日本国内向けの「モンスター」シリーズは、2015年ラインアップで空冷2バルブモデルの姿が消えたが、2017年モデルでは再び空冷ユニットを搭載する全く新しいマシンが登場した。それが本モデル「モンスター 797」である。

車体は新設計のスチールパイプを使用したトレリスフレームを採用。そこにマウントされるパワーユニットは、803㏄の空冷2バルブL型ツイン「デスモデュエ」となる。ボア・ストロークは88mm×66mmで、2014年が最終となった「モンスター 796」と同系ユニットであることは明白だ。ただ、本モデルに搭載されたエンジンは欧州の排ガス規制ユーロ4に適合することで環境性能が高められている。
日本国内向けのスペックは8,250回転75馬力、最大トルクは5,750回転68.9Nmという仕様。ちなみに本国モデルも同じスペックとなっていた。
なお上位モデルとなる「821」や「1200」シリーズに採用されているライドバイワイヤ機構が可能にするライディングモード選択機能は採用されなかった。
トランスミッションは、スリッパー機構付きの湿式クラッチに6速ギヤボックスを組合せる。
足回りは、フロントにインナーチューブが43mm径カヤバ製の倒立フォークを装備して、10本スポークデザインの17インチキャストホイールを組合せる。ブレーキは、320mmのダブルディスクにブレンボ製M43.2ラジアルマウント4ピストンモノブロックキャリパーという構造。
リヤはカンチレバー式のダブルスイングアームにザックス製アジャスタブルモノショックを接続して、245mmディスクにブレンボの片押し1ポットキャリパーをセット。
安全装備としてはボッシュ製のABSが標準装備となっていた。

ライバルモデルとしては、BMWモトラッドの「F800R」が台頭する。エンジンは、798ccの水冷DOHC4バルブパラレルツインユニットで、90馬力仕様。最大トルクは、5,800回転で86Nmを発揮する。エンジン構造が優れているため出力は格上となるが、重量は202kgで本モデルより9kg重い。スペック重視なら「F800R」となるが、今や少なくなった希少な空冷L型ツインネイキッドにこだわるなら「モンスター 797」となるだろう。

なおデビュー以降の本モデルは、カラーチェンジを受けながら2020年モデルまで設定されて販売終了となった。

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解説記事更新日：2024年02月12日

しばらく姿を消していた空冷2バルブエンジンを搭載するドゥカティのストリートネイキッド「モンスター」が2017年式で復活。2014年式を最後に姿が消えた「796」の正常進化形と言えるであろう「モンスター 797」だ。
日本国内向けは、「レッド」が111.9万円(税込)、「スターホワイトシルク」と「ダークステルス」が113.9万円(税込)で発売された。

モデル名に含まれるナンバーは従来モデルよりも1つ大きくなっているが、エンジンの排気量は変わっていない。ボア・ストロークが88mm×66mmの空冷2バルブL型ツインの「デスモデュエ」だ。ただ、各部のアップデートによって環境性能が高められており欧州の排ガス規制ユーロ4に適合した。
最高出力は8,250回転75馬力で、最大トルクは5,750回転68.9Nmというスペック。実質的な先代モデルに当たる「モンスター 797」の最終モデルは87馬力・78Nmという仕様だったので、環境性能を高めることで出力が犠牲になっている。それでも空冷2バルブエンジンとトレリスフレームという伝統的なスタイルは、スペックだけでは語れない魅力があるのも事実だろう。
どこか懐かしさも感じさせるスタイルだが、ポジションライトやテールライトはLEDで、USBソケットも装備するなど最新モデルとしての機能美が随所に採用されている。
制動系統には、前後にブレンボキャリパーを装備するトリプルディスクでボッシュ製のABSも標準装備となる。

リーズナブル価格の新たなエントリーモデル「モンスター」が登場したことで、さらに幅広いライダー層のファンを獲得してくことだろう。

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解説記事更新日：2024年02月13日

ユーロ4に適合する803cc空冷「デスモデュエ」を搭載して前年に姿を表した新たなエントリーモデル「モンスター 797」だが、デビュー2年目となる2018年式は従来通りの仕様で続投。主要諸元に変更は無い。

8,250回転で72馬力を発揮する空冷L型ツインは、新設計のスチール鋼管製トレリスフレームにマウントされる。最大トルクは、5,750回転67Nmというスペック。
ホイールベースは、1,435mmで上位クラスの「モンスター 821」より45mmショートな設計となる。シート高に関しては805mmで、785mmへ可変式の上位モデルよりは若干高いが、足つきに不安を感じるほどではないだろう。
足元は、フロントにカヤバの43mm倒立フォークを装備して、リヤはダブルスイングアームとザックス製モノショックという構造。
「821」や「1200」の片持ちスイングアームの様なスタイリッシュでスポーティなテイストは無いが、「モンスター」の伝統的なスタイルを踏襲するデザインで飽きの来ない車体フォルムである。

カラーバリエーションは、レッドのフレームにブラックのホイールを組合せる「レッド」が111.9万円(税込)。
同じくレッドフレームにホイールもレッドとなるのが「スターホワイト・シルク」、そしてマシンの大部分がブラックで統一された「ダークステルス」。この「ホワイト」と「ブラック」は113.9万円(税込)。いずれのカラーも前年から据え置き価格で継続。
ちなみにリヤのシートカウルとフロントにビキニカウルを装着するドレスアップ仕様「モンスター 821 +」は5万円高でラインアップされていた。

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解説記事更新日：2024年02月13日