BMWモトラッド伝統のボクサーツインを純粋に楽しむためのマシンが2017年に登場。それが、本モデル「R nineT ピュア」である。ベースになっているのは2014年から展開されている「R nineT」で、バリエーションモデルの1台として新たに追加されたマシンとなる。
車体は、フロントメイン・リアメイン・リムーバブルパッセンジャー部分の3フレームから成るモジュラー構造を採用。
パワートレインには、ボア・ストロークが101mm×73mmの1,169cc空油冷ボクサーツインエンジンを搭載。デビューモデルとなった2017年式の最高出力は7,750回転110馬力というスペック。最大トルクは、6,000回転116Nmという仕様だった。
駆動系統には6速トランスミッションとシャフトドライブを組合せる。
シート高はベースモデルの「R nineT」より30mm低い775mmに設定されていた。
足回りは、フロントにインナーチューブが43mm径のテレスコピック正立フォークを装備して17インチのアルミキャストホイールとダブルディスクブレーキという組み合わせ。
ベースモデルが46mmの倒立フォークにワイヤースポークホイールを装着していたことと比較するとコストダウンモデルの様にも見える。ただ、そこは所有ライダーがカスタムを施してオリジナルマシンを創り上げるためのベース素材を想定して開発されたマシンということを考えると納得できるディテールである。
リアは、アルミキャスト製の片持ちスイングアームにモノショックを組みあわせる。ABSは標準装備だ。
スタイリング面では、シンプルなシングルメーターにバーハンドル、17L燃料タンクと同色にペイントされたスチール製のフロントフェンダーなど1970~80年代のロードスターマシンを彷彿とさせるようなデザインが各部に見られる。
ライバルモデルとしては、国産ネオレトロスポーツとして2016年に発売された、ヤマハの「XSR900」が比較対象になるだろう。軽量高剛性なダイヤモンド型フレームに搭載するエンジンは845ccのDOHC4バルブ水冷並列3気筒ユニット。最高出力は9,000回転で110馬力を発揮。最大トルクは8,500回転で88Nmというスペック。ピークパワーは互角だが重量が本モデルより21kg軽い195kgに収まっているのでパワーウェイトレシオは「XSR900」が有利。しかしながらピークトルクは本モデルがより低回転側で太いトルクを発揮するので実際に乗り比べると実用域でのパワフル感は「R nineT ピュア」が勝るかもしれない。
なお、デビュー以降の本モデルはカラーチェンジを実施しながら2019年モデルでダイナミックブレーキライトを搭載。2021年にはモデルチェンジで以下のアップデートを受けている。

・EURO5適合
・出力特性変更
・シリンダーヘッドリニューアル
・走行モード選択機能搭載など

ヨーロッパの排ガス規制EURO5に対応するための仕様変更を実施して環境性能を高めた。スペック面では最高出力が109馬力にダウンしたが、ピークパワーに達するタイミングが従来よりも500回転下がり7,250回転となったので、体感できるほどのスペックダウンは無いだろう。
このアップデートによってマシンの完成度が高められた後も引き続き「R nineT」シリーズのベーシックモデルというポジションで展開を続けている。

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解説記事更新日：2023年03月18日

2017年に新登場したBMW RnineT ピュアの初期モデル。
ベース車であり先駆けて発売されていたRnineTの廉価版、カスタムベースといえる立ち位置である本車、エンジンはシリーズ共通の1200cc空油冷4ストローク水平対向2気筒を採用、最高出力は110PS/7,750rpm、最大トルクは116Nm/6,000rpmを発揮した。
RnineTとの差はフロントサスペンションが倒立式から正立式になったフロントフォークやホイールは17インチのキャストホイール、また各部のパーツが鋳造製から鍛造製となっている。
ボディカラーにはカタラノグレーを設定。
新車販売価格は173.6万円(税込)で同年型のRnineTより約25万円も安く、カスタム要素の幅広さから長く付き合えるというイメージもあり、初めてのBMWとして人気を博した。
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解説記事更新日：2022年01月17日

仕様変更は無く発売された2018年モデルのRnineT ピュア。
ボディカラーにも引き続きカタラノグレーを設定。
新車販売価格はUS＄11,995(2018年のレートでは日本円で130万円前後)だった。
ちなみに海外モデルはシート高が32inch=812mmとなっているが日本国内向けには日本仕様ではリアサスにローダウンサスペンションが採用され、それに伴いシート高は775mmに低下しているので足つき性は良好だ。また、ローダウンされているのはリアサスのみであるためオリジナルモデルと比べてハンドリング性の変化も少ないとされている。
国産の大型スポーツヘリテイジとしてライバル車にMT-09から並列3気筒エンジンとアルミフレームを受け継ぎ、R nine T ピュアと同じく丸目ヘッドライトでヘリテイジスタイルを演出したヤマハのXSR900が挙げられるだろう。XSR900の方が排気量は少ないもの最高出力は116PS/10,000rpmとR nine Tより6PS高く、装備重量は195kgでR nine Tより約20kg軽量だった。
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解説記事更新日：2022年05月11日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2019年モデルのRnineT ピュア。
新たに急制動時にブレーキランプが点滅し後続車に急なブレーキを知らせるダイナミックブレーキライトを採用。
カラーバリエーションにはOption 719 ブラックストームメタリック×アルム、Option 719 ブラックストームメタリック×ライトホワイトユニの2色を設定。
日本国内向けの新車販売価格は179.2万円(税込)だった。
オーソドックスなグレーのボディから一新し派手目なグラフィックとなった2019年モデル。特にブラックストームメタリック×アルムは金融系のお兄さんの様な黒×金が特徴的でアルムはラテン語で黄金という意味だそうだ。
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解説記事更新日：2022年01月17日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2020年モデルのRnineT ピュア。
新たにASC(オートマチック・スタビリティ・コントロール)を搭載。
カラーバリエーションには新色としてルパンブルーメタリックを追加、既存色からはOption 719 ブラックストームメタリック×アルム、Option 719 ブラックストームメタリック×ライトホワイトユニの2色が継続採用されて計3色となった。
新車販売価格はUS＄9,995/£10,510GBPだった。
カスタムベースとしての人気も高く世界中で数多くのビルダーに愛された本車。ワンダーリッヒのショートスクリーン、ハンドルアップキットやヘプコ＆ベッカーのエンジンガード、ACシュニッツァーのアンダーカウルなどのカスタム車は査定額が伸びる傾向に。
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解説記事更新日：2022年01月17日

ノスタルジックなスタイルのヘリテイジシリーズ「R nineT」は、2021年モデルで各部の仕様変更を実施してブラッシュアップを実施。シリーズの中でもカスタムベースに最適なベーシックモデル「R nineT ピュア」も以下の内容でアップデートを受けている。

・シリンダーヘッド変更
・EURO5適合
・ライディングモード選択機能採用
・出力特性変更
・USBソケット装備
・サスペンション仕様変更
・カラーチェンジ

今回の仕様変更の主な目的は時を追うごとに基準が厳しくなる環境規制に対応することだった。各部のアップデートによってヨーロッパの環境規制EURO5に適合。
最高出力は7,250回転109馬力というスペックで、従来の7,750回転110馬力から僅かにパワーダウン。最大トルクは6,000回転116Nmから変わっていない。ピークパワーは僅かにダウンとなっているが、発生するタイミングが500回転下がっているので実用域においてのスペックダウンを感じることは無いだろう。
実用装備面では、「ロード」と「レイン」の2タイプから選択できる走行モード選択機能が実装された。さらにヘッドライトやウィンカーといった灯火類はフルLED化。さらにUSBアクセサリー電源ソケットが採用されてスマホなど電子デバイスの充電等が可能となった。
レトロなスタイリングの中にも最新の電子デバイス機能を組み込むことで安心して乗れるヘリテイジマシンである。
なお2021年式のカラーバリエーションは、「ミネラルグレーメタリック」、「ティールブルーメタリックマット」、「ブラックストームメタリック×レーシングレッド」、「コスミックブルーメタリック×ライトホワイト」の4タイプ。価格は北米仕様が10,995USドルから展開された。

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解説記事更新日：2023年03月18日

前年のモデルチェンジでEURO5に適合し、走行モード選択機能を搭載するなど各部のアップデートでマシンの完成度が高められた「R nineT ピュア」。2022年式は、大きな仕様変更を受けることなくラインアップを継続。
2014年にデビューした「R nineT」は、「レーサー」、「スクランブラー」、「アーバン G/S」、「ピュア」とバリエーションモデルを追加していき、豊富なシリーズ展開のヘリテイジモデル群へと成長してきた。
その中でも本モデル「R nineT ピュア」は、カスタムベースの「素材」とされることを想定して開発されたグレードだ。エキゾーストパイプはシンプルなシングル仕様で、メーターもコンパクトなシングルタイプを採用する。
フロントサスペンションは、ベースモデルが46mmの倒立フォークを装備しているのに対して、本モデルはマルゾッキの43mm正立フォーク仕様となる。ホイールは前後17インチンアルミキャスト製でブレーキはフロントに320mmディスクをダブルでセットしてブレンボ製の4ピストンキャリパーを組合せる。リアは片持ちスイングアームにプリロードリバウンド調整可能なモノショックという構造。
マシンの心臓部には、1,169ccのボクサー2気筒エンジンを搭載する。最高出力は7,250回転109馬力、最大トルクは6,000回転116Nmというスペック。
ライバルモデルとしては、ホンダの「CB1100RS」が比較対象になるだろう。2021年10月に最終モデルの「ファイナルエディション」が設定された国産ネイキッドだ。
排気量1,140ccのエンジンは7,500回転90馬力というスペック。最大トルクは5,500回転91Nmという仕様。スペック面では見劣りするが、希少な空冷4気筒エンジンということでノスタルジックな味わいを感じさせるマシン。
なお2022年式の「R nineT ピュア」は、前年同様の「ミネラルグレーメタリック」、「ティールブルーメタリックマット」、「ブラックストームメタリック×レーシングレッド」、「コスミックブルーメタリック×ライトホワイト」の4カラーが用意されている。
価格は北米仕様が、10,995USドルから設定された。

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解説記事更新日：2023年03月18日

無駄を極限まで削ぎ落すことで無限のカスタムの可能性を創り上げるクラシカルなオンロードスポーツ「R nineT ピュア」は、2023年モデルでいくつかのアップデートを受けてマシンの完成度がさらに高められた。

・デイタイム・ラインディング・ライト採用
・カラーチェンジ

カスタムベースのキャンバスとして最適なボディはシンプルな4カラーバリエーションを設定。ブラックアウトされたマシンの各部とマッチする「ミネラル・グレー・メタリック」、手磨きとマット仕上げのクリアペイントが施されたOptin 719の「アルミニウム」、ツートーンタイプの「アンダーグラウンド×ライト・ホワイト」、そして「ポーラー・メタリック×ライト・ホワイト」だ。価格は197.1万円(税込)からとなっている。
ちなみにスタンダードモデルの「R nineT」は、230.3万円(税込)からで本モデルより高価な設定。この価格差には、フロントフォークが「R nineT ピュア」は正立フォークであることやマフラーがシンプルなシングルレイアウトを採用していることなどが関係している。装備面では、メーターが「R nineT」が2眼タイプを採用しているのに対して本モデルは単眼タイプとなる。
2023年式の本モデルには、あらたにデイタイム・ランディング・ライトが与えられた。日中でも点灯するライトを装備することでマシンの存在を周囲に知らせることで安全性を高めると同時にファッション性も高められている。
メカニカルな部分の変更は無く、排気量が1,169ccの空油冷ボクサーツインエンジンで続投。最高出力は7,250回転で109馬力を発揮。最大トルクは6,000回転で116Nmに達する。
足元は、リアサスペンションに工具不要で手動調整可能なモノショックをセット。豊富なラインアップで用意されているオプションパーツの中からダブルフロウ・エキゾーストシステムをチョイスすれば、優れた静粛性の中にも刺激的なサウンドとラインディングを楽しめるだろう。なお日本国内向けはETC車載器が標準で装着されている

買替や売る際の買取査定は、2023年式 R nineT ピュアの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年06月24日