オフロードから高速ツーリングまで様々な走行シーンで優れた快適性と走破性を発揮するミドルクラスデュアルパーパス「F650GS」は、2008年式でフルモデルチェンジを受けて大きな進化を遂げた。モデル名こそ変更されなかったが、フレームからエンジン、そして各部のデザインに至るまで大幅な刷新を受けたことで全くと言っていいほど別マシンに仕上げられている。
従来モデルではツインスパータイプのブリッジ型チューブフレームを採用していたが、今回は新たにトラス形状のスチール製フレームを採用。そこにDOHC4バルブの水冷4サイクル並列2気筒ユニットを搭載。ボア・ストロークが、82mm×75.6mmの798ccエンジンだ。最高出力は7,000回転で71馬力を発揮する。
ちなみにこの798㏄パラレルツインユニットは、2006年に登場した「F800S/ST」にも搭載されているエンジンと同系統となるが、「F800」シリーズはチューニングが異なり85馬力のハイスペック仕様となる。
トランスミッションは6速リターン式で、駆動方式はチェーンドライブを採用。
足回りは、フロントにインナーチューブが41mm径のテレスコピック正立フォークを装備して19インチのアルミキャストホイールにシングルディスクブレーキを組合せる。
リアはスイングアームにモノショックをセットして17インチホイールをシングルディスクブレーキという構成。ABSは上位グレードの「ハイライン」に標準装備された。
スタイリング面では、フロントに異形2灯式ヘッドライトを採用。「R1200GS」を思わせる個性的な存在感を放つフロントマスクだ。また16L容量の燃料タンクはシート下に配置されており、エンジン上部のスペースはバッテリーやエアクリーナーが設置されている。アクセルを開けていくと吸気音がダミータンク内に響くという独特なフィーリングを楽しむことができる。
ライバルモデルとしては、ホンダが同じく2008年に欧州で展開した「XL700V トランザルプ」が比較対象になるだろう。
217kgの車体に搭載する680㏄の水冷4サイクル52度Vツインエンジンは、7,750回転60馬力というスペック。本モデルは199kgなので、スペック争いでは「F650GS」が優位となる。シート高は「XL700V トランザルプ」が840mmに対して、「F650GS」は標準仕様の820mmに加えて790mmのロー仕様も選択可能。足つき性も本モデルが優れた設計となっている。
なお800ccへ排気量アップを受けた新世代「F650GS」は、カラーチェンジを繰り返しながら2010年式で「GS」モデル誕生30周年記念モデルを設定。その後もメカニカル機構の変更は受けることなく2012年式でイエローとブラックのツートーンカラーを採用する「スペシャルモデル」を展開して生産終了に至った。
後継モデルは2013年モデルでデビューした「F700GS」となる。

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解説記事更新日：2023年02月21日

ゲレンデ・シュトラッセ(GS)モデルのエントリーマシンとして2000年から展開されてきた「F650GS」は、2008年式でフルモデルチェンジを実施。
車体は新たにスチール製トラス形状フレームを採用。そこに搭載するパワーユニットは、従来の単気筒エンジンから並列2気筒エンジンへグレードアップ。ボア・ストロークが、82mm×75.6mmのショートストロークDOHC4バルブ水冷パラレルツインとなる。
排気量は先代の652㏄から798㏄まで拡大されており最高出力は7,000回転で71馬力を発揮。単気筒の従来モデルから21馬力のパワーアップを実現。最大トルクに至っては、5,000回転60Nmから4,500回転75Nmまで向上した。
スペックアップを実現しながらも重量は2kgの軽量化に成功して199kgに収まっている。
足元は、フロント19インチ・リア17インチというサイズから変更は無いが、ホイールはワイヤースポークからキャストタイプに変更された。オフロード色よりもオンロード色が高められて都会的で洗練されたスタイルに変化している。
デザイン面では上位排気量クラスの「R1200GS」をイメージさせる異形2灯式ヘッドライトを採用。
ニューエンジンを与えられて大きな進化を遂げた2008年式の「F650GS」は、「アイスバーグシルバーメタリック」、「フレームレッド」、「アズールブルーメタリック」の3カラーバリエーションを展開。スタンダードグレードにあたる「アクティブライン」は101.5万円(税込)。652㏄エンジン最終の2007年式から80,500円の値上げとなる。
また、グリップヒーターやセンタースタンド、ABSを標準装備する上位グレードの「ハイライン」は、120.4万円(税込)で、従来モデルから15万9,250円の値上げが実施されている。

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解説記事更新日：2023年02月21日

前年のフルモデルチェンジで新設計フレームに排気量アップしたパラレルツインエンジンを搭載して次世代へ進化した「F650GS」。2009年モデルでは同排気量のエンジンを搭載する上位モデルとして「F800GS」が登場した。パワーユニットには85馬力仕様の798ccエンジンを搭載。フロントサスペンションには倒立フォークを装備して、フロント21インチ・リア17インチのスポークホイールを装着することで本モデルよりもオフロードでの走行性能を重視したエンデューロマシンである。
オンロードユースがメインでパワーもそれほど重視しないのであれば「F650GS」、街乗りユースだけでなく本格的なオフロード走行も楽しみたいというケーズでは「F800GS」という選択ができるだろう。
なお世代交代を果たして2年目となる2009年式の本モデル「F650GS」は、カラーチェンジを実施。
バリエーション数は前年同様に3パターンが用意された。「ラバオレンジメタリック」、「ホワイトアルミニウムメタリックマット」、「バイアリッツブルーメタリック」を展開。
価格はベーシックグレードの「アクティブライン」が104.6万円(税込)。ABSやグリップヒーターなどを標準装備する「ハイライン」は123.5万円(税込)。いずれのタイプも3.1万円の値上げが実施されている。
ちなみに兄貴分モデルとして新登場した「F800GS」は、「アクティブライン」が134.4万円(税込)で、「ハイライン」は153.3万円(税込)で発売された。
ライバルモデルとしては、格下排気量クラスとなるがスズキの「Vストローム 650」が台頭していた。220kgのマシンが搭載するパワーユニットは、645ccの水冷90度Vツインエンジン。最高出力は、8,800回転65.7馬力というスペック。本モデルよりローパワーとなるが、燃料タンクが22L仕様で、「F650GS」より6L大容量。ロングツーリング時の実用性という面においては、「Vストローム 650」が有利だろう。

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解説記事更新日：2023年02月22日

BMWからゲレンデ・シュトラッセ(GS)モデルが展開されたのは、1980年に登場した「R80GS」までルーツを遡ることになる。そこから30年が経過した2010年に大きな節目となる年を記念する特別限定仕様が展開された。
ボクサーエンジンを搭載する「R」シリーズの「R1200GS」、パラレルツインを搭載する「F」シリーズの「F800GS」、そして本モデル「F650GS」にもこの特別仕様が用意されている。
限定モデルということで採用する専用ディテールは以下の通り。

・スモーク仕上げフロントシールド
・「GS」ロゴ入りシート
・LEDウィンカー
・ABS
・グリップヒーター
・専用カラー

メカニカル機構に関しては通常モデルと同様となる。スチール製のトラス形状フレームに搭載するエンジンは、DOHC4バルブの水冷4サイクル並列2気筒ユニット。排気量798ccのパラレルツインは7,500回転で71馬力を発揮する。
ライバルモデルとしては、海外向けとなるがスズキが2003年から展開している「Vストローム 650」が、比較対象になるだろう。220kgの車体にDOHC4バルブ水冷90度V型2気筒エンジンを搭載。排気量は645㏄で、最高出力は8,800回転65.7馬力という仕様。
スペック面では、本モデルが軽量ハイパワーということになる。シート高は820mmで同じだが、「F650GS」は790mmのロータイプも選択可能ということで、足つき性も本モデルが優位な設計と言える。
なお2010年式で設定された「F650GS 30周年記念」モデルは、レッドの「GS」ロゴ入り専用シートを装着する「アルピンホワイト」の1カラーが用意されており、価格は128万円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2023年02月21日

BMWモトラッドが展開するミドルクラス「F」シリーズでは、798ccのパラレルツインエンジンを搭載する「F800」シリーズが存在する。ただ、本モデル「F650GS」もモデル名称こそ2000年に652ccのシングルエンジンを搭載してデビューした際の名残を継承しているが、同じく798ccの並列2気筒ユニットを採用する。
ただ「F800」シリーズが85馬力以上のパワーを発揮するのに対して、「F650GS」の出力は7,000回転71馬力と控えめなスペックに抑えられている。
なお前年モデルで「GS」モデルの誕生30周年記念カラーを展開した本モデルだが、今回の2011年式は従来仕様から目立ったアップデートを受けることなく継続ラインアップとなった。
カラーバリエーションは、「ホワイトアルミニウムマットメタリック」、「ラバオレンジメタリック」、「バイアリッツブルーメタリック」の3パターンで続投。価格は、北米仕様が9,195USドルから用意された。
「F650」は、アドベンチャーテイスト溢れるスタイリングを採用するデュアルパーパスマシンだが、どちらかというとオンロードでの走行性能を重視した設計となる。そのため、フロントフォークは正立タイプでホイールは、フロント19インチ・リア17インチのキャスト仕様。一方で同排気量エンジンで85馬力仕様の兄貴分モデル「F800GS」は、倒立フォークにフロント21インチ・リア17インチ仕様で、柔軟性に優れたワイヤースポークホイールを装着している。

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解説記事更新日：2023年02月21日

「F650 ファンデューロ」の後継モデルとして2000年に登場した本モデル「F650GS」。2008年には従来の単気筒エンジンから「F800」シリーズに採用された798㏄のパラレルツインエンジンを与えられて次世代マシンへと進化を遂げていた。最高出力こそ85馬力の兄貴分モデル「F800GS」より控えめな71馬力に抑えられているが、そのスタイリングは本格的なデュアルパーパスモデルに仕上げられている。
単気筒エンジン世代から通算すると既にロングセラーモデルとして12年目を迎える本モデルだが、今回の2012年式が「F650GS」の最終仕様となる。
主要諸元の変更は無いが、カラーチェンジの実施に加えて専用カラーを採用する「スペシャルモデル」が設定された。
ボディカラーは、「F800GS」のデビューモデル2008年式を彷彿とさせる「サンイエロー×ブラックシルクグロス」のツートーン仕様。サイドカウルには「GS」の大胆なロゴが配されて存在感をアピールする。価格は128万円(税込)に設定された。
通常モデルは、104.6万円(税込)のスタンダードグレード「アクティブライン」と、123.5万円(税込)の豪華グレード「ハイライン」の2タイプ構成で展開。
カラーリングは、「ホワイトアルミニウムメタリックマット」と「バイアリッツブルーメタリック」の2バリエーション。前年までラインアップされていた「ラバオレンジメタリック」は廃止となっている。
なお、この2012年モデルが最終仕様となった「F650GS」だが、翌2013年モデルではフロントにダブルディスクブレーキを装備して75馬力までパワーアップした「F700GS」がデビューして世代交代を果たした。

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解説記事更新日：2023年02月21日