1990年代のビッグツインを搭載するハーレーは、1984年に導入された1,340ccのEvolutionエンジンで継続展開してきた。しかしアメリカ国内の速度規制に関する法規が変更されて従来よりも最高速度が引き上げられたことに伴って、ハーレーはよりハイパワーでゆとりの走りを実現するニュービッグツインを開発。それが、1999年に導入されたTwin Cam 88ユニットである。早速、1999年モデルで「ダイナ」ファミリーと「ツーリング」ファミリーが採用。その翌年、2000年モデルで「ソフテイル」ファミリーにもこの新型パワーユニットが与えられた。
「ソフテイル」ファミリーはフレームにエンジンをリジットマウントするので、ライダーに伝わるエンジンの振動を低減するためにバランサーを内蔵したタイプが採用されている。それで、エンジンのネーミングは末尾に「バランサー」を意味する「B」の文字が付されたTwin Cam 88Bとなる。
ファミリー内でも伝統的なチョッパースタイルでカスタムベースにも最適な本モデル「FXST ソフテイルスタンダード」も2000年モデルからTwin Cam 88Bエンジンへ世代交代。
シルバーパウダーコートとシルバーポリッシュカバーを組合せて仕上げられたニューエンジンは、従来のシングルカム構造からツインカム構造へアップグレード。
ボア・ストロークは95.3mm×101.6mmで、排気量は1,450ccまで拡大。2000年モデルの最高出力は5,300回転63hpというスペックでデビュー。最大トルクは3,200回転で106Nmを発揮する。ちなみに1,340ccの先代Evolutionエンジンは56hpだった。モアパワーを与えられたことで、アメリカ大陸を横断するような高速長距離移動もゆとりの走りを楽しめるだろう。
本モデルの足回りは、フロントに41.3mmのワイドカスタムフォークを装備して21インチのクラシックスチールレースホイールを履く。ブレーキは292mmのシングルディスクに4ピストンキャリパーという仕様。
リアはミッション下に隠されたツインショックという構造でリアサイドにサスペンションは装着されていない。ボブテールフェンダーに16インチレースホイールを組合せてスッキリとしたハードテイルルックを創り出している。操舵系統は、ワイドハンドルバーにフォアードコントロールの組み合わせ。
Twin Cam 88Bエンジンを与えられた「FXST ソフテイル」スタンダードの国内向けは2002年式のキャブレター仕様が177.8万円(税込)で販売されていた。
以降は、2003年モデルでブレーキキャリパーが2ピストンタイプへ変更されて、2004年には以下のアップデートを受けてマシンの信頼性と耐久性が向上。

・出力特性変更
・クラッチ仕様変更
・エンジンシール変更
・長寿命テールライト採用
・ロングライフブレーキパッド採用
・クロームメッキヘッドボルト採用

さらに2006年式ではリアホイールがスチールレースからアルミキャストタイプへ変更。サイズも17インチへ大径化してタイヤは200mmのワイド仕様を装着することで、カスタム色が高められた。この2006年モデルが1,450ccのTwin Cam 88Bエンジン最終仕様となって、翌年からは1,584ccにボアアップしたTwin Cam 96Bユニットを与えられてモアパワーを手に入れた。なお国内向けの2006年式は188.7万円(税込)だった。

買替や売る際の買取査定は、2000~06年式 FXST ソフテイルスタンダードの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年11月14日

無骨なチョッパースタイルの「FXST ソフテイル スタンダード」は、今回の2000年モデルで刷新されたニューエンジンを搭載。
前年ラインアップで既に「ツーリング」と「ダイナ」ファミリーに採用されたユニットとなる。1984年に登場した1,340ccのシングルカム空冷Evolutionに変わってツインカム構造の1,450㏄の空冷Twin Cam 88Bエンジンが新たに採用された。
なお、「ソフテイル」ファミリーに搭載されるニューエンジンはネーミングの末尾に「B」の文字が付されている。これは不快な振動を低減するためのバランサーが組み込まれていることを表すもので、フレームにリジットマウントする「ソフテイル」ファミリーにのみ採用された構造となる。「ツーリング」と「ダイナ」ファミリーに搭載されるユニットは、フレームにラバーマウントされるのでバランサーレスで「B」の文字は付されない。
今回、「ソフテイル」にもTwin Cam 88Bが与えられたことで、2000年式のビッグツインは全て1,540ccのツインカムへ切り替わった。
2000年式の本モデル「FXST ソフテイルスタンダード」は、5,300回転で63hpを発揮する。最大トルクは3,200回転106Nmというスペック。前年モデルの5,000回転56hpから大幅にパワーアップしている。
車体のデザインはクラシカルかつシンプルなチョッパースタイル。フロント21インチ・リア16インチのレースホイールにカスタムシートとワイドハンドルバーを組合せる。
マイルドなテイストのノーマルで乗るか、カスタムを施してワイルドに仕上げるか、乗り手のセンスと好みを表現しやすいマシンである。
なお、燃料供給方式はキャブレター仕様だけでなくインジェクション仕様も展開されている。

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解説記事更新日：2022年11月11日

ツインカム構造のバランサー内蔵型ニューエンジンを与えられた「ソフテイル」ファミリーは、2001年モデルで7車種を展開。全モデルがキャブレター仕様とインジェクション仕様の2タイプ構成となる。そのうち4車種がチョッパースタイルの「FX」モデル。その中でもベーシックなポジションとなるのが本モデル「FXST スタンダード」である。
ボブテールフェンダーを採用するリアセクションはサスペンションが装着されていないように見えるリジットスタイルを創り出しているが、実はトランスミッション下にツインショックが水平マウントされている。この構造によりスッキリとしたハードテイルスタイルを表現することができているのだ。
パワートレインはシルバーパウダーコートにシルバーポリッシュカバーを組み合わせた空冷Twin Cam 88Bエンジンをフレームにリジットマウント。おなじ「FX」スタイルのファミリーメンバー「FXSTB ナイトトレイン」はブラックパウダーコート仕上げのエンジンにブラックのタンクコンソールやドラッグバーにディスクリアホイールを装着しており本モデルとは対照的にダークなオーラを放っている。
2001年式「FXST スタンダード」の最大トルクは、3,000回転で107Nmを発揮する。なおスペックに関しては仕向け地の法規制によって変更されている場合もあるので世界共通というわけではない。
ボディカラーは、「ビビッドブラック」、「ラグジュアリーブルーパール」、「リッチレッドパール」、「ダイアモンドアイスパール」の4バリーションが用意された。

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解説記事更新日：2022年11月11日

リジットマウントのエンジンにリジットスタイルのリアサスペンション、さらに前後スチールレースホイールとカスタムシートでチョッパースタイルの王道を行く「FXST ソフテイル スタンダード」。
1,450ccのツインカムエンジンを与えられて3年目となる2002年モデルでは、前年モデルから特に大きな仕様変更を受けることなく継続ラインアップとなる。
国内向けは、「ビビッドブラック」が177.8万円(税込)。「ラグジュアリーブルー」、「ラグジュアリーリッチレッド」、「ダイヤモンドアイス」が179.8万円(税込)で展開された。
パワーユニットは、ボア・ストロークが95.3mm×101.6mmのバランサー内蔵型Twin Cam 88Bエンジンをソフテイルフレームにリジットマウント。最大トルクは3,500回転106Nmというスペック。
ワイドハンドルバーに足元はフォアードコントロールで、両手を広げて両足は前方へ投げ出すライディングポジションとなる。舵角を大きく切る様なシチュエーションでは体格によっては外側の腕がグリップから離れてしまう可能性がある。ポジションがキツイ場合はハンドルカスタム等で対応できるだろう。また、足元のコントロールはステップバックキットも社外パーツで入手可能なので改善することも可能だ。シート高に関しては720mmで足つき性は良好。
「FX」スタイルのファミリーメンバーでスプリンガーフォークを装備する個性的なマシン「FXSTS スプリンガー」は、バックホーンハンドルに698mmのシート高という設計でライダーの体型や好みによっては本モデルよりも楽なポジションとなる。ただ、価格は「ビビッドブラック」が217.8万円(税込)で、「FXST スタンダード」より40万円も高かった。

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解説記事更新日：2022年11月14日

ハーレーダビッドソンが米国ウィスコンシン州ミルウォーキーで創業してから100年という大きな節目を迎える2003年。各ファミリーが100周年アニバーサリーを記念する専用デザインのタンクバッヂを装着してラインアップを連ねる。
その2003年式の本モデル「FXST ソフテイル スタンダード」は、以下のアップデートを受けた。

・ブレーキキャリパー仕様変更
・カラーチェンジ

足回りは、フロントに41.3mmのテレスコピックフォークと21インチのレースホイールを組合せる。リアはスッキリとしたトライアングルラインを可能にするソフテイルフレームにボブテールフェンダーをセットして16インチレースホイールを装着。
ブレーキは292mmの前後シングルディスク仕様で変更はないが、キャリパーは4ピストンから2ピストンタイプに変更された。
パワートレインは、シルバーパウダーコート仕上げの空冷Twin Cam 88Bユニットを搭載。このバランサーを内蔵する1,450ccビッグツインは、3,500回転で106Nmの最大トルクを発揮する。スペックは前年モデルから変わっていない。
デザイン面では創業100周年を記念するエンブレムとストライプがタンクに配されている。
カラーラインアップは、「ビビッドブラック」が180.8万円(税込)で3万円の値上げ。
「ラグジュアリーリッチレッド」、「ホワイトパール」、「ラグジュアリーブルー」は3.5万円高の183.3万円(税込)。そしてニューカラーの「ガンメタパール」が185.3万円(税込)で展開された。

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解説記事更新日：2022年11月11日

「ソフテイル」ファミリーの中でもカスタムベースとして人気の高い「FXST ソフテイルスタンダード」。ハードテイルルックのフレームだが、ミッション下にはツインショックが水平マウントで隠されている。そしてハイパワービッグツインはフレームにリジットマウントされるがバランサーを内蔵しているので振動が低減されておりスムーズな走行性能を実現。
2004年モデルでは各部のアップデートを受けることでマシンの耐久性や実用性が向上している。

・出力特性変更
・長寿命タイプのテールライト採用
・ロングライフブレーキパッド装着
・クラッチ仕様変更
・エンジンシール変更
・クロームメッキ仕様のヘッドボルト採用
・カラーチェンジ

シルバーパウダーコートにポリッシュカバーを組合せるベーシックな仕上げの空冷Twin Cam 88Bエンジンは、3,100回転で105Nmを発揮。前年モデルの3,500回転106Nmという出力特性から僅かにスペックダウンということになる。
駆動系統ではクラッチの仕様変更で操作が軽くなり実用性アップ。エンジンのシール類やボルト、ブレーキパッドやテールライトといった各パーツが見直され耐久性が向上。
ボディカラーは、「ビビッドブラック」、「ブリリアントシルバーパール」、「シエラレッドパール、「インパクトブルーパール」の4パターンのみ。価格は前年比で5万4,900円の値上げとなった。
なお今年度の「ソフテイル」ファミリーは、従来まで「FX」スタイルと「FL」スタイルの両タイプで展開されていたスプリンガーフォークモデルが「FXSTS スプリンガー」のみとなってトータル6車種までラインアップが縮小されている。

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解説記事更新日：2022年11月11日

2005年式の「ソフテイル」ファミリーには特別なマシンが展開された。1990年に登場してアメリカ映画にも登場した「FLSTF ファットボーイ」がデビュー15周年を迎えるということでアニバーサリーモデルを展開。フューエルインジェクション仕様のみの設定で日本国内向けは150台の台数限定。専用エンブレムなどのデザイン面だけでなく、エンジンはボアアップ仕様の1,550ccのTwin Cam 95エンジンを搭載するというスペシャルなマシンとなる。
なお、前後スチールレースホイールにボブテールフェンダーやフォアードコントロールでチョッパースタイルの王道スタイルを貫く「FXST ソフテイルスタンダード」は、2005年モデルで以下のアップデートを実施。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

1,450ccのキャブレター仕様Twin Cam 88Bエンジンは、3,100回転で109Nmを発揮する。前年モデルの105Nmからパワーアップしている。
シート高は663mmでファミリー内の「FX」モデルの中では最も高いが十分低い数値で両足はべたつき。ただ、フットコントロールはフォアコンでハンドルはプルバックライザーこそ装着されているがワイドタイプとなる。身長によってはライディングポジションが少々キツイということもあるだろう。
ちなみにリアに17インチタイヤを装着する「FXSTD デュース」は、ローライズハンドル仕様でシート高は660mmだった。
2005年式「FXST ソフテイルスタンダード」のカラーバリエーション数は前年同様の4パターンを展開。
「ビビッドブラック」、「ブリリアントシルバーパール」、「シエラレッドパール」は継続で、「インパクトブルー」に変わって新色の「チョッパーブルーパール」が設定された。価格は、900円の値下がりで188.7万円(税込)。

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解説記事更新日：2022年11月11日

前後異径サイズのスチールレースホイールがトレードマークだったチョッパースタイルの「FXST ソフテイルスタンダード」は、2006年モデルで以下の仕様変更を受けてイメージチェンジが行われた。

・リヤホイール大径化&ワイドタイヤ装着
・カラーチェンジ

従来モデルの足回りは、フロントに41.3mmのテレスコピックフォークを装備して21インチのレースホイールに80mm幅タイヤを組み合わせ、リアはボブテールフェンダーに16インチのレースホイールと150mmタイヤを装着していた。その足元が今回の2006年式では、フロントこそ従来と同じ仕様だがリアに17インチアルミキャストホイールと200mmのワイドタイヤというボリューム感のあるサイズに変更された。ルックス面での迫力アップはもちろんのこと直進安定性も向上している。
ちなみにこのリア周りの仕様変更は、ブラックパウダーコートのエンジンやブラックアウトされたタンクコンソールを採用するダークテイストな「FXSTB ナイトトレイン」にも採用された。
メカニカル機構の変更は無く、前年と同スペックの3,100回転で109Nmを発揮する空冷Twin Cam88Bエンジンを搭載。
カラーバリエーションは、「ビビッドブラック」、「ブリリアントシルバーパール」、「チョッパーブルーパール」が継続となり、「シエラレッドパール」に変わって「ファイアーレッドオパール」が登場。価格は188.7万円(税込)に据え置かれた。
なお、2000年モデルで採用された1,450ccのTwin Cam88Bエンジンを搭載する「FXST ソフテイルスタンダード」は、今回の2006年式が最終仕様。
翌2007年式からはインジェクション仕様の1,584ccエンジンTwin Cam 96Bユニットと6速ミッションを与えられて次世代へ進化を遂げた。

買替や売る際の買取査定は、2006年式 FXST ソフテイルスタンダードの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年11月11日