1993年、レプリカブームの嵐が過ぎ去ってネイキッドが隆盛し始めた頃、スズキは新しい発想でバイクを製造します。その名は【RF】。レプリカの「GSX-R」から「R」、ネイキッドの「GSF」から「F」を取り、レプリカとネイキッド両車の「いいとこ取り」を狙ったバイクです。これは、スズキが狙った新しいジャンルでした。
そして完成したバイクは、【GSX-R400】のエンジンを使用、キャブを小径化、カムプロフィールを中速寄りにするなどチューンし、53馬力を発生。ボディはフルカウル、カウルと同色の剛性アップしたスチールフレームで、魚の「エイ」から着想したカウルにはスリットが入っていました。
結果、市場からは「いいとこ取りのバイク」というよりは「ツアラー」と受け止められました。「どっちつかず」と言ってもいいかもしれません。
エンジンは【GSX-R400】のものですからよく回ります。しかし全体の雰囲気はレプリカではない、カウルがついているからもちろんネイキッドでもない・・・という評価ゆえ、販売台数はあまり伸びませんでした。それゆえ現在では稀少車に属しています。
RFという車名も聴き慣れないものですが、エンジン含め車体の作りは堅実です。吸気系ではスリングショットキャブレター採用、フロントダブルディスク、リアリンク式リヤサスペンション、角形スイングアーム等を装備、またスラントしたカウルは空気抵抗を減らし疲労を防いでくれます。
95年には可変バルブを備えたVCエンジンモデルも登場し、95年まで製造されました。
地味ではありますが、RF400Rはスズキが奇をてらわずに製造したバイクでもあります。
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解説記事更新日：2021年09月26日

1993年にスズキから発売されたRF400Rの初期モデル。
ベース車はバンディット400で、エンジンは流用しながらキャブレターの小径化、スプロケット丁数の変更、カムやクランクマスの最適化を受けた水冷4ストロークDOHC4気筒を搭載。最高出力は53ps/11,000rpmを発揮した。
足廻りではフロントに正立式フォーク、ブレーキにはピンスライド式の2ポッドダブルディスクを搭載、リアにはニューリンクサスと呼ばれるリンク式モノサスペンションを採用した。
兄弟車には大排気量モデルであるRF900R、RF600Rが存在し、ボディは600ccモデルから共有しているために400ccとは思えない大柄な車格が特徴的だった。
カラーバリエーションにはルージュレッド、パールノベルティ ブラックの2色を設定。
新車販売価格は64.9万円だった。
なにやら海外仕様のようで聴き慣れないRF400Rというこの車名。実はGSX-RのR、そしてGSFのFを繋げたもので速さと使いやすさを表している。速さを印象付けるフルカウルの外観にバンディットから心臓を受け継いだ名前通りのレーサーレプリカとロードスポーツのあいの子、それがRF400Rであった。また、他に同社で聞き慣れない名前のモデルとしては250SBやRE-5などが挙げられる。
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解説記事更新日：2021年10月31日

カラーチェンジを受けて発売された1994年モデルのRF400R。
カラーバリエーションにはキャンディアンタスレッド、キャンディスターリッドブルーメタリックの2色を設定。
同クラスのライバル車にはカワサキのスポーツツアラーであるZZR400が挙げられる。1994 年モデルの最高出力は同じくメーカー規制値の53PS/11,000rpm、装備重量はRF400Rより重い220kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとZZR400は4.15kg/PS、対するRF400Rは3.84kg/Psとなっており、加速性能では約16kg軽量なRF400Rが優っていた。しかし当時の知名度はZZR400が圧倒的に高く、逆に何故かRF400Rはマイナーな雰囲気を醸し出していた。
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解説記事更新日：2021年10月28日

カラーチェンジを受けて発売された1995年モデルのRF400R。
カラーバリエーションにはキャンディアンタスレッド、アーバングレーメタリックの2色を設定。
新車販売価格は66.9万円だった。
RF400Rはこの1995年モデルを最終型として生産を終了。同年にはスズキの可変バルブ機構を搭載したRF400RVが入れ替わりで発売されている。欧州向けのスポーツツアラーから産まれたマイナーなモデルと思われがちな本車だが、国内において1994〜1995年、毎週金曜17時半から放送されていた特撮ヒーローものの忍者戦隊カクレンジャーには主人公であるチームカクレンジャーの乗るバイクとして登場している。また、それぞれの色に合わせたカラーリングが施され、サメ型のフロントカウルに離れ気味の横2眼ヘッドライト、特徴である段々エアインテークがサメのエラ部分として見事に昇華されていた。ちなみにスズキの開発陣がRF400Rのデザインのモチーフにしたのは魚のエイある。
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解説記事更新日：2021年10月28日