スズキのビッグネイキッド「GSF1200」のフルモデルチェンジ版として2000年3月に登場したのが、GV77A型「バンディット1200」である。
車体はダブルクレードル型フレームにDOHC4バルブ油冷4ストローク直列4気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークが79mm×59mmのショートストローク仕様1,156ccユニット。デビュー時の最高出力は8,500回転で100馬力を発揮していた。トランスミッションは5速リターン式を採用。
足回りには、フロントにテレスコピック式正立フォークを装備して17インチホイールとダブルディスクブレーキを組合せる。キャリパーは軽量高剛性で信頼性の高い対向ピストン6ポットタイプをセットする。リアはスイングアームにモノショックを組み込んで17インチホイールに180mmタイヤを装着。
同クラスのネイキッドとしては、2001年に登場したカワサキの「ZRX1200R」を比較対象にできるだろう。乾燥重量223kgの車体に搭載する1,164ccの水冷直列4気筒エンジンは8，000回転で100馬力を発揮する。対する本モデルの乾燥重量は214kgで9kgも軽い。
ホンダの「CB1300スーパーフォア」は、同じく100馬力エンジンだが乾燥重量は251kgとライバルの中でも重たいマシンだった。
「バンディッド1200」は、軽量ハイパワーなだけでなくサイズがコンパクトに設計されていることも特徴的なディテールとなっている。ホイールベースは僅か1,435mmしかない。
ちなみに「CB1300スーパーフォア」は1,545mmで、弟モデルの「CB400スーパーフォア」が1,415mmだった。本モデルは400㏄クラスと20mmしか差がないショートホイールベースなマシンということである。
なお、「バンディット1200」にはハーフカウルを装着した兄弟モデル「バンディット1200S」も同時展開されていた。
デビュー以降は、2005年モデルでスズキのイメージカラー「パールスズキディープブルー×グラススプラッシュホワイト」を採用した限定モデルを展開。
翌2006年には最初で最後のフルモデルチェンジを実施してGV79A型へ進化。同年にABSを採用した「油冷ファイナルエディション」を設定して生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年07月23日

本モデルはスズキGSF1200とイナズマ1200の後継として、スズキ伝統の油冷エンジンを受け継ぐモデルとして世に生まれました。
この2000～03年式は、その初期生産モデルにあたります。
特に発売年である2000年当時は、他に新車販売される油冷エンジン車がなく、わずか1年ではあるものスズキ旗艦モデルの大役を務めました（翌2001年にGSX1400が登場し、旗艦モデルの座を譲ります）。

そのようなエピソードから、いわゆる花形からは一歩退いた形のモデルですが、しかし本モデルには驚くべき牙があります。
それは、大柄な車格には一見似つかわしくない1430mmという非常なショートホイールベースに、日本国内ではビッグネイキッドには遠慮されがちなリア・モノサスペンションの搭載です。

これによりクイックな旋回性能を実現。
他のリア・ツインサスペンションかつロングホイールベースのネイキッドよりもワインディングでは過激な走りを見せ、その気になればジムカーナでも好成績をたたき出すことができる、優秀なビッグネイキッドです。

現在はGSX-S1000をはじめ、CB1000RやZ1000といった、いわゆるストリートファイター（加速と旋回性を楽しむことに重点を置いたネイキッド）が人気を博しておりますが、本モデルはその性質をずっと前に先取りしていたといえましょう。

そのような車体構成のため、最新型のバイクと乗り味を比較した時も「いかにも大時代的で、ノスタルジーを楽しむもの」とはならず「意外と食いつくぞコイツ!?」という筋の良さを光らせる、いぶし銀の存在でもあります。まさに通好み。
今、このバイクを選んで乗っているだけでベテランの風格を醸し出せるかもしれません。

そんなバンディット1200は、スズキ油冷エンジンの系譜の中でSACS（Suzuki Advanced Cooling System）を搭載した、末期のモデルでもあるため、こちらのエンジン形式のファンからは熱いまなざしを浴びることもありそうです。
2000～03年式となると初期生産モデルにあたりますので、状態の良い個体は数が少なく年式柄使い込まれた個体が多いことから、走行が若く外装が綺麗だと高額査定に繋がりやすい。売る際の査定はBANDITの買取に強いパッションに！

解説記事更新日：2022年07月23日

2005年、バンディット1200はマイナーチェンジを受けました。
・1色だったカラーリングを《青/白＝パールスズキディープブルー×グラススプラッシュホワイト》のツートーンとして、スズキらしさを演出
・バックミラーをめっきの卵形に変更
青は紺に近い深みのある色で、2001年に発売された【GSX1400】によく似たカラーリングとグラフィックです。
外観を見るといわゆるネイキッドスタイルですが、バンディットのエンジンは【GSX-R1000】の流れをくむ油冷エンジンです。バンディット用にチューンされており、軽量コンパクトで、最大トルク9.5kgmは6,500回転という低回転で発生します。それでいてメカノイズと排気音は重厚で、1,430mmという短いホイールベースにより、操縦性はクイックです。いわば「羊の皮をかぶった狼」といった趣きがあるのです。
オーナーの声を見ても軒並み高評価で、デザインがおとなしかったせいか販売は振るいませんでしたが、所有して走ってみればバランスのいいバイクだと言えます。強いて難をあげるとすれば寒冷時の始動性で、もっともこれは走る頻度や地域によって違ってきますから、全てに当てはまるわけではありません。
スズキの油冷エンジン技術をネイキッドスタイルに調和させた1台、それがバンディット1200です。
2005年型のバンディット1200の買替や売却をお考えでしたら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年12月08日

2006年、6年目を迎えたスズキ独自の油冷式エンジンを備えたバンディット1200。ネイキッド仕様のGV79A型は、フルモデルチェンジを果たしました。
その外観を一新し、スイングアームを45ｍｍ伸長。ホイールベースを1480ｍｍとし、安定性の向上をめざしました。また、メーターとライトの間にわずかな風防カウルを装備。さらにシート高が770/790ｍｍの2段階調節となりました。
より扱いやすいビッグバイクへと進化を遂げながらも、環境規制強化の波を受け、このモデルは2年のみの販売となり、1年後にはファイナルエディションが登場しました。そして2007年には水冷式のバンディット1250へと変遷を遂げました。
スマートさを誇る油冷式バイクは、未だにコアな人気車種となっています。売る際の買取査定はBANDIT1200の価値を知り尽くしているパッションに！

解説記事更新日：2021年02月08日

本モデルは、スズキ伝統の油冷エンジンを搭載するバンディット1200シリーズの最終生産モデルです。
正式な車名は「BANDIT 1200S ABS 油冷ファイナルエディション 」となります。

本モデルの特長として、とにかく抑えておきたいのは、
「2006年の1年間しか生産されなかった最終型の中でも、9月から数ヶ月間しか生産されなかったプレミアムモデル」
この1点です。

ショートホイールベースとモノサス、そして軽量コンパクトかつ高出力な油冷エンジンを武器に、他のビッグネイキッドとはひと味違うクイックなハンドリングが持ち味だった本モデルですが、なんと最終生産年になってまさかのフルモデルチェンジ。
車体デザインは、より洗練され現代的となりましたが、ホイールベースが1430mmから1480mmに広がっており、方向性の変化を感じさせます。

それもそのはず、本モデルは翌年に発売を控えた水冷エンジン版のバンディット1250／1259Sの車体構成を流用した、一種の先行販売モデルだったのです。
本モデルが発売された時期は平成18年排出ガス規制の直前。

本当なら油冷エンジンを後世へ残したかったスズキですが、当時の技術力と市場に、新たな油冷エンジン車を登場させることは非現実的でした。そこで、苦肉の策として水冷エンジン版の新型バンディット1250／1250Sの車体に、旧型の油冷エンジンを搭載して規制のギリギリまで市場へ流通させたわけです。

油冷エンジンにかけたスズキの意地が宿ったモデルといえましょう。
しかも、本モデルはその内でも極少数しか生産されなかったファイナルエディション。しかもファイナルエディションだけの特別装備としてABSまで取り付けられており、その希少性はかなりのものといえます。
そんなバンディット1200S ABSファイナルエディションですから、買取相場も2000～2003年モデルよりも、2006年のスタンダードモデルよりも少し高くなっています。売る際の査定はBANDITの買取に強いパッションに！

解説記事更新日：2021年01月25日