トライアンフのアドベンチャーシリーズ「タイガー」は、2021年まで900㏄と1200㏄という2クラスのエンジンを搭載するマシンをいくつか展開してきたが、2022年ラインアップで新たなエントリークラスを投入した。そこで登場したのが本機「タイガー スポーツ660」だった。日本国内向けは2022年2月に発売された。

車体の基本構造は、前年に展開された「トライデント 660」に通じる部分もあった。
スチール製ペリメターフレームにマウントされるエンジンは、ボア・ストロークが74.04mm×51.1mmのDOHC4バルブ水冷並列3気筒ユニット。ユーロ5に適合する排気量660㏄の心臓部は、10,250回転で81馬力の最高出力を発生する。最大トルクは6,250回転64Nmというスペックでデビュー。電子制御スロットルが可能にするライディングモード選択機能には、「ロード」と「レイン」の2メニューが用意されていた。トランスミッションは軽快な操作感を実現するスリップアシストクラッチを組合せる6速ギヤボックス仕様。クラッチ操作が多くなりがちな街中走行でも少ない疲労感でマシンを操作できるだろう。

足回りは、フロントに41mm径のショーワ製カードリッジ式倒立フォークを装備して、17インチのアルミキャストホイールを履く。リヤはスチール製の両持ちスイングアームにプリロード調整式のショーワ製モノショックRSUをセット。ブレーキは、フロントが310mmダブルディスクにニッシンの2ピストンキャリパー、リヤは255mmシングルディスクとシングルピストンキャリパーという構造。安全装備は、ABSと切り替え可能なトラクションコントロールを採用する。

シート高は835mmで足つきも悪くない。ハンドルは軽量アルミ製のテーパー形状バータイプでコントロールしやすく軽快なハンドリング性能を楽しめる。パッセンジャー用のグラブバーも人間工学に基づいたデザインとなっていて、タンデム走行時も快適だ。
メーターパネルはTFTカラー液晶で、GoProコントロールやスマホとの連携など最新テクノロジーを搭載していた。

同クラスの比較対象としては、スズキがグローバル展開する「Vストローム 650」が比較対象になるだろう。エンジンは、DOHC4バルブ水冷L型ツインで8,800回転69馬力仕様。最大トルクは、6,300回転61Nmというスペックだった。足回りは、フロントサスペンションが正立フォークで19インチホイールを履く。パフォーマンスは圧倒的に「タイガー660 スポーツ」が格上となる。ただ「Vストローム 650」は、税込95.7万円で買えたので価格面では魅力的だった(本機の2022年式は税込112.5万円だった)。

なおデビュー以降の「タイガー スポーツ660」は、カラーチェンジを受けながらラインアップを続けている。

解説記事更新日：2024年06月30日

トライアンフは。2022年モデルでミドルウェイトのアドベンチャースポーツカテゴリにニューマシンを展開。それが本機「タイガー スポーツ 660」だった。通勤や日常生活からロングツーリングといった様々なシーンで扱いやすく、さらに幅広いライダー層を取り込むためのパフォーマンスとスタイルを備えるマシンとして投入された。日本向けは、2022年2月に以下のカラーバリエーションと価格で発売となった。

・「ルツェルンブルー×サファイアブラック」　112.5万円(税込)
・「グラファイト×サファイアブラック」　112.5万円(税込)
・「コロッシレッド×グラファイト」　114万円(税込)

いずれのカラーもシャープでアグレッシブなフロントマスクにマッチするスポーティなイメージのカラーリングでラインアップ。
エンジンは660cc水冷並列3気筒ユニットで81馬力仕様。最大トルクは64Nmとなる。クイックシフターはアクセサリー扱い。前後17インチのアルミキャストホイールを装着するオンロードスポーツタイプだが、大型フロントスクリーンや17.2L大容量燃料タンク、専用パニアケースをセット可能なスリム形状のテールといったツアラー志向のディテールも各部に採用されている。リヤサスペンションには、リモート油圧プリロード調整機能付きなので、タンデム時や積載時のセッティング変更で走行フィールを調整できる。

まさに毎日の移動手段から休日のツーリングユースまでオールマイティに使える全く新しいミドルアドベンチャーだ。

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解説記事更新日：2024年06月30日

トライアンフの「タイガー」シリーズで、新たなエントリーモデルとして前年に展開された「タイガー スポーツ 660」だが、デビュー2年目となる2023年式は目立った仕様変更を受けることなくラインアップを継続。カラーバリエーションも前年通りで以下の3タイプが用意された。

・継続「ルツェルンブルー×サファイアブラック」　
・継続「グラファイト×サファイアブラック」　
・継続「コロッシレッド×グラファイト」

マシンの心臓部は、10,250回転で81馬力を発生するDOHC4バルブ水冷並列トリプルユニットとなる。排気量660㏄のエンジンは、最大トルクが6,250回転64Nmというスペック。ちなみにストリートファイタールックネイキッドの「トライデント660」も同系エンジンで同じスペックだったが、重量は本機より17kg軽い189kgとなっていた。

本機の足回りは、モデル名称に「スポーツ」というネーミングが付されているようにアドベンチャー志向というよりは、オンロードスポーツの要素が色濃く表れている。ホイールサイズは、前後17インチのアルミキャストタイプにチューブレスラジアルタイヤを履く。
ブレーキは、フロントが310mmダブルディスクで、リヤが255mmディスク仕様。キャリパーは、いずれもニッシン製を採用する。
安全装備のトラクションコントロールは、切り替え式となっているのでライダーの好みに応じたセッティングでマシンのポテンシャルを試すライディングも可能だ。

なお2023年式の「タイガー スポーツ 660」は、US向けが前年比で400ドルアップとなる9,695ドルで販売された。

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解説記事更新日：2024年07月01日

トライアンフとしては、クラス初となるTFT液晶仕様の多機能メーターを採用する「タイガー スポーツ660」だが、2024年式はデビュー以降、初となるカラーチェンジが行われた。カラーバリエーション数は3タイプで従来通りだが、そのうちの2カラーが新色へと入れ替わった。用意されたマシンカラーと国内仕様の価格は以下の通り。

・継続「コロッシレッド×グラファイト」　114万円(税込)
・新色「ジェットブラック×グラファイト」　112.5万円(税込)
・新色「スノードニアホワイト＆ジェットブラック」　114万円(税込)

デビュー時から設定されていたスポーティなイメージの「ブルー」と精悍な印象の「グレー」は廃止となって、新たに「ブラック」と「ホワイト」が設定された。価格に関しては、2022年の発売時から据え置かれている。

カラーリングの他に変更ポイントは無く、グラフィックデザインも前年通り。メカニカルも同様なので主要諸元も従来通りだ。
スチール製ペリメターフレームにマウントされるパワーユニットは、660㏄の水冷DOHC4バルブ並列トリプル。最高出力は10.250回転81馬力で、最大トルクが6,250回転64Nmというスペック。走行モードは、「ロード」と「レイン」の2タイプから選択できる。

ちなみにオプション扱いではあるが、「My Triumph」コネクティビティモジュールを装着すると、ターンバイターン式ナビ、アクションカメラ「Go Pro」コントロール、スマホ連携などがハンドルスイッチ経由の簡単操作で実行可能となる。

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解説記事更新日：2024年07月01日