ハーレーは1999年モデルで新設計のビッグツインエンジンを導入。排気量はEvolutionの1,340㏄から1,450ccまで拡大されて、ツインカム構造へアップグレード。このニューエンジンTwin Cam 88は、さっそく「ツーリング」ファミリーと「ダイナグライド」ファミリーに搭載された。「ソフテイル」ファミリーに関しては採用が見送られたが、翌2000年モデルで、ついにこの次世代エンジンが与えられた。
ただ「ツーリング」や「ダイナグライド」とは異なり、フレームにリジットマウントするという構造のため、エンジン本体にはバランサーが内蔵された。その証として「ソフテイル」に搭載するパワーユニットはバランサーを意味する「B」の文字が付されるTwin Cam 88Bとなる。
このエンジン刷新と同タイミングで登場したニューカマーが本モデル「FXSTDI デュース」だ。燃料供給方式はキャブレタータイプとインジェクションタイプの2グレードで展開。インジェクション仕様の本モデルは、モデル名末尾に「I」の文字が追加されて「FXSTDI デュース」となるが、スペックはキャブレター仕様と同じだ。
クロームパーツを多めに採用してカスタムテイストが色濃く表れる本モデルの特徴的なディテールとしては以下の内容をピックアップできる。

・ブラック&クローム仕上げのTwin Cam 88Bエンジン
・4.9ガロン仕様のストレッチタンク
・クロームタンクコンソール
・クローム仕上げフロントフォーク
・クロームライザー&ローラライズフラットトラックハンドル
・砲弾型クロームウィンカー&ヘッドライト
・17インチリアホイール&160mmタイヤなど

デビュー時の2000年式は5,200回転63hp、最大トルクが3,500回転106Nmというスペックで登場。
ちなみに先代エンジンとなった1,340ccEvolurionを搭載した「FXST スタンダード」は、5,000回転56hpという仕様だったので、排気量アップとツインカム構造へ変更することで、より高回転型のハイパワーエンジンへと進化したことになる。なお、ハーレーのエンジンスペックは世界各国の仕向け地ごとに異なることがある。これは、現地の法規制に報じた仕様変更が加えられている場合があるからだ。日本国内向けに関しては、2002年式が3,000回転104Nmというスペックで、価格は232.8万円(税込)で導入されていた。
デビュー以降は、2003年式でハーレーの創業100周年を記念する専用タンクバッジとカラーリングを採用したアニバーサリーモデルを展開。その翌年の2004年には、消耗パーツの改良をメインとした各部のブラッシュアップを実行。

・長寿命テールライト採用
・長寿命ブレーキパッド採用
・エンジンシール変更
・耐腐食性ホイールスポーク&ニップル採用
・ニューロープロファイルシート採用
・エンジンヘッドボルト変更など

消耗部品が見直されたことでメンテナンス性も良くなりメカニカル面の信頼感もアップした。その後もカラーチェンジや仕様変更を受けながら2006年式までラインアップ。この2006年式がTwin Cam 88B世代の最終仕様。最大トルクは109Nmで、価格はモノトーンタイプが239.1万円(税込)となっていた。
翌2007年モデルでは、ストロークアップで96キュービックインチ(1,584cc)ｍまで排気量が高められたTwin Cam 96Bと6速ミッションを与えられて世代交代となった。

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解説記事更新日：2022年12月27日

前年モデルでバランサー内蔵仕様の次世代エンジンを与えられた「ソフテイル」ファミリー。パワートレインの刷新と共に現れたニューマシンの「FXSTD デュース」は引き続きキャブレター仕様とインジェクション仕様の2グレード構成で継続ラインアップ。
本モデルは、燃料供給方式にフューエルインジェクションを採用することで、シーズンを問わず安定した始動性を確保できることが特徴的で実用性面で優れた仕様。
2001年モデルは、従来モデルから大きな仕様変更を受けることなく前年同様のスペックで展開されている。
リジットスタイルのソフテイルフレームに搭載するエンジンは、1,450ccのバランサー内蔵型Twin Cam 88Bユニットだ。ブラックパウダーコートで仕上げられた本体にクローム仕様のカバー類を組合せる心臓部は、5,200回転で63馬力を発揮。最大トルクは、3,500回転106Nmという出力特性。スペックに関しては各国の法規制に応じて仕様変更が加えられており必ずしも世界共通というわけではない。ちなみに日本国内向けの2001年式は3,100回転108Nm仕様が232.8万円(税込)で販売されていた。キャブレターモデルの10万円高となる。
なお、2001年の「ソフテイル」ファミリーはトータル7マシンがラインアップするが、その内の4モデルが「FX」モデル。チョッパースタイルのマシン群の中でも、「FXST スタンダード」、「FXSTS スプリンガー」、「FXSTB ナイトトレイン」は16インチのリアタイヤを履くが、本モデルは唯一17インチの大径仕様で160mmのワイドタイヤを装着する。
迫力のリアビューに加えて、各部にクロームパーツを装着していることもありカスタムテイスト溢れるルックスで存在感をアピールする。

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解説記事更新日：2022年12月27日

2002年の「ソフテイル」ファミリーは、引き続きトータル7マシンで展開。いずれのモデルもキャブレター仕様とインジェクション仕様の2グレードが用意されている。純正ファクトリーカスタムソフテイルとして3年目を迎える「FXSTDI デュース」は、以下の仕様変更を実施。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

パワートレインには、ブラックとクロームで煌びやかに仕上げられた1,450㏄のTwin Cam 88Bを搭載。エンジンネーム末尾の「B」は、このユニットにバランサーが組み込まれていることを意味する。エンジンをフレームにリジットマウントで架装するため、不快な振動を打ち消すための対策で「ソフテイル」ならではの特徴だ。スペック面では、本国目モデルが3,000回転107Nmという仕様。前年モデルの3,500回転106Nmからより低回転側で高トルクに達する出力特性へ変化。日本向けに関しては3,500回転106Nmというスペックで導入されていた。
カラーバリエーションは、トータル8パターンが用意されている。
スタンダードカラーの「ビビッドブラック」は、232.8万円(税込)。「ラグジュアリーリッチレッド」、「ラグジュアリーブルー」、「リアルティール」、「コンコードパープル」は、234.8万円(税込)。モノトーン仕様は5タイプとなる。
ツートーンタイプは、「ラグジュアリーリッチレッド×ビビッドブラック」、「ラグジュアリーブルー×ダイヤモンドアイス」、「リアルレッド×ダイヤモンドアイス」の3バリエーションで237.8万円(税込)で展開。並行ラインアップされていたキャブレターモデルは、いずれのカラーも10万円安に設定されていた。

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解説記事更新日：2022年12月27日

ハーレーがアメリカの地に創業してから100年という節目の年となる2003年。1世紀というヒストリーを記念すべくアニバーサリーモデルが各ファミリーから展開されている。「ソフテイル」ファミリーの本モデル「FXSTDI デュース」も専用デザインのタンクバッジと特別カラーを採用するなど例外ではない。2003年式では以下のアップデートを受けている。

・100周年アニバーサリー仕様設定
・ブレーキ仕様変更
・カラーチェンジ

100周年記念の専用ディテールとして、特別仕様のタンクバッジが装着された。バー&シールドとウィングマークを組み合わせたエンブレムに「100」のナンバーを配するデザイン。そして、特別カラーとしてツートーン仕様の「スターリングブラック×ビビッドブラック」が設定された。価格は、245.8万円(税込)で、他の通常カラーよりも高めに設定されている。
ちなみにスタンダードカラーの「ビビッドブラック」は、前年から3万円高の235.8万円(税込)。「ラグジュアリーブルー」、「ラグジュアリーリッチレッド」、「ホワイトパール」は、238.3万円(税込)で3.5万円の値上がり。
エンジンスペックは従来通りで、日本国内仕様は3,500回転106Nmという仕様。インジェクション仕様の1,450㏄空冷Twin Cam 88Bエンジンはエンジン温度や外気温に左右されにくく安定した始動性を実現している。車体価格はキャブレターモデルより10万円高くなるが、実用性や安心感を買うと考えれば納得の価格設定とも言えるかもしれない。
なお、今回の2003年式では制動系統に仕様変更を受けている。足元は、フロント21インチ・リア17インチのホイールに292mmのディスクブレーキをそれぞれセットするが、キャリパーが従来の4ピストンタイプから2ピストンタイプへ変更された。バネ下のシンプル&軽量化が実施されたことになる。

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解説記事更新日：2022年12月27日

前年に創業100周年を迎えたハーレーは、今回の2004年から新たな世紀を迎えて歴史を刻み続ける。クラシカルでスタイリッシュなフレーム構造の「ソフテイル」ファミリーは、「FLSTS スプリンガー」がラインアップから姿を消してトータル6モデルで展開ということになった。Twin Camエンジンの導入と当時デビューの本モデル「FXSTDI デュース」は、この2004年モデルで5年目を迎えることになり以下のアップデートを受けた。

・出力特性変更
・テールライト変更
・耐腐食性スポーク&ニップル採用
・ブレーキパッド変更
・エンジンシール変更
・ヘッドボルト仕様変更
・シートデザイン変更
・カラーチェンジ

今年度は各部の消耗品パーツが改良されておりマシンの耐久性向上が主なアップデートポイントとなっている。テールライトやブレーキパッドといった周期的に交換するパーツがロングライフタイプに変更されたことでメンテナンス性や良くなった。また、エンジン周りのシール類やボルトも変更されておりオイル漏れなどありがちなトラブルの低減対策が実施され信頼性もアップ。
スペックに関しては3,100回転105Nmという仕様で、前年モデルの3,500回転106Nm仕様からパワーダウンということになる。
装備面ではシートデザインがニュータイプのロープロファイル仕様を採用。シート高が従来モデルから36mm低い660mmとなった。足つき性に関しては、もともと悪くない高さだったが、今回の仕様変更でさらにロースタイルへイメージチェンジ。カスタムテイストがより強調されている。足元操作はフォアードコントロールだ。
ちなみにエンジンや各部をブラックアウトしたダークテイストの「FXSTB ナイトトレイン」のシート高は640mmで、さらに低かった。
各部のブラッシュアップでマシンの熟成が図れた2004年式「FXSTDI デュース」は9カラーバリエーションが用意されている。
モノトーンタイプは、「ビビッドブラック」、「シエラレッド」、「グレイシャーホワイト」、「ブリリアントシルバー」、「インパクトブルー」、「ラバレッドサングロ」の6タイプで、241万2,900円(税込)。
ツートーンタイプは、「スモーキーゴールド×ビビッドブラック」、「ラグジュアリーブルー×インパクトブルー」、「ラグジュアリーティール×ブリリアントシルバー」の3タイプ。価格は244万4,400円(税込)で展開された。

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解説記事更新日：2022年12月27日

2005年の「ソフテイル」ファミリーには、「FLSTN デラックス」と「FLSTSC スプリンガークラシック」の2モデルが加わり、トータル8車種が群を連ねる。ボブテールリアフェンダーに17インチの大径ディスクホイールをセットするソフテイルチョッパー「FXSTDI デュース」は、以下の仕様変更を実施した。

・出力特性変更
・カラーチェンジ

ブラックパウダーコートにクロームカバー仕様で輝きを放つTwin Cam 88Bエンジンは、3,100回転で109Nmを発揮。2004年式の105Nmからトルクアップを実現。デュアルエキゾーストパイプや41.3mmのフロントフォーク、ヘッドライトケースやローライズ仕様のハンドルバーもクローム仕上げでカスタムテイスト溢れるチョッパースタイル。
対照的なのが、同ファミリーメンバーの「FXSTB ナイトトレイン」だ。エンジンやオイルタンク、タンクコンソールやリアフェンダーサポートなど各部がブラックアウトされており精悍なイメージに仕上げられている。カラートーンだけでなく、ドラッグハンドルバーに640mmの低めのシート高でライディングポジションも本モデルとは異なる。どちらが好みかはライダー次第だろう。
なお「FXSTDI デュース」の2005年モデルは、豊富な10カラーバリエーションが用意された。
「ビビッドブラック」、「チョッパーブルーパール」、「ラバレッドサングロ」、「シエラレッドパール」、「グレイシャーホワイトパール」、「ブリリアントシルバーパール」が239.1万円(税込)。前年から2万1,900円の値下げとなる。
ツートーンタイプは、「ブラックチェリーパール×ブラックパール」、「ビビッドブラック×ラバレッドサングロ」、「スモーキーゴールド×ビビッドブラック」、「リッチサングロブルー×チョッパーブルーパール」の4タイプで、242.2万円(税込)。こちらは2万2,400円の値下がりとなった。

買替や売る際の買取査定は、2005年式 FXSTDI デュースの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年12月27日

かつてのEvolutionエンジンからTwin Camへ刷新されると同時に2000年モデルで登場した「FXSTDI デュース」。ボブテールリアフェンダーに17インチディスクホイールと160mmタイヤという迫力のリアビューが特徴的なマシン。ただ、今回の2006年モデルでは、おなじ「FX」スタイルのファミリーメンバー「FXST スタンダード」、「FXSTS スプリンガー」、「FXSTB ナイトトレイン」もリアホイールを17インチへ大径化。そしてタイヤに関しては200mmのワイドサイズを採用した。
対する本モデル「FXSTDI デュース」は、大きな仕様変更を受けることなくカラーチェンジのみにとどまっている。
カラーバリエーションは前年よりも2パターン増加して12タイプが用意されている。
モノトーン仕様は、「ビビッドブラック」、「ブラックパール」、「グレイシャーホワイトパール」、「ディープコバルト」、「ブランディーワインサングロ」、「ブラックチェリー」、「ブリリアントシルバー」、「リッチサングロブルー」の8タイプ。価格は据え置きの239.1万円(税込)。
ツートーン仕様は、「ディープコバルト×ブリリアントシルバー」、「ファイアーレッドパール×ビビッドブラック」、「ブラックチェリー×ブラックパール」、「リッチサングロブルー×チョッパーブルー」の4パターン。こちらも価格は据え置きの242.2万円(税込)となった。
メカニカル機構の変更は無く、ソフテイルフレームにリジットマウントされる1,450ccの空冷Twin Cam 88Bエンジンは3,100回転で109Nmを発揮する。
なお、フューエルインジェクション仕様のTwin Cam 88Bエンジンを搭載する「FXSTDI デュース」は、今回の2006年式が最終仕様。翌2007年式では排気量を1,584ccまで拡大したTwin Cam 96Bエンジンと6速ミッションを与えられて次世代へ進化。このタイミングでハーレーの全マシンがインジェクション化されたので、モデル名末尾の「I」が無くなり「FXSTD デュース」となった。

買替や売る際の買取査定は、2006年式 FXSTDI デュースの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年12月27日