空冷L型ツインを搭載する「ドゥカティ」のネイキッド「モンスター」だが、2010年モデルで既存マシンの中間クラスにカテゴライズされるニューモデルが登場。
それが本モデル「モンスター 796」である。日本向けは2010年7月に導入された。

車体は、ドゥカティ伝統スタイルのスチール鋼管製トレリスフレームに空冷2バルブのL型ツインエンジンという構造。ボア・ストロークが88mm×66mmの803cc「デスモデュエ」ユニットは、8,250回転で87馬力を発生する。最大トルクは、6,250回転78Nmというスペックでデビューした。ちなみに今や弟分モデルとなった「モンスター 696」が搭載するエンジンは、ボア径こそ88mmで同じだが、ストローク量は57.2mmで、最高出力は81馬力となっていた。
なお本モデルのエンジンには、排気量拡大とパワーアップに対応して冷却効果を高めるためにオイルクーラーが設置されている。
駆動系統は、スリッパー機構付きの湿式クラッチと6速ギヤボックスという組み合わせ。この辺りは「モンスター 696」と同じ設計だ。シリーズの中でフラッグシップに位置する「モンスター 1100」はダイレクト感が特徴の乾式クラッチを採用していた。
足回りは、フロントにインナーチューブが43mm径の倒立フォークを装備して、Y字スポークデザインの17インチホイールを履く。ブレーキは320mmのダブルディスクにブレンボの4ピストンラジアルマウントキャリパーを組合せる。
リヤは上位モデル「1100」と同デザインの片持ち式のアルミ製スイングアームが与えられた。そこにザックスのアジャスタブルモノショックをセットして、ブレーキは245mmディスクとブレンボ2ピストンキャリパーという構造。ABSだが、日本向けは標準装備だった。

ライバルモデルとしては、BMWモトラッドが2009年に投入した「F800R」が台頭する。アルミ製のブリッジフレームに搭載するエンジンは、798ccのDOHC4バルブ水冷パラレルツインユニットとなる。最高出力は8,000回転87馬力で互角。最大トルクは6,000回転86Nmというスペック。乾燥重量は177kgで本モデルより8kg重い。重量が重い分パワー勝負では「モンスター 796」が有利だが、トルクフルなパラレルツインは日常ユースで扱いやすく力不足を感じることは無いだろう。

なおデビュー以降の「モンスター 796」は、2013年モデルで20周年アニバーサリーモデルを展開。その後は、2014年式まで設定されたラインアップから姿を消した。

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解説記事更新日：2024年02月06日

新たなミドルレンジ「モンスター」として登場した「モンスター 7961」は、日本向けのデビューモデルが2010年7月に発売された。
カラーバリエーションは4タイプで、「レッド」、「アークティックホワイト」、「ダイアモンドブラックシルク」、「モンスターアートカラーズ」が用意された。いずれのカラーもフレームはメーカーのイメージカラーとなるレッドでホイールがブラック。前後リムの一部にはレッドのテープが配される。価格は全カラー119万円(税込)で発売となった。

マシンの心臓部は、新開発の803cc空冷2バルブL型ツイン「デスモデュエ」を搭載する。最高出力は8,250回転87馬力仕様で、最大トルクが6,250回転78Nmというスペック。
足回りは、フロントにショーワ製の43mm倒立フォークを装備して、リヤは上位クラスの「モンスター 1100」系と同じアルミ製の片持ちスイングアームにザックス製モノショックという構造。

ちなみに本モデルと同系ユニットは、「ハイパーモタード 796」にも搭載されていた。ただ、セッティングは異なっていて、81馬力・75.5Nmというスペックで本モデルの方がハイパワー。乾燥重量は167kgで両モデルとも互角。シート高は「モンスター 796」が25mm低い800mmで足つき性が優れる。
スタイルやサイズの好みといった要素で、どちらのマシンがマッチするかが変わってくるだろう。

なお2010年式の「モンスター」シリーズは、本モデルが登場したことで、エントリークラスの「モンスター 696」とフラッグシップの「モンスター 1100/S」を含むトータル4マシン構成となった。

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解説記事更新日：2024年02月06日

ミドルレンジの新型「モンスター」として前年に登場した本モデルだが、デビュー2年目となる2011年式は、足回りの仕様変更を受けてマシンの完成度が高められている。
フロントサスペンションが従来モデルではインナーチューブ43mm径でショーワ製の倒立フォークが装備されてしたが、2011年式はマルゾッキ製に変更されている。その他のディテールは前年通りで主要諸元に変更は無い。

弟モデルの「696」とフラッグシップの「1100 EVO」の中間クラスということで、両モデルの「いいとこ取り」のようなマシンに仕上がっている。
スチール製のトレリスフレームにマウントするエンジンは、排気量が803ccの空冷2バルブL型ツイン「デスモデュエ」で、最高出力が8,250回転87馬力というスペック。最大トルクは、6,250回転で78Nmに到達する。
クラッチはスリッパー機構付きの湿式タイプなので、混雑しがちな街中ユースでも扱いやすいだろう。
ちなみに上位クラスとして前年まで展開されてきた「1100/S」は、2011年式で「1100 EVO」に集約された。そしてクラッチが従来の乾式から湿式に変更された。その結果、3クラスで展開される「モンスター」シリーズは、全マシンが湿式クラッチ仕様となった。
ダイレクトな操作感が特徴で、このフィーリングを好んでいたファンにとっては大きな変更ポイントとなっただろう。

なお2011年式の「モンスター 796」は、前年同様の「ダイアモンドブラックシルク」、「レッド」、「アークティックホワイトシルク」、「モンスターアートカラー」のトータル4カラーバリエーションで展開。価格は据え置きの119万円(税込)で、日本仕様はABSが標準装備となっていた。

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解説記事更新日：2024年02月08日

2012年式の「モンスター」シリーズは、フラッグシップの「1100 EVO」に特別仕様の「モンスター ディーゼル」が設定されて、トータル4マシン構成となっていた。
母国イタリアのファッションブランド「DISEL」とのコラボレーションモデルで、艶消しグリーンやマットブラックのパーツが装着されたミリタリーテイスト溢れるスタイルに仕上げられている。
なおシリーズの中で中間モデルに位置して、ビギナーからベテランまで幅広いライダーが満足できる性能を備えた本モデル「モンスター 796」だが、デビュー3年目を迎えた2012年式は前年通りの仕様で継続。

マシンの心臓部は、ボア・ストロークが88mm×66mmの803cc「デスモデュエ・エボルツィオーネ」を搭載。ボア径は弟モデルの「モンスター696」と同サイズのユニットで、最高出力は8,250回転で87馬力を発生する。最大トルクは6,250回転78Nmというスペック。

ライバルモデルとしては、トライアンフが2011年モデルで展開した「タイガー 800」が比較対象になる。エンジンは、800ccの水冷DOHC4バルブ並列トリプルで、95馬力のハイパワーユニット。最大トルクは7,850回転79Nmとなっている。さらにフロントサスペンションは45mmの大径倒立フォークを装備する。
フロントマスクデザインの評価が分かれるところだが、スペック重視なら「タイガー 800」が優れている。

なお2012年式の「モンスター 796」は、カラーバリエーションが4タイプから3タイプに縮小。「アークティックホワイトシルク」、「ダイヤモンドブラックシルク」、「レッド」で、価格は据え置きの119万円(税込)だった。

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解説記事更新日：2024年02月08日

ドゥカティ「モンスター」シリーズにとって、2013年というモデルイヤーは節目の年となる。1993年に初代モデルとなる「モンスター 900」がデビューしてから20年を迎えることになる。その記念として2013年の「モンスター」は、各クラスでアニバーサリーモデルを展開。もちろん本モデル「モンスター 796」にも設定された。
フレームやフロントフォークチューブ、ブレーキキャリパーなどがシャンパンゴールド仕上げの特別カラーを採用。メカニカルな部分は基本グレードと変わらない。価格は5万円アップの124万円(税込)だった。

本モデルは引き続き従来通りの仕様でラインアップ継続となる。カラーバリエーションは、「レッド」、「アークティックホワイトシルク」、「ダイヤモンドブラックシルク」の3タイプで、価格はデビュー時から変わっておらず119万円(税込)。
いずれのカラーもフレームはレッドでホイールはブラック。Y字型スポークホイールには一部にレッドのリムテープが配されていてアクセントカラーとなっている。
リヤの足回りは上位グレードの「モンスター 1100 EVO」と同デザインの片持ちスイングアームを採用。メンテナンス性に優れているだけでなくスタイリッシュなファッション性にも繋がるディテールだ。
エンジンは803ccの空冷L型ツイン「デスモデュエ・エボルツィオーネ」で、8,250回転87馬力というスペック。最大トルクは、6,250回転78Nmという仕様。マシン重量は188kgと軽く、太いトルクと軽快なハンドリングでパンチのある走行フィールを楽しめる。

なお2013年式「モンスター」は、各クラスのアニバーサリーモデルに加えて、イタリアのファッションブランド「DISEL」とのコラボモデル「モンスター ディーゼル」も用意されるなど豊富なラインアップとなっていた。

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解説記事更新日：2024年02月09日

20年以上に渡って「ドゥカティ」のネイキッドシリーズとして世界のファンを魅了し続ける「モンスター」だが、2014年式ではフラッグシップに位置するマシンが次世代へとアップデートされていた。空冷2バルブツインを搭載していた「1100 EVO」が姿を消して、水冷4バルブの「テスタストレッタ 11°DS」を搭載する「モンスター 1200」へと代替わりを果たした。
その結果、2014年式の「モンスター」は、水冷4バルブL型ツインの「1200」と、空冷2バルブの「696」、そして本モデル「796」の3マシン構成で展開。
中間排気量クラスで、ドゥカティのスポーティさと扱い易さを兼ね備えるミドルレンジ「モンスター 796」は、仕様変更を受けることなく従来通りの仕様でラインアップが継続された。

レッドのトレリスフレームにブラックホイール、リヤセンター2本出しマフラー、片持ちスイングアームといった装備がひと目で「モンスター」と分かるスタイルだが、搭載するエンジンは太いトルクと扱い易さを両立する803ccの空冷2バルブL型ツイン「デスモデュエ」ユニットとなる。
日本国内向けの最高出力は8,250回転で87馬力、最大トルクが6,250回転78Nmというスペック。
比較対象としては、ヤマハが世界市場に投入した「MT-09 ABS」が候補に挙がる。本モデルより3kg重い191kgの車体に搭載されるエンジンは、846ccのDOHC4バルブ水冷並列3気筒ユニット。最高出力は、9,000回転で110馬力を発揮するハイスペックマシンだ。最大トルクも8,500回転で88Nmに到達する。スペック重視なら「MT-09 ABS」が格上だ。

なおデビューから4年目を迎えた「モンスター 796」は、この2014年式が最終仕様となってラインアップから姿を消した。
翌2015年式では、821ccの水冷エンジン「テスタストレッタ 11°DS」を搭載する「モンスター 821」が登場した。

買替や売る際の買取査定は、2014年式 モンスター 796の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年02月09日