KTMのミドルクラスストリートファイターとしては、2018年にパラレルツインを搭載する「790 デュークR」がデビューしたが、僅か2年のタイミングで格上排気量のニューマシンが展開された。それが2020年5月に日本でも発売された本モデル「890 デュークR」だ。
ベースになっているのは、「790 デューク」となる。そこにボア・ストロークを90.7mm×69.8mmまで拡大した889ccのDOHC4バルブ水冷並列2気筒ユニットを載せる。圧縮比もベースマシンより高められている。さらにバルブ径の拡大やカムシャフト、ヘッドも専用設計。最高出力は9,500回転で121馬力、最大トルクが7,750回転99Nmというスペック。「790 デューク」の105馬力・86Nmから大きくパワーアップ。しかも乾燥重量は166kgで3kg軽くなっているので、そのポテンシャルは高い。
ライディングモードは、「ストリート」、「レイン」、「スポーツ」、「トラック」の4パターンから選択可能。「トラック」モードでは、スロットルやトラクションコントロール、アンチウィリーモードといった電子制御系統を個別設定することで、コースシーンや好みに応じてマシンの出力特性を細かくセッティングできる。
トランスミッションには、アップ&ダウンに対応するクイックシフトが標準装備。
足回りは、フロントにフルアジャスタブル仕様WP製の倒立フォークをセット。そこに17インチホイールと320mmのダブルディスクブレーキを組合せる。リヤはKTMらしい造形のスイングアームにモノショックと17インチホイール。そして240mmのシングルディスクブレーキという構造。ちなみ本モデルの制動系統は前後共にブレンボ製となる。
比較対象のライバルとしては、4気筒エンジンを搭載するカワサキの「Z900」が候補になる。重量は本モデルよりも約40kg重い213kgとなるが、搭載する948㏄の4気筒ユニットは9,500回転で125馬力を発生する。最大トルクは7,700回転98Nmという仕様。
スペック勝負では、格下排気量であるにもかかわらず軽量ハイパワーな「890 デュークR」に軍配が上がる。ただ、シート高は「Z900」が800mmジャストで25mm低い。さらにホイールベースも1,455mmで20mmショートな設計。ライダーの体格によっては、「Z900」の方が扱いやすいかもしれない。
なおデビュー以降の「890 デュークR」は、カラーチェンジを繰り返しながらラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年09月04日

2020年のKTMストリートマシンは、トータル8モデルが展開された。ストリートファイターネイキッドでは、新型マシンも登場している。その中でも注目なのが、日本の道路事情にマッチするミドルサイズクラスの本モデル「890 デュークR」だ。
デビューイヤーとなった2020年式の日本向け「890 デュークR」は、同年5月に146.5万円(税込)で発売された。カラーバリエーションは、「ホワイト」の1カラーのみとなる。メインフレームやホイールは、KTMのイメージカラーであるオレンジに染められている。
マシンの心臓部には新型のエンジンが与えられた。889㏄の水冷DOHCパラレルツインユニットで、最高出力は9,250回転121馬力というスペック。最大トルクは7,750回転で99Nmに到達する。
既にミドルクラスのストリートファイターとしては、「790 デューク」が展開されているが、スペックは105馬力・86Nmという仕様。排気量アップしたハイパワーユニットと強化されたサスペンションを採用する本モデルがデビューすることで、より刺激的なライディングを望むライダーを満足させることだろう。
ちなみに1ヵ月早く発売され弟分モデルとなった「790 デューク」は、2020年モデルでグラフィック変更を受けて122.7万円(税込)で発売されていた。本モデルとの価格差は約20万円となる。「890 デュークR」がお買い得と感じるか、「790」で十分と感じるかはライダーの利用シチュエーションや好みによって分かれるところだろう。

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解説記事更新日：2023年09月04日

KTMのミドルクラスに登場した「890」シリーズは、2021年モデルでラインアップの充実化が図られている。アドベンチャーモデルに「890 アドベンチャー」と「890 アドベンチャー」が追加。さらに本モデルのベーシックグレードという位置付けになる「890 デューク」も展開された。
なおデビュー2年目となる本モデル「890 デュークR」に関しては、特に大きな仕様変更を受けることなくラインアップ継続となった。
パワーユニットには、9,250回転で121馬力を発生する889㏄のパラレルツインを搭載。最大トルクは7,750回転99Nmという仕様。重量は174kgと軽く、ホイールベースも1,482mmのコンパクト設計ということもあって、街中らからワインディング、サーキット走行まで扱いやすく俊敏にコーナーを駆け抜けるアグレッシブなライディングにも対応するハイスペックマシンだ。同クラスのストファイライバルとしては、ヤマハの「MT-09」が台頭する。2021年式でフルモデルチェンジが行われて最新の国内排ガス規制に適合すると同時にエンジンが従来の845㏄から888㏄まで拡大されている。3気筒の心臓部は、10,000回転で120馬力に到達。最大トルクは7,000回転93Nm。重量は189kgで本モデルより15kg重い。スペック勝負では軽量ハイパワー2気筒エンジンの「890 デュークR」が格上。
ただ「MT-09」は、価格が110万円(税込)で、本モデルより36.9万円もリーズナブル。価格かスペックか、どちらを重視するかで選択は変わるだろう。
なお2021年式の「890 デュークR 」は、前年同様「ホワイト」の1カラー展開。価格は前年比で0.4万円アップの146.9万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2023年09月04日

KTMのストリートネイキッド「デューク」シリーズは、2022年モデルでトータル8マシンをラインアップ。最小排気量の125ccからフラッグシップの1290ccまで、豊富なラインアップで、どのマシンをチョイスするか迷ってしまうだろう。
その中でもミドルクラスポジションに位置するのが、「890」シリーズ。上位グレードとなる本モデル「890 デュークR」は、カラーチェンジを受けてラインアップを継続となっている。
エンジンは889㏄の水冷並列2気筒ユニットで、121馬力というスペック。最大トルクは、7,750回転で99Nmに到達する。
フルアジャスタブルのWP製43mm倒立フォークや鋳造オープンラティス構造のスイングアームなど優れた走行性能を実現する足回りやエンドに向かって鋭く絞り込まれる特徴的なステンマフラーといったディテールを採用する。
ライバルとしては、BMWモトラッドの「F900R」と比較できる。エンジンは895㏄の水冷並列2気筒ユニットで、8,500回転で105馬力を発揮する。最大トルクは6,500回転92Nmという仕様。重量は211kgで本モデルより37kg重い。スペックは、僅かに小排気量の本モデルの方が格上だ。
なお2022年式の「890 デュークR」は、MotoGP参戦マシンを彷彿させる「アトランティック・ブルー」の1カラーを設定。価格は153万円(税込)で、6.1万円の値上がりとなった。

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解説記事更新日：2023年09月04日

ミドルサイズの「デューク」シリーズとしてラインアップの充実が進んでいる「890」系だが、2023年式ではスタンダードモデルの「890 デューク」がラインアップから外れた。そして、前年に専用カラーを採用して登場した「890 デュークGP」と、本モデル「890 デュークR」の2本立てで展開。また注目ポイントとして、弟的存在となるかつての「790 デューク」が戦略モデルとして再び導入されることになった。生産は本国のオーストリアではなく中国で行われ、価格もリーズナブルな設定で新たなミドルクラスネイキッドのエントリーマシンとして登場している。
なお2023年式の本モデルは、大きな仕様変更を受けることなく前年通りの仕様で続投。
エンジンは、9,250回転で121馬力を発生する889㏄のパラレルツイン。ライディングモードには、細かなセッティングが可能な「トラック」モードも用意されており、他の兄弟モデルよりも本格的なスポーツ走行が可能となっている。
ボディカラーも前年通りで、メインフレームとホイールのオレンジがまぶしい「アトランティックブルー」の1カラー。価格は前年から6万円アップの159万円(税込)となっている。
ちなみに再導入された「790 デューク」は、9,000回転105馬力仕様の799㏄エンジンを搭載して、価格は119万円(税込)。40万円の価格差があるので、リーズナブルにKTMらしいスタイリングやコーナリング性能を楽しみたいのであれば、「790」を選択することもできるだろう。

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解説記事更新日：2023年09月04日