ボクサーエンジンを搭載したホンダの大型2輪クルーザー「ゴールドウィング」は、スタイリッシュなルックスで若者ライダーをターゲットにしたバリエーションモデルを展開。それが、2013年2月に発売された「ゴールドウィング F6B」だ。開発キーワードとして「街を颯爽とStyle & Impact The Honda Premium Cruiser」が掲げられ高速ツーリングはもちろんのことストリート映えするプレミアムなクルーザーというコンセプトで設計されている。ちなみにモデル名末尾に付された「B」の文字は「バガー」から取られている。
アメリカンクルーザーメーカーのハーレーダビッドソンは、ツーリングファミリーの中でトップケースや大型フェアリングを搭載したウルトラの装備を簡素化してストリート仕様に仕上げた「FLHX ストリート グライド」を展開していた。まさにオートバイメーカー純正の「バガーカスタム」モデルというポジションだったが、本モデルの「ゴールドウィング F6B」とスタンダードグレードの関係性とも共通する部分がある。
「ゴールドウィング」が長距離巡行での快適性を追求した重装備を装着しているのに対して、本モデルはロー&ロングのスタイリングを追求するためにリアトランクは装着せず、フロントスクリーンもショートタイプに変更されている。そして、リアにかけてのボディラインは尻下がりデザインとすることでカスタム色を高めている。
パワーユニットは、「ゴールドウィング」同様のSOHC水冷4ストローク水平対向6気筒エンジンを搭載。排気量は、1,832ccだ。最高出力は5,500回転で109馬力を発揮。最大トルクは4，000回転で161Nmというスペックだった。ちなみにハーレーの同クラス排気量モデルを引き合いに出すとすれば「CVO」ファミリーの「FLTRXSE2 ロードグライド スペシャル」と比較できるだろう。1,801㏄の空冷ビッグツインは、3,750回転で150Nmを発揮。車両重量は385kgで本モデルと同じだった。
なお、「ゴールドウィング F6B」はベースモデルより20kg以上軽いが、それはリアトランクだけでなく電動リバースユニットやクルーズコントロールといった電子デバイスシステムも非搭載とすることで実現している軽量化である。ただ、デビュー翌年末にはマイナーチェンジを実施し、これら2つの電子装備が装着され重量は392kgへ増加。そして2015年モデルが最終仕様となって生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年04月26日

2013年2月に発売されたゴールドウイング F6Bのデビューモデル。
ホンダのフラッグシップであるゴールドウイングをホンダ自らがカスタムして登場したF6B（HONDA版CVO～ハーレーで成功しているメーカーカスタムモデル～といった位置づけだ）。エンジンには水冷4ストロークOHC水平対向6気筒を搭載。外観はローアンドロングで一見してボバーな雰囲気も感じさせる本車。フロントには専用のミラーやミドルカウル、新形状のシート、リアはトップボックスを取り払い、大型アルミグラブレール、専用テールランプなどを採用。1800ccという大排気量に21km/Lという燃費はまさに高級バイクと言っていいだろう。
カラーバリエーションにはグラファイトブラックとマグナレッドの2色を設定。
新車販売価格は190万円だった。
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解説記事更新日：2021年10月08日

2013年12月にカラーチェンジを行い発売された’14年モデルのSC68型 ゴールドウイングF6B。
カラーバリエーションには新色としてパールシャイニングイエローを新たに追加。既存色からはグラファイトブラックが継続して採用されて、計2色のカラーバリエーションとなった。
新車販売価格は195万円で先代モデルから5万円の値上がりがあった。
高品質な純正パーツでホンダ自身にカスタムされ登場した本車。ハーレーの最上位カスタムモデルであるCVOファミリーと同様に一台づつ受注限定販売で職人に生産されるいわばホンダのプレミアムカスタムバイクだ。そしてそのカスタムにあたりトップボックスやバックレストを取り払ったことで、スタンダードモデルと比較してカスタム後に値上がりせず、約30万円安い価格設定になっているたのも特筆できる点だろう。
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解説記事更新日：2021年04月15日

2014年12月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’15年モデルのSC68型 ゴールドウイングF6B。
本モデルではスタンダードモデルから省かれていた電動リバースシステムとクルーズコントロールを搭載。さらに新開発のマフラーを採用し、最高出力を109psから118psへ、燃費は21.0km／Lから21.8km／Lへと向上、車重は先代モデルから＋7kgとなっている。
また、エンブレムとメインキーをゴールドウイング発売40周年記念仕様に変更。
カラーバリエーションはマットビュレットシルバーとアトモスフィアブルーメタリックの2色を設定。
新車販売価格は205万円で先代モデルから10万円の値上がりがあった。
ゴールドウイングの派生系スポーツモデルとして登場した本車。この’15年型が最終モデルとなっており、スタンダードモデルのSC68型ゴールドウイングは継続して販売された。
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解説記事更新日：2021年04月12日