1985年に海外市場向けマシンとして登場したヤマハ「VMAX」は、デビューから23年となる2008年6月にフルモデルチェンジを実施し2代目へ世代交代を果たした。このタイミングで排気量がアップし、「VMAX1700」として生まれ変わった。国内仕様のRP22J型が展開されたのは約10ヶ月遅れとなる2009年4月だった。
なお、国内において初代1200cモデルの3UF型は、排ガス規制に対応することができず1999年モデルを最終型として2000年に生産が終了していたので、実に9年ぶりの復活となった。
パワートレインには、水冷4ストロークDOHC4バルブV型気筒のP626E型1,679ccエンジンを搭載。初代モデルと同じV型4気筒構造だが、バンク角は従来の70度から65度に変更された。最高出力は、9,000回転で200馬力というスペック。最大トルクは6,500回転で17kgを発揮する。国内仕様は排ガス規制と騒音規制に適合するために仕様変更が加えられており、最高出力は7,500回転151馬力、トルクは6,000回転で15.1kgに抑えられている。燃料供給奉方式は、フューエルインジェクション仕様で、初代モデルの「Vブースト」機構は搭載されず、ヤマハ電子制御スロットル(YCC-T)とヤマハ電子制御インテーク(YCC-I)が採用されている。
エンジン回りの特徴で「VMAX」のトレードマークともいえるエアインテークは、アルミダイキャスト製になり実際のエアダクトとして機能する(初代1200ccモデルのエアインテークはダミーで吸気口としての機能は無かった)。
燃料タンクの容量は15Lと据え置きで燃費はリッターあたり16kmと、従来モデルの半分の数値となりロングツーリングには厳しい仕様だった。
新設計のダイヤモンドフレームやエンジンパーツから足回りに至るまで各所にアルミ素材を使用し、車両価格は2,200,000円(税別)と高額な車両だった。ちなみに新車を購入するには、ヤマハの要件満たしてVMAX取扱店として認められた店舗で注文する必要があった。
発売開始後は、カラーチェンジのみで仕様変更は実施されなかった。2016年にはヤマハの創業60周年記念モデルが限定発売され、翌年の2017年には生産終了がアナウンスされ、同年モデルが最終型となり生産終了となった。

売る際の買取査定は、VMAX1700 の価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年09月09日

209年、海外仕様VMAXは新型として2年ぶりに復活し、北米および欧州向けに輸出されました。デチューンした日本国内仕様も発売されています。
エンジンレイアウトは旧型と同じ4スト水冷V型4気筒、排気量は1,679cc、最大出力は驚きの200馬力/9,000回転、最大トルク166.8Nm/6,500回転という途方もないハイパフォーマンス！
Vブーストはなくなりましたが、旧型のキャブレターに替わったフューエルインジェクションの進化はめざましく、排気量アップとインジェクションセッティングのみで豪快な加速を実現しています。米国のバイクサイトで性能試験を行った結果、
1/4マイル加速　10.9秒
0－100km/h加速　2.7秒
0－200km/h加速　8.3秒
最高速度　222.1km/h（138.1mph）
という驚異的なデータを叩き出しています。
ダイレクトな表現の米国サイトでは、
「ヤマハの全く新しいVMAXは、21世紀のエンジンとシャーシの技術から、素晴らしいパワー、比類のない加速感、そして究極のアドレナリンラッシュを実現します」
とあります（Webブラウザの自動翻訳）。
旧型のイメージを踏襲し発展させたボディスタイルは、一目でVMAXと分かるもので、ダイナミックさにあふれた、うねるようなスタイリングは、「やりすぎでは？」と感じるほどのものです。デザインモチーフのベースにあるのは、日本の社寺に鎮座する金剛力士像。
エンジン、ボディの特徴は、
米国では《インテネスブラック》、欧州では《ソーラーブラック》　実際は同一色
新型開発の大きな目標は、ハイパフォーマンスと高剛性ボディを実現し、排ガスのEU3規制をクリアすることでした。これらは全て達成され、旧型の欠点は一掃されました。メーター周りは旧型と同様にシンプルで、ボディデザインの中心はエンジンからリアタイヤに至るラインにあります。
2010年にマイナーチェンジ、カラーリングは《キャンディレッド》に変更（写真）、この後海外仕様VMAXは、カラーリング変更のみでモデル変遷を重ねていきます。やはりライバルは不在で、強いて言えば旧型VMAXが唯一のライバルでしょう。
新型VMAXには151馬力の国内仕様もあります。海外仕様の簡単な見分け型は、北米モデルはスピードメーターがマイル表示（mph）で、200馬力の海外仕様はマフラーの「抜け」をよくするため、マフラー排気口が一重で大きいです。
2009年～2011年の海外仕様VMAXの査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年06月22日

2009年から国内販売されたVMAXは2代目です。
1,679ccのエンジンは、先代と同じレイアウトの水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒で、7,500回転で151馬力を発生します（輸出仕様は9,000回転で200馬力）。他のバイクと同様、国内向けはパワーが抑えられているわけです。
インジェクション化されたことで先代が搭載していた「Vブースト」は搭載されず、ヤマハ電子制御スロットル(YCC-T)と可変式エアインテーク(YCC-I)が採用されています。
さてVMAXを実際に見てみると、実際のサイズよりかなり大きく感じます。エンジンの造型、そしてシートからサイドカバー、左右マフラーあたりの造型が実にマッシブだからでしょう。特に斜め後ろからの迫力は圧倒的です。全体的には先代のイメージを踏襲しつつ、アルミダイキャスト製エアインテークは実際に機能しています（先代はダミー）。
カラーリングは《ブラックメタリックM》《マットブラック2》がラインナップされています。
モチーフはドラッグマシンですから、フロントフォークは31度とかなり寝ています（【XJR1300】は25.3度）。他に例を見ない52mmという大径フロントフォークも採用されています。
またがるとシートは幅広く、乗馬の「鞍（くら）」を思わせます。車重も311kgありますから、峠を飛ばそうという気にはならないでしょう。むしろ貫禄を漂わせながらゆっくり走るほうが合っている気がします。
ただし欠点は15リットルというタンク容量の少なさで、カタログデータではリッターあたり16kmですから、高速道路での給油は常に注意する必要があります。
またVMAXにプレミア感を出すため、新車を購入するには、幾つもの要件を満たしたVMAX取扱店で注文する必要がありました。1年間の盗難保険付属、ロードサービス3年無料なども特典です。
2009～2012年モデルのVMAX1700の買替や売却をお考えなら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年10月18日

2009年に国内販売が開始されたVMAXは、2014年以降、カラーリングの変更のみを受けています。2015年に《マットグレーメタリック3》、16年に《ダークパープリッシュブルーメタリックL》と《ヤマハブラック》、17年に《ダークパープリッシュブルーメタリックL》が設定されました。
その他のマイナーチェンジは一切ありません。理由は、V型エンジンの挟み角をはじめ完璧なバイク作りが進められた結果の必然でしょう。それはVMAXの現車ばかりか写真を見れば理解できるような気がします。デザインモチーフは寺社の門で邪気を追い払う「金剛力士像」だそうで、斜め、真上、真横などから眺めると確かにそのイメージがわいてきます。
このV型エンジンはVMAX専用で他のバイクには搭載されていないのも、ヤマハの非常なこだわりとプライドを感じさせます。
なお「ヤマハ60thアニバーサリー」のカラーリングは唯一無二とも言えるもので、ラジエターカバー、エキパイからマフラー、サイドカバー、エアインテークまでもがブラック塗装され、ほとんど黒一色となっています。80年代にヤマハが販売していた「ミッドナイトスペシャル」を彷彿とさせる趣があります。
残念ながら2017年2月、受注台数が120台に達した時点で生産終了すると発表され、2009年からのVMAX1700は製造・販売が終了しました。
「意外に短命だった」というのが大方の感想ではないでしょうか。コスト的に合わなかったのかもしれません。製造は終了しても、VMAXはヤマハを代表する1車種として、今後も親しまれるに違いありません。
2014～2017年モデルVMAX1700の買替や売却をお考えなら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年10月18日

「アメリカンマッスルーカーの魅力を、モーターサイクルに取り込む」という開発者の想いを具現化し、1985年にリリースされたヤマハ「VMAX」は、2代目モデルとなるRP22J型が2009年4月に発売された。このタイミングで排気量がアップし、「VMAX1700」として生まれ変わっている。価格は2,367,000円(税込)と非常に高価なマシン。実にプレストコーポレーションが逆輸入して販売していた1200cc最終型2007年モデルの990,000円(税別)から倍以上という価格だ。
なお、新車で「VMAX1700」を正規購入するためには、VMAXアドバイザーが在籍するVMAX取扱店として認定された販売店で注文しなければいけなかった。完全受注出荷だったので店舗に展示車両が並ぶことは無く、価格も扱いもスペシャルなモデル。
ちなみに「VMAX」はシリーズ当初から海外マーケットをターゲットに展開していたモデルということもあり、2代目となる本モデルも海外仕様が2008年6月に先行して発表されていた。日本に展開されたのは発表から10ヶ月遅れということになる。1200ccの初代モデルが排ガス規制の壁に阻まれ2000年に生産を終了してから実に9年ぶりに復活を遂げたわけだ。
エンジンは引き続き水冷4ストロークのV型4気筒だが、バンク角は65度で1,700ccのP262E型を搭載。海外向け仕様の最高出力は、9,000回転で200馬力を発揮するが、日本向けは環境規制に対応するためにデチューンされており7,500回転151馬力というスペック。最大トルクに関しても、輸出仕様が6,500回転17kgf・mであるところ、国内仕様は6,000回転15.1kgf・mに抑えられている。燃料供給方式はフューエルインジェクションに変更され、ヤマハオリジナル電子制御スロットルを採用した。「Vブースト」機構はエンジン仕様の変更に伴って廃止された。
足回りは大径52mmフロントフォークにABSも搭載。
外観デザインンは従来モデルを踏襲したスタイリングで、エアインテークはダミーではなくエアダクトとして機能するアルミダイキャスト製になった。
新設計のフレームからエンジン回りに至るまで各部にアルミ素材を使用しており、ダイナミックな車体の中にも質感の高さを感じさせる仕上がりとなっていた。
デビューモデルのカラーラインアップは「ブラックメタリックM」の1カラーで、その後はカラーチェンジを繰り返していくが、2015年モデルは「ベリーダークレッドメタリック2」と「マットグレーメタリック3」の2カラー展開された。翌年の2016年にはヤマハ60周年アニバーサリーモデルが限定発売され、2017年モデルで生産終了となった。なお、カラー以外の仕様変更は実施されなかった。

売る際の買取査定は、VMAX1700 の価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年09月27日

2012年以降のVMAXはボディカラーとシートステッチ色変更のみが行われています。輸出先は北米および欧州がメインです。
2012年、《マットブラック2》
2014年、《マットグレーメタリック3》
2015年、《ベリーダークレッドメタリック2》
2016年、17年《ダークパープリッシュブルーメタリックL》
2009年発売の新型はエンジンからボディに至るまで全てが新設計で、ヤマハが持てる限りの技術を惜しげもなくつぎ込んでいます。具体的には、
・V型挟角は旧型より5度狭い65度
・極太のインナーチューブΦ52mmフロントフォークは酸化チタンコーティングを施行
・旧型ではダミーだったエアインテークは実際に稼働
・ラジエターは2分割して冷却効率を向上
・吸気ファンネルは長さが変化し最適な吸気振動を生むYCC-Iシステム
・スロットル開度に応じてインジェクションを制御するYCC-Tシステム
・フライバイワイヤスロットル
・スリッパークラッチ
・5速ミッションを介して後輪駆動はシャフトドライブ
・フロントΦ320mm、リアΦ280mmウェーブディスク、ABS標準装備
・アルミフレーム
・旧型と同じダミータンク、実際のタンクはシート下
・フロント120/70 18インチ、リア200/50 18インチタイヤ
・排気は4-1-2-4、ショートタイプ4本マフラー
・装備重量310kg
旧型で弱点と言われたブレーキ性能とボディ剛性は克服されたと言えます。車重はかなり重くなりましたが、VMAXをチョイスするライダーには大きな問題ではないでしょう。
ここで注目しておきたいのは、発売30周年を記念し2015年に発売された【VMAXカーボンスペシャルエディション】です（写真）。
カーボンモデルの特徴は、随所にカーボンパーツを使用していることで、その部分はタンクカバー・前後フェンダー・サイドカバーで、Akrapovic製スリップオンマフラーも装着されています。VMAXはついに、超高性能、高い質感、豪快な排気音、存在感、知名度など全てを達成したのです。
日本国内販売は2017年で終了しましたが、海外モデルは「Black MAX」仕様として「レイヴンブラック（艶消し黒）」で可能な限りパーツをブラックアウト化し、2018年まで製造され、2020年まで販売されました。
残念ながらVMAX1700の製造は終了しましたが、主な理由は、ユーロ4排出ガス基準を満たすことができなかったためです。唯一無二のモデルライフが短命に終わってしまったのは残念としか言いようがありません。ある意味、白亜紀の恐竜のように大きくなりすぎてしまったのかもしれません。
ライバルとして、2011年に発売されたドカティの【ディアベル】があります。
しかしながら、VMAX1700の存在感には変わりありません。2012～17年のVMAX1700、カスタムしてあっても大歓迎。お乗り換えや査定をご検討中の方は、自慢のVMAXを是非バイクパッションにお見せください。

解説記事更新日：2024年06月22日

VMAXは、ヤマハを代表するバイクの1台です。2代目となる1700ccモデルは2009年から海外向けに発売され、2017年に日本国内販売が終了。そのあとも2018年まで製造され、2020年まで北米および欧州をメインに販売されました。
エンジンレイアウトは、旧型と同じ4スト水冷V型4気筒、排気量は1,679ccです。最大出力は200馬力/9,000回転、最大トルク166.8Nm/6,500回転という驚くべき性能で登場しました。
旧型のVブースト+キャブレターに替わり、1700ではフューエルインジェクションを採用。Vブーストなしでも高回転での豪快な加速を実現しました。米国のバイクサイトでの性能試験では、次のような驚異的なデータを叩き出しています。
1/4マイル加速　10.9秒
0－100km/h加速　2.7秒
0－200km/h加速　8.3秒
最高速度　222.1km/h（138.1mph）
ボディデザインは日本の社寺にある「金剛力士像」をモチーフとし、ファットかつダイナミックな造型は目を見張るものがあります。それだけではなく、ボディ全体にヤマハテクノロジーを惜しげもなく取り入れています。概要を列記すれば、
・フロントフォークインナーチューブは極太のΦ52mm、酸化チタンコーティングを施行
・エアインテークはダミーではなく実際に稼働
・ラジエターは2分割して冷却効率を向上
・吸気ファンネルは長さが変化し最適な吸気振動を生むYCC-Iシステム
・スロットル開度に応じてインジェクションを制御するYCC-Tシステム
・フライバイワイヤスロットル
・スリッパークラッチ
・5速ミッション+シャフトドライブ
・フロントΦ320mm、リアΦ280mmウェーブディスク、ABS標準装備
・アルミフレーム
などです。強化されたフォークやブレーキ、フレームによって旧型で指摘されたフレームの弱さは克服されています。ただし、31度とやや寝かされたキャスター角は、ストリートドラッガーとしてのVMAXの性格を表しています。
2009年の発売から2020年まで、マイナーチェンジはボディカラーとシートステッチ色変更のみです。
そのなかで、特徴的なモデルがいくつかあります。
●2015年、VMAX発売30周年記念　【VMAXカーボンスペシャルエディション】
　カーボン柄のタンクカバー・前後フェンダー・サイドカバー等、
Akrapovic製スリップオンマフラー
●2011年、パーツを可能な限りレザー（革）で覆った【レザーコンセプト】　※非売
　ヤマハとエルメスのコラボレーションで実現したコンセプトモデル、シングルシート
●2018～19年に発売された【BLACK MAX】（写真）
いずれも、うねるようなVMAXのボディを生かした素材を使用し、唯一無二の存在と言えるVMAXの魅力を高めています。
ライバルとしては、2011年に発売されたドカティの【ディアベル】があります。
海外仕様の見分け型は、北米向けならスピードメーターがマイル（mph）表示、マフラーエンドが大きくて一重（国産は消音対策のため小さくて二重）。ユーロ4排出ガス基準に適合できず、モデルライフは約10年と短命に終わりました。しかし国産の他メーカーに代表的な車種があるように、VMAXは今後もヤマハを代表するバイクであり続けるでしょう。
2009年～2020年の海外仕様VMAXの査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年06月23日