2020年2月に登場した「CRF1100L アフリカツイン DCT」は、6速リターンマニュアルミッションを搭載した標準タイプのDCT仕様である。
2016年に発売した「CRF1000L アフリカツイン」の「True Adventure」という開発コンセプトを踏襲するモデルで、本格的な大型アドベンチャーマシンでありながらもトランスミッションに電子制御式の6速自動変速デュアルクラッチタイプを搭載することで、ゆとりのライディングを楽しむことができる。免許はAT限定の大型二輪で運転可能である。
DCTはコーナリング走行検知制御機能と相まってシフトチェンジのタイミングが走行状況に応じて最適化され、ライダーの感性に近い動作をするため滑らかでダイレクトなフィーリングを味わえる。
パワートレインは従来モデルをベースにしつつストローク量を伸ばすことで排気量をアップした水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒の1,082ccを搭載。最高出力は、7,500回転で102馬力を発揮するハイパワーマシン。スロットルバイワイヤーのレスポンスの向上が図られているので、リニアなスロットル操作感だ。
セミダブルクレードルのフレームは「CRF1000L アフリカツイン」と比較すると約1.8kgの軽量化に成功した。セレクタブルトルクコントロールには、ウイリーコントロールを新たに追加され安心感が増している。また、車体のバンク角に応じ制動力をコントロールするコーナリングABSを搭載することで、コーナリング時の安全性能も向上した。
カラーリングは「グランプリレッド」のみの設定。車両価格は1,570,000円(税別)と、6速マニュアルミッション仕様の標準タイプより100,000円(税抜)高い。

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解説記事更新日：2021年08月15日

「CRF1100L アフリカツイン DCT」は、MT車のベースグレード「CRF1100L アフリカツイン」にDual Clutch Transmissionを搭載したオートマタイプで、MT車から10万円高の157万円(税抜)で発売された。
オートマタイプのDCTにもMT車同様にグレードが設定されている。
・上位グレードAdventure Sportsが174万円(税抜)
・最上位グレードAdventure Sports ESが187万円(税抜)
7,200回転で102馬力を発生するエンジンは全仕様共通であるが、Dual Clutch Transmissionと車両重量を除くとグレード別に以下の違いが存在する。
「Adventure Sports」タイプは、スタンダードモデルの燃料タンクを18Lから24Lへ大容量化し、角度と高さを5段階で調整できるスクリーンを追加している。スクリーンが装着されることによって全高はスタンダードモデルの1,355mmから1,520mmになっている。なお、スクリーンを最も高い位置に設定した際の全高は1,580mmになる。これらの追加装備によって、長距離ツーリングの快適性や利便性が向上している。
さらに安全面の追加装備として、車体のバンク角に応じ照射範囲が3段階で自動に切り替わるコーナーリングライトも搭載されている。他にもアドベンチャー仕様ならではの充実した装備が追加されている
これらの違いに加えて「Adventure Sports ES」モデルはフロントとリアにSHOWA製の電子制御サスペンションEERAを採用している。EERAは、サスストロークスピードと走行状況に合わせて瞬時にサスペンションの減衰力を最適な値に調整する機能を持っている。
カラーラインアップは、「Adventure Sports」専用のパールグレアホワイトに加えて、「ES」モデル専用のダークネスブラックメタリックも選択可能だ。
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解説記事更新日：2022年04月29日

アフリカツインシリーズの最新モデルとして2020年に登場した「CRF1100L アフリカツイン」は、2022年モデルで最初のマイナーチェンジを実施。従来モデルでは、スタンダード仕様、「Adventure Sports」、「Adventure Sports ES」の3グレード構成でそれぞれに6速MTタイプとDCTタイプが設定されていたが、今回の仕様変更を機にスタンダードグレードと「Adventure Sports ES」の2グレード構成に絞り込まれた。
マイナーチェンジの主な目的は時を追うごとに厳しさを増している環境規制に対応することだった。
搭載されるSOHC4バルブ水冷4ストローク直列2気筒エンジンは令和2年排ガス規制に適合。最高出力は、7,500回転102馬力というスペックから変わっていない。さらにFIセッティングの最適化が施されたことで、街中ユースや悪路走行時に多用する低回転域での操作フィーリングが向上している。また、本モデルDCT仕様は変速タイミングの熟成が図られていることから扱いやすく力強い出力特性へと変化している。
また、実用装備面ではアンドロイド端末とバイク用Bluetoothヘッドセットを用意すれば接続できるAndroid Autoを採用した。
グレード別の装備面のアップデートとしてはスタンダード仕様の「CRF1100L アフリカツイン DCT」にはリアキャリアを標準装備。電子制御サスペンション仕様の「Adventure Sports ES DCT」は、フロントスクリーンの形状変更で防風効果が向上している。なお、いずれのグレードにもサスストロークを延長してオフロードでの走行性能を高めた受注生産の「s」タイプが用意されている。
カラーリングは、スタンダード仕様が「グランプリレッド」の1カラーで159万円(税別)で展開。従来モデルから2万円の値上げとなった。
「Adventure Sports ES DCT」は、「パールグレアホワイト」の1カラーで価格は187万円(税別)で据え置き価格だった。

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解説記事更新日：2022年04月30日

AT限定の大型2輪免許で乗れる本格的アドベンチャーとして国内モデルとしては独自路線で個性を発揮する「CRF1100L アフリカツイン DCT <s> / Adoventure Sports ES」だが、2024年ではエンジンのポテンシャルアップを含む型式変更を伴うマイナーチェンジが行われた。適用されたアップデート内容は以下の通り。

・エンジン仕様変更
・DCT制御プログラム変更
・チューブレスタイヤ採用&ホイール変更
・5段階調整式スクリーン採用
・19インチフロントタイヤ採用(Adventure Sports ES)
・バイオエンジニアリングプラスチック製フロントスクリーン
・グラフィックチェンジ

そのスタイリングから明らかなように本モデルは、オンロードからオフロードまでマルチな走行シーンで優れた走行性能を発揮する。またトランスミッションにクラッチ操作不要のDCTを採用することで、ストップ&ゴーの多い日本の日常シーンでも扱いやすいという特徴がある。
2024年式ではエンジンの圧縮比アップやバルブタイミングの変更といった吸排気系統の最適化が施された。その結果、最高出力は7,500回転102馬力というスペックから変わらないが、最大トルクに関しては6,250回転105Nmから5,500回転112Nmまで向上している。
そしてフロントスクリーンの素材には環境に配慮したバイオエンジニアリングプラスチックの「DURABIO」を採用した。この素材を2輪モデルがフロントスクリーンに使用するのは本モデルが世界初となる。
また電子制御サスペンションや大容量タンクを標準装備する豪華グレードの「Adoventure Soports ES」は、フロントタイヤが従来の21インチから19インチに小径化されて重心を下げることでコントロール性が良くなった。

ライバルモデルとしては、スズキの「Vストローム 1050 DE」が比較対象になるだろう。DCTモデルの設定は無いが、シフトアップ&ダウンに対応するクイックシフターが標準装備。エンジンは、1,036ccのDOHC4バルブ水冷L型ツイン。最高出力は8,500回転106馬力で、最大トルクは6,000回転99Nmというスペック。重量は252kgで本モデルより10kg重かった。

なお各部のアップデートで性能アップを実現した2024年式の「CRF1100L アフリカツイン DCT <s>」は、「グランプリレッド」の1カラーで174.9万円(税込)。
「CRF1100L アフリカツイン DCT<s> Adventure Sports ES」は、「パールグレアホワイト」を設定して、価格は205.7万円(税込)で販売された。

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解説記事更新日：2024年03月04日