FZ250は、1985年に発売されました。サブネームは「PHAZER（フェーザー）」です。
250ccでDOHC4気筒16バルブ、45馬力/16000回転という驚くべきメカとスペックは、当時の加熱したバイクブームが生み出したと言えます。
400ccクラスの4気筒化が終了したあと、2スト250ccはレプリカモデル一色、4ストモデルは4気筒化を求める声が強くなりました。それを初めて実現したのがスズキのGS250FWで、GSの名のとおり気筒あたり2バルブでした。
対抗するFZ250はシリンダーブロックを45度前傾、電磁ポンプとダウンドラフトキャブレターによって一般市販車として初めて16,000rpmの回転数を実現、4ストローク250ccクラスとして初の45馬力を得ています。
16000回転回るエンジンでも加速性能や最高速はRZ250に譲ったものの、サーキットのラップタイムは小ぶりな車体のため速く、1985年、4サイクルエンジン250cc以下の「SP-Fクラス」ではFZ250勢が上位を独占しました。実際に乗ってみると、トルクで押しだすという感じはあまりなく、ヒュンヒュン風のように回るエンジンです。
売る際のリセールバリューは、ある程度年代物としての価値を織り込んだ査定額が付き状態の良い個体では20万円台の査定額となります。また年式柄、劣悪な車体や故障車や不動車の割合が多いものの十分に買取が可能です。

解説記事更新日：2020年12月26日

1985年からのFZ250は、初期型です。
83年に始まった2スト250ccレプリカブームは、やがて400ccに、そして4スト250ccに波及しました。しかし出力において、4ストが2ストに適わないのは事実、そこで各メーカーは4気筒とすることで出力を上げ、商品価値も上げたのです。
FZ250PHAZERもそうしたチャレンジから生まれたバイクで、特徴は、
・超高回転型のエンジンを実現、最大出力は14,500rpmで45馬力を発生
・吸気系は電磁ポンプとダウンドラフトキャブレターを採用
・高回転型のパワーを上手に引き出せるよう6速ミッションを採用
・ブレーキはフロントダブルディスク、リアドラム式を採用
・角形断面スチールフレーム採用、塗色はシルバー
・フレームマウントのハーフカウルを装着
・空力を意識して前後ウインカーはカウルマウント
このように250ccとしては過剰とも言える装備で、中型ライダーからは大きな支持を集めました。ヤマハらしいコンパクトでスリムな車体から、85年の4スト250cc以下の「SP-Fクラス」ではFZ250勢が上位を独占しました。
実車は非常にコンパクトで中身が詰まっている感じです。250cc4気筒エンジンのトルクは薄いですから、高回転まで引っ張ってギアチェンジし、上手に速度を伸ばしていくというレイディングが求められます。
【1HX型】FZ50PHAZERの買替や売却をお考えでしたら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年01月08日

1986年のFZ250は、後期型となり、マイナーチェンジを受けています。
・リアブレーキをドラムからディスクに変更
・前後16インチタイヤにピレリMT45 ZETAを標準装備
・マフラーを新形状の集合タイプとして静音性を向上
・吸排気系の見直しで中低速を強化
・カウルからリアカウルまでのグラフィックを変更
このチェンジのベースとなったのは85年9月に発売された【FZ250PHAZER YSPリミテッド】で、リアディスクブレーキ、アンダーカウル、ピレリタイヤ、シートカウル（オプション）を装着しています。このYSPモデルが好評だったためのマイナーチェンジです。
「ジェットサウンド」とも言われた、遠くから聞いただけで「フェザーだ！」とわかる高周波の音はおとなしくなりましたが、それでも一種独特の音であることには違いありません。
多くのフェザーライダーがこの音を聞きたくて、高回転までよく回したことでしょう。事実、ストレスなく1万回転を軽々と回るエンジンでもありました。
スリムな車体、水冷4気筒エンジン、トリプルディスクブレーキ、独特のフェザーサウンドなど、FZ250PHAZERは今でも大きな人気があります。今や250ccDOHC4気筒というレイアウトは望むべくもなく、このクラスにしては贅沢な作りも、日本経済がバルブ経済に沸いていた時代の残像を今に伝えています。特に後期型はリアがディスクになっているため人気は高いと言えます。
86年の【1KG型】FZ50PHAZERの買替や売却をお考えでしたら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年01月08日