2010年のミラノショーで「ドゥカティ」は、インパクト絶大なニューマシンを発表した。それが、大型クルーザーのようなスタイルでありながらスポーティなテイストも取り入れた「ディアベル」シリーズである。その上位グレードとしてデビューしたのが本モデル「ディアベル カーボン」となる。日本向けは2011年6月に発売された。
マシンの構造は「ドゥカティ」の伝統スタイルとなるスチール製トレリスフレームにL型ツインという組み合わせ。心臓部は既存モデルの「ムルティストラーダ 1200」にも搭載されている「テスタストレッタ11°」と同系の1,198.4ccユニットを搭載する。ボア・ストロークが106mm×67.9mmの水冷90度Vツインエンジンで、日本国内向けの最高出力は6,750回転112馬力というスペックで導入された。最高出力は、6,750回転で113.9Nmに到達する。ちなみに本国イタリア仕様は、最高出力が162馬力で最大トルクは127.5Nmというハイパワーモデルだった。スロットルはライドバイワイヤシステムの電子制御型。走行モードは、「スポーツ」、「ツーリング」、「アーバン」の3タイプから選択可能で、各モードに応じて出力が最適に制御される仕組み。
駆動系統はチェーンドライブで、アシスト&スリッパー機構付きの6速ミッションを組合せる。
ここまでのマシン構成は、ベースモデルとなる「ディアベル」と共通となるが、本モデルは豪華グレードということで足回り構成を含む以下のディテールが専用設計となる。

・DLCコート仕上げフロントフォーク
・鍛造アルミホイール
・カーボン外装パーツ

足回りは、フロントにベースグレードと同じスペックのフルアジャスタブル50mm径マルゾッキ倒立フォークを装備するが、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)コート仕上げの豪華バージョンとなる。そこにマルケジーニ製の9本スポーク鍛造アルミホイールを履く。ブレーキは320mmのダブルディスクにブレンボの4ピストンラジアルマウントモノブロックキャリパーを組合せる。
リヤはアルミ製の片持ちスイングアームにザックス製フルアジャスト式モノショックという構造。タイヤは240mmサイズのワイドタイプで迫力のリヤビューを演出する。ブレーキは265mmディスクと2ピストンフローティングキャリパーという仕様。
安全装備面ではABSとDTCが標準装備となる。
外装パーツには、フロントフェーンダー・シートカバー・タンクパネルにリアルカーボンを採用。各部の豪華軽量パーツの恩恵でマシン重量はベースモデルより5kg軽い234kgに収まっている。
ライバルモデルとしては、同じく水冷Vツインを搭載するハーレーの「VRSCF V-Rod マッスル」が比較対象になるだろう。エンジンは1,246ccの水冷Revolutionで7,000回転104Nmというスペック。重量は307kgありホイールベースも1,700mmで本モデルより110mmロング。ただ、シート高が640mmで「ディアベル」シリーズの国内向けより110mm低い。スペックやスポーティ性能を兼ね備えたクルーザーなら「ディアベル」で、ゆったりクルーズを楽しむなら「V-ROD」シリーズといったところだろう。
なおデビュー以降の「ディアベル カーボン」は、2014年にマイナーチェンジを受けてデュアルスパークやLEDヘッドライトを採用。その後も2018年モデルまでラインアップされて生産終了となった。

買替や売る際の買取査定は、2011~18年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月05日

ドゥカティとしては初となる本格的なクルーザータイプのマシン「ディアベル」が2011年モデルで登場。その上位グレードとして用意されたのが本モデル「ディアベル カーボン」となる。日本国内向けは2011年6月に発売された。カラーバリエーションは、マシン全体がブラックを基調とするダークな印象の「グロッシー&マットカーボン」と差し色にレッドを採用する「レッド&マットカーボン」の2タイプを設定。価格はブラックが219万円(税込)で、レッドは224万円(税込)となった。
1,590mmのロングホイールベースに240mmのファットなリヤタイヤを組合せるクルーザースタイルだが、マシンの構造は「ドゥカティ」の伝統スタイルを継承する。スチール製のトレリスフレームに搭載するエンジンは水冷90度Vツインユニット。
1,198.4㏄の「テスタストレッタ11°」は、6,750回転で112馬力に到達する。最大トルクは6,750回転113.9Nmというスペック。本国モデルは162馬力・127.5Nmのハイスペック仕様となっている。
マシンの外観はクルーザーのようなデザインだが、足回りの構成は「ドゥカティ」らしいスポーツマシンさながらのパーツが装備されている。
フロントサスペンションは50mmの大径倒立フォークでブレーキはブレンボキャリパーをセットする320mmのダブルディスク仕様。リヤはアルミ製の片持ちスイングアームを採用している。さらに本モデルは豪華グレードということでアルミ鍛造ホイールまで履いている。ドレスアップパーツで豪華さを演出するのではなくスペックアップのためのパーツで上級グレードとしての存在感を放つところが「ドゥカティ」らしいと言えるだろう。
ちなみにベースモデルの価格は185万円(税込)で、30万円以上の価格差となっていた。

買替や売る際の買取査定は、2011年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月05日

スチールパイプ製トレリスフレームにL型ツインを搭載する「ドゥカティ」伝統のスタイルとクルーザーテイストの車体でデビューした「ディアベル」だが、2012年式では新たなバリエーションモデルが2台も追加された。
ダークな印象が強いマシンにクロームパーツを組み合わせることでビンテージテイストを演出する「ディアベル クロモ」、そして新たな業務提携先となった「AMG」とのコラボマシン「ディアベル AMG SE」だ。フレームやエンジンは全モデルで共用しているが、装着パーツやチューニングなどで各モデルが差別化されている。どのモデルをチョイスするかはライダーが「ティアベル」に何を期待するかで変わるだろう。
なおスタンダードモデルの上位クラスとして登場した本モデル「ディアベル カーボン」の2012年式は、特に目立った仕様変更を受けることなく前年通りの仕様でラインアップ継続となった。
フロントフェンダーやタンクパネル、ソロシートカバーは軽量高剛性のカーボン製を採用する。さらに足元の前後17インチホイールは、マルケジーニ製の鍛造アルミホイールでバネ下の軽量化を実現した。エンジンはベースモデルとおなじ112馬力・113.9Nm(日本仕様)の1,198.4cc「テスタストレッタ11°」ユニットだが、重量は5kg軽い234kgとなるのでスペックは格上だ。
カラーバリエーションは、「ブラックカーボン」が219万円(税込)で「レッドカーボン」は224万円(税込)。いずれも前年から据え置き価格となっている。
ちなみにニューモデルの「ディアベル クロモ」は209万円(税込)で、「ディアベル AMG SE」は279万円(税込)で発売された。

買替や売る際の買取査定は、2012年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月05日

前年モデルでバリエーションマシンを追加してトータル4タイプ構成となった「ディアベル」シリーズだが、デビュー3年目を迎える2013年式では、さらなる動きがあり5マシンラインアップへと拡充されている。ハイスペック特別モデルとして発売された「ディアベル AMG SE」は、「ドゥカティ」がドイツの4輪メーカー「アウディ」傘下に入ることでカタログ落ち。新たなマシンとして、ダークなイメージをさらに強調する「ディアベル ダーク」と快適装備を採用してツーリングマシンさながらのスタイルに仕上げた「ディアベル ストラーダ」が加わった。
「AMG」モデルがラインアップから外れたことでスポーティさでは本モデルが再び最上級グレードというポジションになった。なお2013年式では目立ったアップデートは無く、引き続き前年通りの仕様で続投となっている。
カーボンファイバーの織り目が美しいタンクパネルやソロシートカバー、フロントフェンダーを装着する本モデルは、マルケジーニ製の鍛造アルミホイールとの効果も相まって重量は234kg。スタンダードモデルより5kg軽い。
エンジンは、ライドバイワイヤでスロットル制御される1,198.4㏄の「テスタストレッタ11°」ユニットを搭載。日本仕様は、最高出力が6,750回転112馬力で、最大トルクは6,750回転113.9Nmというスペック。
カラーバリエーションと価格は、「ブラックカーボン」が219万円で、「レッドカーボン」が226万円(税込)で前年と同じ。
ちなみにスタンダードモデルは、初のカラーチェンジを実施。ホワイトのホイールを履いてインパクトとのあるホワイトストライプを大胆にボディに配した「ストライプ」カラーも設定されていた。

買替や売る際の買取査定は、2013年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月05日

デビュー以降、数々のバリエーションモデルを投入しながらラインアップの強化が図られてきた「ディアベル」シリーズだが、2014年式は登場当初の2マシン構成に回帰している。そして、初となるモデルチェンジが行われて各部が刷新された。適用されたアップデートの内容は以下の通り。

・新型エンジン搭載
・エキゾーストパイプ変更
・エアクリーナー大容量化
・LED灯火類採用
・カウルデザイン変更

カーボンパーツの採用と軽量鍛造アルミホイールを装着することで上級グレードとして展開される本モデル「ディアベル カーボン」だが、2014年式ではツインスパーク仕様のニューエンジン「テスタストレッタ11°DS」ユニットを新たに採用。吸排気系統も最適化されており、エアクリーナーボックスの大容量化やエキゾーストパイプのデザイン変更、インジェクションマップもリセッティングされた。その結果エンジンスペックは向上している。
最高出力は従来と同じ112馬力ながらピークに到達するエンジン回転数は、6,750回転から6,500回転へ下がっている。最大トルクに関しては、6,750回転113.9Nmから6,250回転122.5Nmへと大きく向上した。ちなみに日本仕様は、国内の排ガス規制に対応するためにパワーが控えめだが、本国仕様は、162馬力&130.5Nmのフルパワーとなっている。
実用装備面では灯火類がフルLED化されて夜間のファッション性と視認性が向上している。
カラーバリエーションは、ホワイトフレームの「スターホワイト・マット・カーボン」とレッドフレームの「レッド・マットカーボン」の2タイプが用意された。価格は、いずれも238万円(税込)。ベースグレードも同じ内容でアップデートが実施されており、価格は197万円(税込)で約40万円の価格差となっていた。

買替や売る際の買取査定は、2014年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月05日

「ディアベル」シリーズは、デビュー以降、数々のバリエーションモデルを展開してきたが2014年のモデルチェンジのタイミングでスタンダードグレードと本モデル「ディアベル カーボン」の2タイプ構成へ回帰していた。しかし新型エンジンを与えられて2年目を迎える2015年モデルでは、早速、新たな限定モデルが設定された。それが「ディアベル チタニウム」だった。世界限定500台という少数生産マシンで、カーボンやチタンといった高級な軽量素材を多用するスペシャルな仕様。エンジンスペックは、本モデルやベースグレードと変わらないものの重量は234kgで本モデルと同じ重さに収まっている。価格が334.9万円(税込)という高額設定だが、他の「デイアベル」シリーズとは一線を画す存在感を放っている。
なお上級グレードとして2011年のシリーズデビューから継続されている本モデル「ディアベル カーボン」だが、2015年式では特に目立った変更はなく従来通りの仕様で続投された。
エンジンは前年から新たに採用されているツインスパークの「テスタストレッタ11°DS」をトレリスフレームにマウント。1,198.4ccの心臓部は、日本モデルが6,500回転112馬力というスペック。最大トルクは6,250回転117Nmで導入されている。
足回りは、フロントにDLCコート仕上げの50mmフルアジャスタブル倒立フォークを装備して、前後ホイールはマルケジーニの鍛造17インチホイールを履く。
カラーリングは、ベースモデルが1カラーに縮小されたのに対して本モデルは引き続き2タイプ用意されている。レッドのフレームとボディストライプが印象的な「レッド・マットカーボン」は249.9万円(税込)で11.9万円の値上がり、ホワイトフレームの「スターホワイト・マットカーボン」は253.9万円(税込)で、こちらは前年から15.9万円の値上げとなった。

買替や売る際の買取査定は、2015年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月06日

2011年に衝撃的なデビューを飾った「ディアベル」の上級グレードとしてラインアップされてきた本モデル「ディアベル カーボン」だが、2016年式では、さらなる上位クラスが投入された。「テスタストレッタDVT 1262」ユニットを搭載してベルトドライブ構造の「X ディアベル」シリーズである。ドゥカティのスポーツクルーザーカテゴリがますます充実してきている。
なお本モデルの2016年式は、以下の内容でいくつかのアップデートが実施された。

・ホイールデザイン変更
・エキゾーストシステム変更
・シートデザイン変更
・カラーチェンジ

エンジンは1,198.4ccの「テスタストレッタ11°」ユニットとなる。ツインスパーク仕様で、日本モデルの最高出力は6,500回転112馬力、最大トルクは6,250回転で117Nmとなる。エンジンスペックは前年から変わっていない。
エキゾーストパイプには、ジルコテック・セラミック・コーティングが施されて質感が向上。ホイールもニューデザインのマルケジーニ製アルミ鍛造モデルが装着された。さらにシートも新設計の専用デザインとなった。
従来以上に高級感が増して上級グレードとしての品格を増してきた。
カラーリングに関しては、これまでの2カラーバリエーションから1カラー展開へ変更。精悍なイメージを強調する専用カラー「アスファルトグレイ・マットカーボン」が採用された。価格は254.4万円(税込)で0.5万円の値上がり。
ちなみにニューモデルの上級グレード「Xディアベル S」は、150馬力・126Nm仕様の1,262ccエンジンを搭載して266.8万円(税込)でデビューした。

買替や売る際の買取査定は、2016年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月06日

その名の通り車体の一部にカーボンファイバーパネルを採用することで軽量かつ高剛性なマシンに仕上げられた「ディアベル カーボン」だが、ボディだけでなく足元も専用デザインのマルケジーニ製アルミ鍛造ホイールを履くことで運動性能を高めている。各豪華パーツの恩恵により重量はベースモデルより5kg軽い234kgに収まっている。
エンジンは、9,000回転で150馬力を発生する1,198.4ccの「テスタストレッタ11°DS」ユニットを搭載。最大トルクは8,000回転123Nmというスペック。ハイパワー大排気量マシンだが、駆動系統にはアシスト&スリッパー機構付きの6速ミッションが組み合わされるので操作感は良好だ。
ライバルモデルとしては、2017年モデルをもって生産終了がアナウンスされたヤマハ「VMAX」が台頭する。エンジンは1,679㏄の水冷V型4気筒ユニットを搭載。最高出力は7,500回転151馬力で、ほぼ互角のスペック。最大トルクは僅か6,000回転で148Nmという強烈なトルクを発生する。ただ、重量は311kgで本モデルより72kgも重い。それでも図太いトルクでヘビー級マシンを楽々と押し出し暴力的な加速を味わえる。刺激を求めるなら「VMAX」、エレガントなスポーティさが好みなら「ディアベル カーボン」だろう。
なお2017年式の本モデルは、目立った変更ポイントは無く前年通りの仕様で継続されている。ボディカラーも専用デザインの「アスファルトグレイ・マットカーボン」で続投。価格は3.5万円の値上げが行われて257.9万円(税込)となった。

買替や売る際の買取査定は、2017年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月06日

2011年のデビュー以降、シリーズの上級グレードとしてラインアップを継続してきた「ディアベル カーボン」。2014年には最初のモデルチェンジを受けてデュアルスパーク仕様の新型エンジンやフルLED灯火類の採用を経て着々と完成度が高められてきたマシンだが、今回の2018年モデルが最終仕様。
今年度、目立った仕様変更は実施されておらず従来通りの仕様で続投となる。
スチール製トレリスフレームが抱える心臓部は、1,198.4ccの「テスタストレッタ11°DS」だ。最高出力は、9,000回転で152馬力を発生する。最大トルクは8,000回転123Nmというスペック。
リヤシートカバーの装着や240mmのファットタイヤを履きながらスイングアームは片持ちでホイールは鍛造17インチを装着するなど、クルーザースタイルとスポーティな足回りを絶妙なバランスで融合させたインパクトのあるマシンだ。
モデル名に表れている通り、ボディパネルの一部にはリアルカーボンファイバーを採用する豪華な創り込みも特徴。
カラーリングは専用デザインの「アスファルトグレイ・マットカーボン」を採用。価格は261.5万円(税込)で、前年から3.6万円の値上がりとなった。
2018年の「ディアベル」シリーズには、イタリアのアパレルブランド「DIESEL」とのコラボモデル「ディアベル ディーゼル」も用意された。本モデルとはデザインが異なるマルケジーニ製アルミ鍛造ホイールや本革シート、専用ペイントや装飾などが施されたファッショナブルなマシンで世界限定666台のみの生産となる。価格は284.2万円(税込)という高額な設定だった。
なお「ディアベル」シリーズは、2018年式が最終仕様となって翌年には「ディアベル 1260」と豪華足回りの上級グレード「S」タイプが登場したが、「カーボン」タイプは展開されなかった。

買替や売る際の買取査定は、2018年式 ディアベル カーボンの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月08日