日本の配達系ビジネスバイク代名詞といえば「スーパーカブ」と答える人は少なくないだろう。その歴史は1958年まで遡り、初代モデル「スーパーカブC100」が登場して以来、異なる排気量で様々なバリエーションモデルを展開してきた。
その中のひとつ、C90型「スーパーカブ90」は1968年12月に登場した。
乗り降りが容易なフロントカバースタイルの低床式フレームにSOHC空冷4ストローク単気筒の89㏄エンジンを搭載。デビュー時の最高出力は9,500回転で7.5馬力を発揮していた。トランスミッションには、自動遠心クラッチ付きの3段ミッションを採用。最高時速は95kmという仕様だった。
ビジネスユースに特化したモデルということもあり、メッキパイプを使用した頑丈な大型リアキャリヤや駐車に便利なサイドスタントを標準装備。フロントカバーの内側には荷物やバッグを吊り下げられる2つのフックを用意。さらにサイドカバーは商店の名称を記入できるスペースを確保しておくなど気の利いた仕様も特徴的だった。
また、装備面においてはフロント中央に2輪車としては初となるポジションライトを採用した。
デビューから3年後には、スリム設計のレッグシールドやメタリックカラーを採用したデラックス仕様も展開。以降は、スタンダートタイプの他、「デラックス」と「デラックス セル付き」の3タイプで展開されていくことになった。
その後は、1980年にモデルチェンジが行われ型式がHA02へと進化。エンジンのボア×ストロークは従来の50.0mm×45.4mmから47.0mm×49.5mmへ仕様変更が行われ排気量は85ccとなった。その後は、グレード構成の変更やカラーチェンジ、排ガス規制への対応などでマイナーチェンジを実施していくが基本コンポーネントは大きく変更されることなく原付2種クラスのビジネスシーンをリードするロングセラーモデルへ成長した。
ライバルモデルとしては、スズキの「バーディー80/90」が比較対象になるだろう。「バーディ90」に関しては、1991年から郵政省に導入され国内郵便シーンにおいては大活躍したモデルだ。「スーパーカブ90」との差別化を図るためにビジネスバイク初となるキャストホイールを装備しており、チューブレスタイヤを履くことができるという特徴があった。
デリバリー系ビジネスだけでなく、銀行や警察といった幅広い業界で愛用されていた国民的モデルとなった「スーパーカブ90」だが、2002年のマイナーチェンジモデル(エンブレムとステッカーデのザインを変更)を最終仕様とし2008年で生産終了となった。

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解説記事更新日：2022年01月17日

1968年にフルモデルチェンジを行い発売されたスーパーカブ C90。兄弟車のスーパーカブ50の上位モデルとして登場した。
当時の日本は、第二次高度経済成長期のまさにピークで、多数のメーカーで独自の開発色が濃い時代。国内の道路は、国道であっても「酷道」と呼ばれるほどの悪路が多く、商用車ということからも多少の過積載での走行は普通だったためC90は耐久性、実用性を重視され開発された。
エンジンには空冷4サイクルOHC単気筒エンジンを搭載、新たにボジショニングライト、ウィンカーパイロットやキーライトを採用していた。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格にスーパーカブが市場を圧巻した。
新車販売価格は8.3万円だった。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1971年1月にC90の上位モデルとしてマイナーモデルチェンジを行い発売されたスーパーカブc90デラックス。
スーパーカブc90デラックスのみの仕様としては、ポジションライトやサイドリフレクター、前後どちらの制動操作でも点灯するブレーキランプの装備、スノーチェーンを装着可能な機構などがあった。
また、セル付きタイプのMモデルも遅れて同年2月に発売されている。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格にスーパーカブが市場を圧巻した。
新車販売価格は8.4万円とスタンダードモデルからの値上がりは1000円のみで、デラックスな割にはフレンドリーな価格設定だったと言える。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1976年4月にマイナーモデルチェンジを行い発売されたスーパーカブC90。
スタンダードモデル、デラックスモデル、セル付きDXモデル共に仕様変更が行われ、71年に設定されていた騒音規制と二輪自動車用タイヤのJIS規格新設に対応した。71年の騒音規制には近接騒音という項目は設定されておらず、その他の規定値も厳しくなかったのでメーカーとしてもあまり気にせずに済んでいた。
またブレーキシュー（ドラムブレーキ式におけるブレーキパッド）の摩耗表示を設置、チョークの場所がハンドル部に変更、速度計に透過光式が採用されるなど使いやすさを考慮した便利機能が実装されている。
最高出力は騒音規制の影響で、発生域が1,000rpm下がると共に0.2psダウンした。
新車販売価格はスタンダードモデルが11.4万円。DXモデルが12万円、セル付きDXモデルが12.9万円だった。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1980年3月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’80年モデルのスーパーカブc90。
型式はそれまでのC90からHA02型に変更され、新たに新設計した空冷4サイクル単気筒85ccエンジンを搭載。低中速域での扱いやすさを向上しながら、最高出力発生域を1,500rpm下げ、トルクは0.1kg-m向上しているにも関わらず同様に発生域を500rpm下げて発生させることを可能にしている。またシフトパターンもスムーズな操作を可能にすべく大きく変更されている。
尚、c90は最終型まで本マイナーモデルチェンジで搭載したエンジンが採用し続けられた。また、本年から翌’81年、82年モデルはスタンダードモデルはラインアップされなかった。
新車販売価格は13万円、セル付きモデルが13.9万円だった。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1981年2月にマイナーモデルチェンジを行い発売された81年モデルのSuperCub 90。
本マイナーモデルチェンジでは新たに点火方式が新たにC.D.I式を採用。C.D.Iとはキャパシター・ディスチャージド・イグニッション (Capacitor discharge ignition)の略で点火タイミングを調整する部品であり、エンジンを搭載するものに幅広く使われている機構である。
50ccモデルのSuperCub 50ではエンジンの変更があったが、本SuperCub 90はエンジンの変更は行われず、この年代のあたりから50と90の需要の差が表に現れ始めたと言っていいだろう。
新車販売価格は14万円、セル付きモデルは15万円だった。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1982年4月にマイナーチェンジを行い発売された’82年モデルのSuperCub 90。
このマイナーチェンジにより、DXモデルが80年マイナーチェンジモデル前に存在したスタンダードモデル相当となる。
主に燃費・出力系に変更があり、燃費が75km/L→80km/Lに。出力も6.8PS→7.0PSに向上している。
また、新たに大型テールランプと大きめの角型バックミラー、角型ウインカーランプ、さらにウインカーランプの戻し忘れ防止の電子式ブザーが採用された上位モデルのSDXモデルが発売された。
新車販売価格はDXモデルが15万円、SDXモデルが16万円、セル付きSDXモデル17.1万円だった。
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解説記事更新日：2021年03月11日

1986年7月にマイナーモデルチェンジを行い装備面を変更して発売されたSuperCub 90。
ハロゲンヘッドライトの出力を25Wから30Wへと向上し、バッテリーを6Vの補水タイプのバッテリーから12Vのメンテナンスフリーバッテリーに変更して採用した。また、大型リアキャリアを搭載し、燃料タンクキャップがキー付きに変更されていた。
外観ではレッグシールドの白さが従来より一層ブライト&シャイニングに。ロゴ周りの小さなストライプ、フロントカバーのエンブレムも新たなデザインとなっていた。
また先代モデルで現れたSDXタイプはひっそりとその名称をカスタムタイプに変更して継続して設定、新車販売価格はDXモデルが16万円、カスタムモデルが18万円だった。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月11日

1991年10月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’91年モデルのSuperCub 90。
本マイナーモデルチェンジでは、前1986年の変更に引き続きフロントカバーのエンブレムとボディのロゴデザインを変更、DXタイプのみ左側バックミラーを標準装備した。
同年8月には世界中で述べ1964万台のセールスを記録し、ホンダの主力なグローバルモデルとなっていたスーパーカブシリーズ。その中でも国内では50ccモデルの販売が主となっており、本90ccモデルは通好みなチョイスになっていた。
新車販売価格はDXモデルが16.8万円でカスタムモデルが18万円だった。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月11日

1993年4月にマイナーモデルチェンジを行い発売された93年モデルのSuperCub 90。
新形状の円形ウインカーレンズをDXモデルに採用、さらにエンブレムを新たなデザインに変更した。
新車販売価格はDXモデルが17.3万円、カスタムモデルが19.4万円だった。
本93年モデル発売直前、2月の時点で累計生産台数が2000万台を超えていたスーパーカブシリーズ。90ccモデルは’68年の発売からスーパーカブシリーズの最大排気量モデルとして君臨していたが、‘95年からはタイホンダ製のスーパーカブ100の輸入が始まるため、最大排気量モデルの座を明け渡すことになる。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月11日

1995年2月にマイナーモデルチェンジを行い発売された95年モデルのSuperCub 90。
このマイナーチェンジでは、基本的性能の変更はなく、取り扱い易くするために使い勝手を向上されている箇所が多く、シート底板の材質がスチールより樹脂に変更することで防錆性の点でほぼメンテナンスフリーになった。さらにセンタースタンドの形状を変更、スタンド掛けを容易にするなどの変更などが行われ、デザイン面でもシート下側車体両サイドのストライプを新デザインに変更している。
新車販売価格は17.7万円、カスタムモデルは19.7万円だった。
また、同月にはタイホンダ製のスーパーカブ 100を輸入し、2月22日より発売、スーパーカブシリーズ最大排気量モデルの座を明け渡した。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月11日

1996年12月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’96年型 SuperCub 90。
本マイナーモデルチェンジではタイヤに新たにスーパーカブ50、70、90の全モデルにホンダ独自のパンク防止機構「タフアップチューブ」を採用。タフアップチューブとは、チューブ内を液室Aと空気室Bの二重構造で構成し、液室にパンク防止液を封入することでタイヤに穴が空いた時にパンク防止液が開いた穴を閉じる機構。これによって、パンクする確率が大幅に減ったものの100%パンクを防止できるわけではなく、大きな穴には対応できず、交換時には通常のチューブより高価といった理由もあり、ユーザー間では賛否両論分かれる装備だ。
新車販売価格は17.7万円、カスタムモデルは19.7万円だった。
尚、タフアップチューブは2016年6月、「材料の確保が困難」という理由から生産を終了した。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月12日

1998年12月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’98年モデルのSuperCub 90。
スーパーカブ50、70、90の全タイプでフロントブレーキドラム径を96年モデルまでの110mmから130mmにサイズアップし、さらにマフラーガードを新採用した。
商用車としてのヒットはもちろん、様々なスタイルにカスタムしやすい点からカスタムベースとしても人気が高く、若年層からの支持も高かったSuperCub 90。
新車販売価格は17.7万円、カスタムモデルは19.7万円だった。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月12日

2000年9月にマイナーモデルチェンジを行い発売された2000年モデルのSuperCub 90。
キャブレターのセッティングを変更することで’99年の排ガス規制に対応し、型式をHA02からBC-HA02に変更した。
カラーチェンジも同時に行い、デラックスモデルにはタスマニアグリーンメタリック、ユニオンシティブルーメタリックの2色を設定、セル付きのカスタムモデルにはタスマニアグリーンメタリック、アドベンチャーブルーメタリック、ムーンストーンシルバーメタリックの3色を設定した。
新車販売価格は17.7万円、カスタムもでは19.7万円だった。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
売却をお考えなら買取査定はSuperCub C90 DXの価値に精通しているバイクパッションへ！

解説記事更新日：2021年03月12日

2002年2月にマイナーチェンジを行い発売された’02年型SuperCub 90。
90ccモデルは本’02年モデルが最終型となっており、トップカバーエンブレムやボディのロゴなどのデザインを一新した。さらにセキュリティ面では盗難抑止システムとして車体の揺れや移動でアラームが作動するアラームキットが装着できるプレワイヤリングを配備した。
カラーバリエーションはDXモデルにタスマニアグリーンメタリック、ユニオンシティーブルーメタリックの2色、カスタムモデルにムーンストーンシルバーメタリックとアドベンチャーブルーメタリックの2色を設定した。
新車販売価格はDXモデルが18.5万円、カスタムモデルが20.5万円だった。尚、DXモデルの値上げは95年以来6年ぶりに行われている。
ライバル車種としては、ヤマハのメイトシリーズ、スズキのバーディシリーズがあげられる。50ccクラスでは打倒ホンダを掲げ主要な他メーカーが開発を進めたが、高性能・高耐久性、その上比較的手頃な価格だったスーパーカブが市場を圧巻した。
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解説記事更新日：2021年03月15日

1968年、スーパーカブはフルモデルチェンジを受け、CS90ベースのOHCエンジンが搭載されました。これによって90ccのスーパーカブは【C90】型に変更、最大出力は1馬力アップの7.5馬力、最高速は5kmアップの95km/hとなりました。66年に発売された50ccモデル【C50】の上位モデルとしての位置づけです。
これでホンダの90ccモデルは、スポーツモデル【CS90】、ビジネスモデル【CD90】を合わせて3車種となっています。
以前の【CM90】モデルは弁駆動がOHVのためあまり高回転とはいかず、最大出力は6.5馬力/7,500回転だったものが、C90ではOHCになったために7.5馬力/9,500回転に上昇しました。
また安全性も高められ、ボジショニングライト、ウィンカーパイロット、キーライトなどが新設されています。リアキャリアも鋼板プレス+塗装だったのが、めっき製スチールパイプに変更されました。

1971年、C90はマイナーチェンジを受けて【C90デラックス】がラインナップに加わりました。セルフスターターつきのMモデルも追加販売されています。これに伴い従来型は「スタンダード」と呼ばれます。
デラックスモデルの特徴としては、
・別体だったガソリンタンクを鋼板プレスフレームに一体型として内蔵
・「かもめハンドル」と呼ばれたV字型のハンドルを採用
・ホーンボタンを押すとキー部分を照らすキーライトを新設
・前後どちらのブレーキ操作でも点灯するブレーキランプを装備
・スノーチェーン装着可能な機構
・見た目も鮮やかなカラーリング《ボルドーレッド》を新設
などの採用です。
わけてもボルト締めだったタンクが一体型に変更されたスタイリング上の変化は大きく、C90の容量は5リットルと増加しました。

74年に価格改定、76年に再びマイナーチェンジ、スタンダードモデル、デラックスモデル、セル付きDXモデル共に仕様変更が行われています。
・71年に設定されていた騒音規制およびタイヤのJIS規格新設に対応
・ウインカーレンズを全車種共通のCB750タイプに変更
・デラックス系にオプション扱いだったフロントキャリアを標準装備
などで、これらマイナーチェンジをする原動力となったのはライバル勢の登場です。ヤマハ【メイト90】、スズキ【バーディー80】などは、スーパーカブに真っ向から立ち向かうライバルです。しかしライバル勢はいずれも2ストエンジンで、スーパーカブの圧倒的な耐久性・信頼性に軍配が上がりました。
いささか都市伝説の匂いがしますが、「オイルがなくても走る」「天ぷら油でも走る」などと言われたのは100％誇張でもなく、スーパーカブのエンジンの耐久性は抜群だったようです。
76年の価格は、スタンダードが10.9万円、デラックスが11.5万円、セル付きが12.4万円でした。
スーパーカブC90の査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2025年03月12日

1958年に販売が開始されたスーパーカブシリーズは、79年時点で累計生産台数が1,200万台に到達しています。2017年には1億台を突破したことで有名になりました。
この1980年には、スーパーカブ史上においてかなり大がかりな変更が行われています。
それはエンジンと車体の共通化で、スーパーカブ90のシリンダーはスーパーカブ70と共通化されました。結果、90のボア×ストロークは47.0mm×49.5mm（70では47.0mm×41.4mm）の85ccとなり、形式はHA02Eに変更されました。8.2の圧縮比、カムシャフトタイミングも70と同一。
排気量はわずかに少なくなっても、最大トルクは0.1kgm向上、最大出力回転数は1,000回転、最大トルク発生も500回転下がり、常用回転域はむしろ使いやすくなるという結果となります。エンジンレイアウトは伝統の空冷4スト単気筒、シリンダーは80度寝かされて冷却性を確保、高い耐久性はエンジン内パーツへの負荷が少ないためと考えられています。4ストである以上に静かな排気音は、排気量としては大きなマフラーをつけていることによります。

その後マイナーチェンジが頻繁に行われ、81年にCDI点火採用、C50、70、90全車が共通の車体となり、ハンドルバーもフラット型で共通、デラックス系はウインカーレンズが魚眼タイプの大型に、スタンダードタイプのウインカーレンズはCB750fourと同じ形を採用。
82年には最大出力が6.8馬力から7.0馬力へ、燃費が75km/L→80km/Lに向上。大型のテールランプ・バックミラーなどを装備した上位モデルのSDXも登場。
86年には電装系が6Vから12Vへ、ハロゲンヘッドライトを採用。スーパーカスタムがセルフスターターを装備してカスタムに名称変更。フロントキャリア+燃料計付きのデラックスも90にモデル追加。
88年、タイホンダ製の【スーパーカブ 100】が輸入され、スーパーカブシリーズ最大排気量の座を譲りました。
91年と93年にはエンブレム色変更など、93年には累計生産台数が2千万台を突破、95年にはシート底版材質を樹脂に変更、センタースタンド形状変更など使い勝手のよさを追及。
96年には賛否あった「タフアップチューブ」を採用、タイヤに釘などが刺さった場合に空気が抜けにくくなるのが売りでしたが、性能は完全ではなく2016年に中止。
98年、マフラーガード装着、フロントブレーキドラム径をそれまでの110mmから130mmにサイズアップ。
2000年、キャブレターのセッティング変更によって99年の排ガス規制に対応、型式をBC-HA02に変更しました。2002年式が最終型となり、盗難防止システムが追加されています。
一方、スーパーカブはワールドワイドに製造されたことでもその優秀さを示しています。世界レベルでは100～200ccの排気量が最もポピュラーで、タイカブは100cc。近い排気量のスーパーカブ90はマレーシア、ブラジル、ペルー、メキシコなどで製造されました。

2002年、大排気量カブの地位を110ccのカブに譲り、生産は終了しました。
振り返れば、90ccのカブは1964年から販売され、エンジンは3種類存在します。
・形式CM90：OHV、87cc、1964年～67年、ボアストローク49.0mm×46.0mm
・形式C90：OHC、89cc、1968年～79年、ボアストローク50.0mm×45.6mm
・形式HA02：OHC、85cc、1980年～2008年、ボアストローク47.0mm×49.5mm
2002年の価格は、DXモデルが18.5万円、カスタムモデルが20.5万円でした。
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解説記事更新日：2025年03月13日