「レッツ4」は、2004年10月に発売されたスズキの50ccスクーターである。すでに販売されていた「レッツ2」は、空冷2ストロークエンジンを搭載していたが、時を追うごとに環境規制が厳しくなるつつある時代背景を考慮して、将来にわたってラインアップを続けられるモデルという位置づけで開発された。そのコンセプト通り「レッツ4」は約11年に渡り販売されるロングセラーモデルへと成長した。
デビューモデルとなるCA41A型のパワートレインは、空冷4ストローク単気筒A404型エンジンで、最高出力は8,000回転5馬力仕様。燃料供給方式には、ミクニと共同開発の「ディスチャージポンプ式フューエルインジェクション」を採用。燃費性能はリッターあたり80kmと優れた数値だった。
カラーラインアップは、ポップな「ブルームイエロー」、「ミストブルー」の他にベーシックな「ソリッドブラック」と「ソリッドスペシャルホワイトNo.2」と豊富な4パターンで展開された。また車両価格は99,800円(税別)と100,000円を切る価格であったことや併売されていた「レッツ2」の105,000円(税別)よりも安かったことからお買い得感のあるモデルであった。同価格帯のライバルモデルとしては、ホンダ「トゥデイ」が94,800円(税別)で販売されていたが、3.8馬力で燃費はリッター65kmと性能面においては「レッツ4」が優れていたと言える。
その後は、カラーチェンジやバリエーションモデルを展開しながら、2007年には排ガス規制に対応するためのマイナーチェンジを実施。2009年末には生産拠点を中国に移管されるも翌年には再び国内生産に切り替わり2015年に「レッツ」が登場するまで生産された。

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解説記事更新日：2021年09月24日

「レッツ4」のデビューモデルとなるCA41A型は、2004年10月に発売された。新車価格が税抜きで10万円を下回るという設定で、2ストロークエンジンの「レッツ2」のデビュー時を思い出させるような価格を打ち出した。ちなみに2004年当時の「レッツ2」は、10.5万円(税抜)となっていた。
リーズナブル価格で発売された「レッツ4」だが、車体デザインや性能面のクオリティは決して低いものではなくコストパフォーマンスの高い仕上がりとなっていた。
スタイリングは、丸みを帯びたカウル形状でライト周りのレンズ形状も角が少ないデザインになっており親しみやすさを表現している。カラーリングもデビューモデルはシンプルなモノトーンとポップなカラーの4パターン展開された。
車体はアンダーボーンフレームにSOHC2バルブ空冷4ストローク単気筒エンジンを採用。アルミめっきシリンダー仕様のエンジンで、最高出力は5馬力を発揮する。6.1馬力の2ストエンジンを搭載した兄弟モデル「レッツ2」と比較すると非力だが、日常ユースでパワー不足が気になるほどではないだろう。燃料供給方式にフューエルインジェクションを採用しているので始動安定性や燃費性能に優れており維持費や実用性を重視するユーザーにとっては魅力的なモデルだった。
また、上位グレードとして燃料計や盗難抑止アラームを標準装備した「レッツ4G」も同時発売され、価格は1.9万円(税抜)高かった。
CA41A型「レッツ4」はデビュー以降、マイナーチェンジとカラーチェンジを実施しながら2007年にCA45A型が登場するまで販売された。

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解説記事更新日：2021年12月15日

軽量コンパクトでリーズナブル価格なスクーターとして2004年に登場した「レッツ4」は、2007年9月に初となる型式変更を伴うマイナーチェンジを実施しCA45A型へと進化した。
今回のマイナーチェンジの目的は、時を追うごとに厳しさを増している環境規制に適合することで、マフラーを触媒付きタイプに変更し平成18年の排ガス規制に対応した。
排気系統の仕様変更によって乾燥重量は従来の60kgから2kg重くなり62kgとなった。また、燃費性能はCA41A型のリッターあたり80kmから77kmへダウンした。しかしながら、最高出力や最大トルクに関してはパワーダウンすることなく従来からのスペックを維持している。
なお、このタイミングで同じくリーズナブル価格で人気モデルとなっていた2ストエンジン搭載の「レッツ2」は排ガス規制の壁に阻まれる形で生産終了へと追い込まれた。
さらにライバルモデルとなっていたホンダの「トゥデイ」は、フルモデルチェンジを実施しフューエルインジェクション仕様へ進化。馬力は4.1馬力で燃費性能はリッターあたり73kmと従来モデルよりは向上していたが、本モデルの性能には及ばなかった。
第2世代となるCA45A型「レッツ4」は、限定カラーの展開やマイナーチェンジを実施しながら2010年にCA46A型がデビューするまで販売された。

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解説記事更新日：2021年12月15日

2010年11月に最後となるマイナーチェンジを実施した「レッツ4」は型式がCA46A型へと変更された。
今回の仕様変更で搭載されるエンジンが併売されていた兄弟モデル「レッツ5」と統合された。また、従来モデルの最終型は生産拠点が中国に移管されていたが、このタイミングで再び国内生産へと変更された。
パワートレインはA404型のSOHC2バルブ空冷4ストローク単気筒エンジンで変わりは無いが、最高出力がデビュー当時から続いていた5馬力から4.5馬力へダウンした。最大トルクに関しても僅かにダウンしている。燃費性能もリッターあたり77kmから73kmへとダウン。ライバルモデルのホンダ「トゥデイ」と同数値になった。その他のメカニカル面に大きな変更ポイントは無く従来モデルの仕様を引き継いでいる。
装備面では、リアキャリアが標準装備となり積載性能が向上した。ちなみに以前のモデルではグリップのみの装備であったが、装着しようと思えばリアボックスを取り付けることは可能で、実際にそうしているユーザーもいた。しかしながら、取扱説明書では取り付けないようにと注意書きがなされていた。
さらにシート下の収納スペース内に取り付けられていたインナーマットが廃止となっている。スペックダウンやコスト削減を感じさせるマイナーチェンジとなったが、新車価格は4千円(税抜)の値上げが実施された。
「レッツ4」の最終型となったCA46A型は、カラーチェンジを繰り返しながら2014年まで販売され、新生「レッツ」へと世代交代を果たす形で販売を終了した。

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解説記事更新日：2021年12月15日