当時のビッグスクーターブームを受けて2000年にフォルツァをリリースしていたホンダだが、ビッグスクーターのフラッグシップモデルとして2001年4月に発売されたのが、「シルバーウィング 600」である。
街乗りユースから高速ロングツーリングまで幅広いシチュエーションで快適なライディングを可能にするビッグスクーターだ。
車体はバックボーン型フレームを採用しており、パワートレインには新設計のフューエルインジェクション仕様DOHC水冷4ストローク並列2気筒エンジンを搭載。スクーターモデルだが、エンジンはフレームにラバーマウントすることで足回りと分離して不快な振動を軽減する構造だ。ボア・ストロークは、72.0mm×71.5mmの582ccユニットで当時はスクータークラス世界最大排気量を誇っていた。最高出力は7,000回転49馬力というスペック。エアインジェクションシステムとマフラー内にキャタライザーを組み込むことで国内排ガス規制にも対応している。変速機構にはVマチックを組合せる。
足回りは、フロントにテレスコピック正立フォークを採用して14インチホイールとシングルディスクブレーキという組み合わせ。
リアは、スイングアームに13インチホイールとディスクブレーキをセット。ブレーキ操作を行うと制動力が最適化されて前後に伝わるコンビ・ブレーキシステムを装備しており、信頼性の高い足回りとなっている。
ライバルモデルとしては後発モデルとなるが、スズキの「スカイウェイブ650」が2002年6月に登場。乾燥重量238kgのボディに搭載するパワートレインはDOHC4バルブの水冷2気筒ユニットで50馬力を発揮する。対する本モデルの乾燥重量は215kgと23kg軽い。スペックでは格下排気量の本モデルが有利となる。
デビュー以降の「シルバーウィング 600」は、2003年モデルでABS仕様をタイプ別で展開。翌2004年委はスイッチ操作でトルクアップを可能にする「Tモード」が追加された。ちなみにこの「Tモード」は、弟分「シルバーウィング400」がデビュー時から採用していた装備だ。
その後は、カラーチェンジを繰り返しながら2008年モデルまで設定されて生産終了に至った。後継モデルは「シルバーウィングGT 600」である。

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解説記事更新日：2022年07月16日

2001年4月に発売されたシルバーウイング600の新登場モデル。
最高出力は7,000回転で49馬力を発揮し、乾燥重量は228kgとなっている。
同年11月に発売されたシルバーウイング400は7,500回転で38馬力、乾燥重量は228kgとなっており。
重量が同じながらエンジン出力が高い分、600ccの加速性能が高くなっている。
当時の新車価格はシルバーウイング600と400ともに74.9万円であった。

解説記事更新日：2021年10月04日

2002年モデルでの変更点はカラーチェンジで新たに上品なパールミルキーホワイトと精悍なイメージのピュアブラックを追加、現行色の
フォースシルバーメタリックとプレシャスグレーメタリックを含め全4色のカラーバリエーションになった。
新車販売価格は74.9万円で初期型から据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

2003年モデルからは新たにABS搭載モデルが追加、前後ホイールとフロントフォークのカラーリングを変更し、上質さを感じさせるシルバーになった。その他にもエンジンマウントの見直しでハンドリング性を向上させ、メットイン内のライトに手動のオン・オフスイッチを新たに取り付けるなど、さらに乗り手の使い勝手を良くしている。
カラーチェンジでは既存のパールミルキーホワイトに加え、精悍なフォースシルバーメタリックを新たに採用し2色のカラーバリエーションとなった。
新車販売価格は74.9万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

2004年モデルでの変更点は、シルバーウイング400のみ採用していた「Tモード」を新たに600ccモデルでも搭載、Tモードスイッチをオンにする事で低、中回転域のトルクを増加させ、急な坂道などを登る時にその効果が発揮され、インジェクションのセッティングの最適化とあわせ10％の燃費向上を達成した。また、シートが新形状になり、ABS仕様と同径の大径フロントディスクブレーキが新たに標準装備され、駐車時に簡単に引き上げることができる新しいメインスタンドを新設。
ヘッドライトとフロントウインカーのリフレクターのエクステンション部分にメッキを施し、スピードメーターとタコメーターの文字盤デザインを変更。ホワイトの発光表示や指針を自発光式にする事でさらに見やすく、ビッグスクーターとして安全性を高めつつ乗り手の使い勝手も向上させている。
カラーバリエーションには新たにキャンディグローリーレッド、トラッドブルーメタリックの2色を設定、ホイールとフロントフォークはブラックに変更されている。
新車販売価格は74.9万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

2005年モデルでの変更点はカラーチェンジで、本モデルからシルバーウイング全モデルのホイール、フロントフォークをブラックに統一、カラーバリエーションには既存のキャンディグローリーレッドに加えて新たにパールサイバーブラックを追加した2色が設定された。
新車販売価格は税抜き75万円で先代モデルから1,000円上がった。

解説記事更新日：2021年10月04日

2007年モデルでの変更点はヘッドライトのリフレクターにブルーコートを施し、上部にはポジションランプを新たに配置して被視認性を高め、セキュリティー面では新たにホンダ独自の盗難防止機構H・I・S・S搭載のキーシリンダーを標準装備した。メーターまわりは、H・I・S・Sインジケーターを追加、メーター右に位置する液晶パネルをブルーに変更した。
カラーチェンジは新たにピュアブラックとパールサンビームホワイトの2色を設定し、ホイールもブラックからシルバーに変更、またシートは、前部がブラック、後部にグレーを配したツートーンカラーを採用した。
新車販売価格は77万円で先代モデルから2万円の値上がりがあった。

解説記事更新日：2021年10月04日

シルバーウイング600として最終モデルになった2008年モデルでは車体の両サイドカバーにSILVER WINGの立体ゴールドエンブレム、テールカウルにHONDAの立体エンブレムを採用、ホイールをゴールドカラー、ハンドルウエイトにクロームメッキにし、シートには新たに座面をディンプル調、側面がカーボン調のツートーンシートを採用した。
カラーチェンジでは新たにグラファイトブラックとウイニングレッドを設定し、新たな立体エンブレムやゴールドのホイールと共に高級感を出している。
新車販売価格は79.5万円で先代モデルから2.5万円の値上がりがあった。

解説記事更新日：2021年10月04日