「848 EVO」は、2008年から生産されていたミドルクラスのスーパーバイク「848」の正常進化形として2011年モデルで登場したマシンである。日本国内向けは2011年6月に発売された。

モデル名称の末尾に「EVO」が付されたのみということで、車体の基本設計までは変わっていない。スチール鋼管製のトレリスフレームに水冷4バルブL型ツインという「ドゥカティ」らしい構造も継続。ただ、新たに採用された「848 テスタストレッタ エボルツィオーネ」エンジンは、従来ユニットと比較して各部の改良を実施。さらに足回りもアップデートが施されている。先代モデルから強化ポイントは以下の通り。

・燃焼室形状変更
・ピストンクラウン形状変更
・圧縮比変更
・バルブリフト量変更
・インレットポート形状変更
・スロットル径拡大
・ブレンボ製モノブロックブレーキキャリパー採用

エンジンのボア・ストロークは、94mm×61.2mmの849.4㏄で従来通り。内部構造の見直しやセッティングの変更で、最高出力は10,500回転140馬力(本国モデル)まで向上。最大トルクは9,750回転98Nmというスペックでデビューした。なお日本国内向けは騒音規制に適合するための仕様変更が行われていて、最高出力が9,500回転131馬力で、最大トルクは9,500回転97Nmにダウンしていた。それでも先代モデルとなった「848」の129馬力・96Nmというスペックからは向上している。
駆動系統は引き続き湿式クラッチと6速ギヤボックスという組み合わせ。乾燥重量も変わらずの168kgだった。

足回りは、フロントにインナーチューブ43mm径のショーワ製フルアジャスタブル倒立フォークを装備して17インチホイールにピレリの「ディアブロ スーパーコルサ SP」を履く。
ブレーキは320mmダブルディスクにブレンボ製のラジアルマウントモノブロック4ピストンキャリパーを新たに採用。制動系統が大幅に強化された。
リヤはアルミ製の片持ち式スイングアームにフロントと同じくショーワ製のフルアジャスタブルモノショックをセット。ブレーキは245mmディスクに2ピストンキャリパーという構造で続投。

ライバルモデルとしては、スズキがグローバルマーケットに展開していた「GSX-R750」が比較対象になるだろう。2011年式ではフルモデルチェンジを受けて、本モデルと同じくフロントブレーキにブレンボのモノブロックキャリパーが採用されていた。エンジンは749ccのDOHC4バルブ水冷4気筒ユニットで、最高出力が13,200回転147.9馬力という仕様。最大トルクは11,200回転で86.3Nmを発生した。乾燥重量は156kgで本モデルより12kgも軽いハイスペックマシンだった。

なおデビュー以降の本モデルは、シンプルなカラーリングでリーズナブル価格を実現した「848 EVO ブラック」と並行ラインアップ。2012年式では電子制御システムを採用して高性能化した豪華グレード「コルセ スペシャルエディション」も展開。2013年式まで設定されて生産終了に至った。

買替や売る際の買取査定は、2011~13年式 848 EVOの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年03月02日

ミドルサイズスーパーバイクとして2008年からラインアップされてきた「Ducati 848」は、2011年モデルで世代交代を実施。そこで登場したのが本機「Ducati 848 EVO」だった。マシンの基本設計は従来通りだが、エンジンの内部構造の見直しとセッティング変更が施されていた。具体的には、燃焼室とピストンクラウンの形状変更で圧縮を13.2へアップ。さらにインレットポートの形状とバルブリフト量の最適化も実施。その結果、日本仕様のエンジンスペックは以下の様に変化。

・最高出力 9,500回転129馬力 → 9,500回転131馬力
・最大トルク 8,250回転96Nm → 9,500回転97.1Nm

仕様変更を受けたことで、849.4㏄の「848 テスタストレッタ・エボルツィオーネ」ユニットは、従来以上に高回転型高出力エンジンへと進化を遂げた。マシンサイドのカウルには、進化型最新ユニットを搭載する証として「EVO」のエンブレムも配される。
足回りは、前後ショーワ製のフルアジャスタブルサスペンションと17インチアルミホイールにピレリの「ディアブロ スーパーコルサSP」という組み合わせで続投。
パワーユニットの改良でポテンシャルアップとなった2011年式「Ducati 848 EVO」は、以下のカラーリングと価格で展開された。

・「レッド (レッドフレーム×ブラックホイール)」　189万円(税込)
・「アークティックホワイトシルク(レッドフレーム×レッドホイール)」　189万円(税込)
・「ダークステルス(レーシングブラックフレーム×ブラックホイール)」　169万円(税込)

2010年の先代モデル最終で設定されたリーズナブル価格のブラック仕様も引き続き設定。カスタム前提であれば20万円リーズナブルなブラックを選択することもできるだろう。

買替や売る際の買取査定は、2011年式 Ducati 848 EVOの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年08月17日

Ducati 848EV0は2008年から登場したDucati 848のエンジンをモデルチェンジした新生Ducati 848です。
2012年式Ducati 848EV0は新設計した水冷Lツイン「テスタストレッタ・エボルツィオーネ」エンジンを搭載し、フラッグシップモデルである1098と共有のフレーム、パーツ類を装備したミドルクラスSSのエントリーモデルとなります。
Ducati 848Evo新型エンジン（高圧縮比化、カムプロファイル、吸気ポート形状の変更）はDucati 848から2馬力アップした131馬力（日本仕様）となり、高級パーツを排除してコストカットをしたものの、前後にフルアジャスタブルタイプのショーワ製サスペンションを導入するなど、その性能は折り紙付きです。なお、2012年式Ducati 848EV0は2011年モデルから大きな変更点は無く同じ仕様となります。
2012年式Ducati 848EV0はとても人気のモデルで、現在でも需要のある車両であることから。弊社パッションでは高価査定対象車両となります。

解説記事更新日：2021年01月25日

ドゥカティの「スーパーバイク」カテゴリでエントリーモデルというポジションにあたる本機「848 EVO」は、2011年のデビュー時から目立った仕様変更を受けることなくキャリーオーバーで継続されてきた。最終仕様となる2013年式もその流れは続き、従来通りの仕様で展開。日本仕様のカラーリングと価格は以下の通りだった。

・継続「レッド (赤フレーム×黒ホイール)」　189万円(税込)
・継続「アークティックホワイトシルク (赤フレーム×赤ホイール)」　189万円(税込)
・継続「ブラック (黒フレーム×黒ホイール)」　169万円(税込)

マシンの心臓部は、9,500回転で131馬力を発生する849.4ccの水冷L型ツイン「テスタストレッタ・エボルツィオーネ」となる。最大トルクは9,500回転97.1Nmというスペック。ちなみにイタリア本国モデルは、10,500回転140馬力・9,750回転98Nmのフルパワー仕様だった。各部の徹底した軽量化で乾燥重量が169kgというスパルタンなマシンだが、クラッチは湿式なので扱いやすく、ビギナーからベテランまでライダーやシーンを選ばず楽しめるスーパーバイクに仕上がっている。前後サスペンションもサーキットよりは公道走行での操作性が重視されている。
ちなみに前年に登場した「コルサ スペシャルエディション」は、2013年式も継続されている。オーリンズ製のリアサスペンションやトラクションコントロール、クイックシフターを標準装備するパフォーマンス重視のマシンだった。

なお本機「Ducati 848 EVO」は、2013年式が最終型となって生産終了に至った。後継マシンはモノコックフレームを採用する「899 パニガーレ」。

買替や売る際の買取査定は、2013年式 Ducati 848 EVOの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年08月17日