BMWモトラッドは誕生90周年という節目となるタイミングでノスタルジックなスタイルを採用するニュータイプのロードスターを展開。それが2014年4月に国内向けも発売された「R nineT」だ。
車体は4ピース構造のスチールフレームを採用。そこにBMWモトラッド伝統の水平対向2気筒エンジンを搭載する。ボア・ストロークは101mm×73mmの1169ccユニットで、最高出力は7,550回転110馬力というスペック。最大トルクは6,000回転で119Nmに達する。
1923年に登場した「R32」にルーツを発するボクサーエンジンは、迫力ある造形デザインや特徴的なサウンドが魅力的なパワートレインだ。
トランスミッションは6速リターン式、駆動方式はもちろんシャフトドライブを採用する。
足回りは、フロントサスペンションにスーパースポーツ「S1000 RR」譲りの46mm倒立フォークを装備。17インチのスチールスポークホイールに320mmのダブルディスクと4ピストンラジアルマウントキャリパーを組合せる。
リアはパラレバーシングルスイングアームにセンタースプリングストラットをセット。ホイールはフロントと同径の17インチで、ブレーキは265mmのシングルディスク仕様。キャリパーは2ピストンのフローティングタイプという構造。ABSは標準装備でデビュー。
スタイリング面では、往年のカフェレーサーをイメージさせるようなデザインで仕上げられている。シンプルな創り込みが特徴的なマシンだが、車体の左サイドには存在感を主張する2段レイアウトのエキゾーストパイプが設置される。優れた質感の燃料タンクは18L容量でアルミ製を採用する。日本国内向けは190万円(税込)から展開された。
ライバルモデルとしては、2009年から展開されている国産マシンのホンダ「CB1100」が比較対象になるだろう。車体はダブルクレードル型フレームに1140ccの空冷直列4気筒エンジンを搭載。最高出力は7,500回転88馬力というスペック。本モデルが登場した2014年にはマイナーチェンジでトランスミッションが従来の5速から6速へアップグレードされていた。重量は246kgとなる。最新モデルの様な設計ではなく、ノスタルジックな要素を取り入れたオーソドックスなネイキッドモデルなのでスペックは控えめ。今となっては貴重な空冷4気筒エンジンなので、ルックスだけでなく構造面でも古き良き時代を感じたいというライダーには「CB1100」もアリだろう。
なおデビュー以降の「R nineT」は、カラーチェンジを実施しながら2017年モデルで最初のマイナーチェンジを実施。サスペンションのセッティング変更やステアリングヘッド角の変更など構造面のアップデート受けて走行性能が向上。
以降は、2021年モデルで以下の仕様変更を実施。

・EURO5適合
・シリンダーヘッドリニューアル
・ライディングモード選択機能搭載
・足回り仕様変更
・アダプティブコーナリングLEDヘッドライト採用など

最新の排ガス規制に対応するとともに電子デバイス機構の強化を受けてマシンの熟成が高められた。そして2022年12月には限定モデルの「R nineT 100 Years」も発表された。

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解説記事更新日：2023年03月10日

2014年にBMWから発売されたRnineTの初期モデル。
BMW Motorradの創立90周年を記念して登場し、エンジンには1,169ccの空油冷4ストロークDOHC水平対向2気筒エンジンを採用、最高出力は110PS/7,750rpm最大トルクは119Nm/6,000rpmを発揮した。
フレームはスチールパイプ製4ピース型を採用、足回りではフロントにテレスコピック式倒立フォーク、リアにはパラレバー・スイングアームを採用。
ボディカラーはブラックストームメタリックの1色を設定、
国内での新車販売価格は190万円(税込)だった。
以降BMWはRnineTのエンジンをベースに、シンプルでカスタム要素の強いRnineT PURE、正立式フロントフォークに19インチのキャストホイールを合わせたRnineT Scrambler、ロケットカウルにセパハンのRnineT Racer、パリダカ風の怪鳥スタイル RnineT UrbanG/Sなどの多種多様な派生モデルを投入していく。
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解説記事更新日：2022年01月17日

仕様変更は無く発売されたBMWのネオクラシックモデルであるRnineT 2015年モデル。
ボディカラーには引き続きブラックストームメタリックを設定(画像は純正オプションのリアシートカウル付)。
新車販売価格も先代モデルから据え置きの190万円(税込)だった。
前年の2014年末にはBMWがメーカー主催でRnineT Custom Projectというカスタムショーを行なっており、 RnineTを自由にカスタマイズするという試みで国内の4人のアーティストに声がかかり、ハーレーカスタムで知られるCherry’s Company黒須嘉一郎とHIDE MOTORCYCLE富樫秀哉、ストリートスタイルのBRAT STYLE高嶺剛、カフェレーサースタイルに定評のある46Works中嶋志朗が4者4様のカスタマイズを披露した。
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解説記事更新日：2022年01月17日

仕様変更は無く発売された2016年モデルのRnineT。
スタンダードモデルは変更は無かったものの新車販売価格の改正がありこれまでの190万円→192.5万円(税込)となった。
また、2016年にはスペシャルカラーモデルとしてヘアライン加工を施されたアルミタンクを採用する
限定100台のスペシャルエディションを発売。オプションパーツであるグリップヒーターを標準搭載し、新車販売価格は205万円(税込)となった。
ちなみにヘアライン加工の燃料タンクとグリップヒーターは通常のオプション価格では約34万円となるが、スペシャルエディションのスタンダードモデルとの価格差はその半分以下の12.5万円でありかなりお得な価格設定になっていた。
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解説記事更新日：2022年01月17日

RnineTとしては初となるマイナーモデルチェンジを受けて発売された2017年モデル。
エンジンマッピングとエキゾーストパイプ内の三元触媒を変更し新たに欧州の排ガス規制であるユーロ4へ対応。
足回りでは倒立フロントフォークのプリロード／ダンピング／リバウンドがフルアジャスタブルとなり、ステアリングヘッドアングルが64.5°→63.2°へ、キャスターも102.5mm→107.9mmになり、ワイヤースポークホイール、トップブリッジ、クラッチマスターシリンダーなども変更を受けている。
従来の丸型2連の間に液晶があったメーターは液晶を廃止してよりシンプル×レトロなスタイルに。スピードメーターの最高速は従来の240km/h→220km/hへと表記が変更され、液晶に表示されていた各種情報は左右のメーター内に新設された液晶パネルに表示されるようになった。
また、これまでオプション設定であったグリップヒーターが標準搭載となっている。
ボディカラーにはこれまで通りブラックストームメタリックを設定。
新車販売価格は198.5万円(税込)だった。
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解説記事更新日：2022年01月17日

カラーチェンジを受けて発売された2018年モデルのRnineT。
また、この2018年モデルからデザイン性に優れたカスタマイズ・プログラムBMW Motorrad Spezial (ビーエムダブリュー・モトラッド・スペチアル)がスタート。
スペシャル・タンク・ペイントとしてブラック・ストーム・メタリック/ヴィンテージ、ブルー・プラネット・メタリック/アルミニウムの2色を設定すると共に専用にデザインされたシート・ホルダーやシリンダー・ヘッド・カバーをなどを採用したメーカーカスタムモデル「Option 719」を設定。Billet Pack Classic / Billet Pack Storm / Billet Pack Club Sportの3種類から、好みに合わせたスタイルを選ぶことが可能となった。
新車販売価格は205.8万円(BMW Motorrad Spezial は+12.1万円、Option 719は+33.2万円)だった。
BMW R nineTはユーザーに合わせた幅広いオプションに加えてネオレトロスタイルのメーカーカスタムモデルながらもコテコテすぎず、着脱が簡単なリアフレームなど、所有者のカスタム欲を掻き立てる構成で人気を博した。
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解説記事更新日：2022年03月31日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2019年モデルのRnineT
新たに急制動時にブレーキランプが点滅するダイナミックブレーキングライトを採用。
カラーバリエーションにはOption 719マーズレットメタリックマット×コスミックブルーメタリックマット、ポラックスメタリック×アルミニウムの2色を設定した。
国産モデルのライバル車にはヤマハのMT-09が挙げられる。2019年モデルの最高出力は116PS/10,000rpm、装備重量は193kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとMT-09は1.66kg/PS、RnineTは2.01kg/PS(110PS/装222kg)となっており、パワーバンドではMT-09が8,500-10,000rpm、対するRnineTは6,000-7,750rpmとなっていた。
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解説記事更新日：2022年01月17日

BMWモトラッドが手掛けるネオレトロスポーツの「R nineT」は、2020年モデルで以下のアップデートを受けた。

・ASC搭載(ドイツ本国仕様)
・カラーチェンジ

世界各国に展開されている本モデルだが、今回の2020年式から本国仕様はオートマチックスタビリティコントロール(ASC)が標準装備となった。リアタイヤがスリップすると電子制御が作動してトラクションをコントロールするというシステム。
スペック面の変更は無く、1,169ccの水冷ボクサーエンジンは7,750回転で110馬力を発揮。車体サイドから張り出すシリンダーヘッドが存在感を主張するトレードマークだ。
シート高は803mmなので足つき性は良好。
クラシカルな海外メーカーモデルと比較するならトライアンフの「ボンネビル スピードマスター」が候補として挙がるだろう。マシンの心臓部は1,200㏄のOHC4バルブ水冷並列2気筒エンジン。最高出力は6,100回転77馬力という控えめなスペック。重量は245.5kgで本モデルより23.5kgも重い。スペック争いでは断トツで「R nineT」だが、走行性能よりもクラシカルなスタイルを重視するなら英国の正統派スタイルを貫く「ボンネビル スピードマスター」も魅力的だろう。
なお2020年モデルの「R nineT」は、「ステレオメタリックマット」、「ブラックストームメタリック×オーラム」、「ブラックストームメタリック×ライトホワイト」の3バリエーションを設定。価格は北米仕様が15,495USドルから展開された。

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解説記事更新日：2023年03月10日