スズキにはかつて約40年もの間フルモデルチェンジを実施することなく販売していたロングセラーモデルが存在した。それが、1960年代半ばに登場した「K」シリーズだ。そのシリーズの末っ子モデルとなる「K50」をベースにスポーティーな要素を取り入れて展開したのが、「コレダスポーツ」である。
デビューモデルは、1996年3月のことだった。ちなみにモデル名称は1960年代にスズキが登録していたオートバイの商標が「コレダ」だったことに由来している。
1990年代半ばは50ccクラスにもレトロスタイルブームが巻き起こっており、ヤマハ「YB-1」がライバルモデルとして数か月早く発売されていた。
初代モデルとなるK50-3型「コレダスポーツ」は、プレスバックボーンフレームにケースリードバルブの空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載。最高出力は4.5馬力。トランスミッションは4段リターンで始動方式はキックのみ。乾燥重量は72kgだった。ライバルの「YB-1」は、4.6馬力エンジンを採用していたが乾燥重量は75kgと重かった。
「コレダスポーツ」の足回りは、フロントがテレスコピックフォークに17インチホイールを履いてドラムブレーキを装備。リアはスイングアームにツインショック仕様でフロントと同じく17インチホイールとドラムブレーキの組み合わせだった。
デザイン面では、ベースの「K50」がリア部分に荷台を装備していたが、その代わりにスタッド付きのロングシートに変更されていた。ただ、ロングシートと言っても50cc原付モデルのためタンデムはできない。もちろんタンデムステップも装備されていない。
発売開始後の「コレダスポーツ」は、2000年にエンジン仕様を変更し型式をBA15Aに変更。その後の仕様変更は行われずカタログ落ちとなった。

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解説記事更新日：2022年01月09日

レトロスタイルのスポーツモデル「コレダスポーツ」は、1996年3月に発売された。
ベースになっているのはスズキが1967年から販売していたロングセラービジネスモデル「K50」である。
伝統の空冷2ストローク単気筒ケースリード吸気エンジンK50-3型を搭載。最高出力は6,500回転で4.5馬力というスペックだった。当時はレトロスタイルのミニバイクが注目を集めておりライバルとなるヤマハも「YB-1」を発売した。ロータリーディスクバルブの2ストエンジンを搭載しており4.6馬力仕様だったが、乾燥重量は75kgで本モデルより3kg重かった。キックスターターに4速ロータリーミッション、前後17インチホイールという仕様は同じだった。
「コレダスポーツ」のデザインは、フェンダーやライトケースなど各所にメッキパーツを採用して高級感をプラス。バータイプハンドルやミニウィンカー、鋲付きロングシートとクラシカルな趣がお洒落な雰囲気を演出していた。シートに関しては余裕でタンデムが可能なサイズとなっているが、「コレダスポーツ」はあくまでも原付バイクなので2人乗りはできない。
当時の新車価格は17.9万円(税抜)で、2000年にBA15A型が登場するまで販売された。

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解説記事更新日：2021年11月29日

1955年、新型二輪車として登場したコレダ号の名前を継承し、復活を遂げたコレダスポーツ。2000年モデルでは、型番をBA15A型としモデルチェンジとなりました。
外観上の変更点こそありませんが、圧縮比やポートタイミングなどを中心にエンジンを変更しており、空冷2ストならではの焼き付き対策を実施。それと同時に排気触媒とエアバルブを追加することにより、各種環境規制への適合化を果たしている点がポイントとなっております。この2000年当時と言えば、非常に多くのバイクが顕著なパワーダウンを余儀なくされた時期でしたが、本機BA15A型コレダスポーツはその影響を受けず、最高出力は4.5PSと据え置きに。扱いやすく手頃な安寧なパワー感はそのままに、より安定感を高めることに注力した内容だと言えるでしょう。
新車販売価格は1万1000円増の19万円となってしまいましたが、軽い車体と操縦性の良さで若い女性ライダーからも支持され、レトロスタイル50ccとしてYB50・YB-1といったライバルと渡り合うほど堅実な人気を博しました。ロングシートとセミアップハンドル採用によるスタイリングは、今日現在でも十分に通じるスタイリッシュさがあり、軽快なフットワークはまさに街乗り向き。1996年リリースのK50型から最終モデルとなった2006年式まで車体自体の変更はなく、シンプルな作りだけにカスタムとの親和性も高さなどで初心者から玄人まで楽しめるミニバイクのひとつです。
現在の中古バイク市場においては、日本国内最大の中古バイクマーケットである業者間オークションにおいても、車両評価額の低さにより一時期は全く出品自体がなくなってしまった車種でしたが、2020年の新型コロナウイルス蔓延を機に取引台数が増加。これは密が避けられない公共交通機関に替わる移動手段として、中古バイク全体が再評価されたことに起因するものですが、手頃に購入できて見栄えがよく経済性も十分高いという長所を評価されて再登場した形に。その結果、数年前は実動車両でも数千円程度で買い叩かれるケースが多かったコレダスポーツも、実動車では最高取引価格6万円、最低取引価格となった不動車でも1万円で取引されるまでに回復しました。とは言え、元々の新車販売価格自体が安かったことなど、今後もこの状況が続くと楽観視は出来ず、売り時としてはまさに今が旬だと考えて差し支えございません。
弊社バイクパッションにおきましては、本機BA15A型コレダスポーツは125ccクラスまでのミニバイクを専門とする若手スタッフが査定を担当。自身のバイク遍歴の中にコレダスポーツが含まれる経験により、オーナー様ご所有の現車状況を詳細にチェックし業界最高値での高額買取を可能としております。本来のシンプルかつ機能美が光る外観を保った車両、レトロスタイルをより強調した本格的なカスタム車に関しても大歓迎で、内容によってはかなり思い切った買取価格の上乗せも期待してヨシ。今後どうするか検討されておられるという現オーナー様は、弊社までお気軽にご相談くださいませ！

解説記事更新日：2022年02月05日