スポーツモデルのエンジンや足回りを採用しながらスタイリングはアドベンチャーモデルという「Vストローム250」は、2017年7月に発売された。
Vツインエンジンを搭載した本格的アドベンチャーモデル「Vストローム650」の弟分モデルといったポジションである。街中での日常ユースから高速巡行、山岳路といった異なるシチュエーションでも快適にライディングを楽しめるスポーツアドベンチャーツアラーのエントリーモデルとして開発された。
外観デザインは1988年に登場した「DR-BIG」のイメージを踏襲したもでの、くちばしのように突き出たフロントカウルが特徴的だ。ちなみに上位モデルでオフロード色を演出した「Vストローム650XT」も似たディテールを採用している。
本モデルはセミダブルクレードルフレームにSOHC2バルブの水冷パラレルツイン248ccエンジンを搭載。最高出力は8,000回転で24馬力というスペック。なお、このエンジンは「GSX250R」に採用されているものがベースになっており出力やトルクといった基本スペックは同じになる。ただ、装備やスタイリングの違いから燃費性能はリッターあたり39kmと「GSX250R」の41kmよりは劣る。トランスミッションは6速リターンだ。
足回りは、専用セッティングのフロント正立フォークにリアは7段調整機能付きのモノショックを装備。ホイールサイズは前後17インチスポークタイプでブレーキはそれぞれシングルディスク。ABSは非搭載でデビューしたが、最初のマイナーチェンジを実施した2019年モデルからタイプ別設定され非搭載モデルは2020年モデルで生産終了になっている。
「Vストローム250」のデビュー3か月後には、ライバルモデルとなるカワサキ「Versys-X 250」も発売。「Ninja250」譲りのDOHC4バルブエンジンで33馬力を発揮しABSも標準装備とワンランク上のスペックだ。
「Vストローム250」は、発売開始以降カラーチェンジを実施しながら販売が続けられている。

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解説記事更新日：2021年11月24日

かつて「DR-BIG」が採用していたクチバシ形状のフロントカウルをイメージさせるデザインを踏襲する新型アドベンチャーモデル「Vストローム 250」だが、デビューモデルとなったDS11A型の2017年式は同年7月に発売された。

既に展開されている「Vストローム 650」の下位排気量クラスというポジションで、スポーツアドベンチャーツアラーのエントリーモデルとなる。
セミダブルクレードル型フレームにマウントされるエンジンは低中速の扱い易さを重視してセッティングされた248㏄のSOHC2バルブヘッド水冷単気筒ユニットとなる。
最高出力は8,000回転24馬力というスペックで登場。最大トルクは6,500回転で22Nmを発生する。ギヤポジションインジケーターや任意に設定したエンジン回転数に達するとランプが点灯もしくは点滅してシフトチェンジのタイミングを知らせる「RPMインジケーター」といったスポーティな装備も採用された。

足元は専用セッティングが施されたテレスコピック正立式フォークと7段階調整機能付きのリヤモノショックを装備。そこに17インチのアルミキャストホイールを履く。ブレーキは前後それぞれシングルディスク仕様で、発売当時はABSの設定は無かった。

一見すると大きく見えるマシンだが、シート高は800mmで「Vストローム 650」より35mm低く、足つきも良好だ。

シリーズのフラッグシップ「Vストローム 1000」、ミドルレンジの「Vストローム 650」に続くエントリークラスとしてデビューした本モデルは、2019年式で最初のマイナーチェンジを実施。マフラーカバーのデザイン変更とABSモデルのタイプ別設定が行われてラインアップの充実化が図られた。その後は、2020年式でカラーチェンジが行われて2023年にDS12E型へと移行するまで販売された。

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解説記事更新日：2024年04月30日

コンパクトで扱いやすいサイズのアドベンチャーツアラー「Vストローム 250」は、2023年3月に初となる型式変更を伴うマイナーチェンジが行われた。型式は従来のDS11A型からDS12E型へとアップデートされて、以下の仕様変更を受けている。

・排ガス規制適合
・カラーチェンジ

マイナーチェンジが行われた理由は、時代の流れと共に厳しさを増していく環境規制に対応してモデルライフの延長を図ることだった。搭載するOHC2バルブの水冷並列2気筒エンジンは、2023年モデルで令和2年の排ガス規制に適合。エンジンスペックは従来モデルから維持されており、8,000回転24馬力・6,500回転22Nmという仕様。ただ、重量は2kg増えて191kgとなっている。
カタログ上の燃費性能は、WMTCモード値でリッターあたり32.1km。先代モデルの31.4kmから僅かに向上した。
ちなみにパニアケースを標準装備するカワサキのライバルモデル「ヴェルシスX 250 ツアラー」は、排ガス規制に対応することなく2022年10月に発売された2023年式が国内最終となっていた。183kgの車体に33馬力のDOHC4バルブ水冷並列2気筒エンジンを搭載して、足元はフロント19インチ・リア17インチのワイヤースポークホイールを装着する高性能マシンだったが、環境規制の壁に阻まれる形で生産終了に追い込まれた。
そのため、250ccクラスでオンロード志向アドベンチャーツアラーとして、「Vストローム 250」は貴重なマシンとなった。
なおDS12E型へと世代交代となった2023年式の本モデルは、4カラーバリエーションで展開された。

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解説記事更新日：2023年05月16日