「キング・オブ・マウンテンロード」という開発コンセプトのもとに登場した「TDM850」の2代目モデルが「TDM900」だ。デビューは2002年だったが、2008年モデルからは、ABS搭載モデルを展開。それが、「TDM900A」である。
国内には正規展開されなかったが、プレストコーポレーションが南アフリカ仕様を逆輸入して販売していた。
アルミ製のダイヤモンド型フレームはマットブラックでシックに仕上げられている。そのフレームにはDOHC5バルブの水冷4ストローク並列2気筒エンジンをマウント。「YZF-R」シリーズと同様のアルミ鍛造ピストンやメッキシリンダー、浸炭コンロッドを採用した897㏄エンジンだ。最高出力は7,500回転で86馬力を発揮する。トランスミッションは6速リターン式だ。
排気系統にはエアインダクションシステムと三元触媒を採用した軽量ステンレスマフラーを装備することで、ヨーロッパ排ガス規制「EURO3」に適合している。
足回りは、フロントにテレスコピック式正立フォークを装備し17インチホイールとダブルディスクブレーキを組合せる。キャリパーはコントロール性が良く高剛性のモノブロック型異径対向4ポット仕様で安心感が増している。リアは新たに軽量化と剛性アップを図った「目の字」断面アルミ製スイングアームに「YZF-R1」タイプのピギーバック付きサスペンションを装備。フロントと同径の17インチホイールにシングルディスクブレーキを採用している。
オールラウンドマシンとしての快適性や走行安定性を確保しつつ、スーパースポーツ譲りのハンドリングも実現しているわけだ。
ライバルモデルとしては、スズキの「Vストローム1000」が候補に挙がるだろう。こちらも海外専用モデルでアルペンツアラーとして展開されていたマシンだ。98馬力を発揮する水冷V型ツインエンジンを搭載していた。
なお、デビュー以降の「TDM900A」は毎年カラーチェンジを2011年モデルまで設定され生産終了となった。

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解説記事更新日：2022年03月14日

2004年にヤマハのから新発売されたTDM900Aの初期モデル。
ベース車であるTDM900にABSを搭載した上位モデルである本車。アルミ鍛造ピストンとメッキシリンダーを採用し最高出力86PS/7,500rpmを発揮する水冷4ストロークDOHC2気筒エンジンやアルミ製ダイヤモンドフレームなど基本的な構造はベースモデルと同様となっている。
ボディカラーもスタンダードモデルと共通となっており、ギャラクシーブルー,、ブルーストーン、ダイアモンドブラックの3色を設定。
2005年のカラーチェンジではバリエーションをベージュ、ブラック、シルバーの3色に変更。
2006年のカラーチェンジではブルー、シルバー、ブラックの3色を設定している。
TDM900/Aはフロントマスクに角度がついて長めに見えるスクリーンやホンダ バラデロのような横二眼ライトなどアドベンチャーモデルを彷彿とさせるデザインとなっているが、あくまでデザインのみとなっており実質的にはワインデングロードなどで活躍するオンロードスポーツモデルである。
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解説記事更新日：2021年11月20日

カラーチェンジを受けて発売された2007年モデルのTDM900A。
カラーバリエーションにはブルーイッシュホワイトカクテル、ダークレッドメタリックK、ブラックメタリックXの3色を設定。
2008年のカラーチェンジではバリエーションにダークレッドメタリックK、ブラックメタリックX、シルバー3の3色を設定。
スタンダードモデルのTDM900は2007年からプレストにおいて逆輸入販売が開始されており、ABS搭載モデルのTDM900Aは1年遅れてこの2008年モデルから国内向けに逆輸入販売がスタート。
新車販売価格はスタンダードモデルから4万円高となった99万円だった。
2009年のカラーチェンジではダークパープリッシュブルーメタリックX、ブラックメタリックX、シルバー3の3色を設定。新車販売価格は据え置きの99万円。
2010年のカラーチェンジではミッドナイトシルバー、ブラックメタリックXの2色を設定。新車販売価格は据え置きの99万円。(プレストでの逆輸入販売は2010年モデルを持って終了。)
2011年のカラーチェンジではガンメタリック、ミッドナイトブラックの2色を設定。
TDM900Aはこの2011年モデルを最終型とし、スタンダードモデルより1年早く生産終了となった。また、TDM900以降TDMの名を冠する後継モデルは登場していない。
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(※日本円の価格はプレストの税抜価格)

解説記事更新日：2021年11月20日