3年間の長期放置により、キャブ詰まりやガソリン腐り、バッテリー上がりによってエンジンがかからない不動車となっていた1993年海外向けモデルのCT110ハンターカブ。
外観は経年によるサビが目立ちつつあるものの93年型としては比較的綺麗。走行距離は純正メーター読みで4,657kmと浅く、修理再生後の商品価値を見込んで不動車としては相場最上位となる20万円の査定額で買取させて頂きました事例のご紹介です。
3年間長崎に単身赴任されていたオーナー様。
その間、愛車のCT110ハンターカブは手が入ることなくタンク内のガソリンは完全に腐り、キャブ詰まりとバッテリー上がりでエンジン始動しない不動車に。
「いつかは直して乗ろうと考えてつつも、いざ修理するとなると費用や面倒が先走ってしまい...一時は大切にしていた愛車なので再生して誰かに乗ってもらったほうが良いかなと...」とオーナー様からの売却相談を受けて、無料出張買取査定にお伺いさせていただくことに。
それでは、査定内容に先立ちまして買取相場からご紹介させて頂きます。
原付2種としてはプレミアムな買取相場を持つCT110
復刻生産モデルが流通する今なおトレールカブとして高い人気を誇り、引く手あまたのビンテージカブとして知られるCT110型ハンターカブ。
ルーツは前述の通り1962年に誕生したC105T型ですが、キング・オブ・バイクことハーレーダビッドソンのお膝元である米国市場でも高く評価され、60年代当時は優良ディーラーに記念車が進呈されたほど。 それだけに今日現在でもコレクターが多く、本機CT110もその例に漏れず人気は上々。今回の現車は1981年に販売された日本仕様車ではありませんが、複数の異なる仕様が存在する海外モデルでも人気は不変。
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。
CT110ハンターカブの取引動向を見てみると、直近12ヶ月内での取引における最高価格は驚きの528,000円。
これは走行距離1kmというコレクター所有の未登録車ですが、原付2種としてはプレミアムな価格が付く車種であることが分かります。
実際に登録され、公道を走っていた車両でも30万円以上の高値をつけた事例が15件もあることがそれを裏付けております。
その一方、実走可能な車両の加減に目を向けると、最低取引価格151,000円となっており実動車でも状態に応じて値幅があるのが中古バイクの値付けの難しさです。
パーツ取りやレストア用途となる不動車や事故車も同様に、上は239,000円から下は44,000円まで広いレンジで取引されています。
事故車や不動車は商業的にレストア困難なパーツ取り車両となると取引の下方に触れ、レストアベースで再商品化コストが少ない車両ほど取引の上位に並ぶ傾向となっています。
高額で取引された実働車に共通しているのは「オリジナルの外観を保ったノーマル車」です。実働で状態の良いフルノーマルがCT110の高額査定の基本線となっています。
現在では2020年の買取当時よりも平均取引価格は上昇しているだけに、当面の間は高値安定傾向が予想されるCT110ハンターカブ、今後も大いに期待が持てるカブシリーズのひとつだと言えるでしょう。
弊社バイクパッションは、単店舗ベースで日本で一番中古バイクを売っている直営販売店を併設しています。自社で買取して自社で販売できる買取直販体制によって、 買取専門店の10%増しとなる販売仕入れ価格での買取も期待できます。
それでは、3年放置されていた不動車のCT110型ハンターカブ査定内容についてご紹介させて頂きます。 (※上記の取引額は、買取業者の転売額=販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は9掛け相当となります)
【CT1100実働車】相場の推移
【実働車】業者間の取引価格帯
【事故車不動車】業者間の取引価格帯
買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データ

1993年型としては色褪せもないものの、経年によるサビ・腐食が目立ち始めた不動車両。
フルノーマル状態でメッキを施したリアキャリア・サスペンションには茶色いサビが広範囲に発生。ガソリンタンク内のガソリンは3年間の放置で完全に腐っており、コック類の洗浄やチューブ類の全交換などそれなりのケアが必要な状態。キャブ詰まりやバッテリーの消耗など、難あり箇所が複数あるも、走行距離はメーター読みで4657kmと比較的浅いことにより、エンジンの再生見込みは高いものと判断させていただくことに。
拝見させて頂いた書類の車体番号と所有者欄から海外向けに販売された1993年モデルであり、直ぐに現金買取することが出来る状態でることが分かりました。
再生できる見込みが高いことを示す走行距離の浅さ
不動車を査定する際、もっとも重要になるのは車両そのものの標準的な価値であることは言うまでもありませんが、それと同様に重要視されるのが、再販売にこぎつけるまでの再生見込みと予想されるコストです。
今回の現車の場合、買取価格を提示する上で最大の根拠となったのは、純正メーターが示す4,657kmという数値。
1993年型という点を差し引いてもこの走行距離の浅さは大きな評価ポイントであり、エンジンが酷使されておらず再生できる見込みが高いことを雄弁に物語るものでした。今回査定を担当したのは整備畑出身で修理経験に自信のあるベテランスタッフです。査定現場で始動が確認できないエンジンを評価するには様々なポイントがございますが、走行距離も1つの材料となります。

マニア人気を誇るCT110は車両状態が大きな決め手!
1962年誕生のC105Tをルーツとし、ブロックタイヤ採用などでトレールバイク感を演出したハンターカブシリーズ。
現在ではクロスカブ50など、他排気量が販売されるようになりましたが、本家本元はこちらのCT110です。現在ではビンテージカブとしての人気が高く、1981年型の日本仕様車はもとより、 今回査定させて頂いた海外仕様車のいずれも人気があります。それだけに車両状態次第では驚くような高値がつくことも期待でき、カブシリーズの中でも非常に期待値が高いシリーズだと言えるでしょう。
各出向地によって細かい違いはありますが、オリジナルに近い個体ほど基本評価点は高くなり、不動車両でも車両価値が見込めるモデルのひとつです。

弊社販売店での再販価値を見込んだ買取額に
3年間の長期放置によってタンク内のガソリンは完全に腐ってしまい、キャブ詰まりとバッテリー上りという典型的な放置不動車の症状を示していたCT110ハンターカブ。
エンジンの始動性を確認しようにも、キックレバーまでもが凝固してしまい、圧縮の有無の確認すら出来ない状態でしたが、現場の応急整備でキックを稼働させエンジンの圧縮は確認することはできました。
外観は経年によるサビも目立ちましたが、フルノーマルであり1993年型としては色褪せも少なく、修理して磨いて光るポテンシャルを秘めています。
再販売にかかるコストが大きな焦点となりました。担当したスタッフはメカニック畑出身のベテランであり、整備の腕に関しては弊社でも有数の実力者。
その担当者がもっとも注目したポイントは、走行距離4657kmという数値。アナログ式メーターだけに、誤差が生じることは多々ありますが、1993年型でこの走行距離の浅さは十分に再生見込みがあることを示す数値。
元々がタフなエンジンであるがゆえ、酷使されることが多いカブシリーズでも、本機は走行距離が浅ければそれ自体が評価の対象になるだけに、不動車でも最重要視されるポイントのひとつです。
この数値から酷使された可能性は極めて低いという判断を下し、車両各部をくまなくチェック。
リアキャリア・リアショック等にサビが目立つものの、丁寧に磨けばケアできるレベルでギリギリ収まっていたこと、屋内倉庫にてカバーをかけて保管していたため、 前後ホイールなども綺麗であったことが評価の中心となりました。
また、車体に転倒・事故に起因するようなダメージを負っていなかったのも大きなポイントとなりました。
業者間市場での転売額ベースではなく、自社販売店での仕入れ値ベースで査定額を弾いた結果、実動車の平均取引価格に迫る20万円という買取金額をご提示するに至った次第です。
これは現車の再生見込みが高かったこと、ほぼオリジナルの状態を保ったノーマル車であったことが主因でしたが、修理単体での儲けを必要としない弊社修理工場にて市価より安価に商品化できる点が大きく物を言いました。
近年顕著な盛り上がりを見せるビンテージカブは今後も高値がつく傾向が続くものと予想されます。CT110ハンターカブに限らず、不動車であっても高額買取に期待が持てる弊社バイクパッションならではの好事例のひとつだと言えます。

CT110ハンターカブ
【実働車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 41台
- 平均価格: 269,769円
- 最高価格: 528,000円
- 最低価格: 151,000円
【事故車・不動車】の業者間オークション市場における、買取時点直近12ヶ月間の落札データ
- 取引台数: 13台
- 平均価格: 127,846円
- 最高価格: 239,000円
- 最低価格: 44,000円
相場情報:2021年12月20日時点
最新の相場情報は、10秒で買取相場が出る自動査定でチェックして頂けます。
上記金額は、買取業者の最大の転売先である業者間オークション市場の落札データであり、買取業者の転売金額です。
業者間オークション市場とは買取業者と販売業者が参画する競り市場で、年間に約20万台のオートバイが取引される市場です。
買取業者が買取したバイクの約9割は上記市場において転売されています。
その事実が、業者間オークション市場の落札金額が買取業者の査定額の基準値である所以です。
査定現場での買取価格は下記の転売(落札)金額から買取業者の儲けと経費(運送料や出品手数料など)を差し引いた金額となります。
査定現場での正味の買取額は、転売金額である落札額から5~10%を割り引いた金額が適正で競争力のある価格となります。
金額にすると単価の安い原付バイクで1万円から、100万円を超える高額車両では6万円までが適正な割引額です。