「キングオブマウンテンロード」をコンセプトに掲げ1991年に登場した「TDM850」は、約10年もの月日を経て2002年に2代目モデルへフルモデルチェンジを果たした。このタイミングで排気量は従来の849ccから897ccへ拡大したことで、モデル名も「TDM900」と改められた。ABSはタイプ別設定で、搭載モデルは「TDM900A」として2008年から展開された。なお、本モデルは海外向けモデルだったため国内仕様は設定されなかったが、プレストコーポレーション社が南アフリカ仕様の逆輸入販売を行っていた。
フレームはアルミ製のダイヤモンド型を採用。パワートレインは、水冷4ストロークDOHC5バルブ並列2気筒を搭載。最高出力は7,500回転で86馬力というスペック。アルミ鍛造ピストンやメッキシリンダーは「YZF-R」シリーズ譲りだ。燃料供給方式は、従来モデル「TDM850」ではキャブレター仕様だったが、「TDM900」ではフューエルインジェクションが採用された。また、エンジン回転数に応じて吸気ダクト面積が変わる可変方式システムを初採用することで、急なスロットル操作をしても吸入空気量が最適に保たれるようになっている。そして排気系統には三元触媒やエアインダクションシステムを導入することで、排ガス規制「EURO3」に適合している。
トランスミッションは従来モデルの5速リターンから6速リターンタイプに変更された。
デビューモデルの「TDM900」は、イエロー・シルバー・ダークブルーの3カラー展開され、その後はカラーチェンジを繰り返しながら2012年モデルを最終に生産終了となった。

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解説記事更新日：2021年09月27日

2002年にヤマハから新登場したTDM900の初期モデル。
先代のTDM850から排気量を増した水冷4ストロークDOHC2気筒を搭載。最高出力は86PS/7,500rpm、最大トルクは9.1kg-m/6,000rpmを発揮した。
フレームには軽量のアルミ製ダイヤモンド型を採用、また、先代まで5速だったミッションはTDM900から6速となっている。
カラーバリエーションにはイエロー、シルバー、ブラックの3色を設定。
2003年モデルはカラーチェンジのみでバリエーションはブラック、ブルー、シルバーの3色となった。
輸出向けモデルであるため国内向けの販売は行われていない。
また、デザインを担当したGKダイナミクスの梅本氏が海外メディアに対して「TDMはシンプルにTDMであり、それ自体が本質です。そして重要なポイントはTDMの個性を継承することであることは明白でした。(原文英語)」とコメントしている通り、フロントマスクは一新されながらもTDM850の後継機であることを窺わせる造りになっていた。
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解説記事更新日：2021年11月20日

マイナーモデルチェンジを受けて登場した2004年モデルのTDM900。
新たにイモビライザーを搭載して防犯性を向上した。
カラーバリエーションにはギャラクシーブルー,、ブルーストーン、ダイアモンドブラックの3色を設定。
同年にはバリエーションモデルとしてABSを搭載したTDM900Aが登場している。
2005年のカラーチェンジではバリエーションをベージュ、ブラック、シルバーの3色に変更。
2006年のカラーチェンジではブルー、シルバー、ブラックの3色を設定。
ライバル車としてはホンダのXL1000V バラデロが挙げられる。2004年モデルの最高出力は94PSとバラデロの排気量が大きいだけにパワーではTDM900の方が劣っていたが、乾燥重量ではバラデロが235kgなのに対しTDM900は192kgと40kg以上軽量となっていた。
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解説記事更新日：2021年11月20日

カラーチェンジを受けて発売された2007年モデルのTDM900。
このモデルからヤマハの輸出向けモデルを逆輸入販売していたプレストにて南アフリカ仕様の販売が販売が始まった。
カラーバリエーションにはブルーイッシュホワイトカクテル、ダークレッドメタリックK、ブラックメタリックXの3色を設定。
新車販売価格は95万円だった。
2008年のカラーチェンジではバリエーションにダークレッドメタリックK、ブラックメタリックX、シルバー3の3色を設定。新車販売価格は据え置きの95万円。
2009年のカラーチェンジではダークパープリッシュブルーメタリックX、ブラックメタリックX、シルバー3の3色を設定。新車販売価格は据え置きの95万円。
2010年のカラーチェンジではミッドナイトシルバー、ブラックメタリックXの2色を設定。新車販売価格は据え置きの95万円。(プレストでの逆輸入販売は2010年モデルを持って終了。)
2011年のカラーチェンジではガンメタリック、ミッドナイトブラックの2色を設定。
2012年のカラーチェンジではミッドナイトブラックのみの設定となった。
TDM900は2012年モデルを最終型として生産を終了。TDM850から続いた約20年間の歴史に幕を閉じた。ちなみに累計生産台数は850と900を合わせて10万台を超えているということで国内での知名度は高くないものの世界的にはそこそこ売れたモデルと言えるだろう。
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(※日本円の価格はプレストの税抜価格)

解説記事更新日：2021年11月20日