「RZ125」は、バイクブーム真っ只中であった1980年代前半にヤマハがシリーズ展開した「RZ」シリーズで唯一の原付2種カテゴリに属するマシンである。
発売は1982年で、1980年に登場した「RZ250」、1981年デビューの「RZ50」と「RZ350」に続きシリーズ最後発のモデルだ。既に上位排気量のバイクを所有しているライダーの移動用セカンドバイクとしての用途やライディングテクニックを磨くための練習用マシンとして購入するユーザーも珍しくなかった。
パワートレインは、水冷2ストローク単気筒の123ccエンジンを搭載。最高出力は9,500回転で20馬力を発揮。トランスミッションは6速リターンを採用していた。乾燥重量は97kgで、当時は「コーナー最速マシン」と呼ばれていた。当然のことながら、2スト250ccや4スト400ccマシンに直線で勝負することはできないが、コーナーに関しては上位排気量マシンよりもバンク角を深くしてコーナーに進入してライバルとの差を詰めるという走り方ができた。
ライバルモデルとしては、22馬力96kgのホンダ「MBS125」や22馬力98kgのカワサキ「AR125」と他メーカーも魅力的なモデルを展開していたが、当時の市販車125ccクラスレースに参戦する車両の多くは「RZ125」で、他モデルは少数派となっていた。
「RZ125」は、1983年にモデルチェンジを実施して22馬力の「RZ125S」へ進化した。その後は、1985年にヤマハオリジナルの2ストエンジン用排気デバイスYPVSを採用した「RZ125 YPVS」へモデルチェンジを行い、後継モデルとなる「TZR125」が登場する1987年まで製造された。

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解説記事更新日：2021年10月06日

1983年のRZ125は初期型です。
今も語り次がれる【RZ】シリーズ。最初に産声を上げたのは1980年に発売された【RZ250】です。世の趨勢が4ストに移行しようとしていた頃、ヤマハはあえて2ストを選択、しかもハイパフォーマンスマシンとして仕上げたRZ250はセンセーションを巻き起こしました。次いで81年に【RZ350】と共に発売されたのがRZ125です。
RZ125の特徴は、
・エンジンは水冷2スト単気筒123cc、最大出力20馬力/9,500rpm
・6速ミッション
・リアモノサス
・フロントディスク+リアドラムブレーキ
・キャストホイール
・乾燥重量は97kgと軽量
こうした特徴から、当時のプロダクションレースはRZ125の独壇場、ほぼワンメイク状態となっていました。97kgで20馬力、そしてスリムさからコーナーリングで速さを稼ぐ走り方は、他の125ccを寄せ付けませんでした。「原付二種最強のコーナーリングマシン」と言われるゆえんです。ちなみにライバルのホンダ【MBX125】は109kg、カワサキ【AR125】は115kgです。
カラーリングは白地に青または赤のストライプをあしらったもので、RZ250や350と統一したモチーフで構成されています。ヘッドライトは角型、エンジンからサイレンサーまでブラックで統一された車体は精悍です。
今は非常な希少車ですが、原付二種ゆえ一般道の制限速は60km/h、タンデム可能、税金や安く車検はないなど、メリットは多いです。年式が古いためオイルの管理さえしっかりすれば、これからも元気に走れることは間違いありません。純正パーツが年々入手しにくくなっているのが難点です。
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解説記事更新日：2022年03月27日

1985年、RZ125はマイナーチェンジを受けています。
・最大出力を2馬力アップし22馬力/9,500rpmに向上
・排気デバイス「YPVS」を装着、低中速のレスポンスを向上
・アンダーカウルを装着
・フロントフォークインナーチューブ径をアップ
・タンクからサイドカバーのグラフィックを変更
・キャストホイールのデザインをスパイラルから直線的な6本スポークに変更
などが行われました。
エンジンレイアウトは水冷2スト単気筒123ccで、変更はありません。
1985年といえば、今では考えられないほどのバイクブームで、それこそ数ヶ月おきのモデルチェンジも珍しくなかった時代です。激戦区は400ccと250ccでしたが、125ccもその余波を受けてモデルライフは短いものでした。RZ125も87年に【TZR125】が登場して生産中止となっています。発売から4年少々という短いモデルライフでしたが、「125ccクラス最強のコーナーリングマシン」の愛称はRZ125最大の特徴です。こうしたスリムさと2ストの軽量さ、パワフルさを生かしてサーキットやワインディングを軽快に走るのは、ミドルクラスのバイクが持つ大きな魅力です。
RZ125の現存車両は少ないですが、「絶滅」の危機にある2ストエンジンを楽しめる貴重な存在であることは確かです。
今は非常な希少車ですが、メカニカルはシンプルなためオイルの管理さえしっかりすれば、これからも元気に走れることは間違いありません。純正パーツが年々入手しにくくなっているのが難点ですが、そのためパーツ取り用途の不動車や事故車でも買取額が付き易くなっています。
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解説記事更新日：2022年03月27日