「X-ADV」は2017年4月に登場したホンダの大型アドベンチャーバイクである。
真正面から見たデザインは近未来的なアドベンチャーモデルの風格を漂わせているが、サイドビューは都会的で洗練されたスクーターの様な印象さえ受ける。そのデザインやスペックは、これまでのバイク業界のセオリーを覆すような内容である。モデルコンセプトには「アクティブな気持ちでどこへでも行ける」というフレーズが含まれているように、都会での日常ユースから休日の日常離れした環境でのアドベンチャーユースまでを想定し、利便性と力強さをハイレベルな次元で融合したモデルだ。
パワートレインには水冷4ストロークDOHC直列2気筒のRC88E型745ccを搭載。最高出力は6,250回転で54馬力だ。トランスミッションはDCTを採用。AT限定大型2輪免許で運転することができる。制御システムには登降坂検出機能が搭載されており、運転状況から路面のアップダウンを推定して変速のタイミングが切り替わるインテリジェンス機能を備えている。この制御によりエンジンブレーキのタイミングなど走行路に応じたシフトスケジュールを実現するわけである。
足回りは、フロントに減衰力調整機能付きの倒立フォーク、リアは新設計のアルミ製軽量スイングアームにプロリンクサス仕様だ。ブレーキはフロントが4ポットキャリパーのダブルディスクで、ABSはもちろん標準装備である。ホイールはアルミリムのフロント17インチにリア15インチと異径サイズで、タイヤはブロックパターンを装着している。この足回りの仕様が、都会的にも見える「X-ADV」が悪路での高いポテンシャルをも兼ね備えていることを表している。
都会でのスマートな移動と快適性も重視していることからETC車載機やグリップヒーターといった利便性に関わる電装パーツは標準装備になっている。
デビュー当時のカラーラインアップは、「デジタルシルバーメタリック」と「CRF1000L アフリカツイン」をイメージさせる「ヴィクトリーレッド」の2パターン展開で、車両価格は「ヴィクトリーレッド」が30,000円(税抜)高かった。その後はマイナーチェンジを実施し、2021年3月にフルモデルチェンジを行いRH10型の2代目モデルへ移行している。

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解説記事更新日：2021年08月08日

2017年に発売されたX-ADVの初期モデル。読み方は「エックス-エーディーブイ」でADVはアドベンチャーの略である。　
「GO EVERYWHERE with EXCITEMENT～アクティブな心躍る気持ちで、どこへでも行ける～」をコンセプトに、欧州では人気の高い先代モデルのINTEGRA(2012〜2014年)から進化してオフロード走行も想定したアドベンチャーモデルとして登場した本車。
エンジンには水冷4ストロークOHC直列2気筒4バルブを搭載、最高出力は54PS/6250rpmを発揮。また、ホンダ独自のミッション機構であるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用。出力特性は中、低回転域を重視したものとなった。
電装系では灯火器類はフルLED、アンサーバックスイッチが付いたHondaスマートキーシステム、イモビライザー、ロングツーリングや高速道路での走行を考慮してETC車載器とスポーツグリップヒーターを標準搭載するなど豪華なものだった
カラーバリエーションにはデジタルシルバーメタリック、ヴィクトリーレッドの2色を設定。
新車販売価格はカラーごとに異なり、シルバーが112万円、レッドが115万円だった。
先代のINTEGRAから約20万円の値上がりとなった背景には新設計の倒立フォークやスイングアーム、ABSの標準搭載などのコストがかかる更新があったが、初年度で販売台数が600台を超えたということはX-ADVの搭載した数々の新装備がその額に値するものであったということだった。
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解説記事更新日：2021年09月05日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2018年モデルのX-ADV。
新たにHSTC(ホンダセレクタブルトルクコントロール)を採用。2段階のトルクコントロールを選択可能とした。また、クラッチ制御を変更するG(グラベル)スイッチを新たに採用した。
カラーバリエーションにはデジタルシルバーメタリック、キャンディークロモスフィアレッドの2色を設定。
新車販売価格は114.5万円だった。
アドベンチャーモデルのビッグスクーターという珍しい個性を持った本車。そもそもアドベンチャーモデルのビッグスクーターが少ないのはスクーターの基本構造がオンロード向けのコミューターであることが大きな理由だった。その点X-ADVは見た目はスクーターながら構造はロードスポーツに近く、インジェクションやエアクリーナーがスクーターに比べて上部にある事で防塵性も高く、スクータースタイルながら走破性の高いアドベンチャーモデルが出来上がったのだ。
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解説記事更新日：2021年09月05日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2019年モデルのX-ADV。
あらたにETC車載器を2.0へとアップグレード。
カラーバリエーションにはマットビュレットシルバー、グランプリレッド、マットアーマードグリーンメタリックの3色を設定。
新車販売価格はカラー毎に異なり、シルバーが114.9万円、レッド、グリーンが117.9万円だった。
排気量は違えどユーザーの選択肢の一つとしてよく挙がるのがヤマハのT-MAX530DXだろう。2019年モデルは車重がX-ADVより約20kg軽量であるため取り回し性ではT-MAX530が勝るものの、排気量の差を考えれば当然であるとも言えよう。また、T-MAX530DXはシートヒーターやセンタースタンド、ハザードランプなど細かいアイテムに加えてX-ADVと同じく倒立フォークを採用するなど装備は負けず劣らず豪華で、新車販売価格も125万円と、X-ADVより約10万円高かった。
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解説記事更新日：2021年09月05日

フルモデルチェンジを受けて発売された2021年モデルのX-ADV。
エンジンには新型の水冷4ストロークOHC直列2気筒4バルブを搭載。最高出力は先代モデルから4PS増しの58PS/6750rpm、最大トルクは68N・m→69N・mとなった。フレームも新形状のダイヤモンド型となり先代比で1kgの軽量化に成功。チャンバーには新たな触媒を搭載し令和2年の排ガス規制をクリアすると共に燃費は40km/L→42Km/Lに向上している。
また、電装系ではTBW(スロットルバイワイヤシステム)を新たに採用、さらにHSVCS(Honda Smartphone Voice Control system)を採用、車両とスマートフォンをBluetoothで接続し、音声操作による通話の発信、受信や音楽再生を可能とした。また、メーターは5インチTFTフルカラー液晶となり、USBポートを新設。メットインスペースの拡大21L→23Lなど使い勝手の面でも先代のRC95型からグンとアップした。
カラーバリエーションにはパールディープマッドグレー、グラファイトブラックの2色を設定。
新車販売価格は120万円だった。
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解説記事更新日：2021年09月05日

アドベンチャーバイクのアグレッシブなスタイリングとスクーターの扱いやすさを融合した大型クロスオーバーマシン「X-ADV」は、2022年モデルでカラーチェンジを実施した。
2022年式は、同年7月に120万円(税抜)で発売。前年モデルから据え置き価格となった。
カラーバリエーションは、従来の「パールディープマッドグレー」が継続となり、ニューカラーの「グランプリレッド」と「マットバリスティックブラックメタリック」が加わり3パターン展開。2021年モデルで設定された「グラファイトブラック」は廃止となった。
主要諸元に変更は無く、パワートレインにはボア・ストロークが77.0mm×80.0mmのOHC4バルブ水冷4ストローク直列2気筒エンジンを搭載。745ccの心臓部は、6,750回転で58馬力を発揮。最大トルクは4,750回転69Nmというスペック。
トランスミッションはクラッチ操作が不要の6速DCTを採用することで、スムーズな加速性能とライダーの好みに応じたシフトチェンジが可能。
重量は236kgで、足元はフロント17インチ・リア15インチの組み合わせ。ブレーキはフロントがダブルディスクでリアはシングルディスク。
一見するとスクーターの様なデザインを採用しているかのようにも感じさせるが、足回りは、倒立フォークとプロリンクという本格的なスペックとなる。
ちなみに同クラスのツーリングスポーツ「NC750X」は、本モデルとパワーユニットを共用しておりトランスミッションはDCTの他に6速マニュアル仕様も選択可能。
足回りは、前後17インチ仕様でフロントが正立フォークにシングルディスクブレーキという組み合わせ。スペック面では劣るが、価格はDCTモデルでも90万円(税抜)でリーズナブルな価格となっている。

買替や売る際の買取査定は、2022年式 X-ADVの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年11月14日

倒立フォークにブロックパターンタイヤを履いたクロススポークホイールを組みあわせてオフロードテイストを出しながらも車体はスクーターのようなフォルムの異色アドベンチャー「X-ADV」は、2025年式でマイナーチェンジを実施。以下のアップデートが行われた。

・DRL内蔵型ヘッドライト採用
・外装パーツマテリアル変更
・DCT制御プログラム変更
・クルーズコントロール採用
・ハンドルスイッチ形状変更
・シート形状変更
・フロントスクリーン調整機能仕様変更
・カラーチェンジ

主な変更内容は装備面となっている。
フロントフェイスは従来モデルより鋭い表情へとイメージチェンジ。ヘッドライトはデイタイム・ランニング・ライト(DRL)とウィンカーが内蔵された新デザインを採用したことにより見た目の印象がだいぶ変わった。また外装パーツには着色済みプラスチック「デュラビオ」をマシンの一部に使用している。さらにホンダの4輪モデルで使われた廃棄バンパーのリサイクル材も使用している。環境問題に配慮したマシン設計ということだ。
駆動系統ではDCTプログラムのアップデートによってクラッチの動作がスムーズになっている。クルーズコントロールも新採用で実用性も大きく向上。
各部のアップデートでマシンの完成度が高められた2025年式「X-ADV」は、以下のカラーリングと価格で2024年12月に発売された。

・新色「マットディープマットグレー」　143万8,800円(税込)
・新色「パールグレアホワイト」　143万8,800円(税込)
・新色「マットゴールドフィンチイエロー」　147万1,800円(税込)

なおフレームやエンジンといったマシンの骨格や主要メカニカルは変わっていない。
745ccの水冷OHC4バルブパラレルツインエンジンは、6,750回転で58馬力を発生する。最大トルクは4,750回転69Nmというスペック。トランスミッションはDCTなので日本ではAT限定の大型2輪免許で運転可能だ。

買替や売る際の買取査定は、2025年式 X-ADVの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2025年03月12日