オンオフ問わず世界中の道を優れた安定性で走破するツーリングエンデューロ「R1200GS」は、2012年式で新たなバリエーションモデルを設定した。それが、本モデル「R1200GS ラリー」である。その名の通りオフロードユースを意識した仕上がりとなっているが、「R1200GS」シリーズには、すでに2006年モデルから「R1200GS アドベンチャー」が展開されている。
本モデルは、その「R1200GS アドベンチャー」のように悪路走破性やロングツーリングに特化した専用装備は多く採用されていないが、ベースモデルよりもデザインやスタイル面でオフロードマシン寄りにモディファイされている。
ベースモデルと異なる特徴的なディテールは以下の通り。

・専用カラーリアフレーム
・専用デザインヘッドカバー
・ブラックアウトフロントフォーク
・シルバーメタリックスイングアーム
・ツートーンシートなど

車体の基本構成は、スタンダードの「R1200GS」と変わらない。
スチールパイプを使用したスチール製フレームにマウントされるパワーユニットは、BMWモトラッド伝統の空油冷式の1,169ccボクサーツイン。最高出力は7,750回転110馬力で、最大トルクが6,000回転120Nmというスペック。駆動系統は6速トランスミッションとメンテナンス性に優れたシャフトドライブという構造。
足回りは、フロントに快適な乗り心地をライダーとパッセンジャーに提供するテレレバーフォークを装備して19インチのワイヤースポークホイールを履く。ブレーキは305㎜のダブルディスクに4ピストン仕様のフレックスキャリパーをセットする。
リアはパラレバー式のスイングアームに17インチホイールと265㎜のシングルディスクブレーキという構造。ABSに関してはスイッチオフが可能な仕様でオプション設定となっていた。
比較対象としては、ヤマハが2010年から海外マーケットで展開している「XT1200Z スーパーテネレ」が台頭する。パリダカ参戦マシンに由来するネーミングを与えられたラリーシーンを連想させるモデルだ。エンジンには1,199ccのDOHC4バルブ水冷並列2気筒ユニットを採用している。最高出力は7,250回転で112馬力を発生する。最大トルクは6,000回転117Nmというスペック。本モデルよりハイパワーだが、重量は257kgで本モデルより30kg以上重い。最大トルクも「R1200GS ラリー」が格上。スペック重視なら「R1200GS ラリー」、スタイリッシュで精悍なフォルムが好みなら「XT1200Z スーパーテネレ」といったところだろう。
なおデビュー以降の「R1200GS ラリー」は、ベースモデルの仕様変更に準ずる形でカラーチェンジやアップデートを受けながら2018年モデルまで展開されて生産終了となった。

買替や売る際の買取査定は、2012～18年式 R1200GS ラリーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年11月27日

2012年式の「GS」シリーズには、新たなバリエーションモデルが登場。それが空油冷ボクサーツインを搭載する「R1200GS」をベースにした「R1200GS ラリー」である。
デビューモデルとなった2012年式は、北米向けが19,045ドルで発売された。ちなみに通常グレードは、16,150ドルだったので約300ドルの価格差がある。
マシンスペックやメカニカル構造はベースマシンと変わらないが、各所に採用される専用デザインパーツがオフロード色を強める内容となっている。
トラス構造のフレームはリアセクションが「マグマレッド」に染められている。そこに伝統的なトリコロールカラーをイメージした「アルピンホワイト」のボディパーツを組み合わせることで往年のラリーマシンを彷彿とさせるスタイルに仕上がっている。
エンジンは、ブラックベースの本体にグラニットグレーメタリックを採用する専用カラーのヘッドカバーを装着。1,169ccのボクサーツインユニットは、7,750回転で110馬力に到達する。最大トルクは6,000回転120Nmという仕様。ちなみに2012年式でBMWモトラッドのボクサーツインは、従来のOHCからDOHC4バルブにアップグレードされている。この大きなアップデート受けるタイミングで本モデルはデビューしたということになる。マシン重量は234kgで、ベースモデルと変わらない。
また、シートも専用カラーの「ブラック×オフホワイト」のツートン仕上げとなる。スタンダードグレードよりも300ドルほど高くなるが往年の「GS ダカール」をイメージしたカラーリングとスタイルは、ファンにとってはうれしい仕様だろう。

買替や売る際の買取査定は、2012年式 R1200GS ラリーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年11月28日

エンジンがDOHC化された2012年式で登場した本モデルだが、5年ぶりとなる2017年式で「スタイル ラリー」として再び登場。ベースモデルは2013年にフルモデルチェンジも受けているので、従来モデルからの変更点は多い。なお「R1200GS」シリーズとして今回受けたアップデートは以下の通り。

・ユーロ4適合
・カウルデザイン変更
・カラーチェンジ

エンジンは、2013年に一部水冷化された新型のボクサーツインエンジンを搭載する。スロットル制御もライドバイワイヤにアップグレードされているので、ケーブル類は無くすっきりとしたハンドル回りで、レスポンスもよい。なによりもライダーの好みや走行シチュエーションに応じたライディングモードを選択できることが大きな進化といえるだろう。
マシンスペックも従来の2012年モデルからは大きく向上している。
1,169ccのDOHC4バルブ空水冷ボクサーツインエンジンは、7,750回転で125馬力のピークパワーに到達する。最大トルクも6,000回転125Nmとなっている。従来仕様の110馬力・120Nmから大きくパワーアップを実現している。
また本モデルにはスタンダードグレードとの差別化を図るための専用装備が採用されている。その一つがスポーツサスペンションだ。20㎜ロング仕様の足回りを採用することで悪路走破性を重視した仕様へ変更。しかしながらシート高も同時に20㎜アップして870㎜～890㎜となった。スタイリングは好みだけれども体格的に足つき性が厳しいといったケースも出てくることだろう。
なおボディカラーは、「ルパンブルーメタリック」を採用。フレームは「コルドバブルー」で統一感を演出している。
日本向けの価格はスポーツサスペンション仕様のプレミアムラインが248万500円(税込)で発売された。

買替や売る際の買取査定は、2017年式 R1200GS ラリーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年11月28日

往年のラリーマシンをイメージしたデザインを採用して2012年モデルで設定された「R1200GS」のラリー仕様だが、今回の2018年モデルが最終仕様となる。
前年に「スタイルラリー」グレードとしてベースモデルのアップデートに合わせて再び展開されたが、この2018年式では特に目立った仕様変更を受けることなくラインアップを継続。
「コルドバブルー」のフレームに「ルパンブルーメタリック」のボディカウルという組み合わせで、世界中の異なる走行シーンで唯一無二の存在感を主張するアグレッシブなデザインを採用する。そして、シートはデビュー時から採用されている「ブラック×ホワイト」のツートーンカラー仕上げ。
足元は優れた耐久性と柔軟性を兼ね備えるクロススポークホイールを標準装備とする。
マシンの心臓部は、2004年のベースモデルデビューからすでに10年以上採用されている1,169㏄のボクサーツインである。DOHC化や冷却方式の一部水冷化、ユーロ4への適合など時代の経過に応じて数々のアップデートを受けて完成度が高められてきたユニットである。最高出力は7,750回転で125馬力を発生する。最大トルクは6,000回転125Nmというスペック。
ライバルモデルとしては、国内メーカーマシンであればホンダが2016年から販売している「CRF1000L アフリカツイン」が比較対象になるだろう。
エンジンはOHC4バルブの998㏄パラレルツインで95馬力仕様。スマートなスタイルにも見えるがホイールベースは本モデルより25㎜ロングの1,575㎜ある。スペックや取り回し性能は「R1200GS ラリー」が有利だ。ただ、シート高は本モデルのスポーツサスペンション仕様が870㎜に対して「CRF1000L アフリカツイン」は、ロータイプを選択すれば850㎜となる。足つき性重視なら「CRF1000L アフリカツイン」ということになる。
なお「R1200GS」シリーズは、今回の2018年式が最終仕様で生産終了となり、2019年式で排気量アップしたユニットを与えられた「R1250GS」へと世代交代となった。

買替や売る際の買取査定は、2018年式 R1200GS ラリーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年11月28日