最小クラスの125ccからビッグサイズの1290ccまで異なる排気量クラスでバリエーション豊富なラインアップを展開するKTMの「DUKE」シリーズだが、2022年モデルではミドルクラスとなる「890」シリーズにニューマシンが加わった。それが、本モデル「890 DUKE GP」である。日本国内向けは2022年9月に142万円(税込)で発売された。
既に販売されている「890」シリーズは、ベーシックグレード的な位置づけの「890 DUKE」とハイパワーエンジンと豪華足回りの上級グレード「890 DUKE R」の2タイプが展開されている。そして本モデルのベースとして採用されたのは、「890 DUKE」となる。
フレームはクロモリ鋼管スペースタイプで、エンジンはシリーズ共通の889㏄の水冷パラレルツインとなる。ボア・ストロークが、90.7mm×68.8mmのショートストロークユニットで、最高出力は9,000回転116馬力というスペック。最大トルクは、8,000回転で92Nmを発生する。「スポーツ」、「ストリート」、「レイン」の3タイプのライディングモードも標準装備。
足回り構成は、フロントサスペンションがWP製の43mm径倒立フォークを装備して17インチホイールとダブルディスクブレーキという構造。リヤはKTMらしい特徴的な形状のスイングアームにモノショックをセット。そこに17インチホイールとシングルディスクブレーキという組み合わせ。足元は、本モデルのオリジナルディテールとしてビビッドなイメージカラーであるオレンジに染められたホイールを標準装備。
安全装備としてコーナリングABSやコーナリングトラクションコントロールといった電子制御システムを採用するあたりもベースモデルの「890 DUKE」譲りの仕様となる。
デザイン面では、ボディにMotoGPマシンを彷彿とさせるグラフィックを採用。さらにタンデムシートカバーも装着することでレーシーな印象に仕上げられている。
同クラスのライバルモデルとしては、カワサキの「Z900」が比較対象になるだろう。エンジンは948ccの並列4気筒を搭載。最高出力は9,500回転125馬力のハイパワーユニット。最大トルクは7,700回転98Nmという仕様。パワーは圧倒的だが、重量は213kgで本モデルより約40kg重い。パワーウエイトレシオは「890 DUKE GP」が有利だ。
なおシート高は「Z900」が、ジャスト800mmで20mm低い。そしてホイールベースは「Z900」が1,455mmで21mmショートな設計。取り回しや足つき性は「Z900」に軍配が上がる。
なおデビュー以降の「890 DUKE GP」は、カラーチェンジを実施しながらラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年08月24日

2022年のミドルクラス「DUKE」シリーズには、グランプリマシンを彷彿とするデザインが採用された本モデル「890 DUKE GP」が加わった。これにより「890 DUKE」は、上級グレードの「890 DUKE R」、ベーシックグレードの「890 DUKE」を含めて3マシンでラインアップということになる。
なお本モデルのベースマシンは、標準グレードに位置する「890 DUKE」となる。それで、エンジンも9,000回転116馬力仕様の889㏄水冷パラレルツインが採用されている。最大トルクは、9,000回転92Nmというスペック。ライディングモード選択機能やフルカラーのTFTディスプレイメーターといった最新の電子制御機能もベースモデルから引き継がれている。メカニカルな部分は、「890 DUKE」と同じながらもレーシーな専用グラフィックやビビットなイメージカラーのオレンジに染められたホイール、そしてリヤシートカバーを標準装備することで特別感を表現している。
ライバルモデルとしては、スーパースポーツ譲りの心臓部を与えられた国産ストリート、スズキの「KATANA」と比較してみるのも面白いだろう。エンジンは998㏄の4気筒ユニットで、11,000回転150馬力というスペック。最大トルクは9,250回転で105Nmを発生する。重量は215kgと本モデルより41kg重い。それでもパワーウェイトレシオは1,43kgで、「890 DUKE GP」の1.5kgよりも優れた数値だ。スペック重視でレトロな造形が受け入れられるなら「KATANA」という選択肢もアリだろう。
なおデビューモデルとなった2022年式の「890 DUKE GP」は、「オレンジ×ブラック」の1カラーのみを設定。価格はベースモデルより10万円高の142万円(税込)で発売となった。

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解説記事更新日：2023年08月24日

KTMのミドルクラスネイキッドは、2023年モデル日本国内向けがトータル3マシンで展開された。「890」シリーズのエントリーモデル「890 DUKE」が姿を消したが、弟的存在の「790 DUKE」が再導入されている。そして上級グレードの「890 DUKE R」と「890 DUKE GP」という構成だ。
デビュー2年目となった本モデル「890 DUKE GP」は、2023年式で以下のアップデートを受けている。

・カラーチェンジ
・価格変更

前年は「オレンジ」のみの1カラー展開だったが、2023年式では新たにダークカラーをベースにしてニューデザイングラフィックを採用する「ブラック」も追加。トータル2カラーバリエーションに増強されている。
カラーリングの他は、目立ったアップデートは実施されておらず主要諸元に変更は無い。174kgの車体に搭載する889ccのLC8c型パラレルツインエンジンは、9,000回転で116馬力に達する。最大トルクは、8,000回転92Nmとなる。上位モデルの「R」は、同系エンジンを搭載しながらセッティングが異なり、スペックは9,250回転121馬力という仕様。ただ、シート高は本モデルより14mm高い834mmとなっている。僅か14mmの差だが実際に跨ってみると、その差は思いのほか大きいことに気付くだろう。
ちなみに日本市場向けの戦略モデルとして再導入された「790 DUKE」も重量は174kgで同じ。エンジンは799ccと格下であることから最高出力も9,000回転105馬力となる。さらに本モデルや「R」グレードが本国オーストリア生産であるのに対して、「790 DUKE」は中国生産という違いもある。ただ、価格は119万円(税込)でリーズナブル。
なお2023年式の「890 DUKE GP」は、前年比で6万円の値上がりで148万円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2023年08月24日