ドゥカティは2010年11月のミラノショーで、これまでのブランドイメージとは一線を画すニューマシンを発表した。それが本モデル「ディアベル」である。
イタリアの老舗スポーツバイクメーカーが投入した「ディアベル」シリーズは、見るからにロー&ロングでダークなスタイルのマシンに仕上がっているが、各部には「ドゥカティ」らしさが散りばめられている。
車体は、スチールパイプを使用するトレリスフレームを採用。そこに1,198.4ccの水冷L型ツインユニット「テスタストレッタ11°」を搭載する。このパワーユニットは、すでに「スーパースポーツ1198」シリーズに採用されているエンジンを流用する形となっている。
ボア・ストロークは106mm×67.9mmで、最高出力が6,750回転112馬力というスペック。最大トルクに関しては6,750回転で114Nmに到達する。ちなみに本国モデルは、9,500回転162馬力・8,000回転127.5Nmのハイスペック仕様となっていた。
スロットル制御は、ライドバイワイヤ方式で電子制御化されている。ライディングモードは、「アーバン」・「スポーツ」・「ツーリング」の3タイプが用意されていた。モードメニューの内容からも察することができるように、威圧感のあるフォルムながらも街乗りからツーリング、スポーツ走行にも対応可能なマルチなマシンに仕上げられている。
トランスミッションはアシスト・スリッパー機構付きの6速ギヤボックスを組合せる。
足周りは、フロントにインナーチューブが50mmの極太マルゾッキ製フルアジャスタブル倒立フォークを装備。そこに14本スポークデザインの17インチホイールとピレリ製「ディアブロ ロッソⅡ」を履く。ブレーキは、セミフローティングタイプの320mmをダブルでセットして、ブレンボのラジアルマウント4ピストンモノブロックキャリパーという構造。
リヤはスポーツバイクさながらのドゥカティらしいアルミ製片持ちスイングアームにフルアジャストタイプのザックス製モノショックをセットする。そして17インチホイールに240mmの迫力ワイドタイヤを装着して登場した。ブレーキは265mmディスクに2ピストンキャリパーという仕様。安全装備面ではABSやトラクションコントロールが標準装備となっている。
マシンサイズはホイールベースが1,590mmあるが、シート高は日本仕様が750mmで足つき性は良い。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「V-MAX」が比較対象になるだろう。ダイヤモンド型フレームに搭載する1,679ccのV型4気筒エンジンは、国内仕様でも7,500回転151馬力を発生する。最大トルクは6,000回転で148Nmという凶暴なスペック。駆動系統はシャフトドライブ仕様で、重量は311kgと本モデルより71kgも重い。日本国内向けで比較すると、それでもパワーウェイトレシオは「V-MAX」が僅差で優れている。
ただ「V-MAX」はサイズもデカい。ホイールベースは1,700mmでシート高は775mmある。扱い易さでは断然「ディアベル」だろう。
なおデビュー以降の「ディアベル」は、バリエーションモデルの展開や仕様変更を受けながら2018年モデルまで展開された。その後は、2019年に「ディアベル 1260」へ世代交代を果たした。

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解説記事更新日：2024年01月04日

ロー&ロングのスタイルでアメリカンクルーザーのようなオーラさえ感じさせる「ディアベル」は、2011年6月に日本仕様が発売された。
デビューにあたって、当初、本国で発表されていたカラーリングは変更されている。
発表当時は「アークティックホワイト」が設定されていたが、生産中止となったニューカラーの「ダイアモンドブラック」が登場。そして「レッド」も各部にシルバーの差し色が入るなど小変更を受けてデビュー。いずれのカラーも日本モデルは185万円(税込)で発売となった。
車体はスチールパイプ製のトレリスフレームを採用。そこに前年デビューの「ムルティストラーダ 1200」にも採用された1,198.4ccの同サイズ「テスタストレッタ11°」エンジンをマウントする。もちろん圧縮など細かなセッティングは異なっているのでスペックも差がある。本モデルの日本仕様は、最高出力が6,750回転112馬力で、最大トルクは6,750回転113.9Nmというスペックでデビューした。
ライディングモードは、「スポーツ」、「ツーリング」、「アーバン」の3タイプが用意されており、日常ユースから長距離移動まで様々なシチューエーションでの利用に対応する出力特性となる。
装備面では、ハンドルマウントの液晶ディスプレイに加えてタンク上にもTFTカラー液晶ディスプレイが設置されている。そしてスマートキーシステムも装備で快適性も申し分が無いマシンだ。
なお上級グレードで、カーボン製の外装パーツや鍛造アルミホイールを装備する「ディアベル カーボン」も並行ラインアップされている。こちらはカラーリングによって219万円(税込)と224万円(税込)の2タイプが用意されていた。

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解説記事更新日：2024年01月05日

クルーザースタイルでありながらスポーツマシンのような足回りを与えられて衝撃のデビューを飾った「ディアベル」だが、デビュー2年目となる2012年式は大きな仕様変更を受けることなく従来通りの仕様でラインアップ継続となった。
カラーバリエーションも前年通りで、レッドフレームがボディカラーとマッチする「レッド」と、ブラックフレームにダークな印象を放つ「ダイヤモンドブラック」の2カラー展開。価格も据え置きの185万円(税込)となっている。
エンジンスペックも前年通りで主要諸元に変更は無い。
1,198.4ccの水冷4バルブL型2気筒エンジン「テスタストレッタ11°」は、6,750回転で112馬力を発生する。最大トルクは6,750回転113.9Nmという仕様。
マシン重量は239kgで、カーボンパーツや鍛造ホイールを標準装備する「ディアベル カーボン」より5kg重い。
リヤタイヤはワイドな240mmサイズを装着しているが、50mm倒立フロントフォークや片持ちスイングアームなどスポーツバイクが得意な「ドゥカティ」らしい創り込みでコーナリングも楽しいハンドリングを実現している。
なお2012年ラインアップでは、「ディアベル」シリーズに早速バリエーションモデルが2台も追加された。
まずは、タンクカバーをクローム仕上げにして各部にシルバーの差し色を加えた「ディアベル クロモ」。そして前年に業務提携を締結したドイツの「AMG」とのコラボレーションによって誕生した特別モデル「ディアベル AMG スペシャルエディション」だ。フレームやエンジンは既存モデルと共通だが、「AMG」モデルはカムタイミングにチューニングが施されている。デビューから僅か2年目にして「ディアベル」シリーズのラインアップ許可が実施された格好だ。
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解説記事更新日：2024年01月05日

ドゥカティの異端児的なマシンとして2011年にデビューした「ディアベル」だが、登場直後からバリエーションモデルを追加していくなどラインアップの拡充が止まらない。
2013年式では、ベーシックグレードに当たる本モデル「ディアベル」が、初のカラーチェンジを実施した。
新たに設定されたカラーリングは、「メタリックブルー×ホワイトストライプ」と「レッド×ホワイトストライプ」で、価格は209万円(税込)。
特徴的なディテールとしては、前後の17インチ14本スポークホイールはホワイトにペイントされており、タンク上部とリヤシートカウル、アンダーカウルにも大胆なホワイトストライプが配されていることだ。この2カラーの他にも既存カラーの「ブラック」が185万円(税込)で継続。トータル3カラーバリエーションで展開となった。
メカニカルな部分は従来通りでエンジンスペックの変更もない。
1,198.4ccの水冷L型ツイン「テスタストレッタ11°」は、6,750回転で112馬力を発生する。最大トルクは6,750回転113.9Nmという仕様。イタリア本国モデルは、162馬力&127.5Nmのフルパワースペックとなる。
なお2013年モデルの「ディアベル」シリーズには、新たなマシンが2台も加わっている。マシンの各部をブラックアウトして従来以上にダークな印象を強めた「ディアベル ダーク」、そしてバックレストやパニアケース、プルバックハンドルとセットしたツーリング仕様の「ディアベル ストラーダ」だ。前年に設定された「ディアベル クローム」は継続しているが、「ディアベル AMG SE」はカタログ落ちとなった。
デビュー3年目にして、既にトータル5モデルラインアップという大所帯へと成長している「ディアベル」シリーズだ。

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解説記事更新日：2024年01月05日

ドゥカティが世界に誇るスポーティクルーザー「ディアベル」は、2014年モデルで初のモデルチェンジを実施。以下の内容で各部に大幅なアップデートが適用された。

・新型エンジン搭載
・エアクリーナー変更
・エキゾーストパイプデザイン変更
・LEDヘッドライト採用
・カウルデザイン変更
・カラーチェンジ

マシンの心臓部には、ツインスパーク仕様のニューエンジン「テスタストレッタ11°DS」が採用された。パワーユニットの刷新により吸排気系統にもアップデートが入っており、インジェクションシステムやエアクリーナーボックスの大容量化、エキゾーストパイプも変更されている。
各部のアップデートでエンジンスペックも変わっている。最高出力は6,500回転112馬力で、従来からピークパワーに到達するタイミングが250回転下がった。最大トルクは6,250回転122.5Nmで、従来の6,750回転113.9Nmから大きく向上した。
機能装備面では、灯火類が全てLED化されて視認性とファッション性がアップ。またTFT液晶パネルには、新たに燃料ゲージやサイドスタンド表示が追加されて実用性も向上している。
足回り構成は従来通りで、50mmの極太マルゾッキフロントフォークとザックス製フルアジャスタブルモノショックをアルミ製片持ちスイングアームにセットするという設計。
シート高は日本仕様が本国モデルより20mm低い750mmとなっているので、足つきも良く街乗りからツーリングまで対応するクルーザールックなスポーツマシンだ。
カラーバリエーションは、「ダークステルス」の1カラーに縮小。価格は197万円(税込)で12万円の値上がりとなった。

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解説記事更新日：2024年01月05日

前年のモデルチェンジでニューエンジンを与えられた「ディアベル」シリーズは、2015年式で新たなバリエーションモデルが追加された。軽量高剛性で豪華マテリアルのカーボンとチタンを各部に採用する「ディアベル チタニウム」だ。世界限定500台の希少なマシンとなっている。
トータル3マシン構成となった「ディアベル」シリーズだが、エントリークラスとなる本モデル「ディアベル」は、特筆すべきアップデートは行われておらず、前年同様のスペックで継続された。
パワーユニットは、ツインスパーク仕様にアップデートされた1,198.4㏄の「テスタストレッタ11°DS」エンジンを搭載する。日本国内向けは最高出力が6,500回転112馬力で、最大トルクは6,250回転117Nmというスペック。本国イタリアモデルは、162馬力・130.5Nmの高出力仕様となっていた。
灯火類は全てLED化されているので、ダークな外観とLEDの煌びやかな光は、夜間に圧倒的な存在感を放つ。
限定モデルとして展開された「ディアベル チタニウム」だが、燃料タンクカバーの一部やヘッドライトカバーにチタンが採用されて、前後フェンダーやフロントスクリーン、スプロケカバーなどにカーボンが使用されている。さらにシートはアルカンターラ仕様。前後ホイールは専用デザインの鍛造タイプを履く。各軽量パーツの採用で重量は234kgと本モデルより5kg軽い。ただ、この重量は既存モデルの上級グレード「ディアベル カーボン」と同じとなる。それでいて、価格は334.9万円(税込)で本モデルより130万円、「ディアベル カーボン」より約80万円高くなる。この価格差をどう判断するかはライダーの考え方次第となるだろう。
なお2015年式の本モデルは、引き続き「ダークステルス」の1カラー展開。価格は204.9万円(税込)で、7.9万円の値上げとなった。

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解説記事更新日：2024年01月06日

「ドゥカティ」初となるスポーツクルーザーとしてデビューした「ディアベル」だが、2016年ラインアップには、上位排気量クラスに新たなマシンが投入された。
「X ディアベル」と名付けられたニューモデルは、150馬力・126Nm仕様(日本モデル)の1,262cc「テスタストレッタDVT」エンジンを搭載する。駆動方式にはメンテナンス性に優れたベルトドライブを採用するという特徴的なディテールを持つ。新たな「ディアベル」の登場で、ドゥカティのクルーザーカテゴリが拡充しつつある。
なお、シリーズの中でもエントリークラスという存在になった本モデル「ディアベル」だが、2016年式はアップデートの実施は無く従来通りのスペックで続投された。
スチール製のトレリスフレームにL型ツインという伝統スタイルの中にも240mmのファットなリヤタイヤやフルLED灯火類、スマートキーシステムといったファッショナブルで実用性に優れた装備を採用することで迫力のスタイルとは裏腹に親しみやすいキャラクタに仕上がっている。
エンジンは、1198.4㏄の水冷4バルブ90度Vツインの「テスタストレッタ11°」を搭載する。日本向けの最高出力は6,500回転で112馬力を発生。最大トルクは、6,250回転で117Nmに到達する。ライディングモードは、「アーバン」、「スポーツ」、「ツーリング」の3タイプが用意されているので、普段使いから長距離移動にも対応可能なスポーツクルーザーだ。
カラーラインアップは、ダークで精悍なイメージの「ダークステルス」を展開。価格は208.6万円(税込)で3.7万円の値上がり。ちなみにニューカマーの「X ディアベル」は、同じく「ダークステルス」の1カラー展開で、価格は227.8万円(税込)となっていた。

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解説記事更新日：2024年01月06日

ベルトドライブと「テスタストレッタDVT」を組合せる「X ディアベル」が前年に登場したことで、ますますラインアップが拡充しているドゥカティのクルーザーカテゴリだが、2017年式の本モデル「ディアベル」は出力特性が変更されてパワーアップした。
スチールパイプを使用するトレリスフレームにマウントされるエンジンは、1198.4㏄の水冷4バルブV型2気筒ユニット「テスタストレッタ11°DS」となる。
日本モデルの最高出力は、従来の6,500回転112馬力から9,000回転150馬力へ向上。最大トルクも6,250回転117Nmから8,000回転123Nmまで向上している。
750mmの足つきの良いシート高と1,580mmのホイールベースでクルーザースタイルに仕上がっているが、足回りはマルゾッキの50mm大径倒立フォークや片持ちスイングアームにモノショックという構成でスポーティなライディングも楽しむことができる。
ライバルモデルとしては、ハーレーの「VRSCDX ナイトロッド スペシャル」が比較対象になるだろう。リヤタイヤは18インチとなるが本モデルと同じ240mmのファットタイヤを装着。エンジンは1,246ccのVツイン水冷Revolutionを搭載。スペックは7,000回転105Nmとなる。重量は本モデルより63kg重く302kgあるが、シート高は675mmで小柄なライダーでも足つきに不安は無いだろう。スペック重視なら「ディアベル」、ゆったりとロングツーリングを楽しむなら「ナイトロッド」といったところだろう。
なお2017年式の「ディアベル」は、「ダークステルス」の1カラー展開で、価格は前年から2.9万円の値上がりで211.5万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2024年01月06日

2018年の「ディアベル」シリーズには、個性的な限定バリエーションモデルが設定された。「ドゥカティ」と同じくイタリア発祥のファッションブランド「DIESEL」とのコラボレーションによって創り上げられた「ディアベル ディーゼル」だ。
アパレルメーカーらしい独創的なデザインを採用した個性的なマシンとなっていた。シートは本革のタックロールタイプで車体の各部にはアクセントカラーとしてレッドが採用されている。世界限定666台で、日本向けは284.2万円(税込)で発売された。
なおシリーズのエントリーモデルというポジションになる本モデル「ディアベル」は、カタログ上の最高出力が僅かに変化しているが、メカニカルやデザイン面での目立ったアップデートは無く従来通りの仕様で継続されている。
エンジンはライドバイワイヤ制御のツインスパーク仕様「テスタストレッタ11°DS」を搭載する。1,198.4㏄のL型ツインは9,000回転で152馬力に到達する。最大トルクは8,000回転123Nmというスペック。
メガクルーザーのような周囲を圧倒するボリューミーなボディだが、足回りは前後フルアジャスタブル仕様のサスペンションをセットして、タイヤはピレリの「ディアブロ ロッソⅡ」を履くなどスポーティな構成に仕上げられている。
カラーリングは、「ダークステルス」の1カラーで前年と同じ。価格は3万円の値上げが行われて214.5万円(税込)となった。
なお2011年に衝撃のデビューを飾って以降、途切れることなくラインアップを継続してきた「ディアベル」だが、今回の2018年式が最終仕様となる。
翌2019年には次世代モデル「ディアベル 1260」へと進化を遂げた。

買替や売る際の買取査定は、2018年式 ディアベルの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年01月08日