スーパースポーツやマルチパーパスの「ムルティストラーダ」、ストリートネイキッドの「モンスター」など数々のカテゴリシリーズを展開するドゥカティは、2015年にニューブランドを設定。それが、「スクランブラー」シリーズだった。トータル4マシンでスタートとなったが、その内の1機として設定されたのが本モデル「スクランブラー アーバンエンデューロ」だった。

車体設計はシリーズ共通となっていて、スチール鋼管製のトレリスフレームに空冷SOHC2バルブL型2気筒エンジンを搭載する。このパワーユニットは、ネイキッドモデル「モンスター 796」に採用されていたエンジンがベースとなっていた。ボア・ストロークは88mm×66mmで、排気量が803ccというサイズ。日本のデビューモデル2015年年式は、8,250回転72馬力というスペックで登場。最大トルクは5,750回転で67Nmを発生する。ちなみに海外仕様は75馬力・68Nmのハイパワー仕様となっていた。

足回り構成は、フロントサスペンションにブラックアウトされたカヤバ製の41mm倒立フォークを装備する。足元は、ワイヤースポークタイプの18インチホイールにピレリのセミブロックタイヤを履く。ブレーキは320mmディスクとブレンボ製の4ピストンラジアルマウントキャリパーという組み合わせ。
リヤは、こちらもブラックアウトされた湾曲デザインのアルミ製スイングアームにカヤバ製モノショックを設置する。プリロードがアジャスタブル仕様で、車体の左サイドにマウントする設計だった。足元は17インチ仕様で、245mmディスクとシングルピストンキャリパーというブレーキ構造。安全面ではデュアルチャネルABSを装備。

ちなみに「スクランブラー」シリーズは、エントリーモデル的な位置づけの「アイコン」とスポーティタイプの「フルスロットル」がキャストホイールを履いていたのに対して、本機とノスタルジックなディテールを採用する「クラシック」は、ワイヤースポークタイプとなっていた。
そして本機は「エンデューロ」というネーミングが採用されているだけあって、オフロード感を演出するヘッドライトグリル、スキッドプレート、アップマウントフロントフェンダーといった専用装備が装着された。

ライバルモデルとしては、後発マシンとなるが2016年にトライアンフが展開した「ストリートツイン」が比較候補になるだろう。エンジンは899㏄の水冷OHC4バルブパラレルツイン。最高出力は5,900回転55馬力で、最大トルクが3,230回転80Nmというスペック。重量は本機より6kg重い198kgだったが、シート高が40mm低い750mmで足つき性は良かった。

なおデビュー以降の「スクランブラー アーバンエンデューロ」は、目立った仕様変更を受けることなく2016年式まで設定されて僅か2年という短いモデルライフを終えた。

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解説記事更新日：2024年05月07日

4モデル構成で展開された2015年のニューブランド「スクランブラー」シリーズだが、中でもオフロード色を強調するスタイリングを採用するのが本機「スクランブラー アーバンエンデューロ」だった。デビューモデルとなった2015年式の日本仕様は、同年6月に以下のカラーリングと価格設定で発売された。

・「ワイルドグリーン」　119万9,500円(税込)

車体はミリタリーテイストを感じさせるグリーンベースのスチールタンクやアップマウントフロントフェンダーを採用。「Scrambler」のロゴ入りアルミパネルは脱着可能というユニークな仕様となっている。シートはブラウンでタックロール調のパターンを配することで街中シーンにも馴染む印象に仕上げられていた。

車体は、ドゥカティの伝統構造とも言えるスチール製のトレリスフレームに空冷L型ツインを搭載するという設計。803㏄の2バルブデスモドロミックユニットは、最高出力が8,250回転72馬力、最大トルクは5,750回転で67Nmを発生する。
エンジン下部にはスキッドプレートもセットされて未舗装路での安心感を高めている。
足元は、フロント18インチ・リヤ17インチのアルミ製ワイヤースポークホイールを履いてクラシカルなイメージを残しつつ、メーターパネルはLCDディスプレイタイプとすることで最新モデルとしての存在感もアピールするマシンだ。

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解説記事更新日：2024年05月09日

現行ドゥカティでは、唯一、空冷タイプのL型ツインエンジンを搭載するシリーズとして展開されたニューブランド「スクランブラー」だが、2016年のラインアップには特別な2機が追加設定された。ファッションブランドとのコラボレーションによって生まれた「イタリアンインディペンデント」とフラットトラックレーサースタイルの「フラットトラックプロ」である。さらに既存の800㏄クラスに加えて、400㏄クラスのニューモデルとして「Sixty2」も登場。日本国内においては中型自動2輪免許で運転できる「スクランブラー」ということで、さらなるファンの獲得に繋がるだろう。

なおシリーズの中でも特にオフロードテイストが強調されたデザインを採用する本機「スクランブラー アーバンエンデューロ」は、目立った仕様変更は無く従来衣通りのマシン構造でデビュー2年目を迎えた。日本仕様として導入されたカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「ワイルドグリーン」　125.9万円(税込)

カラーリングも前年通りで変わっていない。ミリタリーテイスト溢れるグリーンをベースにブラウンのシートやスキッドプレート、ワイヤースポークホイールといったパーツ構成で、エンデューロレーサーの様な雰囲気を演出する。価格に関しては、前年比で5万9,500円の値上げが行われた。

マシンスペックも2015年式と同じで、803㏄の空冷2バルブデスモドロミックL型2気筒ユニットは、8,250回転で72馬力を発生する。最大トルクは5,750回転67Nmというスペックだった。

なお本機「スクランブラー アーバンエンデューロ」は、登場から2年目となった2016年式が早くも最終仕様となって生産終了に至った。
後継モデルという位置付けではないが、翌年にはブロックタイヤやロングストロークサスペンション、新設計フレームを採用する本格的オフロード仕様の「デザートスレッド」が登場した。

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解説記事更新日：2024年05月09日