Diavelカーボン 買取査定事例｜2011年型のライトカスタム

SBKやMotoGPなど、世界の大レースで華々しい活躍を続けてきたイタリアンスポーツ界の巨頭ドゥカティ。
同社初のクルーザーモデルとして販売を開始した本機・ディアベルシリーズは、ムルティストラーダ搭載の水冷Lツインを流用したパワフルさと個性的なフォルムが際立ったマシン。
Diavelシリーズの上位グレードとして2011年に登場し2018年まで販売されたディアベルカーボン。
メーカー希望小売価格（税込）と最高馬力（日本仕様）は下記の様に変遷してきました。

Diavelカーボンの変遷
イヤーモデル	新車価格	最高馬力 (日本仕様)
2011年	219万円～	112馬力
2017年	257.9万円	150馬力
2018年	261.5万円	※152馬力
（2019年1260S）	268万円	159馬力

（※イタリア本国仕様の最高馬力は11年～17モデルが162馬力、18年モデルで152馬力化されているため、日本仕様は17年モデルまでデチューンされ18年モデルでローカライゼーションが外れた格好だ）
上記の様に8年かけて約50万円の値上がりが実施されてきました。
さらにDiavelシリーズは2019年にフルモデルチェンジが実施され排気量が1198ccから64ccアップしディアベル1260/Sに進化。上位グレードディアベル1260Sのメーカー希望小売価格は268万円に。

上記の様にメーカー希望小売価格の変遷に加えてハイパフォーマンスマシンならではの年式と走行距離による影響を受けやすく、年式を重ねる毎に車両評価額が下がっていくのが基本となっております。
しかしながら冒頭でも触れた通り、レースシーンで使用される最先端技術がイヤーモデル毎にフィードバックされるSSに比べると、クルーザーというのラインナップ唯一の立ち位置も幸いして 型落ち年式落ちによる相場下落はマイルドです。

モデル落ちとなった2019年から相場が下落

買取業者の最大の転売先であり、販売業者の最大の仕入れ先として年間に約20万台のバイクが取引される業者間オークションの取引データを見ると。

2011年型のディアベルカーボンは直近12ヶ月間で11台の取引があり、最高額は87.7万円、最低額は51万円で67.7万円が平均額となっています。
現行モデルであった2018年時点では最高取引価格110万円超え、平均取引価格80万円強であった取引額が、
1260cc化のモデルチェンジで型落ちとなった翌2019年には最高取引価格80万円割れ、平均取引価格で66万円程度に。
コロナ2020年度はコロナ禍における中古バイク全体が移動手段として見直された追い風を得て上昇しましたが、2021年度は19年以上に下落。

51～87.7万円のレンジで取引のあった11台の傾向を見ると。
走行距離1万キロ未満で状態の良いノーマル車が87.7万円と79.8万円で落札され上位1い・2位を占めています。
最下位の51万円で取引された個体は見た目は非常に綺麗なものの走行距離が5万キロ近くエンジンから軽いオイル漏れが認められるライトカスタム車となっています。
このことから高額取引に繋がり易い個体の傾向は、『低走行で基幹部品の状態が良い』ことが重要で次いで外装も綺麗であれば尚良いと言えます。
またカスタムについてはノーマル戻しが出来るカスタムは査定額が伸びやすいものの思い切ったカスタム車両は取引価格の面でもさほど振るわないのはハーレーとの違いで言及したい点です。
以上の買取相場を踏まえては、今回の2011年型ディアベルカーボン の査定内容についてご紹介させて頂きます。 （※上記の取引額は、買取業者の転売額＝販売業者の仕入れ額に相当するため、買取相場は90～95％掛け相当となります）

外観状態はタンクサイドに経年によるくすみが見られる程度でまずまず良好な部類に。
しかし、そんな現車で一際大きく目を惹いたのが、前後ホイール周りに施されたド派手なホイールステッカー。
ダークでマッチョなイメージが強いディアベルカーボンとしては異色のデコレーションで、非常に好みが分かれるものでした。
デカールは除去液を使用すれば簡単に剥離できるのですが、10年近く貼付されていたと言うことすのでで剥離痕が日焼けの段差として目に見えてしまうことは避けられないでしょう。
その点若干のマイナス査定に。

9年落ちという年式ではあったものの、今回の買取査定の上で大きなキーポイントとなったのが足回りとエンジン状態の良さ。
押し引きによるチェックではブレーキの引きずりもなく、荷重すると適度なコシでしっかりと減衰。
ハイパフォーマンスクルーザーだけに、この状態の良さは評価の上で非常に重要なポイント。
正面から撮影した画像の通り、タイヤには偏減りも生じておらず荒っぽい走りをしてこなかったことが容易に察せられるものでした。
現オーナーである小倉様(仮名)より、「定期的にディーラーでメンテしてもらっていた」と事前にご説明頂いていたことも好印象。評価すべきところはしっかりと評価し、買取価格に反映させて頂くことに。

ディーラーによる定期的なメンテナンスの恩恵はエンジンも同様で、吹け上がりやアイドリングなどに関しても申し分なし。
こちらに関しての高評価は言うまでもございませんが、それをさらに後押ししたのがDUCATI Performance製マフラー。
DUCATI自身によるものだけに、相性のよさは折り紙付き。
なおかつカスタム人気もなかなかに高く、純正マフラーが別途保管されていたことで純粋なプラス判定となりました。ややエキパイ部にサビが発生しておりましたが、軽くメンテするだけで十分ケアできるレベルであったためマイナスは一切なし。

事前に車両状態に関してのご説明は頂いておりましたが、前後ホイールに施されたド派手なホイールステッカーが大きく目を惹きました。
車両状態に関しては、2011年製であることを踏まえると大きな問題点はなく、タンクサイドのくすみが少々目立つ程度。
それだけに、好みが大きく分かれるこのデコレーションは減額ポイントとせざるを得ず、とはいえ除去自体は簡単で且つ日焼けの段差も目立ちにくい箇所の為減額は最低限で収めさせて頂く形に。。
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その他のマイナスとしては前後タイヤの消耗が挙げられます。高価なピレリ製が指定となっているディアベルの場合、 タイヤの山残りは重要なファクターのひとつで、今回は消耗こそしているものの、必ずしも交換を必要としないレベルで収まっていたことを加味し、 弊社店頭での再販売時にはお客様へご説明頂きその分お安くすることを念頭に置き、こちらも最低限のマイナスで収めさせて頂きました。

高評価に値したのはエンジンと前後足回りのコンディションの良さで、10年落ちながら6ヶ月毎のディーラーによる定期メンテナンスで状態に関しては申し分なし。
しっかり動く前後足回り、押し引きの良好さやブレーキ状態、安定した回り方のエンジンなどをプラス評価。加えてDUCATI Performance製マフラーと別途保管の純正マフラーが買取価格の底上げに繋がり、 2011年モデルとしては破格の80万円という買取価格をご提示させて頂くに至りました。
これはご相談時の車両状態および平塚在住という地理条件により、横浜の弊社直営店舗での販売を見込んだものですが、 販売仕入れ価格として10％上乗せを可能としている弊社ならではの強みのひとつとなっております。
年式・走行距離に左右されることが多いドゥカティ車ですが、市場取引価格以外の面でもプラス判定を可能としている弊社バイクパッションであれば、相場以上の高額買取も期待できるという好例だと言えるでしょう。