ドゥカティは、2009年にリッターオーバークラスの新型「モンスター」を投入した。それが本モデル「モンスター 1100」である。ちなみに日本向けは上級グレードで豪華足回りの「モンスター 1100 S」が先に導入されて、ベースグレードの本モデルが後発となっていた。

車体はトレードマークとも言えるスチールパイプ製のトレリスルフレームを採用。そこにボア・ストロークが、95mm×71.5mmのショートストローク空冷2バルブデスモドロミックL型ツインをマウント。デュアルスパークの1,078ccユニットは、7,500回転で95馬力を発生する。最大トルクは6,000回転103Nmというスペック。
トランスミッションは乾式クラッチの6速ギヤボックスという構造。ダイレクトな操作感が特徴的で湿式クラッチを採用した後継モデルの「モンスター 1100 EVO」よりも本モデルを好むライダーもいるほどである。
足回りは、フロントにインナーチューブが43mm径のSHOWA製フルアジャスタブル倒立フォークを装備。そこに17インチのY字型5本スポークホイールをセットして320mmのダブルディスクブレーキを組合せる。キャリパーはラジアルマウント4ピストン仕様。
リヤは片持ちスイングアームにザックスのアジャスタブルモノショックを接続する。ブレーキは245mmディスクに2ピストンキャリパーという構造。ABSは2010年式からタイプ別で設定された。
ちなみにマシンの全体フォルムは、下位排気量クラスでエントリーモデルの「モンスター 696」とそっくりだが、スイングアームが両持ちから片持ちにアップグレードされている部分で簡単に見分けることができる。

ライバルモデルとしては、スズキの「バンディット 1250」が比較対象になるだろう。ダブルクレードル型フレームに搭載するインジェクション仕様のエンジンは、1,254ccの水冷並列4気筒ユニット。最高出力は7,500回転で100馬力を発生する。最大トルクは、僅か3,500回転で107Nmに到達するパワフルユニットだ。ただ乾燥重量は226kgで、本モデルより57kgも重い。軽快なハンドリングと俊敏な運動性能は「モンスター 1100」が格段に優れている。ただ、「バンディット 1250」も低回転で強烈なトルクを発揮するのでサイズや重量の割には扱いやすく感じるだろう。

なおデビュー以降の「モンスター 1100」は、大きな仕様変更を受けることなく2010年式まで展開された。上級グレードで前後オーリンズサスペンションを装備する「S」タイプも並行してラインアップ。その後は、両グレードが集約される形で2011年に後継モデルの「モンスター 1100 EVO」が登場した。

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解説記事更新日：2024年01月31日

新生「モンスター」として2008年に登場した「モンスター 696」の車体をベースに大型エンジンを搭載して翌年に発売されたのが本モデル「モンスター 1100」である。
フレームは「696」と共用するスチールパイプ製のトレリスフレームにアルミ製サブフレームを接続する構造。
そこに1,078ccのツインスパーク空冷2バルブL型ツインエンジンをマウントする。最高出力は、7,500回転で95馬力を発生する。最大トルクは6,000回転103Nmというスペック。
日本国内向けのデビューモデルとなった2009年式は、トータル3カラーバリエーションで導入された。レッドフレーム仕上げの「レッド」と「シルバー」、マットブラックフレームの「グロスブラック」で、価格はいずれも140万円(税込)。
日本仕様はパッセンジャーシートカバーが新車時に装着されているが、あくまでもカバーなので取り外せばタンデム走行も可能な仕様となっている。
なお本モデルの足回りは、フロントがショーワ製の43mm倒立フォークで、リヤがザックス製のモノショックという構成だが、フルアジャスタブルのオーリンズン製サスペンションを前後に装備してカーボンパーツも取り付けられた上級グレードの「S」モデルもラインアップされている。こちらは25万円高の165万円(税込)。
そして、弟分モデルの「モンスター 696」は、80馬力の696ccエンジンを搭載して99.8万円(税込)。2009年式の「モンスター」はトータル3マシンだった。

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解説記事更新日：2024年01月31日

「モンスター」シリーズの上位排気量クラスとして前年にデビューした「モンスター 1100」だが、2010年式ではマシン自体に大きな仕様変更はないもののABSタイプを選択することができるようになった。
カラーリングもレッドフレームの「レッド」、「シルバー」、マットブラックフレームの「ブラック」の3カラーで続投。価格は140万円(税込)で据え置かれて、ABSモデルは10万円高で展開された。
乾燥重量169kgという軽量な車体に搭載するエンジンは、1,078ccの空冷2バルブL型ツインユニット。最高出力は7,500回転95馬力で、最大トルクが6,000回転103Nmというスペック。エンジン出力自体は、それほどハイパワーというわけではないもののマシンが軽いため、運動性能はとても高い。
ライバルモデルとしてはBMWモトラッドのフラットツインを搭載するリッターオーバーネイキッド「R1200R」が比較対象になるだろう。空油冷の1,169cc水平対向ユニットは、7,500回転で109馬力に到達する。最大トルクは、6,000回転115Nmという強力な心臓部である。ただ、乾燥重量は198kgで本モデルより29kgも重い。パワーウェイトレシオは「モンスター 1100」が格上だ。スポーティなフィーリングを重視するなら本モデル、太いトルクで滑らかな出力フィールを楽しみたいなら「R1200R」だろう。
なおデビュー2年目となった「モンスター 1100」だが、2010年式が最終仕様となって短いモデルライフを終えることになった。
実質的な後継モデルは、2011年デビューの「モンスター 1100 EVO」である。

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解説記事更新日：2024年01月31日