カワサキ空冷ビッグネイキッドのフラグシップとして、発売と同時に多大な支持を得たカワサキ・ゼファー1100。1996年には空冷Zの面影を求めるファンの声に応える形を取り、スポークホイール化したロードスターモデルのゼファー1100RSを追加リリースすることに。
ベースとなっているのは、ギア抜け問題を解消すべく、ミッションを見直した1994年モデルのA3型。標準のゼファー1100ではチューブレスタイヤ対応のキャストホイールでしたが、チューブタイヤ仕様のスポークホイール化したことで乾燥重量で6kgの増加。しかしながら衝撃吸収性とビジュアルに優れたスポークホイールの採用、およびエンブレムをZ1&Z2などの空冷Zと同じくタンクを「Kawasaki」、サイドカバーに排気量数をあしらったことによる変化は十分あり、オールドファンを中心に熱狂的な支持を獲得することに。余談ながら、ゼファー1100には採用された火の玉カラー(オレンジボール&イエローボール)は最終モデルとなる2003年モデルのB5でも設定されることはなく生産終了。カワサキ開発陣としては、本機ゼファー1100RSはZ1ではなく、「平成生まれの空冷Zだ」という一種のこだわりがあったのかも知れません。
現在の中古バイク市場においては、近年の絶版車ブームで「最後の空冷カワサキネイキッド」という触れ込みで全年式が高騰中。特に需要が多いのは最終型となった2002年式のB4、および諸元はそのままにマーケットコードのみ変更となった2003年式のB5。それでも極端な差が出るという状況ではなく、走行距離や車両状態、エンジンコンディションなどを中心とした評価であるのが絶版車としては珍しいポイントで、オリジナルの外観を残しつつ空冷Zの雰囲気を出したカスタム車両が高値をつけやすい傾向にあります。ベースモデルのゼファー1100よりも直管スタイルの社外マフラー装着車両が多いのもこの1100RSの特徴で、それだけオールドファンへの訴求力があるという証左と言えるでしょう。
弊社バイクパッションにおきましては、本機ゼファー1100RSはオリジナルのゼファー1100を担当する熟練スタッフが買取査定を兼任。ゼファー1100全年式を扱ってきた豊富な経験により、空冷カワサキならではのエンジンフィール、オイル漏れといったゼファーならではのトラブルに関しても心配ご無用。的確な診断によって必要以上の減額判定はつけず、弊社直営店舗での販売を視野に入れた再生見込みを盛り込んだ上で、オーナー様のご期待に全力でお応えさせて頂いております。思い入れのある愛車だけに、ただ売って終わりにしたくない…。そんな熱い思いも全て受け止めさせて頂きます。絶版車定番カスタムからフルノーマル、果ては事故による廃車相談まで、ゼファー1100RSのことならどのような状態でも高額買取に期待が持てる弊社へご相談くださいませ！

解説記事更新日：2022年01月28日

1992年の発売開始時点ですでに懐古的なルックスのゼファー1100でしたが、より空冷Zに寄せたレトロ感を求めるファンの声は根強いものがあり、1996年にはスポークタイヤ採用の派生モデルとしてゼファー1100RSを世に送り出すことに。
重量は増加するものの、衝撃吸収性に優れたスポークホイールを採用し、タンク&サイドカバーエンブレムを過去の空冷Zシリーズと同じ配置とし、よりオールドマシン感を強調した作りでファンを喜ばせることに成功。車両価格はゼファー1100比で21,000円増の87万円にて販売、男らしい単色のエボニー1色設定となりました。ゼファー1100の型番がZR1100-Aであるのに対し、本機ゼファー1100RSはZR1100-Bと別モデル扱い。余談ながら、単色設定は本年1996年式のB1型のみとなっており、後年モデルは全てタイガー風ラインをあしらったものに。これは1996年の販売当時におけるフラグシップの座に関するものだと思われ、本機より遅れること10ヶ月後に水冷エンジン搭載のZRX1100がカワサキネイキッドのフラグシップモデルとして登場。これにより、ビッグネイキッドの旗艦としての役割から解放され、翌年以降のゼファー1100RSはファン感謝モデル、といった思いが込められたのでは、と思料されます。絶版車としては比較的新しい部類に入りますが、こうした考察を行う余地があるのがゼファー1100シリーズの面白いポイントのひとつだと言えるでしょう。
買取業者の最大の転売先である業者間オークションにおいて1996年モデルB1型の流通数はごくごく少なめ。直近12ヶ月内では不動車1台の取引記録が残っているのみとなっており、データとして挙げるには少々心もとない部分も否定できません。ただし車両価値が低いということではなく、最初期モデルだけに新車として購入された後、ワンオーナー車として丁重に扱われている車両が多いという裏返しでもあり、事故歴等なく車両状態がよい個体は非常に期待度は高いと言えます。近年の傾向としては、空冷Z系の火の玉カラー、あるいはZ1000系の玉虫カラーへリペイントされた車両が多く、完全オリジナルの個体は減少中。逆にフルオリジナルで外観・機関良好であれば、最終型であるB5型以上の高額買取も十分期待してよいでしょう。
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解説記事更新日：2022年02月28日

デビュー翌年の1997年式B2型では、ベースモデルのゼファー1100同様にバッテリーを見直しての小変更を実施。同時にカラーリングを一新し、タイガー風のラインを用いたパールコスミックグレーが設定されました。車両価格・諸元は共に据え置かれ、より多くのユーザーへアピールすることに。この1997年8月から翌98年7月にかけての生産車両はリコールが発生。その内容は「動力伝達装置のクラッチ部において、減速時に駆動車輪から加わる逆回転力を緩衝するスプリングを保持しているナットの寸法が不適切なため、そのままの状態で使用を続けると、当該スプリングの一部が折損し、その破片がクラッチハブに噛み込み、最悪の場合、クラッチ操作ができなくなり、走行不能に至るおそれがある。(カワサキ公式HPより抜粋)」という深刻なもの。対象車両はゼファー1100&1100RS併せて688台というものでした。現在流通している車両はまず対策済みである可能性の方が圧倒的に高いのですが、大型バイクにとっては致命的な駆動系に関するものだけに、最近所有されることになったという方は今一度チェックしておきたいところ。該当車両の車体番号はZRT10A-302652～ZRT10A-307201ですので、念のためご自身の愛車をチェックしておかれることをおすすめいたします。
買取業者の最大の転売先である業者間オークションにいて1997年モデルは直近12ヶ月で6件の取引データがあり、いずれも実動車両。前述のリコールに係る修理済みか否か、車両状態の良し悪しで大きく車両評価に差が出ており、上は144万4000円から下は77万2000円まで2倍近い開きが出る結果となりました。傾向的には前年のB1同様、空冷Z系の火の玉カラー、あるいはZ1000系の玉虫カラーへリペイントされた車両が大多数を占めることに。やはりリペイントの定番は火の玉カラーで、ヨシムラハイカム&マフラーを組み込んだカスタム車が最高値をつけました。リコール届出があった分、車両状態に関してはシビアにチェックされやすく、ギア抜けと合わせ駆動系に厳しいチェックが入りやすいと言えるでしょう。ギア抜けに関しては、B2の年式である1997年式純正ギアでも起こり得るものですので、万全を期すという方は対策済みのA7型以降のものを流用されるとよいでしょう。この症状はカワサキ車によく見られる代表的なトラブル事例ですが、買取業者によっては必要以上のマイナス判定となってしまうことも多いだけに要注意。
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解説記事更新日：2022年02月28日

販売開始から3期目を迎えたB3型では、ゼファー1100同様のスイッチ類表示を変更し、カラーリング一新でマイナーチェンジ。新規カラーはやはりタイガー風ラインを用いたルミナスポラリスブルー×エボニー。このカラーリングは1975年式のZ1Bで採用されていたものであり、復刻カラーのひとつだと言ってもよいでしょう。2022年式Z900RSにはこの青玉虫カラーが追加されることがアナウンスされており、時勢的にもヘリテイジカラーとして再評価が進む可能性も。車両価格・諸元は共に据え置かれ、懐古的な佇まいで多くのファンを惹きつけました。
買取業者の最大の転売先である業者間オークションにおいて直近12ヶ月内での取引データはこの1999年モデルがもっとも多く、全13台のいずれもが実動車両。傾向的には前年までと同じく、火の玉カラーへリペイントされた車両が出品されるも、走行距離4000km台のフルノーマル車が最高値となる200万5000円にて成約に。この1999年式は玉数の多さもあってか、平均取引価格は100万円前後をキープしつつも入念に整備された車両が多く、自然と業者間による落札争いが生じて高値がつきやすくなっております。空冷Zではなく、ゼファーという絶版車として独自の立ち位置を築いた今が旬のモデルと言ってよく、コンディションがよい車両は天井知らずの高値が期待できると言っても過言ではありません。近年のトレンドはウオタニ製フルパワーキットを組み込んでオリジナルの外観とハイパワーを両立したスタイルが特に需要が高く、該当される車両であれば買取価格の大幅上乗せが狙えます。もちろん、ヨシムラやモリワキといった有名ブランドパーツ装着車も大いに期待してヨシ。
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解説記事更新日：2022年02月28日

最終型となった2002年式のB4では、平成11年排出ガス規制対応のための新機構として、二次エア導入機構KCAとパイプ触媒を組み合わせた排出ガス浄化システム「KLEEN」を実装。スロットルポジションセンサー付きのCVK34キャブレターも採用され、最高出力は2PSダウンの91PS/7,500rpmとなりました。
カラーリングはゼファー1100A7と同じタイガー風ラインの入ったメタリックチェスナットブラウンが設定。2003年までモデルコードをB5と変更したのみで継続販売されました。ゼファー1100とは異なり、ファイナルエディションなどの特別仕様車は最後までリリースされず、あくまでもゼファー1100の派生モデルとして静かに舞台を降りました。ちなみに本機B4型が発売された2002年、ゼファー1100にはファン待望の茶×オレンジの火の玉カラー(オレンジボール)が設定されたことにより、1100RSは販売台数が伸び悩んでしまい、結果的には本家ゼファー1100に引導を渡された、という形に。
買取業者の最大の転売先である業者間オークションにおいては、1999年式のB3まではゼファー1100よりRSの方が平均取引価格が高かったのに対し、本2002年モデルにおいては見事な逆転現象が生じることに。直近12ヶ月内におけるゼファー1100RSの平均取引価格帯が135万円前後であるのに対し、ゼファー1100はそれより10万円程度上回る140万円台後半となっております。これはカワサキオリジナルの火の玉カラーであること、キャストホイールの利点である軽さを活かした完成度の高いカスタム車両の多さに起因するもので、走行距離や程度状態が同レベルであった場合は一歩譲らざるを得ないというのが正直なところ。それだけに、高額での売却を狙いたいとお考えの際は、ゼファー1100「シリーズ」としてではなく、「ゼファー1100RS」という独立したモデルとして、販売力に自信のある買取業者に任せることが最重要ポイントだと言えるでしょう。
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解説記事更新日：2022年02月28日