「FZR400RR SP」は、1986年から展開されていたヤマハのレーサーレプリカ「FZR400」シリーズの最終進化系ともいえるモデルである。シリーズの起源は1984年に設定された全日本ロード選手権のTT-F3クラスだ。4スト400cc以下または2スト250cc以下の市販モデルをベースにしたマシンが参戦できるクラスで、ヤマハは「YZF400」を投入、そのノウハウを公道仕様にフィードバックしたのが「FZR400」シリーズというわけだ。
初代モデルの登場以来、毎年のように仕様変更を実施し進化してゆき、1987年に「FZR400R」、1990年には3TJ型「FR400RR」が登場。そのシリーズ最終モデルのスポーツプロダクション仕様となるのが、本モデル「FZR400RR SP」というわけだ。
デビューは1990年1月で、通常モデルから2ヵ月遅れの発売となった。価格は、839,000円でスタンダードタイプより100,000円高かった。ちなみにデビューモデルは、1,000台限定で発売された。
アルミデルタボックスフレームに水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒399ccの1WG型エンジンを搭載。最高出力は12,000回転で59馬力を発揮。乾燥重量は160kgだ。
ライバルモデルとしては、ホンダ「CBR400RR」が1990年3月にフルモデルチェンジを実施し新型を投入していた。最高出力は59馬力と同じだが、乾燥重量は162kgと僅かながら重かった。
「FZR400RR SP」がスタンダードモデル「FZR400RR」と異なるのは、冷却系統に大型のラジエターを採用していることや水冷式オイルクーラーを搭載したこと。駆動系では強化クラッチやクロスミッションの採用といった違いがある。さらに足回りでは、減衰力調整式サスペンションを装備しリアサスはサブタンク付きとなっている。
当初は1,000台限定販売ということでデビューしたが、1992年には仕様変更を加えて500台の追加販売を実施。1994年にもさらに500台販売され生産終了となった。

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解説記事更新日：2021年10月06日

1990年にヤマハから新発売されたFZR400RR SP。
ベースモデルのFZR400RRをベースにレース仕様として登場した本車。エンジンはFZR400RRと同型の水冷4ストロークDOHC4気筒を搭載、最高出力は59PS/12,000rpmを発揮した。また、ベースモデルの装備に加えに加え、6速のクロスミッションや強化クラッチ、大容量化したラジエーターやオイルクーラー、足回りではアジャスタブル可能なサスペンションを装備し、レース仕様として一人乗りのシングルシートを採用していた。
ボディカラーはシルキーホワイトを設定。
新車販売価格は83.9万円だった。
ライバル車にはホンダのレーサーレプリカモデルであるCBR400RRが挙げられる。1990年モデルの最高出力は59PS/13,000rpm、乾燥重量は162kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとCBR400RRは2.74kg/PS、対するFZR400RRは2.86kg/PSで数値上の加速性能では僅かながたCBR400RRが優っていた。
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解説記事更新日：2021年10月11日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1993年モデルのFZR400RR SP。
新たにφ32ミリのフラットCR（FCR）キャブレターを採用。また、馬力規制によって最高出力が先代の59PS/12,000→53PS/12,000にデチューン。
ボディカラーにはブルーイッシュホワイトカクテル1を設定。
ライバル車にはスズキのレーサーレプリカであるGSX-R400Rが挙げられる最高出力は53PS/12,000rpmで同数値、装備重量は190kgでFZR400RR SPより5kg重く、2台のパワーウェイトレシオを比較するとGSX-R400Rは3.58kg/PS、対するFZR400RR SPは3.49kg/PSとなり、僅差ではあるが数値上の加速性能はFZR400RR SPが上回っていた。
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解説記事更新日：2021年10月11日

カラーチェンジを受けて発売された1994年モデルのFZR400RR SP。
カラーバリエーションにはブルーイッシュホワイトカクテル1を設定。グラフィックは同社のTZR50R、TZR125と同様のブラッシュパターンが施された。
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ライバル車としてはFZR400RR SPと共にレーサーレプリカブーム後期においてもシングルシートのレース仕様を採用し続けたカワサキのZXR400Rが挙げられる。1994年モデルの最高出力は53PS/12,000rpm、乾燥重量は160kgでFZR400RR SPとピッタリ同数値。また、パワーバンドでもFZR400RR-SPは9,500〜12,000rpm、ZXR400Rは10,000〜12,000rpmとほぼ同数となっていた。
FZR400RR SPはこの1994年モデルを最終型として生産を終了。レプリカブームの終焉と共にヤマハの400ccレーサーレプリカとしては最後のモデルとなった。
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解説記事更新日：2021年10月11日