NS250Rは、1984年5月にNS250Fと同時発売されました。水冷の2ストV型2気筒エンジンをフルカウルで包んだロードスポーツモデルで、前モデルMVX250Fに続きホンダが作った250cc2ストレプリカマシンです。
新設計のV型2気筒エンジンのシリンダー挟み角は90度で理論上1次振動ゼロ、シリンダー内部にNS(ニッケル/シリコン・カーバイド)めっきを施し軽量化と耐焼付性、耐摩耗性において向上を図っています。
またRのみアルミフレーム（Fはスチール）、NSコムスター（Fはブーメラン）、フロントフォークに整流のためのスポイラーを装着、レーシーなイメージを高めています。サイドスタンドは、走行時にカウルと一体になるカバー付きでした。1986年にモデルチェンジ、ロスマンズカラーの限定モデルも発売されています。そしてNS250RはNSR250Rに進化していくわけですが、最大のライバルは1983年に発売されたRG250Γでした。両者とも、当時としては高額なアルミフレームを装着、フルカウル、クラス最大の45馬力と、がっぷり四つに組みよきライバルとして張り合いました。
しかしそれも、その後一気に過激化した250ccクラスの激烈な競争から見ればまだ甘いと言えるもので、その後各社のモデルを見ると、「車名にRがいくつあるのか！」と叫びたくなるほどの過熱ぶりです。NS250Rは、MVX250Fから始まったホンダ2ストレプリカ初期のマシンとして、今も人気があります。現在でも、程度がよければ当時の新車価格を上回る中古車価格がつくこともあります。
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解説記事更新日：2021年04月19日

ピストンリードバルブの水冷2ストロークVツインを搭載した「NS250」シリーズでフルカウルを装着したマシンが「NS250R」だ。デビューを飾った1984年モデルは同年5月に53.9万円で発売された。なお、カウルレスのネイキッドモデル「NS250F」は42.9万円と10万円以上の差があった。
この差は、カウルの有無だけでなくフレーム材質が本モデルがアルミ製であるのに対し「F」モデルはスチール製であること、ホイールが本モデルはNSコムスターであるのに対して、「F」モデルはブーメラン型のオールアルミといった違いに起因している。
メカニカル機構は共通となっており、9,500回転で45馬力を発揮する水冷2サイクル90度V型2気筒のMC11E型を搭載。「NS250R」の乾燥重量は144kgだった。
ライバルモデルとしては、同年デビューのヤマハ「RZ250RR」が台頭していた。同じく45馬力を発揮する水冷2ストロークエンジンを搭載していたが、並列2気筒だった。乾燥重量は147kgと本モデルより重たかった。なお、45馬力の水冷2スト並列2気筒エンジンで前年から販売されていたスズキ「RG250ガンマ」は、128kgという軽量な車体でライバル争いで大きくリードしていた。
「NS250R」のデビューモデルとなった1984年式のカラーリングは、ホワイトベースのボディにレッドのシートとストライプがアクセントに配されたシンプルなデザインだった。

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解説記事更新日：2022年02月08日

ロードレース世界GP500の参戦マシン「NS500」のノウハウを市販モデルにフィードバックする形で開発されたレーサーレプリカ「NS250R」は、1986年モデルで特別仕様車を設定した。
前年のWGPで500㏄と250㏄の両クラスを制覇した記念として、レプリカバージョンとなるロスマンズカラーを展開。1986年1月に、4千台限定の54.9万円で発売された（1つ前の84年型から1万円の値上がり）。
諸元に変更は無く、アルミ製の角型断面パイプを使用したダブルクレードルフレームに水冷2ストローク90度V型2気筒エンジンをマウント。最高出力は、9,500回転で45馬力を発揮。キャブレターはレスポンスの良いスラント型フラットバルブ仕様だ。冷却系統は軽量コンパクト設計のオールアルミ製ラジエターを装備している。
足回りは、フロントに荷重調整機構を備えたエアアシストサスを採用。またブレーキング時にフロントの沈み込みを軽減するブレーキトルク応答型のアンチダイブ機構(TRAC)を装備することで、優れた路面追従性を実現している。リアは、荷重調整が可能なプロリンクサスを装備する。ホイールはNSコムスタータイプのフロント16インチにダブルディスクブレーキで、リアは17インチでシングルディスクブレーキという組み合わせ。
ライバルモデルとしては、前年にヤマハから「TZR250」がデビュー。
45馬力の並列2気筒エンジンと搭載するが、乾燥重量が126kgと本モデルの144kgより20kg近くも軽いというスペックだった。
なお、「NS250R」は1986年モデルが最終仕様となり、同年10月に「NSR250R」が登場することで販売終了となった。

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解説記事更新日：2022年02月08日