「需要のあるところで生産する」、これがホンダが掲げていた生産理念である。この理念に基づいてアメリカのホンダオハイオ工場で生産していたクルーザーマシンが「ゴールドウィング GL1500」である。ちなみに本モデルは「ゴールドウィング」の4代目モデルに当たる。なお、同シリーズの歴代モデルの中にはに日本国内で生産されていたモデル(GL1000,GL1800)も存在する。
車体は、横方向だけでなく上下方向の剛性確保にも重点を置いた新開発のダブルクレードル型フレームを採用。そこにマウントするパワートレインは、OHC水冷4ストローク水平対向6気筒ユニットだ。ボア・ストロークは、71mm×64mmの1,520ccのビッグエンジンで最高出力は5,000回転97馬力というスペック。最大トルクは4,000回転15.2kgmだった。トランスミッションは5速リターン式を採用するが、併せて電子制御式のバックシステムも装備。大型ボディだが、パーキングでの出し入れや限られたスペースでの取り回し性は、それほど悪くない。乾燥重量は387kgで、車両重量は400kgオーバーの410kgとなる。
足回りは、フロントにテレスコピックフォークと18インチホイールを組みわせ、ブレーキはダブルディスク仕様。リアはスイングアームにツインショック仕様だが、左側がダンパーとコイルスプリングの組み合わせだが、右側はエアサスを装備した。走行シチュエーションに応じて空気圧調整も可能でライダーの好みに応じたセッティングを実現できた。
リアホイールのサイズは16インチでブレーキはシングルディスク仕様。足元のペダルでリアブレーキ操作をすると制動力がフロント左側にも分配される、前後連動型ブレーキシステムを採用していた。
快適装備面では、集中ロック付きの大型トランクとサドルバッグやクルーズコントロール、純正オーディオといった大型ツーリングマシンに相応しい装備となっていた。
デビュー以降は、翌年にカラーチェンジを実施。1990年モデルからは「ゴールドウィング SE」として展開されていった。

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解説記事更新日：2022年04月26日

1988年～89年型のGL1500は、もともと海外向けに輸出されていた車両を500台限定で国内で販売したものです。この500台が日本国内での実質的なオーバーナナハン解禁1号となりました。なおこのモデルから【ゴールドウィング】が正式な車名となります。
87年までの【GL1200】のエンジンは水平対向4気筒でしたが、それを6気筒に拡大、ボディもフルモデルチェンジして1,520ccとしています。カム駆動方式はOHCで、5段リターン式ミッション、5,000回転で97馬力を発生する低回転タイプです。
他の特徴としては、
・メンテナンスフリーのシャフトドライブ
・セルモーターを使用したリバースギアを装備
・車体デザインに融和したサイドバッグ＆トップケースを装着
・クルーズコントロール装着
・コンプレッサーを内蔵したエアサス
・前後連動ブレーキシステム
・ヒーターを内蔵したカウル内ベンチレーションシステム
・カウル内ビルトインのAM/FM付カセットステレオ
・スマートな外観となるインボード式フロントディスク
などです。
80年代でこれだけの充実装備は非常に先進的で、世界の先端をいくシステムだったと言えるでしょう。背景にはメイン市場であるアメリカ国内の需要で、生産自体もアメリカのオハイオ工場で行われています。低重心、「シルキーシックス」と呼ばれた滑らかな回転、豊かな低速トルク、豊富な積載性、快適さを追究したタンデムシートなどがGL1500最大の持ち味です。ちなみに6気筒としたのは現地アメリカからの要請で、他社ライバルに差をつけるためです。
89年はまだ大型二輪免許は難しい時代でしたが、GLの国内販売などもあって、大型二輪免許制度改正への機運は盛り上がっていくのです。
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解説記事更新日：2021年12月15日

1988年型のゴールドウイングは、1500ccになった最初のモデルです。主な市場は北米、75年から販売されている【GL1000】、【GL1200】の後継機種です。アメリカという広大な大陸では、一日に何千キロも直線を走る用途が多く、高い風防性と長い航続距離が求められます。歴代のモデルでそれに対応するモデルチェンジを行ってきましたが、GL1500でフルカウル前提のデザインとなり、エンジンも6気筒に変更されています。6気筒としたのは【KZ1000】など他社ライバルに対するアドバンテージで、これが好評を得たことが後の【ゴールドウイングGL1800】が誕生する契機ともなりました。
海外仕様車と国内仕様車のスペックに違いはありません。エンジンは最大トルク15.2kg-mを4,000rpmで、最大出力97ps/5000rpm発生する低回転型で、水平対向のため低重心となっています。
他には、
・メンテナンスフリーのシャフトドライブ
・セルモーターを使用したリバースギアを装備
・車体デザインに融和した集中ロックシステム付きサイドバッグ＆トップケース
・クルーズコントロール装着
・コンプレッサーを内蔵したエアサス
・前後連動ブレーキシステム
・ヒーターを内蔵したカウル内ベンチレーションシステム
・カウル内ビルトインのAM/FM付カセットステレオ
・スマートな外観となるインボード式フロントディスク
が特徴です。
すなわちゴールドウイングGL1500とは、アメリカで構想が生まれ、アメリカ国内での使用のために、アメリカで生産されたバイクです。車重は乾燥で387kgとかなりの重量があり、これだけの車格は日本国内では生まれなかったと言えます。
タンデムシートの快適さも特筆もので、運転席との高低差があるために前方視界も確保されています。大陸横断という用途を考慮し、快適さをよく考えたレイアウトです。
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解説記事更新日：2021年12月15日