ゼルビス(XELVIS)【1991～92年】毎週更新の買取査定相場

250㏄クラスの水冷Vツインを搭載してホンダが1982年から展開してきた「VT250」シリーズ。その系譜上で第7世代にあたるのが、1991年10月に発売された「ゼルビス」だ。
先代モデルはシンプルなネイキッドスタイルの「VT250 スパーダ」となるが、本モデルはハーフカウルとアンダーカウルを装着したツアラータイプに仕上げられています。
これまでに発売されてきたVTシリーズはスポーツバイクとして最低でも40馬力をキープしていましたが、ツアラーバイクへと転向してしまったが故に中低速トルクを重視した36馬力と抑えめに設定され、長距離の走行にも耐えうるアッパーカウルやアンダーカウル等々の装備が搭載され、総重量はVTシリーズで最も重い172㎏となっています。
車体は、丸型断面パイプを採用した高剛性のダブルクレードル型フレーム。パワートレインは、DOHC4バルブ水冷4ストローク90度V型2気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークが、60.0mm×44.1mmのショートストロークユニットで、最高出力は11,500回転36馬力というスペック。
ちなみに「VT250 スパーダ」は40馬力仕様だったのでパワーダウンということになる。
ライバルモデルとしては、カワサキの「ZZR250」やスズキの「アクロス」が比較対象になるだろう。いずれもフルカウルデザインだがツアラーモデルという同カテゴリに属している。「ZZR250」は、1,2000回転35馬力というスペック。「アクロス」は14,500回転45馬力という高回転型ハイパワーなマシン。さらに通常のバイクが燃料タンクを設置するブブは収納スペースになっておりフルフェイスヘルメットが入るという個性的なマシンだった。
「ゼルビス」の足回りは、フロントにテレスコピック式正立フォークを装備して17インチホイールを組合せる。ブレーキは296mmのシングルディスク仕様。
リアは、スイングアームにツインショックを組合せて、フロントと同デザインの軽量6本スポーク17インチアルミホイールを装着。220mmの油圧式シングルディスクブレーキを装備する。
実用性面では、シート下に7Lの収容スペースを確保し、荷掛けフックが収納式も含めてトータル10か所に設置。ツーリングユースに重宝するディテールだ。
センタースタンドも標準装備するので、メンテナンス性にも優れた構造となっている。
なお、デビュー以降の「ゼルビス」は、翌年に最初で最後のカラーチェンジを実施して生産終了に至った。
実質的な後継モデルは1997年に登場した「VTR」となる。

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解説記事更新日：2022年08月31日