ストリートファイタールックのミドルサイズネイキッド「FZ8」にハーフカウルを装着して同時デビューしたのが「フェザー8」である。
基本コンポーネントは既に販売されていたリッタースポーツツアラー「FZ1 フェザー」のディテールを踏襲している。
「FZ1」は、2004年モデル「YZF-R1」の998㏄エンジンを常用域を重視したセッティングに最適化したユニットを採用していたが、「フェザー8」はそのエンジンを4バルブ化し、77mmのボアを68mmへダウンし779㏄へ変更して搭載している。アルミ製の鍛造ピストンは専用設計となっている。燃料供給に使われるフューエルインジェクションシステムは、ベースモデルとも言える「YZF-R1」や「FZ1」で既に信頼性と性能が実証されているサブスロットルバルブ併用タイプを採用。手元のアクセル操作によって35mm径のメインバルブが作動し、スロットル開度とエンジン回転数に応じて最適なタイミングでモーター駆動のサブスロットルが開閉するという仕組みだ。
吸気系統には7.8Lの大容量エアクリーナーBOXを装備するが、内部には外側1,4番と内側2,3番で異なる長さのファンネルを装着。この仕組みによってトルクカーブが全域でキレイに形成され扱いやすいマシン特性を実現している。
また、環境対策としてハニカム型三元触媒をエキゾーストに採用することでEURO3規制をクリア。
車体は、軽量高剛性のアルミ製ダイヤモンド型メインフレームとスチール製シートレールの組み合わせとなる。
足回りは、フロントに43mm径の倒立フォークに310mmのダブルディスクとワンピース4ポットキャリパーを装備。リアはアルミ製スイング-アームにリンク式モノショックを組合せ267mmディスクとシングルポットピンスライド式キャリパーを装着する。ホイールサイズは前後同径の17インチとなる。ABSはタイプ別設定となっていた。
2013年モデルではマイナーチェンジを実施してデザイン面の変更や足回りのセッティングが煮詰められた。その後は、2015年モデルまで展開され生産終了となった。
ライバルモデルとしては、カワサキ「Z750」やスズキ「GSR750」が比較対象になるだろう。いずれも下位排気量となるが同じく106馬力エンジンを搭載。ただ、ネイキッドスタイルとなるので高速走行やロングツーリンユースではハーフカウルを装着した「フェザー8」が有利だろう。
なお、「フェザー8」は国内の正規モデルは展開されなかったが、YAMAHAの輸出仕様を扱っていたプレスト経由で逆輸入モデルを入手することができた。

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解説記事更新日：2022年01月17日

ハーフカウルを装着してロングツーリンクからワインディングロードまで快適なライディングを実現するストリートスポーツ「FAZER8」は、2010年7月に海外モデルとしてデビュー。
カラーラインアップは、「ビビッドパープリッシュブルーカクテル5」、「ブルーイッシュホワイトカクテル1」、「ブラックメタリックX」の3バリエーションが設定された。
国内の正規モデル導入は実施されなかったが、プレスト社から逆輸入仕様を入手することができ価格は91万円(税抜)だった。
なお、兄弟モデルの「FZ8」はデビュー時にABSタイプが設定されなかったのに対して、本モデルは発売時から展開された。カラー展開は通常モデルと同色の3バリエーションで価格は5万円高の96万円(税抜)に設定されていた。
「マスフォワードフォルム」というデザインコンセプトのもとに設計されたスタイリングは、短距離ランナーがスタートダッシュを決めるような前方へせり出す姿をイメージしている。ハーフカウルには専用のヘッドライトがビルトインされており優れたウィンドウプロテクション機能を実現。ロングツーリング時の疲労軽減と快適性に貢献している。
デビュー翌年の2012年モデルではカラーチェンジを実施して、ブルーの代わりに「マットグレーメタリック3」を追加。
シート高は815mmだったが、ノーマルシートを加工し20mm低くしたプレストのオリジナルローシートも2.7万円(税抜)で展開されていた。

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解説記事更新日：2022年01月17日

「ベスト・アクティブ・ミドル・スポーツ」をキーワードに開発されたハールカウルスポーツ「FAZER 8」は、2013年モデルでマイナーチェンジを実施した。
カラーリングは前年モデルと同様で「マットグレーメタリック3」、「ブルーイッシュホワイトカクテル1」、「ブラックメタリックX」の3パターンが用意された。価格はプレストの逆輸入モデルで91万円(税抜)、ABSモデルが96万円(税抜)で据え置かれた。
今回のマイナーチェンジでは足回りが強化された。フロントは引き続き43mm径の倒立フォークを装備するが、プリロードと伸び側・縮み側の両ダンパーに調整機構が追加された。さらにリアのリンク式モノクロスサスは、従来からプリロード調整が可能だったが、さらに伸び側のダンパー調整機能も追加された。走行環境に応じた細かなセッティングが可能になり、日常ユースから高速ツーリングまで幅広いシチュエーションでより快適で安定した走行性能を実現。
デザイン面ではマフラー形状が変更され、ウィンカーレンズは従来のオレンジ仕様から新たにクリアレンズを採用。シート表皮も材質が変更され質感が増している。
なお、2013年式からストリートファイタールックの兄弟モデル「FZ8」は、ABS搭載タイプのみの展開となったが、本モデルは引き続き非搭載タイプもラインアップされた。
以降は、2014年モデルに「マットグレーメタリック3」が廃番となり新たに「ダークグレーメタリックN」を設定。
2015年モデルでは、その「ダークグレーメタリックN」が「マットシルバー1」に置き換えられ最終仕様となり、生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年01月17日