「ダイナ グライド」ファミリーと言えば、スリムな車体にビッグツインを搭載してツインショックをリアに装着するスポーティなマシン群というイメージだが、2001年のラインアップには一風変わった個性的なマシンが加わった。それが、本モデル「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」だ。モデル名から察することができる通りベースになっているのは、「FXDX スーパーグライド スポーツ」となる。
足元はキャストホイールにフロントダブルディスク仕様という、走行性能を重視した設計。加えて特徴的なデティールとして以下の内容を採用している。

・ウィンドシールド付きスポーツフェアリング
・プレミアムナイロン製サドルバッグ
・フレームマウントハイウェイペグ
・コンフォータブルツーアップツーリングシートなど

パワートレインは、ベースモデルと同じブラックアウトされた1,450ccの空冷Twin Cam 88エンジンをフレームにラバーマウント。デビューモデルとなった2001年式の国内向けは、2,900回転106Nmというスペックで登場。価格は199.5万円(税込)に設定された。
重量は302kgで、装備の追加によってベースモデルより5kgほど重くなっている。
フロントに装着されたスポーツフェアリングはシールドの角度をダイヤルで調整することができ、走行シーンに応じて好みにアレンジ可能となる。
足回りは、フロントに39mmのプレミアムフォークを28度のレイク角でセット。ホイールベースは1,580mmでデビュー時の「ダイナグライド」ファミリー内で最もショート。ちなみにファミリー内で最もロングなのは、レイク角32度の「FXDWG ワイドグライド」が1,665mmだった。チョッパーテイストのスタイリングよりも取り回し性能を重視するなら「FXDX」スポーツ系が良いだろう。
本モデルのホイールは、フロントが13本スポークのアルミキャスト19インチ仕様。ブレーキは292mmディスクをダブルで装備する。
リアは調整機構付きのプレミアムツインショックに16インチホイールと130mmタイヤを組合せる。
リアサイドに装着される純正サドルバッグは脱着可能でサイズの拡大も可能という融通の利くアイテム。長距離移動時は取り付けて、街中移動時は取り外してスッキリした車体でライディングという使い方もできるわけだ。
デビュー以降は、スペック面の変更はなくカラーチェンジを実施しながら継続ラインアップ。
2003年モデルでは以下のアップデートを受けた。

・100周年記念カラー設定
・ブレーキ仕様変更
・エンジンカラー変更

ハーレーにとって大きな節目となるタイミングで専用カラーと100周年記念エンブレムを装着。さらにブラックアウトされていたエンジンはクロームカバーが組み合わされていイメージチェンジも実施。さらにブレーキキャリパーは4ピストンタイプから2ピストンタイプのシンプルな構造へ変更された。
この2003年式が「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」の最終仕様となってカタログラインアップから姿を消した。2003年モデルのモノトーンカラーは203.5万円(税込)で、デビュー時から4万円の値上がりとなっていた。

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解説記事更新日：2022年11月21日

「ダイナグライド」のスポーティさと「ツーリング」の利便性を兼ね備えたニューマシンが2001年の「ダイナ」ファミリーに登場。「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」のネーミングを与えられた本モデルは、ハーレーのラインアップの中でもライトウェイトスポーツツーリングマシンという位置づけだ。
パワートレインは、ブラックオンブラックの漆黒な空冷Twin Cam 88エンジンを搭載。国内向けの最大トルクは、2,900回転106Nmというスペックでデビュー。カラーリングは、「ビビッドブラック」、「ダイアモンドアイスパール」、「ラグジュアリーリッチレッドパール」、「コンコルドパープルパール」、「スエードグリーンパール」、「ラグジュアリーブルーパール」、「ジェイドサングロパール」のモノトーンタイプが用意され、価格は199.5万円(税込)で展開した。
フロントフェイスには調整機能付きウィンドシールドを組み合わせたスポーツフェアリングを装着。そしてリアサイドにはナイロン製のプレミアムサドルバッグも標準で装備する。また、足元にはフレームマウントのハイウェイペグも装着される(仕向け地によっては非装着の場合もあり)。
足回りはフロント19インチ・リア16インチのアルミキャストホイールを履き、ブレーキはトリプルディスク仕様でスポーティなテイストも忘れてはいない。
「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」はハイウェイ走行やロングライドに重宝するツーリングアイテムを純正採用する「ダイナ」ということで、独特の存在感を漂わせる個性的なニューカマーとなった。

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解説記事更新日：2022年11月20日

「FXDX スポーツ」をベースにスポーツフェアリングやサドルバッグ、肉厚シートを装着してツーリング要素を取り入れた個性的なニューカマー「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」。
デビュー2年目となる2002年モデルではカラーチェンジを実施している。
カラーリングは引き続きモノトーンのみとなり、「ビビッドブラック」が据え置き価格の199.5万円(税込)。
「ラグジュアリーリッチレッドパール」、「ダイアモンドアイスパール」、「スエードグリーンパール」、「ラグジュアリーブルーパール」、「ジェイドサングロパール」の5カラーは201.5万円(税込)で展開された。
パワートレインは、ブラックパウダーコートにウィンクルブラックとテクスチャーブラックのカバーを組み合わせた1,450ccの空冷Twin Cam 88ユニットをダイナフレームにラバーマウント。最大トルクは2,900回転106Nmというスペックで前年同様。
マシンの操舵系統は、「XR」スタイルのフラットハンドルバーに足元はフォアードコントロール。ベースモデルの「FXDX スポーツ」がスリムで薄型のシートを採用しているのに対して、本モデルは移動時の快適性に優れた厚手のシートを採用。ただ、パッセンジャー用のバックレストまでは用意されていない。シート高は、「FXDX」が711mmで、本モデルは760mmある。2002年式の「ダイナグライド」ファミリーでは、最も高いシートポジションだ。
足回りは、フロントに39mmのプレミアムテレスコピックフォークと19インチの13本スポークアルミキャストホイールをセット。ブレーキはダブルディスク仕様。
リアやプリロード調整機構付きのプレミアムツインショックと16インチのキャストホイールを組合せる。
なお、レースホイールを装着する「FXD」、「FXDL」、「FXDWG」のフロントブレーキはシングルディスク仕様となる。

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解説記事更新日：2022年11月20日

2003年のフルラインアップでは、「スポーツスター」の「XL883R」や「ツーリング」の「FLHPE ポリス」を除く、ほぼ全マシンが同デザインのタンクバッジが与えられ同色系のカラーリングを採用している。これは、2003年で創業から100周年を迎えるというハーレーのアニバーサリー記念として採用されたディテールである。
もちろん「ダイナグライド」ファミリーのスポーツツーリングモデルである本マシン「FXDXT スーパーグライド Tスポーツ」にも適用された。
バー&シールドとウィングを組み合わせたエンブレムには「100」の文字が刻まれる。そしてタンクには専用のストライプも配されている。
2003年式のカラーリングは2タイプのみで、「ビビッドブラック」が203.5万円(税込)で4万円の値上げ。特別カラーの「ガンメタパール」は、205.5万円(税込)で展開された。
マシンの心臓部は、キャブレター仕様の空冷Twin Cam 88エンジンで、最大トルクは2,900回転106Nmというスペック。出力特性はデビュー時の2001年モデルから変わっていない。
ただ、今年度はデザイン面も含め以下の内容でいくつかの仕様変更を受けている。

・エンジンカラー変更
・ブレーキキャリパー変更

従来までのパワートレインは、ブラックパウダーコート仕上げにブラック系のカバーを組み合わせることでブラックオンブラックのスタイルを採用していた。しかし、今年度はカバー類はクローム仕様へ変更することで煌びやかな仕上がりにイメージチェンジが図られて随分と印象が変化した。
そして、制動系統はトリプルディスク仕様のブレーキ変更はないがキャリパーは4ピストンから2ピストンタイプへ変更されている。
なお、2001年にサドルバッグやスポーツフェアリングといったツーリング装備を採用してデビューした本モデル「FXDX スーパーグライド Tスポーツ」だが、今回の2003年モデルが最終仕様となって短いモデルライフを終えることとなった。
ツーリングテイストを取り入れた「ダイナ」としては、後の2012年にデタッチャブル仕様のコンパクトシールドとサドルバッグを装着する「FLD スイッチバック」が登場した。

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解説記事更新日：2022年11月20日