コンパクトな車体とスポーティな走行フィーリングが日本国内道路事情にマッチすることから大ヒットカテゴリとなった「スポーツスター」は1957年の「XL」にルーツを発する。
デビュー以降、時代の変化に応じて数々のバリエーションモデルを展開してきたが、世界各国の環境規制強化や時の流れに沿う形で空冷世代は終焉を迎えて水冷世代へと突入している。
以降、ファットタイヤのソロシートでボバースタイルの「RH1250S」が新生「スポーツ」シリーズを率いてきたが、2022年のレイトモデルでニューマシンが追加された。
それが、本モデル「RH975 ナイトスター」である。
モデル名からイメージできる通り、既存モデルよりもコンパクトな心臓部を与えられた全く新しい「スポーツスター」となる。
搭載するエンジンは、ボア・ストロークが97mm×66mmのDOHC4バルブ水冷60度Vツインユニット。空冷世代の60度レイアウトよりバンク角が開いた構造だ。バランサーを内蔵することで不快な振動は低減されているので、適度な鼓動感を楽しみながらも滑らかに吹け上がるフィーリングを味わえる。
最大トルクは、5,750回転で95Nmに達する。最高出力は7,500回転89馬力というスペック。スロットル制御は電子化されており、スポーツ・ロード・レインの3タイプの走行モードから選択することが可能。トランスミッションは6速仕様でベルトドライブとなる。
ライバルモデルとしては、国内メーカーの格上排気量となるが、ホンダの「レブル1100」が比較対象になるだろう。エンジンは、1,082㏄のOHC4バルブ水冷並列2気筒ユニットを搭載。最高出力は7,000回転87馬力で、最大トルクは4,750回転98Nmという仕様。重量は223kgで、本モデルより2kgだけ重い。僅かな数値差を争うカテゴリのマシンではないので、スペックに関しては大きな差は無いと言えるだろう。シート高は、本モデルが705mmに対して「レブル1100」は700mmと僅かに低い。ホイールベースは、「RH975 ナイトスター」が1,545mmで20mmロングな設計。「レブル1100」は、標準でタンデム仕様であることと、DCTグレードも用意されているのでビギナーや実用性重視のライダーにもチャレンジしやすいマシンだろう。
なお本モデルの足回りは、フロントに41mm径のSHOWA製デュアルベンディングバルブフォーク装備して19インチのアルミキャストホイールをセット。リヤは伝統のツインショック構造を採用する。もちろんプリロード調整が可能だ。ホイールサイズは16インチ。ブレーキは前後シングルディスク仕様だが、しっかりとしたタッチで安心してスロットルを開けていける。安全装備面では、ABSだけでなくコーナリングトラクションコントロールやドラッグトルクスリップコントロールといった電子制御システムも標準で備わっている。
まさに空冷世代とは一線を画す最新の「スポーツスター」である。
特徴的なディテールとしては、11.7L容量のガソリンタンクはシート下に配置されていることだろう。ピーナッツ形状のタンク部分はダミーだがスチール製、内部にはエアクリーナーボックスが仕込まれている。
なおデビューモデルとなった2022年式は3カラーバリエーションを設定して、195万4,700円(税込)から展開された。
翌2023年式では、スピードスクリーンの廃止やカラーチェンジを実施して継続となるが、同時に電子デバイス機構の充実化とスピードスクリーンを装着した上級グレード「RH975S ナイトスター スペシャル」が登場。975㏄クラスが2モデル構成でラインアップとなった。

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解説記事更新日：2023年06月16日

2022年は「スポーツ」シリーズにニューモデルが登場。従来の水冷スポーツスター「RH1250S」の弟分的ポジションとなる本モデル「RH975 ナイトスター」だ。
空冷世代の1,200㏄クラスと883㏄クラスの関係性に近いとも言えるだろう
デビューモデルとなった2022年式は、「ビビッドブラック」が195万4,700円(税込)。「ガンシップグレー」と「レッドラインレッド」が198万5,500円(税込)で発売された。ちなみに本モデルは2022年のレイトモデルとして後発デビューしたのだが、既に展開されていた兄貴分モデルの「RH1250S スポーツスターS」は、「ビビッドブラック」が194万8,100円(税込)で発売されていた。
新生「スポーツスター」となる「RH975 ナイトスター」に搭載されるエンジンは、ボア・ストロークが97mm×66mmのショートストローク水冷Vツインユニットだ。排気量975ccの心臓部は、7,500回転で89馬力を発揮。最大トルクは5,750回転95Nmというスペック。電子的に制御されるスロットルコントロールは3つの走行モード選択機能を搭載しており異なるシーンに応じた出力特性の調整が可能となる。重量は221kg。シート高は、705mmで「スポーツスターS」と比較すると7kg軽くシート高は50mm低い。足元操作系はミッドコントロールでライディングポジションは悪くない。
足元は、フロントに41mmのテレスコピックフォークと19インチホイールを組合せる。リヤは伝統的なスポーツスタースタイルのツインショック仕様に16インチホイールという構造。ブレーキは前後シングルディスクでコーナーリングABSやトラクションコントロールも標準装備。
「スポーツ」シリーズの拡大によって新たなハーレーファンの獲得も間違いないだろう。

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解説記事更新日：2023年06月16日

水冷世代へと突入した「スポーツ」シリーズは、前年に本モデルがデビューしたことでラインアップの充実化が図られたわけだが、2023年モデルでは、さらにもう1台ニューカマーが登場。それが、本モデルをベースに電子制御システムを強化した上級グレード「RH975S ナイトスター スペシャル」だ。ニューマシンの追加で2023年の「スポーツ」シリーズは3モデル構成となった。
その中でエントリークラスとなる本モデル「RH975 ナイトスター」は、以下のアップデートを受けている。

・スピードスクリーン廃止
・サイドエンブレム変更
・カラーチェンジ

前年のデビューモデルと比較してひと目で気付く変更ポイントは、フロントのスピードスクリーンが取り外されていることだろう。そしてだミータンク部分のサイドエンブレムは伝統のバー&シールドロゴタイプを採用したシンプルなデザインへ変更。
その全体的なマシンフォルムはかつての空冷スポーツスターを彷彿とさせるシンプルで無骨なスタイルへとイメージチェンジを遂げている。
マシンスペックの変更は無く水冷60度Vツイン構造のRevolution Max 975Tエンジンは、5,750回転で95Nmを発揮。最高出力は7,500回転89馬力という仕様。バランサー内蔵型のショートストロークユニットということで気持ちよく吹け上がり、高速ロングツーリングでも振動が低減されており快適なフィーリングに仕上がっている。
ノーマルで乗るのももちろんだが、カスタムベースにするのも面白そうなニュー「スポーツスター」だ。
なお2023年式の「RH975 ナイトスター」は、カラーバリエーションを3タイプから2タイプに縮小。「ビビッドブラック」は、30万9,100円の大幅値上げが行われて226万3,800円(税込)。継続カラーの「レッドラインレッド」は229万6,800円(税込)で、こちらは31万1,300円の値上がりとなった。

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解説記事更新日：2023年06月16日

水冷「Revolution Max」を搭載する「スポーツ」シリーズのエントリーモデル的ポジションで2022年にデビューした「RH975 ナイトスター」。バランサーを内蔵することでVツインの振動が低減されて快適なライディングを楽しめるスモール「スポーツスター」といったところだ。登場から3年目となった2024年式だが、日本向けラインアップにその姿は無かった。ただ、本国ではカラーチェンジを受けてラインアップを継続している。
カラーバリエーション数は、前年と同じ2タイプが用意された。本国アメリカモデルで設定されたカラーリングと価格は以下の通り。

・「ビビッドブラック」　12,299USドル
・新色「ビリヤードグレー」　11,999USドル

タンクサイドに配される「バー&シールド」エンブレムのデザインは変わることなく継続しているが、マシンの右サイドから眺めるエンジン本体のカラーは、前年のシルバーからガンメタグレーに変更されてダークな印象にイメージチェンジした。価格面ではベーシックカラーの「ビビッドブラック」が前年比で1,200ドル値下がりしていた。
メカニカル面のアップデートは無くエンジンスペックも従来通り。
975ccの水冷60度Vツイン「Revolution Max 975T」は、7,500回転で91馬力を発生する。最大トルクは5,750回転97Nmというスペック。ライディングモードは、「スポーツ」・「ロード」・「レイン」の3タイプから任意に設定して出力特性を変更可能だ。
スタイリング面では、丸型LEDヘッドライトにシングルマフラー、ソロシート、フロント19インチ・リヤ16インチタイヤという構成で空冷「スポーツスター」時代を思い起こさせるようなオーソドックスなスポーツクルーザーに仕上がっている。
なお日本国内向けの2024年式は、スピードカウルの装着や電子制御システムの充実化などを施した上級モデル「RH975S ナイトスタースペシャル」が、188万8,800円(税込)から展開されていた。

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解説記事更新日：2024年03月20日