フルカウルツアラーRC46型「VFR」の実質的なフルモデルチェンジマシンとして2014年4月に登場したのが、RC79型「VFR800F」である。
既に2010年から「VFR1200F」が販売されていたので、本モデルにも排気量を表す「800」の数字がモデル名に付されている。
スポーティーなライディングはもちろんのこと、ロングツーリングでの快適性も追及された設計で、開発コンセプトは「大人のスポーツバイク~Elegant Sport～」が掲げられた。
車体はダイヤモンド型フレームとなるが従来のスチール製からアルミ製ツインチューブへアップグレード。そのニューフレームにマウントするパワートレインは、DOHC4バルブ水冷4ストロークV型4気筒エンジン781ccを搭載。ボア・ストロークは72.0mm×48.0mmのショートストロークユニット。最高出力は10,250回転で105馬力を発揮する。
もちろんHYPER VTECを継承。高回転のVTECゾーンではV型4気筒のパワー感を十分に堪能できる。マフラーは1本出しレイアウトを採用することで軽量化を追求。
ちなみに国内最終仕様となった2006年式「VFR」は、80馬力というスペックだった。そして、重量は251kgで本モデルより9kgも重かった。時の経過とともに軽量ハイパワーなマシンへと進化したということだ。
足回りは、アルミ削り出しのアウターチューブを採用したテレスコピックフォークをフロントに装着。17インチホイールとダブルディスクブレーキをセット。
リアは、新たに「やぐら型」の片持ちプロアームにモノショックを組合せる。足元はフロントと同径の17インチホイールにディスクブレーキという仕様。ABSは標準装備となる。
ちなみに新デザインのホイールは、ファインダイキャスト製法の中空タイプでスポーク部分は交差する形状に設計されている。この構造により優れた乗り心地性能とコーナーリングの安定性の両立を図っている。
ライバルマシンとしては、海外モデルとなるがBMWの「F800GT」と比較できるだろう。
パワーユニットは90馬力を発揮する水冷パラレルツイン800㏄エンジンをベルトドライブで搭載。シンプルなエンジン構造ということもあり重量も214kgと軽量だ。
なお、RC79型として生まれ変わった「VFR800F」は、2017年モデルで当時の排ガス規制への対応に伴うフルモデルチェンジを実施。最高出力は107馬力まで高められた。
そして、2019年のカラーチェンジモデルでは標準装備のETC車載機が2.0タイプにアップデートされた。

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解説記事更新日：2022年07月23日

新登場となった2014年モデルのVFR800F。
初登場時のメーカー希望小売価格は125万円。
最高出力は10,250万回転で105馬力を発揮。乾燥重量242kgでパワーウェイトレシオは2.3kg/psの加速力を誇る
2015年にはカラーチェンジを行い、燃料タンクやカウル類のカラーも変更したパールグレアホワイトをあらたにカラーバリエーションに追加、既存の2色と合わせて計3色になっている。

ライバル車としてはカワサキのNinja1000 が挙げられる。最高出力としては141馬力で車体重量も231kgとVFRより10キロ近く軽いNinja1000の方が優っているが、その点VFR 800はフルカウルでロングツーリングでの疲労の少なさ、車体のコンパクトさで女性でも取り回しができるオールマイティなモデルとなっている。Ninja 1000の新車販売価格は118万円で、125万円のVFR800と比べてNinja 1000の方が7万円安かった。

解説記事更新日：2021年10月05日

2017年のフルモデルチェンジでは、マフラーの内部構造を従来の3室構造から2室構造に変更したマフラーを採用、先代の105PS→107PSへと出力を向上させた。ボディーカラーに新色のデジタルシルバーメタリックを加え全4色設定とし、メインフレーム、フロントブレーキディスクハブ、フロントアクスルホルダーをブラックで統一、新たに左サイドカウル部に各種端末の電源に使えるアクセサリーソケットを標準装備した。
同時に兄弟車であるVFR800Xもフルモデルチェンジされ発売されている。
新車販売価格は128万円で先代モデルより3万円の値上がりがあった。

解説記事更新日：2021年10月05日

2018年12月にマイナーモデルチェンジを受けて発売されたVFR800F。
新たにETC2.0車載器を搭載し、カラーバリエーションにはヴィクトリーレッド、パールグレアホワイトの2色を設定。
新車販売価格は131.4万円だった。
今回のモデルチェンジではETC2.0車載器もさることながら新たに追加された新色パールグレアホワイトが見逃せない。1980年代にレースシーンで活躍したRVF750の市販レプリカモデル VFR750Fインターセプターのグラフィックをモチーフにデザインされ、サイドカウルにはINTERCEPTORとVFRのロゴを配し、ホワイト、ブルー、レッドで構成される往年のトリコトロール風カラーがレーサーのDNAを感じさせる。もはやスペシャルカラーと言ってもいいパールグレアホワイトは新車販売価格もヴィクトリーレッドから7万円高の138.4万円だった。
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解説記事更新日：2021年06月08日