買取上限
217 万円相場平均
93.5~133 万円買取上限
204 万円相場平均
128~157 万円買取上限
194 万円相場平均
120~151 万円買取上限
190 万円相場平均
78.1~116 万円買取上限
167 万円相場平均
114~132 万円買取上限
133 万円相場平均
80.4~98.8 万円買取上限
127 万円相場平均
76.2~96.1 万円買取上限
120 万円相場平均
72~89.7 万円2013年、BMW Motorradの創立90周年を記念し、メーカー初の公式な「ネオクラシック(ヘリテージ)」セグメントを切り拓く先駆者として誕生した「R nineT」。主力モデルが水冷ボクサー時代へと突入する中、あえて熟成の極みにあった「最後の空油冷ボクサー(DOHC 1170cc)」を搭載し、最新の電子制御を削ぎ落としたピュアな走りと、無限のカスタムを前提としたモジュール構造を採用。瞬く間にネオクラシックブームの頂点に君臨し、その後の多彩な派生モデル展開によってBMWの新たな屋台骨を支える大黒柱へと成長した。
| 登場年 | モデル名 | スタイル / コンセプト | フロントサス | ホイール(標準) |
|---|---|---|---|---|
| 2013年〜 | R nineT(初代) | プレミアム・ロードスター(アルミタンク等) | 倒立フォーク(S1000RR譲り) | 17インチ(スポーク) |
| 2016年〜 | R nineT Scrambler | アップマフラーのアウトドア・スクランブラー | 正立フォーク | 前19/後17インチ(キャスト) |
| 2017年〜 | R nineT Pure | カスタムベースとなるミニマルな廉価版 | 17インチ(キャスト) | |
| R nineT Racer | ロケットカウルを纏ったカフェレーサー | |||
| R nineT Urban G/S | 伝説の初代R80G/Sをオマージュした復刻版 | 前19/後17インチ(キャスト) | ||
| 2019年 | R nineT /5(スラッシュ5) | 1969年の「/5シリーズ」誕生50周年記念モデル | 17インチ(スポーク) | |
| 2021年〜 | 後期型(全モデル) | Euro5対応、電子制御スロットル(Ride-by-Wire)採用 | ||
| 2024年〜 | R12 nineT | フレームを一新した次世代の後継モデル | 倒立フォーク | 17インチ(キャスト/スポーク) |
R nineTの車名にある「ナインティ(90)」には、BMW Motorrad創立90周年(1923〜2013年)と同時に、もう一つの重大な意味が込められている。それは1973年に誕生し、AMAスーパーバイク選手権の初代王者(1976年)となった伝説のスーパーバイク**「R90S」へのオマージュ**である。R90Sといえば、量産二輪車として世界で初めてビキニカウルを標準装備し、「メーカー純正カフェレーサーの先駆け」として世界を席巻した歴史的マスターピースだ。初代R nineTは、市販化に先駆けてカスタムビルダーのローランド・サンズと共同制作された、R90Sモチーフのコンセプト車「Concept Ninety」の熱狂的反響を具現化したものだ。
実はBMWのネオクラシック参戦は、周りを見渡せば「最後発」であった。トライアンフやドゥカティ、日本勢などが、かつてR90Sが鎬を削った往年のライバルたち(Z1やCB750 FOUR、750SSグリーンフレーム等)のオマージュ機を市場に投入し先行する中、BMWが遅れを取った最大の理由は、ボクサーエンジンを懐古趣味の遺物としてではなく、GSやRTといった第一線で戦うための**現役最新鋭エンジン**として常に最先端の進化をさせ続けていたからだ。しかし2013年、次期主力機たちの「水冷化」が決定したことで、長年熟成された空油冷ボクサーが初めて第一線を退く(レガシーとなる)ことになった。この歴史的転換期と創立90周年が重なったことでBMWはついに重い腰を上げ、あえて旧世代となった「最後の空油冷ボクサー」をR nineTに搭載。水冷機にはない荒々しい鼓動感と造形美を残し、究極のヘリテージモデルとして世に放ったのである。なお、2014年の国内発売時の価格は190万円(税込)という強気な設定であり、ボディカラーも精悍な「ブラック・ストーム・メタリック」の1色のみという、絶対的な自信に満ちたデビューであった。
クラシカルな外見とは裏腹に、フロントにはスーパースポーツモデル「S1000RR」譲りの倒立フォークとラジアルマウント・ブレーキキャリパーを装備し、強烈なスポーツ性能を秘めている。さらに特筆すべきは、リアフレームがボルトオンで簡単に取り外せるモジュール構造を採用し、さらに車体側とエンジン側の配線(CAN-bus回路)を分離することで、これまでBMWのネックであった電装系のカスタムを容易にした点だ。
モーターサイクルのカスタム文化において、街のビルダーや社外パーツ市場から草の根的に文化が育っていったハーレーダビッドソン等とは対極にあり、BMWは創業時から「純正状態こそが至高」という厳格な哲学を貫いてきた。そんなBMWが自ら「切った張った」のカスタムベースとなる車体を供給したことは歴史的革命であった。BMWは単に市場に丸投げするのではなく、デビューと同時にアクラポヴィッチ製マフラーやアルミ削り出しパーツ(後のプレミアムライン「Option 719」等)といった超高品質なメーカー純正カスタムパーツを周到に用意。カスタムという行為を自社の高収益ビジネスとして囲い込む、極めてクレバーな「トップダウン型のカスタム文化」を仕掛けたのである。
しかし結果として、このBMWの公式な「カスタム解禁」宣言は、世界のBMWアフターパーツ市場を爆発的に活性化させることとなった。メーカー純正のプレミアムパーツが市場を牽引する一方で、Unit GarageやRizomaをはじめとする世界中の名門ビルダーやサードパーティがこぞってR nineT専用パーツを開発。ハーレーのような草の根のストリート色とは異なるものの、メーカー純正と社外パーツがハイエンドな領域で互いに刺激し合い共存する、かつてない洗練されたカスタム・エコシステムが完成したのである。
【カスタム傾向】倒立フォークとアルミタンクを奢られた初代は「プレミアム・スポーツクラシック」としての素性の良さを活かし、リアフレームを外したショートテール化や、アクラポヴィッチ製マフラーへの換装など、シルエットをより低く攻撃的に見せるカスタムが王道となった。
【査定プレミアム】2016年以前の初期型は、後のEuro4/Euro5規制による厳しい音量・排ガス規制を受ける前のモデルであるため、ボクサーエンジンの排気音が最も荒々しく力強い。そのため「最もピュアなR nineT」として中古市場で根強い人気を誇る。また、高額なメーカーオプションであった「溶接跡残しのアルミタンク(手磨きブラッシュド仕上げ)」装着車は、そのクラフトマンシップの高さからプラス査定の対象となる。
| モデル | 特徴 |
|---|---|
| Scrambler | アップマフラーと19インチフロント |
| Pure | スチールタンクの廉価版ベース機 |
| Racer | ロケットカウル+セパハン仕様 |
| Urban G/S | R80G/Sをオマージュした仕様 |
| /5(スラッシュ5) | 1969年の名車「/5」誕生50周年を記念した限定車 |
初代R nineTの爆発的ヒットを受け、BMWは一気に4つの派生モデル(スクランブラー、ピュア、レーサー、アーバンG/S)を展開する。特筆すべきは、初代が「アルミタンク+倒立フォーク(190万円)」という超高級路線だったのに対し、派生モデル群は「スチールタンク+正立フォーク+シンプルな1眼メーター」へとあえてダウングレードし、車両本体の価格を大幅に抑えた(ピュアで160万円台〜等)点である。これは単なるコストダウンではなく、**「浮いた車体価格の分で、BMWが力を入れている高額な純正カスタムオプション(後のOption 719などのビレットパーツ群)を購入してもらう」**という、極めてしたたかな販売戦略であった。特に『ピュア』などはまさにその「純正カスタムを施すための真っ白なキャンバス」としての役割を担い、BMWの狙い通り、多くのユーザーが豊富な純正オプション沼へと足を踏み入れることになった。
『レーサー』は70年代のR90Sなどのスポーツカウルを彷彿とさせ、『アーバンG/S』は名前の通り1980年の初代R80G/Sの白×青×赤のカラーリングを完全再現している。また、2019年には1969年の名車誕生50周年を記念した特別仕様『/5(スラッシュ5)』も限定発売された。単なるスタイルの違いではなく、BMWが過去に歩んできた歴史的な名車たちを、現代の空油冷ボクサーのキャンバス上に復刻させるというファン胸熱の展開であった。
【カスタム傾向】『ピュア』は完全なベース機として全塗装や社外カウル装着に重宝され、『アーバンG/S』はブロックタイヤや巨大なパリダカキット(Unit Garage製等)を組む本格オフロード仕様が流行。一方『レーサー』は、スタイルを先鋭化させる純カフェレーサー仕様の他、その美しさとは裏腹に乗車姿勢が極めて過酷であったため、あえてアップハンドル化する切実な実用カスタムも多く見られた。
【査定プレミアム】この世代で特筆すべきプレミアムモデルは『レーサー』である。新車当時はその過酷なポジションゆえに販売が振るわず短命に終わったが、絶版後にその圧倒的な造形美が再評価され、中古市場で価格が高騰するというカルト的な逆転現象を起こしている。また、1969年オマージュの『/5』や、後の『40周年記念GSエディション』などの限定特別仕様車も、コレクターズアイテムとして確固たる高値相場を形成している。
厳しいEuro5排ガス規制をクリアするため、2021年モデルからシリンダーヘッドのデザインが一新され、同時に電子制御スロットル(Ride-by-Wire)が採用された。これにより「Rain」「Road」などのライディングモードが実装され、コーナリングABSなどの最新安全装備も標準化。空冷ボクサーの味わいはそのままに、中身は完全な現代のバイクへとアップデートされた。
そしてR nineTの登場から10年が経過した2024年、ついにフルモデルチェンジが行われ「R 12 nineT」へと名前を変えた。そもそも「nineT(ナインティ)」という車名は、BMW伝統の厳格なネーミング規則(R 1200等の『エンジン形式+排気量区分』)から完全に逸脱した、90周年特例のイレギュラーな名前であった。単独の記念モデルとして始まったR nineTが「ヘリテージ」という一大ジャンルを切り拓いたわけだが、後に巨大クルーザー「R 18」が登場したことで、ヘリテージ部門は複数の排気量クラスを持つひとつの「ファミリー(グループ)」として正式に確立された。そのため今回の刷新にあたり、エンジン自体は伝統の1,170cc空油冷ボクサーを継承しつつも、ファミリー内のクラス分けを明確にするというBMW本来の命名規則へと回帰し、新たに「12(1200ccクラス)」という区分が冠されたのである。
最大の変更点は、10年間使い続けたメインフレームを一新し、従来の複数ピース構造から「スチール製トレリス構造の1ピースフレーム」へと変更したことだ。これによりエアボックスのシート下移設が実現し、よりスリムでクラシックなタンク形状を獲得した。またこの世代では先代で乱立した派生モデル群が整理され、本流のロードスターである「R 12 nineT」を主軸とし、その派生バリエーションとしてクルーザー仕様の「R 12」を展開する2機種体制へと絞り込まれた。先代の派生モデル群は、ベースフレームを共有しながらも外装や専用部品の変更点が多すぎた割に、一部のモデル(過酷なポジションのレーサー等)は販売台数が伸び悩むなど、メーカーとして生産・在庫管理の面で課題を残していたからだ。新型ではあえてベース車を絞り込み、様々なスタイルへの変化は「Option 719」等の純正パッケージング(カスタマイズ・オプション)に集約させるという、より洗練されたモジュール戦略へと完全移行したのである。
【カスタム傾向】電子制御スロットルや高度なABS機構が組み込まれたことで電装系がさらに複雑化したため、フレームを切断するようなハードコアな改造よりも、BMW純正の最高級ビレットパーツ群「Option 719」などをふんだんに盛り込み、ボルトオンで工芸品のような質感を高める「ファクトリー・カスタム」的な楽しみ方が主流となっている。
【査定プレミアム】クルーズコントロール等の現代的な快適装備が網羅されているため、実用性を重視する層からの需要が極めて高く、高水準の買取相場を維持している。中でも、BMW Motorrad創立100周年を記念して世界限定1923台のみ生産された「100 Years」エディションは、クロームメッキタンクなどの専用装備を纏っており、初代フレーム(R nineT)の10年の歴史を締めくくる究極のプレミアムモデルとして、別格の査定額が約束されている。
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