1997年3月にヤマハから発売された50ccファッションスクーターのビーノ。
イタリア車のVespaを彷彿とさせる曲線が多い丸みを帯びたボディとレトロな雰囲気が特徴的な一台で、JOG アプリオと同系のエンジンを搭載、可愛い見た目ながら6.3PSに65kgのボディでしっかり走るスクーターだった。
1999年9月、フルモデルチェンジを行い国内排ガス規制に対応、型式をBB-SA10Jに変更し、燃費を従来から30%向上。
2004年3月のフルモデルチェンジでは水冷4サイクルSOHC3バルブ単気筒を搭載したことが話題となった。ヤマハ独自の3バルブ機構は吸気2バルブ＆排気1バルブの3バルブで、各バルブの配置の最適化と新形状の燃焼室で吸気通路面積を拡大、吸気効率の向上。JOGの内装を積んで発売されたVinoが新開発のエンジンを搭載、後にそのエンジンをJOGが積むという逆転現象が起き、Vinoのヤマハ50ccクラスでの出世が見て窺えた。
2008年モデルで平成7年の国内排ガス規制に対応、またインジェクション化も同時に行ったSA37J型が登場、以降’15年モデルまでは毎年カラーチェンジを行った。
2015年10月にはビーノとして4回目のフルモデルチェンジを行ったSA54J型が登場。新たにエンジンの吸排気系の見直しを行い、新ECUやO2センサーを採用した。
2017年には平成28年の排ガス規制に対応したSA59J型を発売。ヤマハが内装まで手がけたビーノとしては最終型となった。
そして2018年5月に発売当初からライバル関係にあったホンダ ジョルノ(AF77型)からOEM供給を受け、外装はビーノだが内装をライバル車のだったジョルノに変更。出力や燃費も向上、さらに価格も格安になったものの、ビーノファンが受けた衝撃は少なくなかっただろう。
ビーノもこれで終わりかと思われた2018年、アニメ「ゆるキャン」でビーノがフィーチャーされたことでまさかのプチビーノブームが到来。レトロな外観とカラーリングでアウトドア女子やアニメファンなど新たなユーザー層を獲得。ヤマハ ビーノの第2ステージが始まった。
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解説記事更新日：2021年04月24日

1997年3月に発売されたヤマハの50ccスクーター Vino。
その後20年を超えるロングセラーモデルとなったビーノの記念すべき初期モデル。
丸みを帯びた可愛らしいボディ、独立型のメーター、Vから始まる車名ロゴなど、どことなくイタリア車の某ファッションスクーターを彷彿とさせる本車。車名のVinoはイタリア語のワインという意味だということで、公式も認める完全なる和製Vespaだった。
新車販売価格は16.9万円だった。
ライバル車としては先駆けて国産レトロスクーターというジャンルを切り開いたホンダの和製Vespa Giornoが挙げられる。最高出力ではファッションスクーターながらJog アプリオに採用されている空冷２サイクルクランク室リードバルブ単気筒を搭載、Giornoの5.6PSに対しVinoは6.3PSとなっていた。
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解説記事更新日：2021年04月19日

1998年1月カラーチェンジを行い発売された’98年モデルのビーノ。
カラーバリエーションに新色としてブラックを追加。
さらに、同年5月には4000台限定でステッカーやメーターなど、コーラルブルー×ホワイトのボディをベースに各所にハローキティをちりばめたハローキティバージョンを発売。
新車販売価格は17.5万円だった。
発売当初、飛ぶ鳥を落とす勢いだったパフィーが宣伝に出演していたことも話題になったビーノ。1998年1月にブラックが追加された際の広告では2人でヤマハのロゴが入った黒いTシャツを着ていたことを憶えているという方も、もしかしたらいるのではないだろうか。
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解説記事更新日：2021年04月20日

1999年2月にカラーチェンジを行い発売されたA-5AU型 ‘99年モデルのVino。
カラーバリエーションには新たにスプレンディッドベージュとブラック2の2色を新色として追加。既存色からはソルトレイクシルバー、ベリーダークブルーカクテル4、ダークパープリッシュレッドカクテル3を継続して採用、計5色のカラーバリエーションとなった。
新車販売価格は16.9万円だった。
「うちから5kmの大冒険」というセリフが印象的な、パフィーが出演したCMで一躍知名度を上げたビーノ。販促としてオリジナルのVino With パフィーTシャツもプレゼントするなど発売から3年目にしヒット商品となりつつあったビーノをヤマハとしてもしっかりプッシュしていたのが窺える。
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解説記事更新日：2021年04月21日

1999年9月、フルモデルチェンジを行い国内排ガス規制に対応、型式をBB-SA10Jに変更して発売された2000年モデルのVino。
排出ガス規制はジョグ・ポシェに採用していたヤマハ独自のキャタリストチューブ及びコンペンセイターを搭載、また燃費を先代モデルの5AU型から約30％向上。カラーリングの変更は無かったものの、ニューホワイトのカラーリングを施したスペシャルカラーモデルを発売した。新車販売価格は17.9万円(スペシャルモデルは18.9万円)だった。
そして、翌2000年1月にはスタンダードモデルのカラーチェンジを行い新色としてブラック2とダルブルーカクテル1を新たに追加、既存色からはソルトレイクシルバー、ダークパープリッシュレッドカクテル3、の2色が継続して採用。価格は据え置きだった。

ちなみに2010年代にタイ王国の至る所で目にするほど人気を博したFINO125という車種の姿形はVinoそのものの125cc版であった。
更にちなみに、台湾のCPIというメーカーからVespaにインスピレーションを受けたVinoから、さらにインスピレーションを受けてしまったBaby-Jというモデルが発売、ボディのパーツはまさにビーノ。そこに砲弾型のマフラーを装着し、メーターは本家と比べるといささかチープなものだったが、ビーノの類似品としては有名な車両。しかしながらコピーされるのもまた人気車ならではだと言えるだろう。
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解説記事更新日：2021年04月21日

2001年2月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’01年モデルのビーノ。
防犯性の向上としてヤマハ独自のロック機構「Gロック」を搭載。
カラーバリエーションには新たにオレンジメタリック、ダルレッドメタリックを新色として追加、既存色からはソルトレイクシルバー、ダルブルーカクテルが継続採用され計4色のカラーバリエーションとなった。新車販売価格は17.9万円だった。
また、同年7月には、歌手の宇多田ヒカルがデザインを手掛けたVino CHUICHIモデルを2000台限定で発売。新車販売価格は18.9万円だった。
「CHUICHI」はニューヨーク時代に宇多田ヒカルの父が飼っていたシャム猫の「忠一」がモデル。Vino CHUICHIバージョンが出た際には販促として特典のCHUICHI×Vinoストラップが用意され、抽選で6,000名にプレゼントされている。また、ステッカーや下敷きなどのVinoコラボグッズも生産されていた。
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解説記事更新日：2021年04月21日

2002年2月にカラーチェンジを行い発売された。
カラーバリエーションには新たにシルバー3、ベリーダークブルーカクテル4を新色として追加。既存色からはオレンジメタリック1、ダルレッドメタリックDが継続して採用され計4色の設定となった。また、新デザインの車名エンブレムを採用した。
新車販売価格は16.9万円で先代モデルから1万円安となっている。
’97年初期モデルの発売から2002年2月の時点で販売台数は20万台を超えていたVino。同ヤマハの看板スクーター、JOGから内装を流用し、レトロスクーター風な外装を付け加えた着せ替え的なモデルというスタートだったが、発売から5年、既にヤマハの50ccクラスでは欠かせないヒット商品となっていた。
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解説記事更新日：2021年04月21日

2003年2月にカラーチェンジを行い発売された’03年モデルのVino。
カラーバリエーションには新たにブルーイッシュグレイメタリック3を新色として追加既存色からはシルバー3、ベリーダークブルーカクテル4、ダルレッドメタリックDを継続して採用、計4色のカラーバリエーションとなった。
新車販売価格は先代モデルからお据え置きの16.9万円だった。
女性をターゲットに発売されたファッションスクーターであるVino。しかしながら馬力は6.3PSと50ccスクーターとしては決して低くない数字であった。
ホンダから発売されていたライバル車であり一足先に水冷 4スト化したホンダ クレアスクーピー （2003年モデル）の4.9PSと比べるとその差は歴然。
車両重量もビーノが7kg軽量だったことからパワーウエイトレシオはビーノが10.3kg/psに対し’03年モデルのクレアスクーピーが14.6/ps。
女性向けながらもそのスペックは侮れないのが男性人気にも繋がったのではないだろうか。
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解説記事更新日：2021年04月21日