1970年代初頭の「バイアルス」から始まったトライアルモデル「TL」シリーズは、異なる排気量でラインアップを着実に広げていった。そして、1985年3月に発売されたモデルが「TLM200R」である。
車体は、軽量コンパクトな設計を実現しつつ剛性を確保したダイヤモンド型フレームを採用。メインチューブの内部をオイルタンクとして活用することでスッキリとしたエンジン回りとなっている。
パワーユニットはピストンリードバルブの空冷2ストローク単気筒MD15E型を搭載。最高出力は5,000回転で13馬力というスペックだった。トランスミッションは6速リターン式を採用。エンジンの始動方式は軽量化を優先してバッテリーレスのキックペダルのみというスパルタンな仕様だ。乾燥重量は86kgだった。ちなみに4ストロークエンジンを搭載した同シリーズの「TLR200」は、90kgの車体に12馬力エンジンを搭載していた。
本モデルの足回りは、フロントにテレスコピック式の正立フォークを装備。エアアシスト仕様でクッションストロークは180mmを確保している。リアは路面追従性に優れたトライアルマシン専用のプロリンク式サスペンションを採用している。ブレーキは前後共にドラム仕様だ。ホイールサイズはフロント21インチ・リア18インチのフルサイズで、新開発のタンジェントロケイテッドスポーク(TLスポーク)となっている。
本格的なトライアル競技に参加することはもちろんだが、6L容量の燃料タンクを装備し燃費性能はカタログ値でリッターあたり50kmとツーリング走行も無理なくこなせるマシンだ。
デビュー以降は、1987年モデルでカラーチェンジが行われつつ、燃料タンクにキー付きキャップを採用してセキュリティ性能を高めるマイナーチェンジを実施。このマイナーチェンジモデルが最終仕様となって、生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年03月31日

軽二輪クラスのトライアルマシンシリーズとして4ストエンジンと採用して展開されてきた「TL、「TLR」シリーズは、進化を遂げていく過程でパワーユニットを2ストエンジンにシフトチェンジ。その内の1台が1985年3月に発売された「TLM200R」だ。
1985年モデルのカラーリングは「ホワイト×レッド」と「ホワイト×イエロー」の2バリエーションを展開。タンクサイドには大胆なデザインでシリーズ名の「TLM」ロゴをレイアウト。シートカウルには排気量を表す「200R」の文字が配されている。ホイールリムは両カラーともゴールドを採用している。
価格は、32.9万円で「TLR200R」より4万円高くなった。
車体は軽量コンパクトな車体設計を可能にするダイヤモンド型フレームを採用し、パワーユニットには従来の4ストロークエンジンから方向転換しピストンリードバルブの空冷2ストローク単気筒を搭載。MD15E型の193ccで、最高出力は5,000回転で13馬力を発揮する。従来モデルの6,500回転12馬力からパワーアップし、より低回転でピークパワーに到達する。最高出力の向上に成功しつつ、乾燥重量はマイナス4kgの86kgを実現。
足回りには、リアにトライアル専用プロリンクを装備することで路面追従性と乗り心地が向上している。

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解説記事更新日：2022年02月08日

本格的トライアルからツーリングユースまで幅広く使える「TLM200R」は、1987年2月に最初で最後のマイナーチェンジを実施した。
カラーリングは、競技専用モデル「TLM240R」同デザインとなる「ホワイト×グリーン」の爽やかなツートンカラーを採用。従来モデルでゴールドだったホイールリムは、ボディカラーに合わせてホワイトとすることで涼しげなイメージを演出している。フレームやフロントフォークアウターチューブもホワイトだ。価格は、32.9万円で据え置きとなった。
今回の仕様変更では、吸排気系統の最適化を実施することで、加速騒音の低減が図られている。
パワーユニットは引き続きMD15E型の空冷2ストローク単気筒エンジンで13馬力を発揮。
ちなみに同クラスでは、水冷エンジンを搭載したオフロードモデル「MTX200RⅡ」が既に販売されていたが、こちらは28馬力という倍以上のハイパワー仕様だった。
1987年モデルの「TLM200R」は、従来モデル同様に6速リターン式トランスミッションを搭載するが2次側減速比を2,846から2,615へ変更。その結果、街乗りからツーリングまで幅広いシチュエーションで扱いやすい走行フィーリングに仕上がっている。
さらに利便性装備面では、燃料タンクキャップがキー付き仕様となることで、いたずらや燃料の盗難などに対するリスク抑制効果を高めている。
なお「TLM200R」は、この1987年モデルが最終仕様となる翌88年には排気量アップした「TLM220R」へと世代交代を果たした。

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解説記事更新日：2022年02月08日