トライアンフは2012年に新たな旗艦ツアラーを発表。それが「トロフィー」シリーズだった。かつて1990年代から2000年代初頭にかけても展開されていたモデル名が再び復活した形となる。新生「トロフィー」として登場したニューモデルは、無印グレードに加えて上級グレードに位置する本機「トロフィー SE」も設定された。「SE」モデルとして採用された専用装備は以下の通り。

・WP製電子制御サスペンションシステム
・Bluetooth対応高性能オーディオシステム

シャシーは軽量高剛性のアルミ製ツインスパーフレームを採用。パワーユニットには1,200㏄の水冷DOHC並列3気筒エンジンを搭載する。同時期に展開されていたアドベンチャーツーリング「タイガー エクスプローラー」と同系統ユニットだが吸排気系のセッティングがツーリングモデル向けに変更されている。最高出力は8,900回転134馬力で、最大トルクが6,450回転120Nmというスペックでデビュー。電子制御スロットルにシャフトドライブの組み合わせでメンテナンス性に優れたマシン設計を採用していた。充実装備や快適性重視のマシン設計ということもあってベースモデルより4kg重い301㎏というヘビー級のマシンとなるが、パワフルなエンジンのため加速はスムーズで振動も少なく快適なロング走行を可能にしている。

足回りは前後WP製のサスペンションキットで、フロントは43㎜径の倒立フォークでリアはモノショックという構造。手元スイッチで「スポーツ」、「ノーマル」、「コンフォート」の3メニューから好みのサスペンションセッティングを選択できる。さらにクルーズコントロールや自動著製機能付き大型スクリーンといった快適アイテムも標準装備。
制動系統は、フロントが320㎜のダブルディスクにニッシン製の4ピストンキャリパーを組み合わせて、リアは282mmディスクと同じくニッシン製の2ピストンキャリパーという仕様。ABSは標準装備だがスイッチ切り替えは不可。トラクションコントロールも採用されている。

ライバルモデルとしてはカワサキがグローバル展開していた「1400 GTR」を比較対象にできるだろう。304kgの車体が抱えるパワーユニットは、1,352ccの水冷DOHC並列4気筒エンジン。最高出力は8,800回転155馬力仕様。ラムエア加圧では160馬力に到達する。最大トルクは6,200回転136Nmというスペックだった。ホイールベースは1,520㎜で本機より22㎜ショートな設計。全長は5㎜短い2,230㎜となる。スペック重視なら「1400GTR」で、オーディオや電子制御サスペンションといった豪華快適装備を重視するなら「トロフィー SE」となるだろう。

なおデビュー以降の「トロフィー SE」は、カラーチェンジを受けながら2017年まで生産され販売終了に至った。

買替や売る際の買取査定は、2013～17年式 トロフィーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2025年01月17日

大容量パニアケースや電子制御サスペンションを標準装備して新世代「トロフィー」のフラッグシップとしてデビューした「トロフィー SE」の2013年式は、北米仕様が以下のカラーリングと価格で販売された。

・「ルナシルバー」　18,999USドル

カラーバリエーションは1カラーのみで、ベースグレードの設定されたブルーとは対照的でシーンを選ばず馴染みやすいシルバーだった。

なお上級グレードの本機「SE」と無印グレードの見分け方だが、ボディカラーの他にフロントスクリーンサイドにラジオアンテナが設置されているか否かでの判断も可能。「トロフィー SE」は、豪華装備との一つとしてBluetooth対応のオーディオシステムがインストールされている。スピーカーは20Wの2チャネルタイプでUSB経由の外部機器と接続することも可能。スピーカー音量は走行速度に応じて自動調整する機能も実装されている。

パワーユニットは両グレードとも共通で1,200㏄の水冷トリプルエンジンを搭載する。最高出力は8,900回転で134馬力を発生する。最大トルクは6,450回転120Nmというスペック。駆動系統はシャフトドライブを採用するほか、バランスシャフトやトーションダンバーシステムを採用することで振動が低減され快適な長距離走行が可能だ。
ツーリングモデルらしくマシンのリアサイドには純正パニアケースがセットされる。片側31Lと十分な大きさだが、さらに収納スペースが必要という場合には55L容量のトップケースもアクセサリーで用意されていた。

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解説記事更新日：2025年01月17日

トライアンフが手掛ける大型ラグジュアリーツアラーの新型「トロフィー」は、デビュー2年目となる2014年式も前年同様に2グレード構成で継続ラインアップとなった。目立ったアップデートは実施されずキャリーオーバーで展開された。北米仕様のカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「ルナシルバー」　18,999USドル

ボディカラーも引き続きシルバーの1タイプで価格も据え置き。ちなみにベースグレードも前年同様にブルーのみが用意されていた。

「トロフィー」の心臓部は、大型アドベンチャーマシン「タイガー エクスプローラー」と同系統を採用する。1,200㏄の水冷トリプルユニットは、ライドバイワイヤの電子制御スロットル仕様。スペックは最高出力が8,900回転134馬力仕様で、最大トルクは6,450回転で120Nmを発生する。
足回りは、トライアンフとしては初採用となるWP製の電子制御サスペンションキットを標準装備する。足元は17インチのアルミキャストホイールを履きトリプルディスクブレーキとABSで頼りになる制動系統を構築。トラクションコントロールも標準装備だ。なお、ABSに関しては切り替え機能がない。
シート高は本国仕様が800mmと820㎜の2段階調整式だが、日本モデルは770㎜と790mのロータイプとなっているので、足つきに不安があるライダーも安心の設計で導入された。調整方法はシート裏フックのポジションを変更することで簡単に変更できる構造だった。形状はゆったり広々サイズなので、ライダーもパッセンジャーも快適な長距離走行が可能だろう。

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解説記事更新日：2025年01月17日

これまで無印タイプと上級グレードの2タイプ展開だったツーリングモデル「トロフィー」だが、2015年式では上位の本機「トロフィー SE」のみがカラーチェンジを受けて展開された。用意されたカラーバリエーションと価格は以下の通り。

・新色「ファントムブラック」　19,499USドル
・新色「パシフィックブルー」　19,499USドル

発売以降シルバーのみの1カラーだった「SE」だが、デビュー3年目にカラーリングを刷新。あらたにブラックと、これまでベースグレードに採用されていたブルーが加わって新色2タイプへとバリエーションの増強が行われた。価格に関しては北米仕様が前年比で500ドルの値上がり。

カラーリングと価格の他に変更ポイントはなくメカニカルは前年通りなので主要諸元は従来通りとなる。
約300kgのマシンを動かすパワーユニットは1,200㏄の水冷DOHC並列3気筒エンジン。最高出力は8,900回転で134馬力を発生する。最大トルクは6,450回転120Nmというスペック。
「トロフィー SE」はラグジュアリーツアラーということで、装備も豪華だ。フロントの大型スクリーンは電動タイプで最大164㎜高くすることができる。コクピットには2連アナログメーターの間にマシンコンディションを表示するディスプレイを設置。表示させる情報は左ハンドルスイッチで切り替えが可能となっている。
また収納スペースだが片側31Lのパニアケースが標準装備。車体の挙動に応じて左右5度まで動く「ダイナミック・ラゲッジ・システム」を採用していた。

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解説記事更新日：2025年01月17日

トライアンフの「ツーリング」カテゴリを構成する唯一のマシンとなる「トロフィー SE」は、前年に最初のカラーチェンジが行われて2タイプ展開へバリエーションが拡充された。2016年式は目立ったアップデートはなくキャリーオーバーで続投。本国モデルは以下のボディカラーと価格で販売された。

・継続「ファントムブラック」　14,599ポンド
・継続「パシフィックブルー」　14,599ポンド

電子制御サスペンションやオーディオシステムなど豪華装備の採用もあり車重は301kgという超ヘビー級となる。ちなみに直接ライバルとなるBMWモトラッドの「R1200RT」は、125馬力・125Nm仕様の1,169ccの空水冷ボクサーツインを搭載して274kgに収まっていた。重量面ではハンデのある本機だが、エンジンはトライアンフのアイデンティティともいえる水冷トリプルユニットを採用する。1,200㏄の水冷DOHC並列3気筒エンジンで、最高出力は8,900回転134馬力というスペック。最大トルクは6,450回転で120Nmに到達する。
足回りに装備するWP製の電子制御サスペンションは、「コンフォート」、「ノーマル」、「スポーツ」の3モードから任意に設定が可能。リアモノショックのプリロードや前後のダンピング特性が変化して快適な乗り心地と優れたマシンコントロール性を発揮する高性能システムだ。
また、快適装備の一つであるオーディオシステムにはDSPとイコライザー機能も実装されているので好みに講じたスピーカーセッティングも可能となっていた。
トライアンフが得意とするスポーティな要素よりも快適性能を追求したラグジュアリーツアラーに仕上がっている。

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解説記事更新日：2025年01月17日

フルカウルにパニアケースを装備するトライアンフのツアラーとしては、スポーティな要素を重視する「スプリント GT」とラグジュアリー路線に振り切った本機「トロフィー SE」がラインアップされている。いずれもエンジンはトライアンフお得意の水冷トリプルだが、「スプリント GT」は130馬力・108Nmの1,050㏄ユニットを搭載しているのに対して、「トロフィー SE」は134馬力・120Nmの1,215㏄大型ユニットを採用する。ホイールベースは本機が5㎜ロングで、重量は36㎏も重い。長距離移動時の快適性だけでなくマシンを操る楽しさも欲しいのなら「スプリント GT」、トルクフルなエンジンでゆったりとクルージングを楽しむなら「トロフィー SE」といったところだろう。
2013年にデビューした「トロフィー」は、当初ベースグレードと「SE」の2タイプ構成だったが、既に上級グレードの「SE」に集約されている。
2017年式はキャリーオーバーで継続。北米仕様は以下のカラーリングで販売されていた。


・継続「ファントムブラック」　19,500USドル
・継続「パシフィックブルー」　19,500USドル

ボディカラーは2015年式で、それまでの1タイプから2カラー構成へ拡充されて以降、変更はない。価格も前年から据え置き。
タンデムの積載時でも快適な乗り心地とコントローラブルなマシン特性を創り上げるべくサスペンションにはWP製の電子制御式を採用している。ハンドルスイッチで走行シーンや積載状況に応じたモード選択を行うことで足回り特性が調整される。フロントスクリーンやオーディオスピーカーも好みに合わせて調整できる設計で、とにかく豪華で快適な移動を提供するマシンである。

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解説記事更新日：2025年01月17日