大陸横断バイクとしての実用性とハーレーの伝統を感じさせるノスタルジックなディテールが特徴の「FLHR ロードキング」。そのデビューは1994年のことで、1,340ccの空冷Evolutionを搭載して登場した。フロントには大型のウィンドシールドを装着してビッグサイズのクロームヘッドライトにナセルを組合せて古き良き時代のツーリングマシンをイメージさせるルックスだ。そのデビューから5年が経過した1999年式で、新開発されたニューエンジンを与えられて次世代へのアップデートが実施された。
アメリカ国内の最高速度制限が引き上げられて、従来よりもハイスピードでの走行が合法化されたタイミングと重なり、時代に流れに沿ったハーレーの進化とも言えるだろう。
リニューアルされたパワートレインは、ボア・ストロークが95.3mm×101.6mmの新設計ユニット。Twin Cam 88と名付けられたニューエンジンは、そのネーミングからもイメージできる通りツインカム構造だ。排気量は88キュービックインチ(1,450cc)まで拡大された。デビューモデルとなった1999年式は、3,300回転で107Nmの最大トルクを発揮。最高出力は5,200回転67馬力というスペック。Evolution世代の64馬力からパワーアップしている。トランスミッションは、コンスタントメッシュ5速仕様を搭載。
足回りは、当初エアアシスト式のフロントフォークを採用していた。そこにディープデザインのFLフェンダーを組合せ、16インチホイールを収めて292mmのダブルディスクブレーキを装備。リアは雨天でも安心のグラスファイバー製ハードサドルバッグの内側にエアサスペンションを車体の両サイドにセットしている。ホイールサイズはフロントと同径の16インチで、ブレーキは292mmのシングルディスク。
デザインや装備面では、特徴的なフロントシールドはデタッチャブル仕様なので街乗りや短距離移動の際に不要と感じれば取り外しが可能。シートも2ピース構造でパッセンジャー部分は取り外すこともできる。
18.9L容量のタンクにはクローム仕様のコンソールがセットされており電子式の大型スピードメーターがインストールされる。
スペックや細かなディテールは仕向け地ごとに異なる部分もあるが、日本国内向けは2002年モデルが3,100回転110Nmというスペックの231.5万円(税込)で展開されていた。
以降は、翌2003年モデルでハーレーの生誕100周年を記念する専用タンクバッジを装着する特別仕様が登場。その後は、2004年モデルでリアタイヤが従来の130mmから140mmのワイドで高耐久性タイプへアップデート。このタイミングで、フロントシールドを外してローダウン仕様に仕上げた「FLHRS カスタム」も導入され「ロードキング」シリーズがインジェクション仕様の「FLHRCI クラシック」と合わせて3バリエーションまで増強。
その後もカラーチェンジを受けながらラインアップを継続し、2006年式で以下のアップデートを実施。

・クラッチ仕様変更
・クリアレンズ仕様のパッシングライト採用
・ピンストライプフットボードインサート採用など

駆動系のアップデートによりクラッチレバーの操作感が軽くなり実用性がアップ。各部のデザイン変更も加えられてクラシカルな趣の中にもスタイリッシュさが取り入れられて古臭さを感じさせない味わい深いマシンへと熟成が図られている。この2006年式は3,100回転110Nmというスペックで、モノトーンカラーが246.2万円(税込)で展開された。
なお、Twin Cam 88エンジンを搭載する「FLHR ロードキング」は2006年式が最終仕様となって、2007年からはストロークアップで排気量を拡大したフューエルインジェクション仕様のTwin Cam 96エンジンと6速ミッションを与えられて次世代へ進化を遂げた。

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解説記事更新日：2022年12月22日

ハーレーの王道的スタイルとも言えるフォルムのツーリングマシン「FLHR ロードキング」は、1999年モデルで新設計のパワートレインを与えられて次世代へ進化を遂げた。
従来モデルでは1984年に導入された1,340ccのEvolutionエンジンを搭載していたが、今回あらたに採用されたのは1,450ccまで排気量アップしたTwin Cam 88エンジン。このユニットネームからも容易に想像することができるが、Evolution世代のシングルカム構造からツインカム構造へアップグレードされている。ボア・ストロークは、95.3mm×101.6mmの88キュービックインチ(1,450cc)。最高出力は5,200回転67馬力で、最大トルクは3,300回転107Nmというスペック。燃料供給方式は、キャブレタータイプの本モデルだけでなく、96年から展開されているフューエルインジェクションタイプの「FLHRI」も並行ラインアップされている。トランスミッションは5速仕様で継続となった。
足元は前後16インチの「FL」スタイルでノスタルジックな仕上がり。
1994年のデビュー時から採用しているデタッチャブル仕様の大型ウィンドシールドやデュアルエキゾーストパイプといったディテールも継承。各部のクロームパーツが輝く「ロードキング」の名称に相応しい存在感を放つマシンだ。
なお、本モデルはハードサドルバッグが標準装備となるが、レザー仕様のサドルバッグを装備するインジェクション仕様の「FLHRCI ロードキング クラシック」もラインアップされている。

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解説記事更新日：2022年12月22日

ノスタルジックな趣を感じさせながらも現代人に必要な優れた実用性も兼ね備えるツーリングマシン「FLHR ロードキング」は、前年の1999年式で次世代エンジンとなるTwin Cam
88ユニットを与えられた。なお、このアップデートは「ツーリング」ファミリーと「ダイナグライド」ファミリーには適用されたが、「ソフテイル」には採用されていなかった。しかし、今回の2000年モデルで「ソフテイル」ファミリーにも1,450ccのツインカムエンジン、Twin Cam 88Bが与えられた。エンジンネーム末尾に「B」が付されているのは、バランサー内蔵仕様であることを示すもの。「ソフテイル」は、エンジンをフレームにリジットマウントするという構造のため、ハイパワー空冷ビッグツインの振動を打ち消して快適性を確保するためにバランサーを組み込むという独自の構造を採用する。エンジンをラバーマウントする「ツーリング」や「ダイナグライド」には当てはまらない装備だ。
なおニューエンジンを与えられて2年目となる本モデル「FLHR ロードグライド」は、新たに人間工学に基づいたニューデザインのハンドルバーを採用。メカニカル機構に関しては前年と同スペックで継続となっている。
パワートレインは、5,200回転67馬力仕様のTwin Cam 88エンジンを搭載。最大トルクは3,300回転で107Nmを発揮する。燃料供給方式は、キャブレター仕様の本モデルの他にインジェクション仕様の「FLHRI」も展開されていた。
ちなみにレザーサドルバッグやホワイトリボンタイヤでノスタルジックな雰囲気をさらに強めた「FLHRCI ロードキングクラシック」に関しては、インジェクションタイプのみが設定されていた。

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解説記事更新日：2022年12月22日

大径電子式スピードメーターをクローム仕上げのコンソールにセットして、ノスタルジックなクロームヘッドラインプとナセルでトラディショナルスタイルを創り上げる「ロードキング」シリーズ。スタンダードなポジションとなるキャブレター仕様の本モデル「FLHR ロードキング」は、2001年モデルで出力特性の変更が見られる。
パワートレイン本体は、1999年モデルで導入された88キュービックインチ(1,450cc)のビッグツイン、Twin Cam 88エンジンをフレームにラバーマウントする。本国モデルの最高出力は5,200回転67馬力で変更はない。最大トルクは107Nmで前年同様だが、ビークトルクを発揮するタイミングは従来の3,100回転から僅かに高回転側へシフトして3,300回転となっている。なお、スペック詳細に関しては各国の仕向け地によって異なる場合があり世界共通というわけではない。2001年式の国内向けは、3,200回転110Nmというスペックで、価格は231.5万円(税込)に設定されていた。
ハイパワービッグツインをコントロールする足回りは、フロントにエアアシストタイプのテレスコピックフォークを装備して、16インチタイヤと292mmのダブルディスクブレーキをセット。キャリパーは4ピストンタイプ。リアは、車両サイド左右に標準装備されるサドルバッグ内側にエアサスペンションが取り付けられている。クラシカルで重厚な雰囲気とは裏腹に乗り心地はマイルドだ。肉厚な2ピースシートや大型のウィンドシールドの効果も相まって快適なロングライドを実現するツーリングマシンである。

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解説記事更新日：2022年12月22日

2002年モデルの「ツーリング」ファミリーは、前年同様にトータル６車種でラインアップを継続。大型のフロントフェアリングを装着する「エレクトラグライド」シリーズや「ロードグライド」とは対照的にクラシカルな印象の大型ウィンドシールドを装着するのが、本モデル「ロードキング」。今回の2002年モデルでは以下のアップデートを受けている。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

マシンの心臓部は、ブラックパウダーコートの本体にクロームカバーを組み合わせた空冷Twin Cam 88エンジンをフレームにラバーマウント。1,450ccのビッグツインは、日本国内向けが3,100回転110Nmというスペック。ピークトルクは前年から変わっていないが、到達するタイミングは3,200回転から3,100回転まで下がっている。
カラーバリエーションは、トータル7バリエーションが用意されている。
モノトーンの「ビビッドブラック」は、231.5万円(税込)。「リアルティールパール」、「ラグジュアリーリッチレッドパール」、「コンコルドパープルパール」は、234.5万円(税込)。
ツートーンタイプは、「ラグジュアリーブルー×ダイアモンドアイス」、「ラグジュアリーリッチレッド×ブラック」、「スエードグリーン×パールブラック」の3パターンで、価格は236.5万円(税込)に設定された。
なお、レザーサドルバッグやレースホイールにホワイトウォールタイヤを組みわせてノスタルジックな印象を強調するインジェクション仕様の「FLHCRI ロードキングクラシック」は、15万円高で展開されていた。

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解説記事更新日：2022年12月22日

2003年、ハーレーは創業から1世紀を迎えるという歴史的な節目のモデルイヤーとなった。その100周年を記念するアニバーサリー仕様のディテールを各モデルが採用。トータル6マシンがラインアップを連ねる「ツーリング」ファミリーも当然のことながら100周年仕様を設定している。
ファミリー内でもノスタルジックなスタイリングでツーリングモデルの王道スタイルを貫く「FLHR ロードキング」は、2003年モデルで以下のアップデートを受けた。

・100周年仕様タンクバッジ
・ブレーキキャリパー仕様変更
・カラーチェンジ

エンジンスペックは前年モデルから変更されておらず、キャブレター仕様の空冷Twin Cam 88ユニットは、3,100回転で110Nmの最大トルクを発生させる。ブラックパウダーコートにクロームカバーを組みわせたエンジン本体と楕円形の大型エアクリーナーカバー、クロスオーバーレイアウトのブラントカットクロームエキゾーストが煌びやかに輝く車体だ。
また、足元は前後16インチのアルミキャストホイールを装着。ブレーキは従来モデルで4ピストンキャリパーを組合せるトリプルディスク仕様だったが、2003年式ではキャリパーがデュアルピストンタイプへ変更された。
デザイン面では、100周年アニバーサリー専用ディテールとして、タンクバッジがバー&シールドとウィングマークを組み合わせたニューデザインで、「100」のナンバーが組み合わされる特別仕様となっている。
カラーバリエーションは、「ビビッドブラック」が235.5万円(税込)。「ラグジュアリーレッド」、「ホワイトパール」、「ラグジュアリーブルー」の3カラーは240万円(税込)。
ニューカラーの「ガンメタパール」は、242万円(税込)で展開された。

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解説記事更新日：2022年12月22日

デビューから10年を迎える「ツーリング」ファミリーの重鎮モデル「ロードキング」シリーズは、2004年モデルでニューカマーを投入。大型フロントシールドを外し、レーザーサドルバックを装備して足元はローダウン仕様のリアサスペンションをセット。プルバックしたビーチバーハンドルを装着する「FLHRS ロードキング」カスタムだ。新たなメンバーが加わったファミリーは、トータル7マシンで展開。「ロードキング」シリーズは、スタンダードな本モデル「FLHR」とクラシカルな「FLHRCI」、そして「FLHRS」の3モデルが出揃った。
なお、2004年式の本モデル「FLHR ロードキング」に関しては、以下の仕様変更を受けている。

・リアタイヤサイズ変更
・カラーチェンジ

マシンの心臓部は、3,100回転で110Nmを発揮する1,450ccの空冷Twin Cam 88エンジンをツーリングフレームにラバーマウント。足元は、フロントに油圧式のテレスコピックフォークを装備して、リアはグラスファイバー製のサドルバッグ内側に調整式のエアサスペンションをセットしている。
従来モデルでは、前後共にMT90-B16の同サイズタイヤを装着していたが、2004年式ではリアタイヤに高耐久性でワイドサイズのMU85-B16サイズを新たに採用。タイヤが太くなったことでリアビューの迫力が増し、走行安定性も向上している。
カラーバリエーションは、全6バリエーションを設定。
モノトーンタイプの「ビビッドブラック」、「シエラレッド」、「ラグジュアリーティール」、「スモーキーゴールド」は、246万2,250円(税込)。
ツートーンタイプの「ラグジュアリーブルー×インパクトブルー」、「シエラレッド×ブリリアントシルバー」は、248万3,250円(税込)となった。
なお、ニューカマーの「FLHRS」はモノトーンカラーのみの設定で250万4,250円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2022年12月22日

「ロードキング」と言えば、デタッチャブル仕様の大型フロントシールドがアイデンティティだが、そのセオリーを覆すモデルが前年に登場。それが、「FLHRS ロードキング カスタム」だ。ニューカマーを迎えた「ロードキング」シリーズは、トータル3マシンとなり2005年モデルも継続ラインアップ。その中でもスタンダードなポジションとなる本モデル「FLHR ロードキング」は、以下のアップデートを実施。

・出力特性変更
・タンクグラフィック変更
・カラーチェンジ

ブラックパウダーコートとクロームカバーの組み合わせで煌びやかな輝きを放つTwin Cam 88エンジンは、3,100回転で114Nmを発揮する。前年モデルの110Nmからパワーアップしている。「ロードキング」シリーズの3マシンは、いずれも同じスペックで重量も345kgで同じ。ただ、シート高は本モデルが693mmで最も高い。続くのが「FLHRCI クラシック」の683mmで、「FLHRS カスタム」は663mmだった。
2005年式「FLHR ロードキング」は、10カラーの豊富なバリエーションが用意されている。モノトーンカラーは、「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ブラックチェリーパール」、「シエラレッドパール」、「グレイシャーホワイトパール」、「スモーキーゴールドパールの6パターンで、価格は246.2万円(税込)。
ツートーンタイプは、「ブラックチェリーパール×ブラックパール」、「シエラレッドパール×ブリリアントシルバーパール」、「リッチサングロブルー×チョッパーブルーパール」、「チョッパーブルーパール×ブリリアントシルバーパール」の4タイプで、価格は248.3万円(税込)。いずれのカラーも前年から250円の値下がりとなっていた。

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解説記事更新日：2022年12月22日

国内向け2006年の「ツーリング」ファミリーは、トータル9マシンでラインアップ。
大型クリアレンズ仕様のクロームヘッドライト&ナセルとパッシングライトがノスタルジックな雰囲気を醸し出す「FLHR ロードキング」は、2006年モデルで以下のアップデートを受けている。

・出力特性変更
・クラッチ仕様変更
・補助ランプデザイン変更
・フットボードデザイン変更
・カラーチェンジ

フレームに3点ラバーマウントされる1,450ccの空冷Twin Cam 88エンジンは、3,100回転で110Nmの最大トルクを発生させる。2005年の114Nmからはパワーダウンしている。今回はメカニカル機構に関して、駆動系統にアップデートが施された。クラッチの仕様変更で操作が軽くなり実用性が向上。ストップ&ゴーが多い日本の道路事情を考慮すると嬉しいアップデートとなるだろう。
その他は、デザイン面の変更が中心となる。フロントの3連ヘッドライトは、両サイドのパッシングライトにもクリアレンズが採用されてスタイリッシュなイメージに変化。フットボードにはニューデザインのピンストライプインサートが採用されている。
カラーリングは10パターンが用意されており前年と同じバリエーション数。
モノトーンタイプは、「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「ディープコバルト」、「ブラックチェリー」、「ファイアーレッドパール」、「グレイシャーホワイトパール」の6パターンで、価格は据え置きの246.2万円(税込)。
ツートーンタイプは、「ブラックチェリー×ブラックパール」、「ファイアーレッドパール×ビビッドブラック」、「リッチサングロブルー×チョッパーブルー」、「チョッパーブルー×ブリリアントシルバー」の4パターンで249.3万円(税込)。こちらも価格は据え置かれている。
なお、1999年モデルで従来のEvolutionエンジンからTwin Cam 88エンジンへ世代交代が実施された「FLHR ロードキング」だが、Twin Cam 88仕様は今回の2006年モデルが最終。翌年にはストロークアップで排気量を1,584㏄まで拡大したインジェクション仕様のTwin Cam 96エンジンと6速ミッションを与えらえて、さらなる進化を遂げた。

買替や売る際の買取査定は、2006年式 FLHR ロードキングの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年12月22日