 Fazer 1998年〜2001年モデル】の中古価値に精通しているバイクパッションへ！

解説記事更新日：2021年11月24日

フルモデルチェンジを受けて発売された2002年モデルの5RT1型 FZS600 フェーザー。
外観を刷新し、フロントマスクは当時国内外においてスーパースポーツモデルで大流行したつり目横2眼タイプを設定。ちなみに国外においてこのヤマハのフロントマスクは”FOX EYE(狐の目)“という愛称がついている。
また、燃料タンクの形状が変更されて角ばったフォルムとなり、電装系では新しいデザインのインストゥルメンタルパネルが採用されている。
カラーバリエーションにはイエロー、シルバー、ブルーの3色を設定。
翌2003年にはカラーチェンジを受けて型式を5RT4型に変更、カラーバリエーションにはシルバー、レッド、ブルーの3色に変更。
FZSフェーザーは2003年モデルを最終型としてヨーロッパで当時施法された排ガス規制であるユーロ2に対応することなく生産を終了。欧州においては大ヒットモデルと言うにふさわしい人気で、1998年から2003年までの間に8万台以上のセールスを記録した。
後継モデルとしては2004年からFZ6が登場している。
売却、買い替えをお考えなら買取査定は【Yamaha FZS600 Fazer 2002年〜2003年モデル】の中古価値に精通しているバイクパッションへ！

解説記事更新日：2021年11月24日